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人間に向いてない



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【この小説が収録されている参考書籍】
人間に向いてない
人間に向いてない (講談社文庫)

人間に向いてないの評価: 4.28/5点 レビュー 53件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.28pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(3pt)

SFっぽい話だが社会派なところもある

最初は思わぬ展開でどのような物語が展開されているかが気になった。
引きこもりの息子をもつ家族をテーマにしたお話で、特に親の気持ちにフォーカスした心情描写が描かれていた。
親の期待感とそれを受け止める子供のとらえ方にはギャップがあり、当たり前だが期待しすぎると子供に負担がかかる。
途中で出てくるみずたまの会は結構物語に絡んでおり、もう少しダークな驚く展開を期待していたが、意外とあっさりしていた印象。
人間に向いてないAmazon書評・レビュー:人間に向いてないより
4065117585
No.4:
(3pt)

前半と設定は面白い

人間失格を平叙文化したようなタイトルに興味を持ち手に取った。引きこもりが虫になっちゃう設定やその生態描写、アメリカのAAAみたいな家族会でのエピソードなんかはすごく面白かったのだけど、最後はこの奇妙な設定を活かしきれない凡庸な家族愛で終わってしまって、そこが残念だった。自分に子供でもいたらまた感じ方は異なって、何があっても子供!家族!感涙!みたいになったのかもしれないが・・・
人間に向いてないAmazon書評・レビュー:人間に向いてないより
4065117585
No.3:
(3pt)

「変身」風の出だしで家族小説を執筆するというアイデアが光る佳作

カフカ「変身」のザムザの如く、"引きこもり"やニートの青年を中心に"異形の者"が日本中に現れるという設定の物語。この異形化は「異形性変異症候群」と病気扱いされ、この病によって人権を失う危険性がある等、死刑を宣告されたのと等しい。「変身」と異なるのは本作が「異形性変異症候群」(変異者)の息子を持った家族小説である点である。

まず、両親の態度が全く異なる。父親はアッサリと息子の優一の死亡届を出すのに対し、母親の美晴は変わり果てた優一を尚も溺愛する。従来通り、食事を中心とする世話を熱心に焼くし、頑迷な夫の反対を押し切って「みずたまの会」という変異者「家族の会」にも参加する。そして、美晴と同期入会して美晴と仲良くなる女性の津森は「みずたまの会」は怪しいと言う(実は正しい指摘で、アチコチでその陰惨な実態が描かれる)が、その津森も変異者の娘の事故死をキッカケに会を辞めてしまう。美晴の義母も優一を「始末しろ」とゴリ押しする嫁姑問題も描かれる。そして何と、夫は感染症の疑いがあるからと優一を山に遺棄したと言う。当然、美雪は山を捜索するが、その際、「『人並み』とは何か」、「自分は本当に優一の事を考えた事があったのか」と自省するが、山での捜索は困難を極める。そこへ、優一が子供の頃に可愛がっていた犬(の化身?)が現れ、美雪を優一の元へと導く。そこで、美雪は「事実をありのままに受け止める」という悟りを開くという大団円。「みずたまの会」を政府の監視機関とすれば社会小説としても通用したろう。

更なる大団円として、優一が「自身の選択次第で現実は幾らでも変容する」という前向きな姿勢を持つ事で変異者から「生還者」へと文字通り生還するというオチが付く。「異形性変異症候群」という設定の割には後の展開に起伏が足りないとは思ったが、「変身」風の出だしで家族小説を執筆するというアイデアが光る佳作だと思った。
人間に向いてないAmazon書評・レビュー:人間に向いてないより
4065117585
No.2:
(3pt)

家族物語

ある日、人間が人間じゃないものに突然変異してしまう奇病が社会に蔓延する。主婦美晴の一人息子も優一も、虫のようなものに変異してしまい、そこからの母親としての孤独な葛藤を描いた物語。非現実的な設定を通じ、親子関係や子供の育て方について、見つめ直したり考えさせられます。

エンターテインメント小説としてのストーリーはオーソドックス。平易で簡潔に美晴の心情も綴られ、必ずしもその必要はありませんが、意外な展開もありません。題材としてはパニック小説の要素は十分に含んでおりますが、そこにフォーカスがあてられている訳ではないため、その点を期待した読者には物足りないと思います。
人間に向いてないAmazon書評・レビュー:人間に向いてないより
4065117585
No.1:
(3pt)

良くも悪くも今風。(ネタバレ含む

カフカの「変身」の、身内視線版か!そっちのが絶対面白いよな!と思ってゲット。
初めは文句なく面白いし、脇のキャラクターと脇の話は凄く面白いんですが、メインの話が良くも悪くも「今風」でした。
以下ネタバレ含みますので要注意。
主人公は、一人息子が変異してしまった母、美晴。
特に行動力もない、特異な点もない平凡な母親で、描かれているのはほとんど「戸惑い」。
同じ悩みを持つ人間同士「みずたまの会」で寄り添おうともするが上手くいかない。
じりじりと悩む中で、どうすべきかを掴み取っていく――と言う、異形シチュエーションの中での真っ当な人間ドラマ。
美晴の思想や価値観や常識が、自然クローズアップされる訳で、その思想が非常に現代っ子でした。
カッ飛んだホラー展開を望む人にはむかないかも。地道には面白いです。
人間に向いてないAmazon書評・レビュー:人間に向いてないより
4065117585

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