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窓の魚
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窓の魚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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ゆらゆらと漂い、所在無く存在する、掴み所の無い二組の男女の温泉旅行。お互いを大切に思っているのかいないのか。好きなのに苛立ったり、一緒にいるのに寂しかったり。そんな複雑な想いが伝わってきます。そしてそこで起こる事件。はっきりした終わりではなく、最後まで薄暗く、ほの悲しくなるような、そんな気持ちのまま。水槽の中でゆらゆら揺れる魚が思い浮かびました。 | ||||
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いつもとは作風が違いました。まずは関西弁じゃない。 登場人物の主観が章ごとにころころと変わることによって生まれる、思想の違い、感じ方の違い、孤独感・・・。 雰囲気が怖いです。孤独な暗い感情にのまれそうで、こういう雰囲気の小説は私は好きではないです。 でもやっぱりうまい。引き込み方とか! これが登場人物の視点だけだと物足りないけれど、登場人物とは別の第三者(とはいえ、関係者)の視点を入れることで先が読みたくなる。 この方は多才ですね。 もしもあなたが、誰かを馬鹿にしていたとします。 「私より不細工だわ。」 「私より仕事が出来ないじゃない。」 「あんな良い男つかまえて、どんな手口を使ったんだろう。」 ね?どこかにあるでしょう?そんな暗い感情。 誰も自分を分かってくれない。私だけが!私だけが!こんなに苦しい。 ね?自分が可愛くて、可哀そうで、そんなふうに人を馬鹿にしたことあるよね? じゃあ、その人にあなたはどう思われているんでしょうね(笑) 人を否定することは、自分を否定していることかもしれないよ。 私はそんなイメージを受けました。怖かったです。 | ||||
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これまでの著者の作品は、少々ドタバタとした感があって、読み進むのが楽しかった。 特に、人気作「さくら」の喧噪感は、読者をわくわくとさせてくれたし、 「通天閣」では、独特の奇妙な世界が、面白かった。 本作品は、二組のカップルが温泉旅行をするという、単純な筋書きながら、 わくわくとするどころか、読み進むのが怖い。 それぞれの登場人物の、どうしようもない孤独感が、しっとりと描かれている。 その描写は、精緻かつ蜻蛉の様でもある。 最初の章「ナツ」の最終部分で、一つの事件が提示される。 その当事者が誰なのか?、先を急いで読みたくはなく、ゆっくりと読んでいると、 それぞれの人物の寂寥感に、深く接する事になってゆく。 本作品には、これまでの著者のものには、あまり見られなかった、純文学テイストさへ感じる。 じっくりと味わって読みたいし、著者の新しい方向性を示す作品として、注目したい。 | ||||
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あまりよくなかった。 だからどうしたって感じです…。 もっと黒白はっきりさせて ほしかったです。 ストレス解消に読んだ本でしたがあまり解消にならずむしろ蓄積されました。 頭や想像力を使いたい人ならいいのでは…。 | ||||
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これまでのイメージとは異なりしっとりと、ひっそりとした西加奈子の新境地です。 一緒に温泉に来たというのに誰一人、心から楽しんでいる者はなく、 お互いのパートナーとさえ心はバラバラ、違う方向を見ている。 楽しいはずの時間なのに、孤独で秘密に満ちている。 誰かとつながりたい、でも自分を孤独にしている薄暗い部分がそれを許さない・・・。 翌日、宿で発覚した事件が微妙に絡まり、 はたして彼らはそれに関係しているのかどうか明確な答えがない分、 読者の想像を激しく刺激します。 救いはないけど、ユラユラと漂うような孤独と葛藤が妙に心地よい不思議な作品でした。 | ||||
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4人の男女。 それぞれが恋人同士、といってもいい関係。 1泊の温泉旅行。 その一晩の出来事をそれぞれの視点から眺める。 そこで分かるものは・・・ お互いが 一緒だと思いながら 実はお互いがそれぞれのことを分かっていない、 一緒にいながら 実は一人ぼっちだという事実。 何だか淋しい関係を見せ付けられたような、そんな気分。 そして彼らの物語の中に挟まれるある事件の話し。 一見繋がりのないような話だけれど、 実はそれぞれが微妙に絡んでいたりする。 その事件の顛末は明らかにされないのが 不満であるのと同時に不思議な余韻を醸し出し、 それでいて読む者が 勝手に解釈できる余裕というものを作り出している。 4人の行く末が何だか明るくないような、そんな気がする。 西さんの作品で関西弁を使ってない作品を久しぶりに読んだ。 これはこれでまたいい感じでした。 | ||||
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二組のカップルの一夜がそれぞれの立場で描かれている。同時進行で同じ出来事を共有するのに、心のうちは別々。 他人が見てなぞる表面にはぼんやりとした影があるだけで、自分だけが知り、感じている裏側は生々しく切実だ。自分の歪んだ部分は、人に見せられないのに何より自分を支配していて苦しい。そんな感じ、とくにアキオの章を読んで吉田修一の『パレード』を思い出した。 翌日起こった出来事の挿話も、実はそれぞれと奇妙に絡まって物語に引き込んでいく。後に引っ掛って残るような、今までの西加奈子の本とは違う読後感。 | ||||
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