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窓の魚
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窓の魚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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寝不足な中、読んだので、途中からボ~ッとしてた。 この作家の本を読むなら、「サラバ」「円卓」「漁港の肉子ちゃん」がお勧めです。 さて、この本について、あいかわらず心理描写がたくみだなぁ。登場人物一人ひとり、まったく違う過去を曳きずりながら生きている。はじめは仲良し4人組の、温泉旅行のはじまし、はじまり。しだいに心の闇といったらいいのか、本当に恋人同士なの?ハルナなど、一番見た目も性格も可愛い、と思いきや違う。なんか怖い女。 一番の善人は、たまたま一緒に泊まった老夫婦。 サスペンスものじゃないんだろうけど、誰が犯人なのか、自殺なわけないよね。 | ||||
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西加奈子の『窓の魚』と芥川龍之介の『藪の中』 登場人物が同じ対象について、バラバラの解釈を語っていく。 不審死もある。 影響を色濃く受けていると感じたのは私だけではないですよね。 スッキリしない感じでフィニッシュですが、描写は綺麗です。 | ||||
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西加奈子氏には不思議な魅力があります。特にその言葉遣いには時にハッとさせられます。この物語も、大きな起伏はないのですが、本当に言葉が美しい。 これまでいくつかの作品を読んできましたが、私が読んだ中ではかなりの確率でバリバリの関西弁を喋るおばちゃんがでてきて、ガナるような場面がありました。例えばきいろいぞうとか。 残念ながら今回は、関西弁をガナる人が出てきませんでした。私の西さん歴のなかでは初で笑 以下、ネタバレを避けるため、いくつか簡単にポイントだけ書かせて頂きます。 先ず読むうちに感じたのは、登場人物が余りにも通じ合っていないということ。良かれと思ってやっていることが嫌味に映ったり、意図したことが相手に通じ合っていないと感じました。物語を読んでいて自分の色弱を思い出しました。私は色弱なのですが、赤とか緑とかが良く識別できません。私が見ている赤は妻が見ている赤とは違う色調なのですが、『綺麗な赤だねー』というと齟齬なく会話ができてしまう。でも私が見ている赤と妻が見ている赤はきっと違う色調なのでしょうし、そもそも私という主観は他の主観と分かり合えるのかすら危うく思えてきてしまいます。そういう意味ではドイツ現象学的文脈でも味わうことができるでしょう(済みません、無視してください)。 堅苦しい話になりました。さて、その他本作で気になったのは、4人の語りのうち、トウヤマの章です。夫々個性が違うので語り口が四者四様なのですが、トウヤマの語りはしばしばハッとされられます。場末のバーテンダーという設定ですが、おいおい国語力高過ぎじゃないか!?と思わせるほど情景描写が素敵です。特になまめかしい祖母の着物姿の描写は、さてはトウヤマはめちゃくちゃボンボンで相当な教育を受けたのかと裏読みしかねないくらいです。 その他、作風は多分に退廃的・倒錯的な雰囲気に満ちています。と言うか、四人とも(そして幾つかある挿話も含め)皆が世の中の”普通”から結構ズレているように感じました。或いは作者はこのようなズレ感のある人物を通じて、普通なんてものは幻想だ、と言いたかったのかもしれません。 まとめますと、ストライクゾーンの狭めの作品です笑 物語の起伏を楽しむのではなく言葉の美しさを味わうという観点からはおすすめできます。暇つぶしに読むときっと眠くなってしまうのでお勧めしづらいです。その他、モチーフとしては美容整形、母と子の絆、女性からみた性、主観と間主観性、こういったワードに興味がある方にはおすすめできると思います。 | ||||
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二組のカップルの温泉旅行。一見仲睦まじい彼らのひと時が描かれた作品だ。 四人のそれぞれの心のうちが、登場人物の視点から章をわけて語られる。それぞれが、パートナーへも明らかにしていない深刻な心のうち。互いの愛情すら定かではないのだが、振る舞いのひとつひとつに小さな毒がばらまかれ、全体として毒々しい感情が溢れ出してくる。 無味乾燥な関係性が、そこはかとなく文学的に表現されおり、底冷えを覚えさせるのに成功しているのだろう。ひとつの出来事が複数の視点から繰り返し描かれるのは、時として退屈を感じてしまうが、本作品は頁数としてはちょうど良いのだろうね。 | ||||
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ゆらゆらと漂い、所在無く存在する、掴み所の無い二組の男女の温泉旅行。お互いを大切に思っているのかいないのか。好きなのに苛立ったり、一緒にいるのに寂しかったり。そんな複雑な想いが伝わってきます。そしてそこで起こる事件。はっきりした終わりではなく、最後まで薄暗く、ほの悲しくなるような、そんな気持ちのまま。水槽の中でゆらゆら揺れる魚が思い浮かびました。 | ||||
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いつもとは作風が違いました。まずは関西弁じゃない。 登場人物の主観が章ごとにころころと変わることによって生まれる、思想の違い、感じ方の違い、孤独感・・・。 雰囲気が怖いです。孤独な暗い感情にのまれそうで、こういう雰囲気の小説は私は好きではないです。 でもやっぱりうまい。引き込み方とか! これが登場人物の視点だけだと物足りないけれど、登場人物とは別の第三者(とはいえ、関係者)の視点を入れることで先が読みたくなる。 この方は多才ですね。 もしもあなたが、誰かを馬鹿にしていたとします。 「私より不細工だわ。」 「私より仕事が出来ないじゃない。」 「あんな良い男つかまえて、どんな手口を使ったんだろう。」 ね?どこかにあるでしょう?そんな暗い感情。 誰も自分を分かってくれない。私だけが!私だけが!こんなに苦しい。 ね?自分が可愛くて、可哀そうで、そんなふうに人を馬鹿にしたことあるよね? じゃあ、その人にあなたはどう思われているんでしょうね(笑) 人を否定することは、自分を否定していることかもしれないよ。 私はそんなイメージを受けました。怖かったです。 | ||||
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これまでのイメージとは異なりしっとりと、ひっそりとした西加奈子の新境地です。 一緒に温泉に来たというのに誰一人、心から楽しんでいる者はなく、 お互いのパートナーとさえ心はバラバラ、違う方向を見ている。 楽しいはずの時間なのに、孤独で秘密に満ちている。 誰かとつながりたい、でも自分を孤独にしている薄暗い部分がそれを許さない・・・。 翌日、宿で発覚した事件が微妙に絡まり、 はたして彼らはそれに関係しているのかどうか明確な答えがない分、 読者の想像を激しく刺激します。 救いはないけど、ユラユラと漂うような孤独と葛藤が妙に心地よい不思議な作品でした。 | ||||
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