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蹴りたい背中



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【この小説が収録されている参考書籍】
蹴りたい背中
蹴りたい背中 (河出文庫)

蹴りたい背中の評価: 3.63/5点 レビュー 175件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.63pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全112件 101~112 6/6ページ
No.12:
(4pt)

読み直してみると

話題になった当時読んだ時は
「これで終わり!?」と思いましたが、
その間色々と小説を読み、今改めて読み直すと
「やっぱり細かいところが上手いな〜」と思いました。
ドラマチックなエンタメ小説を期待しないで
新世代の純文学を読んでみる気持ちで手に取れば
芥川賞も納得できると思います。
蹴りたい背中Amazon書評・レビュー:蹴りたい背中より
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No.11:
(4pt)

新鮮な表現の数々

「余り者も嫌だけど、グループはもっと嫌だ」というハツが、同じようにクラスで浮いている、ファッションモデルに夢中のにな川に魅かれていくお話。
少々変わった設定とは言え、他愛のない初恋物語をきらめかせているのは著者の表現が新鮮だからだ。「醤油を瓶ごと頭にこぼしてしまったかのような重く長すぎる前髪」「ミッキーの顔の部分のパーツがない」ジグソーパズル、「濃縮100%の汗」などなど、読んでいてはっとさせられる。
シチュエーションとその意味するものの関係も印象的だ。オリチャンとハツが出会う場面は「この人たちの仲間になれるかもしれない」と思い、もののけ姫でなくなってしまったと気づかされた場面。
そしてラスト。にな川の背中に足指を押し付けるハツの「はく息が震えた。」は白眉である。
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No.10:
(5pt)

(T-T)(TT)(T-T)私にはこういう文章が書けない!

とても素直で、今までの本のように格好を付けていないです 半分本じゃなくて映画みたいな心地で読めた。 自分のこころを力を出し切って作者自身が学生だったときの思い出を写そう!と努めたと思えます。 前作のインストールは自分が体験しているように読めなかったが、作者が本当に書きたいように、書いたので、まるでそこにあるみたいに書けたのだなアと感じる。 この人は自分の書きたい繊細さを表す方法を知ってる方なんだって思う。 この本を読んだのは、結構まえになるが主人公が外国人にコーン・フレークを分けてもらうシーンがとても可哀想だったし、行間からにじみ出る苦しみそのものが氷の表面の白さみたいだ。 どこを読んでも気持ちが染み込む書きぶりをされている。まるで本というジャンルに出来ないだろう。これは前人未踏のものすごく偉大な、本だ!!
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No.9:
(4pt)

表現が多彩

表現が多彩で、ひとつのことをいろんな表現の仕方で表現できることが素晴らしいと思いました!あのような表現ができるからこそ、読者はその情景を容易に想像することができると思いました。
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No.8:
(4pt)

ところどころ好き、でもちょっぴり安心した。

女性作家の書くヤングアダルト向け小説、例えば佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」「サマータイム」、あさのあつこの「バッテリー」を読むといつも登場人物が大人びていて(そうしなくては小説にならないとはウスウス気づいていますが)、あー、俺はなんと心身とも発育不全だったのかと恥ずかしく感じていました。
でも、今回の綿谷さんの小説をよんで、高一ってやっぱりこのくらいだよな、そういう意味では瀬尾まいこの「温室デイズ」(舞台は中学だけど)とそう変わらないな、などと自分を納得させ、慰めたりして・・トホホ。
主人公の長谷川初美は、高校に入って、あえて周りに合わせず、群れることやめ、でもどこかつまんないし居所が無いと感じている。もう1人群れず人の輪に入らないのが蜷川智、こちらはカッコのいいモデルに夢中で、他は眼中に無く、初枝よりもっともっと世間一般の平均からずれている・・・一つ間違うと引きこもりしそうなタイプ。
初美は少しは蜷川を意識するが、蜷川は全然。そんな蜷川になんとも複雑な感情、背中を蹴りたい・・・をもつ。
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No.7:
(4pt)

!

作り笑いする人とか、ただひとりになるのが嫌だから無理矢理合わせてる人たちのずるさへの嫌悪感や、それでも感じる疎外感は純文学のテーマっぽい。良く言えば自分に素直、悪く言えば自己中。でもどこか経験のある歯がゆい感情を、絶妙な若者言葉で表しているのがすごい。
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No.6:
(5pt)

若いのに老獪

ハツの一人称小説である。
ハツは高1の女子で、クラスでどこのグループにも入れずに孤立している。
中学からの女友達の絹代がまだハツを完全に見捨てないでいるから、
完全無視されるところまではいっていないが、誰とも口を利かずに一日が終わることが多い。
ハツはどこかのグループに入りたいと思っているわけではない。
社交辞令の権化みたいな付き合いは中学の時でもう沢山、こうやってクラスで孤立していると息が詰まるが、それでもかまわないと思う。

ハツが気を引かれている存在がひとりだけいて、それは にな川である。
蜷川と書くのだろうが、ハツは「にな川」として認識している。

ストーリー自体は田舎の高校生の日常をもとにしているから、これといった事件もないのだが、
学校というウツワの中でやっていかなくてはならない高校生の苦労がにじみ出ていて老獪な小説なのである。
会社員のほうがよほど楽だわね、賃金で割りきれるし。
そう、ハツは笑わない。 臍に力を込めて笑わないようにしているという描写があった。

にな川とハツは笑わないのだ。 絹代だけがさざめくように笑う。
どちらも生き延びるための手段に過ぎない。
いや、にな川は特に意識していないかもしれないが、ハツはそうである。
ハツは、にな川の背中を蹴った。 なんだか蹴りたかったから。
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No.5:
(4pt)

迸る才能

文庫化されたら絶対に買おうと思っていた作品。
ついに文庫化されました。買いました。

127万部も売れたらしい。

著者の彼女は俺の一個上で、同じ大学。
そういう意味でも注目していた作家の芥川賞受賞作品。ワクワクしながら読み始めたが、なかなか良かった。どうやら彼女には才能があるようだ。
今作はその才能が迸っている。

その出だし。

「さびしさは鳴る。」

良い。

斉藤美奈子がなかなかの解説を書いていた。

この小説の主人公二人の「痛い高校生」は青春小説世界そのものを「蹴る」ことにすら成功していると。
そして青春とは潔癖であり、読者の共感すらも拒絶するほど潔癖であると。

そういう意味でこの小説は新しい青春小説であり、革命とも言えるのではないか。
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No.4:
(5pt)

二回読んだら違うかも…

僕はハタチで読書量も千〜二千冊、しかも環境問題、国際関係や経済関係がほとんどで文学作品はそれに比べてかなり読んだ量は少ないと思います。ここで批判されている方は僕なんか相手にならないほどの読書経験をお持ちで、小説も色んな名作を読まれているだろう。だからこの意見はそういう方には理解しがたいかもしれない。
僕の意見は一回目読んで読み安く共感できる部分も多かったが、ちょっと読んだ後あっさりしすぎていたので、レビューを見てみると案の定『内容が薄い』という意見がかなりあった。しかし批判だけをそのまま取り入れる事は何においても好きではないのでもぅ一回最初から流し読みしてみた。すると文章全体のハツのにな川に対する気持ちや絹代に対する気持ちが最後のライヴやにな川の家での気持ちとかなりリンクしていたり、同じ表現や似た表現がうまくちりばめられている所に気付くようになった。そして一つの文学として19歳でここまで書けて、綿矢さんの素晴らしさが実感できた。もしかすると読書経験が豊富な人は読んでいる中で他の文章と比べたり経験の自負から自分の主観が入ったりして純粋に著者の気持ちを見落としたり、ちょっと見下す感じで読んでイイ所があってもイイと思わなかったり、豊富な知識が逆にほんの少しでも見えなくしていたりはしていないだろうか?読書経験の多い人は本当に尊敬しています。もっと素晴らしい本に出会っていれば若い綿矢さんの文章にクレームを付ける気持ちもわかりますが、もぅ一回読んで見てはいかがでしょうか?もしかしたら意見が変わるかもしれませんし、やっぱり自分には合わないという意見があっても当然だと思います。まだまだ読書経験の浅い者の意見ですが参考にしていただけると嬉しいです。
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No.3:
(4pt)

まだ読んでいないのなら、読もう。

今更とやかく言うまでもない話題作が文庫になりました。
個人的には非常に素晴らしい一作だったと思うし、同時受賞の金原と比べても綿矢の方が抜きん出た才能を感じさせました。
作品に関しては女子高生の等身大の姿が上手く描かれており、またそれだけで終わらせない巧みさがありました。が、最終的に恋愛青春小説のような雰囲気になってしまったのが残念です。
私としては、もっとひねくれた小説でよかったと思うのです。そこは評価の分かれるところではあるでしょう。
一読の価値はあります。が、星5つとは言い切れない作品なのは間違いないです。
まだ読んでいない方は、それをご諒解の上とりあえず読んでください。
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No.2:
(5pt)

ひたすらに読んでみれば

クラスで孤立している人がどのような形で(意識面、行動面とも)しのいでいるかはそれぞれだろう。本作の主人公・ハツが選んだ(選ばざるを得なかった)その形について、いい悪い、好き嫌いなどを云々せず、ただひたすら彼女の心情に寄り添うことに徹して読んでみれば、たいそう胸の痛くなる小説だった。

そんな学校生活の中で、ハツが興味をもった一人の男子・にな川。彼もまた孤立しているのだが、熱狂的ファンである「オリチャン」が心を占有しているため、孤立の事実にすら無頓着に見える。

そんなにな川に対し、ハツが抱いた名づけがたい感情を、一見子どもじみた、しかしどのようにも受け取れるふくらみをもつ「蹴りたい」という衝動で表現した手際。実際に蹴るシーンの熱っぽくて濃い独特の空気は、なかなかのものと思う。

目に見えて何が変わるでもないラストは、好みが分かれたことだろう。ハツのクラスでの状況がよくなる見通しは全くなく、にな川も同様。二人の間柄も「蹴る―蹴られる」関係のままである。

彼らのそれからが気がかりで、しばらく尾を引いた・・・どんなふうにであれ、登場人物が長く読者の心に居座り続けるというのも、魅力的な小説の要件のひとつではなかろうか。
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No.1:
(5pt)

小説を読む愉しさ

文字を読む楽しさが、ぎっしりと詰まった作品だと思います。
物語の展開に魅力を感じた読者は少ないかもしれませんが、
この作品がここまで支持され、売れたのはやはり綿矢さんの技量だと思います☆
一文、一文が素晴らしい☆
文字を読むのが愉しい☆
そんな印象を持ちました☆
同時に、小説の技巧について勉強したい作家志望の方にとって
「勉強」になる一冊にピッタリ!――ではないでしょうか。
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