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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.61pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全79件 41~60 3/4ページ
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何が言いたいんだ、この作品は。 という感想が多いようだ。 判る。何かを訴えようとする作品を求める人にとって、この小説は苦痛でしかないだろう。 何せ、この作品は何も語ろうとはしていないから。 読者に意味のあることを訴えたいわけではないから。 『インストール』は一人の不登校になった女子高生の物語。『you can keep it』は一人の男子大学生の物語。 二人共、どこにでもいそうな、どこにでもいる普通の人だ。 普通の人の普通の生活が突拍子のないドラマがあるわけでもなく始まって終わる。 「え。ここで終わり…かぁ」 というような読後感。 なぜなら、どちらの小説も、主人公が大切な人と決裂したたまま終わるからだ。 例えば『インストール』では母と和解する前に終わるし、『you can keep it』では好きな彼女を怒らせて終わる。 では、起承転結のないダラダラした何もない小説なのかというと、それは全く違う。 どちらの小説でも、主人公の中では大きな心の変化、心の起承転結がある。 はたから見ていると何もおこってないじゃないか、何が言いたいんだ、というような出来事。 それを丁寧に丹念に描いている。 すっきりしてユニークのある文体も相まって、読み終わった後は非常に気分がよくなる。 この小説には読者に対して何かを訴えたいという欲求はない。 あるのは、ただただ日常の現実感のある描写の積み重ね。 主人公の心の機微。 訴えてるのは、自分の心だ。 で、それこそが文学っていうものだ、と僕は思う。 太宰でも三島でも、みんなそうだ。 ただのオ○ニーって言われればそうかもしれないが、それを、芸術に昇華しているから文学なのだ。 若いからとか美人だからとか、この作家の評価には無関係だ。 文学が判らない人には一生、縁がない作家であることは間違いない。 | ||||
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おそばせながら、、、著者の他の三冊を読んだあとの初インストール。何でこんなにスムーズに言葉運びできてるんだろう、しかも何で破綻がないんだろう、何で何で??17さいでこれ書いたっていうのあまりにすごいでしょう!17じゃなくてもすごいけど、、三回読んでも楽しかった。著者の小説のなかでも一番好き。 | ||||
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高橋源一郎さんが絶賛していたので、いまさらですが、読んでみました。 とても読みやすい文章で、一時間ほどで読み終えることができました。 描かれている世界は狭く、閉じていて、息苦しさを感じましたが、文体は軽く、楽しく読むことができました。 物語は女子高生と男子小学生が中心ですが、この物語が醸し出している閉塞感は必ずしも若者たちだけのものではなく、案外多くの人たちの間で共有することができるもののように思えました。 つまり、この物語は単に女子高生の心理を描いた作品であるというよりは、時代の空気を描いた作品ではないでしょうか。 高橋源一郎さんが絶賛していた文体に関しての良し悪しはわたしにはよくわかりませんでしたが、閉じた世界を表現しているこの物語の構造に関してはよく考えてあると感じました。 はじめに、多少の不満はあるものの、現状肯定的な主人公のクラスメートたちが作っている閉じた世界から物語は始まります。 主人公はこの淀んだ空気に息苦しさを感じて、学校という閉じた社会から脱出します。 しかし、その結果は不登校というさらに閉じた世界への引きこもりを引き起こします。 ここまででの象徴的な出来事は、主人公が自分の部屋にあるものをすべて廃棄することと、その際に今は亡き祖父に買ってもらったほとんど使うことのなかったパソコンが起動しないという点です。 前者は主人公が現在のもろもろの関係性をリセットするための行為で、後者は主人公の社会関係が上手くいっていないということを象徴的に表現しているように感じました。 つぎに、主人公が捨てたパソコンを小学生の男の子がもらって?帰ります。 偶然小学生と再会した主人公はこの男の子と彼の部屋の押し入れにしまったパソコンを使ってエロチャットのバイトをします。 路に迷った(社会的立場が弱い女性や子供の)登場人物を助ける大人の主人公という形は、たとえば村上春樹さんの作品にしばしば登場しますが、この物語でその働きをするのはもはや大人ではなく小学生の男の子です。 パソコンの配線を正常につなぎ、ソフトをインストールし、使えるようにセットアップするのは小学生ですし、また、エロチャットという仮想社会(じつは実社会と同じ)において社会復帰のための訓練をしてあげるのも小学生です。 押し入れの中というある意味で意味深な場所で(ぜんぜんそんなことないですが)、インストールをされる主人公が描かれます。昼間の間押し入れに閉じこもってチャットをする主人公の姿は、イニシエーションの儀式と見ることもできるかもしれません。 さいごに、こんな生活は長くは続きません。ここにいたって「おとな」の視線が介入します。 主人公がもう一度社会復帰をすることを決心してこの物語は終わります。 一人称の語り、しかもモノローグ、ということでキモチの悪い物語です。 登場人物はみな似た者同士で、対話の可能性は開かれません。 しかし、それでも前向きにいこうという主人公の態度に好感がもてますし、軽やかな文章はウツとした空気を和らげる以上の効果をもたらしています。 全体として二重に閉じた閉塞感とそれに対する軽い文体が面白く調和した物語で、わたしは楽しめましたし、好感がもてました。 | ||||
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と思いました。 蹴りたい背中よりは分かりやすかったし。 エロチャットという世界を持ちつつ、 どこか上品に仕上げられている印象をうけました。 | ||||
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綿矢りさの文章には独特なリズムがある。思わず、マネをしてしまいたくなるけれど、マネする事が出来ないクセになるリズムが。 わたしは純文学と言うものを、あまり良く思ってはいなかったけれどこの作品だけは別。 村上春樹、角田光代なども素晴らしい文章のリズムを持っている。でも、綿矢りさの小説(作品)は彼らとはまた違った独特なリズムを持っている。 彼女の素晴らしい点は、必要最低限の言葉で多くを語っている点だ。必要最低限の人間しか、そもそも小説には登場しないのだ。 彼女が芥川賞を受賞したのは当然の結果だと言えるだろう。そうは思いませんか? あなたも、綿矢りさの偉大なる文章に眼を通すべきだ。それは、初々しい文章が輝く傑作「インストール」から意図的に変えられた文体で書かれている「夢を与える」まで全く変わらない。 | ||||
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「インストール」 不登校になる理由が曖昧なのも、母親が不登校に気づかないのも、少年の母親に追求されないのも、 説明がないところがかえって現代社会が抱える漠としたきしみのようなものを現わしている気がする。 明確な理由はないけど、なんとなく不満、 なんとなくだるい、なんとなくやる気が出ない。 総じてなんとなく不安というのは、現代人の多くが多かれ少なかれ感じている事だと思う。 最後、不思議なアルバイトから自然と撤退していく二人には、そんな不安な社会の中でも前へ進めるんだよというちょっぴりの希望が感じられて、そこがなんとなくいい。 | ||||
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そんなのないよ。私も高校生だけどこんな感じでその場の感覚で動いてるから、共感した | ||||
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著者の作品を読むのは、「蹴りたい背中」に続いて、2作目である。今回は、パソコンが題材となっている物語。高校生が主人公なのは、「蹴りたい背中」と同じで、似たようなテイストであるが、今回も、サラッと読める内容で、それなりに楽しめた。最近(といっても、著者は、1980年代生まれだが)の高校生は、ネットや、携帯の普及で、こんなに進んでいるんだな、という感が強い。 | ||||
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芥川賞作家は純文学を書くべきであるという先入観を捨て、小説の本義とは何かを考えてみたとき、この小説の正当な評価が見える。 若い筆者だからこそより痛切に伝わる現代の若者の抱える懊悩、奇妙でいびつな人間関係が齎すそれぞれの、彼らなりの再生、口語的な文体で描かれるそれらが青臭い真実を映し出す。 面白かった。小説の旨味とはこういうことだと実感した。 孤独感の輪郭がより顕著になった今を独創的な展開で表現し、重圧な内容に陥りがちな主題を総じて軽快に、最後まで爽快さをもって提示している。 言語能力が低下し、過去の文壇のような高い筆致は取り戻しがたい今日、日本文学はこういった平易な文体に伴う難解さ、さらには今までにない娯楽性を必要としている。 これからはこのような作品が我々の人生を豊かにし、暗澹たる現代社会で病んだ我々の精神を充足するのである。 映画はまた違った良さがあった。上戸彩がかわいすぎる。神木隆之介は天才子役だ。 純文学が低迷する傾向にある中で精緻で高度な作品を作るには、多数の共感と読み手を惹きつける何かが重要となる。 | ||||
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『蹴りたい背中』がどーも好かなかったので敬遠していたのですが、友人から借りて読んでみると面白い!!主人公のこころの動きは分かりやすすぎて(文章で書きすぎていて。自分の考えていることを言葉で表すのは難しいはずなのに、いともたやすく自分の気持ちを自分自身の言葉にしすぎている)、展開としてはもう少しひねりがあったらもっと素晴らしい作品になっていたと思う。今後も期待しています。 | ||||
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文学作品というより、叙述と読んだ方が面白いかもしれません。 ネットについての記述は、なるほどと思わせる部分がありました。 文章も難しくないので、ライトノベル感覚で読むと難しくないと思います。 | ||||
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この作品は面白い。小説としては何とも言えないけど、読んでて共感出来るのがいいです。 | ||||
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高校生の書いた体当たりな作品。 大きな賞を得るまえに読みましたが、“純”がいっぱいな作品です。 自分が高校生だったら、ここまで書けるだろうか。 文学賞のあとというのは、どうしても先入観が入るので客観的な評価は難しいですが、私は十分価値ある作品だと思う。 チョット具合の悪い人は読むだけでシャキッとなるかもしれない。 | ||||
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集中して読めば1時間くらいで読めます。 改めて。 僕はやっぱり綿谷りさは天才だと思う。 すげぇって思う。 解説で高橋源一郎が言うように、この作品の重要性は、「言葉が、(日本語が)、ほとんど美しい音楽のように使われている(と感じられる)ことだ。それは、つまり、この小説が「完璧な日本語」で書かれているということ」だ。 そう、まさにその通り。 さすが源ちゃん。 世間的に本作は「オチが無い」だの、「面白くない」だの、「描写が浅い」だの言われていて、映画に至っては最低らしいが、全く持ってどうでも良い。 彼女のつむぐ日本語は美しく、躍動感があり、爽やかで、そしてやっぱり美しい。 | ||||
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綿谷りさ、17才のデビュー作として、「蛇にピアス」と話題になった作品です。個人的に「蛇にピアス」はまったく読めなかったのですが、この作品はうまく書けてるなあといった好印象ばかりが残っています。間違わないようになにかの跡をなぞるような丁寧さがすこし全体をこじんまりとさせている印象もありますが、次作「蹴りたい背中」でこれまた行儀よく成長をして見せてくれているので、これからの楽しみな作家です。 | ||||
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話題になってから後になって購入した私ですが、最初読んだときに引き込まれました。 あっというまに読めて本当に楽しかったです。またこの引き込まれようは久しぶりだったです。 | ||||
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読んだきっかけは、正直不純なことでした。 綿矢りささんが芥川賞作家であることは、もちろん情報として知ってはいました。 ですが購入しようと、レジへ持っていったこととは全くと言っていいほど無関係です。 今だから白状しますが、購入したきっかけは作家が女性で、若くて、写真で見た限り自分の好みであったからです。 でもそれも、もうほとんど関係ありません。受賞時に17歳であったことも僕にとっては関係ありません。 これほど読んでいる間に身震いするほど震え、戦慄した小説があったでしょうか。 なんの基礎知識も先入観も必要ありません。騙されたと思ってとにかく手にとってみてください。 あなたの中にある「何か」がきっと震えます。 | ||||
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作中全編でフル回転する女性特有の心の奥底まで見透かすような観察眼には、背筋が寒くなる思いがする。 言葉にし難い繊細な心情、だれも語りたがらないがだれもが抱える青春時代の暗部をよくここまで文章化できたものだ。 不器用な自分を必死で変わり者を演じることで正当化しようとする主人公は、同世代のやや斜に構えた読み手、つまりブンガクの主要マーケットには非常に好感とともに受け入れられるだろう。加えて、主人公の相棒となる小学生はショタコン腐女子の股間を直撃する人物造形。 このへんの商業的あざとさをわきまえているあたりもいい意味で狡猾で、商業作家の資質は充分だと言える。 成長劇としては安易でご都合主義な作りで確かに物足りなさはあるが、細部に見せる老獪な巧さは末恐ろしいものを感じる。 この瑞々しい観察眼を今後も持ち続けていられるのか、この感性が一過性のものであるのか否か、その危うさも含めて今後が楽しみな作家であると言える。 17歳にしてはよくできた作品というよりは、17歳だからこそ書けた作品というべきだろう。 | ||||
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綿矢りさ氏による文藝賞受賞作。 不登校となった女子高生と小学生の少年の交流を主軸に描く。 「若くてきれいで芥川賞を史上最年少で受賞した作家」 「この年の女の子が書いた小説にしては」 本作を読む間は極力そういった先入観や数多の風評を排除することに努めた。 (そもそも私にしてみれば書き手の人となりなどどうでもよい) だが、そんな努力は不要だったようだ。 30代男性の私にはもちろん今時の女子高生の心理など到底計り知ることなど出来ない。 もちろん小学生の男の子の心理についても然り。 それなのに朝子とかずよしの、その年の二人にしてはややスリリングであろう行動から目が離せなかった。 悪くない。それどころか引き込まれた。 ラストも光を残してその先を照らすようでとても爽やか。 これから綿矢りさ氏の他の作品も読もうと思う。 | ||||
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『インストール』のDVDをレンタルしたので、観る前に原作を読んでおこうと思い、購入しました。 高校生が書いた作品としては、素晴らしい出来だと思います。 | ||||
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