■スポンサードリンク
ヒトラーの試写室
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ヒトラーの試写室の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第二次世界大戦中の物語なのに、平成時代の造語の「真逆」が出てくる。この物語の時代なら、「真逆」は「まっさかさま」と読む。 「頑張る」という、昭和十九年のサトウハチローの造語が出てくるのもNGだろう。 他の作品だが、「無下」とすべきが、すべて「無碍」となっていた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ここ最近、主に明治維新以降第二次世界大戦辺りまでの人知れず活躍、または偉大な業績を残した日本人に関するノンフィクションや “史実に基づいた”フィクション作品を結構読んできたが、偶然にも本書はその一つで、正規職員でも無いイチ雑用係にも等しい日本人青年が、戦中ナチスドイツの招きにより渡独してナチスのプロパガンダ映画の制作に、特殊技術スタッフとして関わった物語だ。 当時、政治家や軍人以外で黄金党員名誉バッジを授与された日本人はどれだけいたのだろう?ある程度居たとしても、恐らく本作の主人公はその中でも最も無名な人物であろう。 その様な人物にスポットを当てた松岡氏。非常に面白いエピソードを読ませて貰えたと感じた。 評価が低いのは、物語が余りにも淡々と進んでいき、少々あっけなかったから。勿論、千里眼や高校事変の様な奇想天外な内容やアクションを期待した訳では無い。しかし、せっかくの人材を上手く活用仕切れなかった感が若干あった。無名の人物故にエピソードが少な過ぎ、でもフィクションのエピソードを余り使いたくないと言った所なのだろう。 ところで、本書の解説にも他のレビューにも一切触れられていないが、主人公が敗戦した日本に帰国した際、東京駅近くの建物でGHQによる取り調べを受けている。その際、英語と日本語の通訳をした人物が藤田田と書かれている。物語にも後記にも一切書かれていないが、これはあの藤田田なのか?それはそれで凄い “史実” だなぁと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
実話に基づいた作品という点で非常に良かった。 こんな事実はこのような作品でしか知ることができない点では残念だ。 映画にでもなってよいくらいだ。 一般文学通算2540作品目の感想。2021/06/29 19:30 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画、映像の力。 戦争の時代にあって、国威高揚にも、煽動にも、 場合によっては嘘も現実にしてしまえる力。 特殊技術の素晴らしさを目の当たりにすると同時に、 その使い道次第では、武力に勝る力があることがよく分かりました。 今はさらに進んだネット社会。 使い方次第でさらに大きな力があるからこそ、 そこで目にするもの、自分で発信するものを、きちんと判断していく 必要があることを感じました。 ストーリーもとても楽しめ、大満足の一冊でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
個人的にはこれが太平洋戦争を扱った歴史小説の中でベスト1です。なぜか松岡圭祐の他の歴史小説(「八月十五日に吹く風」「黄砂の籠城」)ほどレビューの数がないんですが、是非読んでいただきたい本だと思います。ドラマティックだし、当時の空気が感じられます。ナチスドイツ版「タイタニック」という映画は実在したんですよ、ご存じでしたか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
史実を元に書かれてるようです。 あっという間に読めてしまいます。 内容は読んで確かめて。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1937年、22歳の柴田彰は円谷英二の下で日独合作映画『新しき土』の特殊撮影を担当し見事に完成させた。その技術に目をつけたのがナチス宣伝大臣ゲッベルス。映画による人心の掌握と統制を進める彼は、柴田をベルリンに招聘し、タイタニック号の沈没シーン制作を命じる。環境の違いから撮影は苦戦。妻子を想う柴田だったが、ベルリンは戦火に…。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
松岡圭祐先生の歴史ものにハズレなしを証明する一作です。 実際の史実をベースに書かれているというのが驚きです。 物語の展開も構造も完璧で主人公をはじめとした登場人物たちも魅力的で夢中で読みました。出会えて良かったと思える一冊です。 題材的にも映像化して欲しいと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
戦前俳優になりたかった柴田彰は特殊技術班に入り、その功績を認められドイツへ派遣される。でもその実態は... やはり世界を凌駕する日本の技術は凄いなぁ~( ̄▽ ̄)=3 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
時代背景が戦時中でドイツと日本の微妙な関係やユダヤ人虐殺に関係してゆく主人公の家族など、非常に興味深い内容でした。 私個人の趣味とはいくらかかけ離れていたので、特撮技術というよりも、当時の時代背景に惹かれました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作者の久々の角川文庫からの刊行、「ヒトラーの試写室」。物語としてもさることながら、文化史的読み物としても、とても興味深かったです。一人の真っ直ぐな青年、柴田彰の特技課での日々と、ナチスドイツのプロパガンダとしての映画制作というかけ離れた世界が、やがて“戦時中の同盟関係“と“映画”を軸に交わってしまう、というとこが凄いです。 ヒトラーが日本の映像技術の導入を指示した時、物語後半の彰の運命も部分的に決められてしまいましたが、そこをくぐり抜けてくとこが見所です。 その運命の危機的な部分はまず、ナチスの、イギリス軍機に病院船団を襲わせるという計略。病院船を一反ドイツの鉄十字に偽装し襲わせ、国際会見では鉄十字をカラーフィルターで赤十字に変換しその映像を上映、というのは史実プラス作者の発想でしょうか。ここではトラウゴットの改心の力業で難を逃れます。そして彰の敏子との再会の危機。最終的なハッピーエンドを規定したのは、特技課に掛けられたある嫌疑。2通りの危機回避方法が、それぞれ理由があって実に巧いと思いました。 この作品では今の世もそうですが、何が本当か分からない、という心理状態が特徴的に出てきます。自国が勝っているのか負けているのか・・・。特にこの時代の激しい情報操作故でしょうが、そのことと、技術によって発展しつつある映像とそこに映る世界、の真実・真偽。彰がGHQからの伝令役に事実(新聞記事)を告げられたとき、必死にそのことを特撮技術ではないかと自らに言い聞かせるさまは、とても痛々しさが染みてきました。もっとも事実を受け止めた先に違うレールが敷かれていたので、読み手は絶望と希望、二度味わったのではないでしょうか。 ヒトラーの試写室というタイトルですが、ヒトラーはそんなには出て来ません。部下を震え上がらせるシーンは周囲との関係性がどんなだったかを教えてくれますが、試写室に二度来て発言し、後はエヴァと婚礼をあげそのまま、この世を去ります。しかしヒトラーは常にあたかも残留思念のごとくこの時代の不穏さとともにこの作品の大半に居続けている感があります。登場人物だけでなく、作品そのものに対して、監視システムのように機能しているかのようです。 ですが、最初に円谷や彰が「新しき土」の噴火シーンの鑑賞会で、映り込んでいるスタッフを見て笑い会う場面、この明るさに、すでにこの物語の最終的なカラーが約束されている気がします。なぜなら偽装工作が破綻するのも、この“映りこみ”だったからです。彰たちの映像が悪しき映像を退けて、その黎明期を駆け抜けていったのは、ひとえに、動く絵を作りたい一心だった円谷、彰の混じりけのなき情熱に尽きるのではないでしょうか。 コンプレックスが肥大化したゲッベルスの方は、意外にも冷静に、タイタニックがカサブランカに負けていることを認めます。 映像技術における飛躍、動くキャンバスへの熱が、やがてはこの世ならぬ存在、伝説の巨人ウルトラマンを円谷から産み出す事になったのは、至極納得いく気がします。 最近の松岡氏の作品は、こんな日本人がいたんだというテイストですが、今回は、こんな技術を産み出していたんだ、という文化の婉曲的な賛美の側面もあると思われます。寒天や鰹節とは本当にユニークですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初は読みづらかったですが、どんどん引き込まれていきました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久々の秀作に出会えました。ありがとう。 それこそ映画化が待たれます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ウルトラマンの特撮で有名な円谷プロの円谷英二が、戦前・戦時中は国策映画の特撮を担当していた。一方で、ナチスドイツの宣伝相ゲッベルスは、イギリスを貶めるためにタイタニック号沈没の映画を制作させた。さらに後書きを読んで驚いたのだが、ナチス名誉党員だった日本人が存在した(?)。 著者は、これらの史実をうまくつなぎ、権力によるメディア利用という古くて新しい問題をテーマに、スケールの大きな歴史絵巻を描き上げている。この構成力は素晴らしい。 単身訪独し、より良い映像を撮ろうと奮闘する主人公と、ドイツの映画人たち。迫りくる連合国の軍靴の音。そして密かに進行するナチスの悪魔的計画。終盤は緊迫の度合いを増していく。 戦時統制経済下の物資の乏しい状況において、知恵を絞って迫力のある映像を作り出した日本特撮陣の発想の豊かさにも感心した。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
感動しました、あの戦争中にこんな凄い物語があったとは、この物語を映像化すれば大ヒット間違いなしでしょう。日本の円谷さんの作品や技術を原点から描いて、そこに産まれるドラマをその時代の現実と絡ませることで、すばらしい大スペクタクルエンターテイメントができあがると思います。松岡さんのますますの活躍に期待します。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
国が違っても、男は黙ってサッポロビール・・・? って、違うか! 職人に、言葉は要らない。 成果が、実力の程を雄弁に物語るから。 漢(おとこ)たるもの、“出来ない”とか“無理”とか、簡単に口にすべきに非ず。 はじめに言葉ありき。 “出来る”、じゃあそのためには、どうすればいいかを思考し行動するもの。 限界は己の中にしか存在しない。 やってやれないことはない。 やらずにできるわけがない。 自分のためだけより、誰かのための方が、より頑張れる。 貴方は、誰のために、その命を時間を捧げますか? 貴方の人生の主役は、他でもない、貴方自身だから、どう生きますか? 行動しなければ、道が自ずと拓けたり、誰かが拓いてくれることはありませんが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自分の世代にとっては円谷英二氏は「ウルトラQ」や「ウルトラマン」シリーズの「特撮」の第一人者だが、戦時中に特殊技術担当として戦意高揚映画の制作に携わっていたことを本書で、はじめて知った。 物語は円谷氏の部下となった青年が、ドイツに派遣されナチスの宣伝映画制作に参加。さらに宣伝大臣ゲッベルスは、その技術で全世界を欺く陰謀を計画していた!。巻頭に「この小説は史実から発想された」とあるが、何処まで史実で、フィクションか!?。 久しぶりに一気読みしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
岬シリーズが好きでした。そして、傑作、”トランスオブウオー”に大感激しました。 その後、作品は、探偵物ばかりになってしまい、面白くはあっても、感動からは遠ざかっていました。 正月休みに、この本を読んで、非常に感動しました。実在の人物が主人公だそうですが、心理描写は、松岡圭祐さんのものだろうと思います。 ”大切な人とと会えなくなるのは悲しい。だがいかにつらかろうと忘却を選ばなくてよかった。絆を断ち切り逃げるのと同義ではないか。忘れられるのはなにより悲しい。相手を想えばこそ、そんなことはできない。” 最近、歴史物に新しい境地を見出しているようです。今後も頑張ってほしいです。期待してます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
世の中にナチスドイツやヒトラーを題材にした作品は掃いて捨てるほどあるが、この切り口はさすがに過去なかっただろう。 映画による人民統制を狙うナチスの宣伝大臣ゲッベルスと“特撮の神様”円谷英二の下で働く柴田彰という 対照的な二人の視点から、戦時中のプロパガンダの舞台裏のドラマを描いている。 キャラクターに感情移入させるのが上手く、特に主人公の彰がドイツに渡ってからは急転直下の展開に目が離せない。 特撮黎明期の変わった制作方法にも驚き。CGなんてない時代、どういった工夫をして特撮映像を撮っていたのか。 それを知れるだけでも本書を読む価値がある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
戦時中ナチスがタイタニックの映画を作っていた事実を初めて知った。ネットで調べたら本当の話だと分かった。撮影に使われた船のその後も。 ナチスと日本の合作映画も初めて知った。それらの作品に日本人キャストやスタッフが絡んでる事も。 黄砂の籠城や八月十五日に吹く風と同様、今回も驚きながら読める傑作だった。前作生きている理由から二ヶ月で、しかも毎回文庫発売ながらこの品質は凄い。活字は講談社より今回の角川のが読みやすいように思う。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!