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愛は血を流して横たわる
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愛は血を流して横たわるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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大昔に「消えた玩具屋」を読んで以来、久々のクリスピンでした。「消えた玩具屋」はとても気に入りました。といっても、はるか昔のことなので記憶に残っているのは夜のオクスフォードがいい雰囲気だったということくらい(汗)。今回、こちらの作品を読んで、この人はユーモア・ミステリを書く人だっけ?と驚きました。ファース(どたばた喜劇)の風味が強く、殺人事件の捜査やトリックよりも、むしろそちらの方が強調されている感じです。ただし大笑いするのではなく、イギリス風のくすっと笑える、そして教養に裏打ちされた上品な笑いです。 連続殺人事件なのに陰惨な雰囲気はまるでなく、むしろ明るいというか・・・そのあたりが逆に個人的にはちょっと物足りませんでした。クリスピン自身はディクスン・カーのファンで、「曲がった蝶番」を読んで感激しミステリ作家になったということなので、もう少し怪奇小説っぽい雰囲気が出ていたらよかった・・・と思いました。 まさに古き良き時代の英国ミステリという感じで、おっとりした作風が好きな人にはおすすめです。 | ||||
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ある女子校の生徒が失踪―そして殺人の嵐が巻き起こる… テーマは欲望。 事件にはある「価値のあるもの」が絡んでいました。 しかしながらどうもその価値のあるものの扱いで 事件は巻き起こってしまったようですが… 今回事件を解決するのはフェン教授。 なぜか事件に見舞われるようですが 奥さんには事件にかかわらないように厳命(!)されているようです。 一連の事件は どれもつながりがあります。 個別の事件に見えがちですがね。 全ては欲があったからこそ起きたもの。 人の弱さ、そして窮地に陥ったときの 行動の予想外さ… 心理描写が良かったです。 | ||||
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旧友である男子校の校長から終業式の来賓として招かれたオックスフォード大学教授ジャーヴァス・フェンは、到着早々、学校で起こっている事件について校長から聞かされます。その夜、殺人事件までが発生するに至り、名探偵として名を馳せるフェンは警察の捜査に協力することになります。翌日、事件のことが伏せられたまま終業式の各行事が行われていく裏で捜査が進められていきます。 本作は、ポスト黄金時代の作家エドマンド・クリスピンの代表作の一つで、現在、文庫本新品で読める唯一の作品です。 クリスピンは、ジョン・ディクスン・カーの「曲った蝶番」を読んで自らもミステリを書くようになったとのことで、著作にはカーの影響が見られます。この作品では、カーの特徴である不可能犯罪や怪奇趣味は盛り込まれていませんが、もう一つの特徴であるファース味はふんだんで、クスリと笑ってしまう箇所がふんだんにあります。 私は元々カーの作品が好きで、今回初めてクリスピンの作品を読んだのですが、他の作品もぜひ読みたくなりました。できれば、他の代表作である「白鳥の歌」の文庫化や「お楽しみの埋葬」の新訳をどこかが手がけてくれると嬉しいです。 | ||||
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翻訳ミステリの老舗二社を比較すると、早川書房はミステリは常にコンテンポラリーであるべきというスタンスに見えるのに対し、創元社は古くてもいいものはいいというスタンスに思えます。その老舗中の老舗に今までクリスピンがはいってなかったのは意外。文庫化だけど今作が創元社初のクリスピン作品だそうです。 作品としては、トリックに使う道具などがもう使ってない物もあり、若干古びてる感じもしますが、嫌味にならないペダントリィや活き活きとした登場人物、品格のあるユーモア等、佳作であるのは論を待たないと思うし、単なる小説としても滋味溢れて面白く、このあとレジナルド・ヒル等が活躍する分野を切り開いた功績に、マイクル・イネスと並んで勲章をあげたくなります。 今後は未訳を含め今まで出たものが順次文庫化され、体系的に読めることを期待。創元社ならできる。頑張ってください。 | ||||
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古くからのミステリファンにとっては創元推理文庫にクリスピンが収録されるというのが事件。代表作『お楽しみの埋葬』(フェンが選挙に出馬する話、復刊望む)や『消えた玩具屋』(ヒッチコックの『見知らぬ乗客』の回転木馬のシーンの元ネタ)には及ばないが、これこそ英国流探偵小説の本流というべき悠然たる筆致と辛辣だがおだやかなユーモアを堪能できる傑作。 | ||||
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地方都市の学園で続けて起きた事件。少女の失踪にはじまり、理科室からの薬品盗難、そしてとうとう教師の一人が殺される。 序盤から次々に事件が起きても、事件、関係者への訊問の繰り返しで淡々と物語は進むのだが、そのわりには飽きずに読み進められました。 ある一つのモノを鍵に、一見なんの繋がりもなかったようにみえた事件が次第に解き明かされていくあたりは圧巻。難を言えば、トリックがややこしく、わかりにくかったことかな。 じっくりと腰を据えて読むのにちょうどよい、味わいのあるミステリでした。 | ||||
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