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虚ろなる十月の夜に



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【この小説が収録されている参考書籍】
虚ろなる十月の夜に (竹書房文庫)

虚ろなる十月の夜にの評価: 4.00/5点 レビュー 11件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(3pt)

19世紀末のロンドンを舞台に、怪人たちが暗躍と駆け引きを繰り広げるゴシック・サスペンス。

虚ろなる十月、万聖節前夜(ハロウィン)が満月の時、旧き神々が地球へと帰還するための道が開かれようとする。
 その時、適切な数の人間が、適切な場所に引き寄せられ、ある者たちは道を開く手助けをし、他の者たちは道を閉ざす努力をする。誰が敵で誰が味方か。それはその時になるまで、そして終わるまでは誰にもわからない――。
 19世紀末のロンドンを舞台に、怪人たちが暗躍と駆け引きを繰り広げるゴシック・サスペンス。

 本作の主軸はゴシック✕クトゥルフ神話。小説から映画まで、ゴシック作品で有名なキャラクターたちがプレイヤーとなり、2つの陣営に分かれてゲームを行う。なにより、作中で主に描写されるのが、プレイヤーではなくその使い魔たちというのが、ゼラズニィ特有のユーモアを発揮させるのに役立っている。
 しかしプレイヤーたちの駆け引きは紳士的で、物語の大半はゲームの準備に費やされるため、起伏の少ない展開に読者は序盤で本を閉じてしまうかもしれない。勿論作者はそれを想定しており、スパイスとしての副軸として、フーダニット(誰が犯人か?)な事件も用意している。これが双方を惑わせ、プレイヤーには混乱を、読者には面白みを与えてくれる。
 クトゥルフ神話の方はと言うと、旧支配者の名前や魔導書の類が登場する程度かな、と思いきや、がっつりとその要素を散りばめている。ネタバレになるためにそのあたりは詳しく言えないが、クトゥルフ神話の "世界観" の方を好む人には、本書を楽しめるだろうし、クトゥルフ神話に無知な人でも楽しめる仕様となっている。
虚ろなる十月の夜に (竹書房文庫)Amazon書評・レビュー:虚ろなる十月の夜に (竹書房文庫)より
4801912672
No.10:
(3pt)

表紙詐欺と言っても過言じゃない。

表紙にデカデカと書かれているように切り裂きジャックやホームズ達とドンパチする話だと思っていたのだが、主人公達はあらゆる動物であり、ディズニーのライオンキングや101匹わんちゃんのような作品。
表紙に出ている人間は全体の何%しか出て来ない。
普通に人間の話だと思っていたのでなかなか感情移入が難しく、その上本の半分を過ぎても大きな事件も起こらずで本当に読み進めるのが辛かった。
虚ろなる十月の夜に (竹書房文庫)Amazon書評・レビュー:虚ろなる十月の夜に (竹書房文庫)より
4801912672
No.9:
(4pt)

表紙詐欺&オビ詐欺? どこまでも人を食ったお話

SF作家ロジャー・ゼラズニイの遺作(生前最後の単独著書)。
表紙詐欺&オビ詐欺? 表紙イラストからして、いかにもなライトノベル風味のヴィクトリア朝オカルト探偵路線なのかと思って読んでみたら、語り手は犬!
他にも猫やらネズミやらヘビやら、いずれも一癖ありげな「ゲーム」の参加者に使われる使い魔?たちのやりとりで物語が進んでいくのであります。物語の途中までは「ゲーム」の目的どころか、敵味方の割り振りすら定かでなく、「どちらの陣営か分からない間は協力の余地がある」という使い魔たちの割り切った考え方が楽しい。
使い魔たちに比較すると人間の登場人物たちは全体に印象が薄い一方、「伯爵」だったり「博士」だったり「名探偵」だったり、「どう考えてもそのまんまじゃないか!」というキャラクターがぬけぬけと登場していて、面食らわされることに。もっとも、本編ではあくまで匿名の扱いでして御本人だとは断言していませんから、その意味でも「切り裂き魔(ジャック)に吸血鬼(ドラキュラ)、名探偵(ホームズ)、いずれ劣らぬ曲者たちが旧き神々(クトゥルー)に対峙する――」というオビのコピーは詐欺ですね……。
そして、「ゲーム」の決着は「え、そんなのでいいの?」と声を上げたくなるような意外な方法でついてしまい、どこまでも人を食ったお話だったのであります。あ、もしかして、この小説自体が「ゲーム」の雰囲気を小説の形で再現してみようという試みだったの?
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4801912672
No.8:
(4pt)

長年の恋人に会えた!

探していた本が見つかり大変喜んでおります。
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4801912672
No.7:
(4pt)

語り手は、世紀末あの霧の都市を揺るがせたジャックに使える犬のスナッフ

その文体のかっこよさに翻訳作品は総て追いかけたことのあるゼラズニイの新たな翻訳に、しかもクトゥルー神話を題材としているもので在ることに感激している。語り手は、世紀末あの霧の都市を揺るがせたジャックに使える犬のスナッフで、ある大いなる儀式を控えて、その属する陣営を探りつつ他のプレーヤーの使い魔たちとの交流と、個性的なプレーヤー候補者の探索と、無作法なプレーヤーの妨害の有り様を一人称騙りで綴られていく…果たして古の神々を呼び覚ます者は誰で、そして対向者は阻止する事が出来たのであろうか?
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4801912672
No.6:
(5pt)

ゼラズニイのファンとして嬉しい限り

ゼラズニイのファンとしてとても楽しく読ませていただきました。
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4801912672
No.5:
(4pt)

恐くないクトゥルー神話物語

58歳で亡くなったゼラズニイが56歳の時に書いたユーモア小説。実際には、本書の後に、ベスターの未完成遺稿を引き継いで1995年に完成させた“Psychoshop”という遺作があるそうですけれど、オリジナルとしては最後の長編。死の予感はなかったでしょうね。きっと。神話物語、模様、ゲームとゼラズニイらしさ満載の明るく読み易いクトゥルー神話物語です。なんとなく「砂のなかの扉」に似ているかな。
 帯には嘘(と紙一重のこと)がたくさん書いてあります。切り裂きジャックやドラキュラ、そしてホームズたちが力を合わせて旧神たちと戦う話かと思っていましたが、全然違いました。「魔界水滸伝」とは違います。正気を失うものも出てきますが、恐怖のためではありません。
 本来であれば脇役にあたるキャラたちが、足を使って調査し、情報交換し、推理力を働かす。知的パズルのようです。重要だと思っていた要素が実は引っかけだったり、誤訳かと思っていたら実は引っかけだったり。
 小さい動物たちが実にかわいらしい。(なかには憎らしいのもいますが。)対立よりも協調が意味を持っています。読後感も悪くありません。
 主人公のマスターを切り裂きジャックにしたのは読者を引っかけるためだったのでしょうか?
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4801912672
No.4:
(3pt)

未訳の長編

ゼラズニィらしい軽妙な語り口で読んでいて楽しい。
ただ、狼男の行動理由や、何故に臭いで野良狼の正体に気付かなかったのかなど、読後感はイマイチ。未訳の長編で放置しても良かったかも知れない。しかし、「ゼラズニイ」でアマゾンを検索しても「伝道の書に捧げる薔薇」以外は中古ばかりという現状が悲しい。
なお、サッと読むのなら良いが、翻訳文には引っかかるモノがある。例えば、コウモリは「走り去る」(10月15日)ものなのだろうか。
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4801912672
No.3:
(5pt)

久しぶりのゼラズニィ

あまりに久しぶりのゼラズニィだったので、一気に読んでしまいましたが、往年の「禍々しさや、身勝手さから、成長してゆく主人公」という部分は物足りませんでした。
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4801912672
No.2:
(4pt)

ゼラズニイらしさはあまり感じられないが、楽しいごった煮パロディ

ゼラズニイはSF短編集を二冊読み、アイディアが見事でそれを凝った文章が盛り立てている話と、後者だけで雰囲気のみの薄っぺらい話という、当たり外れが大きい印象だったので、長編には手を出していなかった。
ただ今作は私の好きなホームズ・パロディ要素があるということで手に取ってみた。
使い魔の犬視点というせいもあってか、意外にも文章はすっきりしていて読みやすく、話自体も、人間臭く個性的な動物使い魔たちのやり取りを主としてすすむ肩の力の抜けた楽しいホラーだった。
解説などでクトゥルーものであることが強調されているが、別にクトゥルーを知らなくても楽しめると思う。
むしろ虚実の有名キャラたちが集うパロディ要素が強い(「ドラキュラ紀元」とか「神の息吹殺人事件」みたいな)ので、古典ホラー(ドラキュラ、フランケンシュタイン、狼男)やホームズ、切り裂きジャックなどのことを少しは知っていた方がいいかもしれない。
知っていればすぐに誰かわかるけれど、明示はしない書き方をしているので。
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4801912672
No.1:
(5pt)

物語の有名人達が錯綜し、その内の誰と誰がゲームのプレイヤーなのか!成り行きを見届け活躍するのは主役である動物達!

ゼラズニイが自分の趣味をふんだんに盛り込んだクトゥルー神話。
登場するのは小説や映画でよく知られる有名人達。もっとも著作権の関係か、確かに一部の人物達はジャックとかジルとかタルボット等の名前で呼ばれるが、その一方、有名さ加減ではいずれも一、二を争う人物達は「伯爵」、「名探偵」、「博士」等の名で呼ばれる。しかし彼等の中に主役は居ない。社会の裏で人知れず「素材」を集めるプレイヤー達。そのプレイヤー達のパートナーは大半が動物だが、その動物達がメイン。主役はジャックのパートナーの犬、ヒロインはジルのパートナーの猫。これは動物達が彼等の視点で語る物語。
プレイヤー達は「閉じる者」と「開く者」の二つの陣営に分かれており、登場する有名人達のうち誰がプレイヤーなのか、プレイヤーは何人居るのか、そして判明しているプレイヤーのうち、誰がどちらの陣営なのか。謎が謎を呼ぶクトゥルー神話ミステリー!
虚ろなる十月の夜に (竹書房文庫)Amazon書評・レビュー:虚ろなる十月の夜に (竹書房文庫)より
4801912672

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