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告白



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【この小説が収録されている参考書籍】
告白
告白 (中公文庫)

告白の評価: 4.48/5点 レビュー 176件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.48pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全151件 121~140 7/8ページ
No.31:
(5pt)

町田最高傑作

彼の短編を読んで、面白いと思った人は読んでみると良いです。
(というか、絶対読め!)
町田節に笑わされ、時に泣かされる最高傑作だと思います。
話の流れはえらい遅いんですが、登場人物がどれもこれも個性的です。

彼の作品は、好き嫌いが激しく別れるようなので、いきなり長編で合わなかったらかなりの痛手かも。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.30:
(5pt)

町田康にとってのブレークスルー

これは現時点における町田康の最高傑作であると思う。(今後も活躍されることと思いますが)

小説家にとって、「長編」を執筆することはひとつの抗いがたい欲望である。得も言われぬ使命感に駆られて作家は書き始め、そのことが多かれ少なかれその作家に転機をもたらしうる。連載形式であろうと書き下ろしの形であろうと、それは大変な困難を伴う作業にちがいないが、その労力と引き換えに、作家は何かを手に入れるのではないか。 

「長い」と仰る方の気持ちも分からないではないが、これはそういう性格を帯びた小説なのである。それはある意味、作家の自己満足なのかもしれないが、私たちはひとりの作家がさらなる高みに向かって駆け出す瞬間に立ち会えるのである。そこに私は歓びを見出す。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.29:
(5pt)

いやいや、

タイトルが「告白」であり、それは一人の男の魂の叫びなのだ。
ああイッキによめて感動したな、
って感想なワケ無いでしょう。
読むの辞めたくなるほど辛いシーンもありますが、
それは小説として優れているからです。
そして間違いなく、読んでよかったと思える一冊です。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.28:
(5pt)

魂の盆踊り地獄祭り

観念が観念を呼びまくり過ぎて観念地獄と化し

結果 自らが生み出した泥沼の中で もがき苦しみ

表出する言動とは裏腹に 善行を欲すものの

その実行に於いては頓挫or自爆+挫折・・・

と いう 感じ

かどうかは

読めば分かる

かもしれない

今ンとこ 町田作品中最高のクォリティの小説だと思う
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.27:
(5pt)

みんなの中に熊太郎はいる

「自分の考えている事が他人にうまく伝えられない」熊太郎の抱く疑問は誰もが抱くもの。しかし誰もがそれを当たり前だと思い生きていく。熊太郎はそれができなかった。私は誰もが熊太郎だと思う。誰の中にも熊太郎はいる。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.26:
(5pt)

参りました

これだけの長編を一日で読んだのは初めてです。町田康はダメ男を書くのが本当にうまいですよね。おもしろい、だけど切ない・・気づいたら主人公にハマってしまう。やっぱ小説家の中では町田康が一番好きだな〜って改めて感じさせてくれました。さすがです。参りました。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.25:
(5pt)

やはり町田文学は凄い

時代劇の好きな町田氏が、近代的自我を持たない社会の中に、極端に自意識過剰な自我と思弁を持ち込んだら、両者に生ずる摩擦とかズレがさぞ面白かろうに、と思って描き始めたのかどうかは分かりません。しかし内容は、そういう単純な意図を越える内容を描ききっています。

小説は近代的過渡期に生まれた悲劇を描くに留まりません。人が成長してゆく過程の中で、思弁的かつ自己弁護的なるものを捨て「大人」に成ることに付いてゆけない者の圧倒的孤独をも描いており、そういう点においては、現代的かつ町田的テーマでもあります。

ここには、「人は何故人を殺すのか」ということ以上に、「人は何故に生きるのか」「何故に死すのか」という命題をも含んでいます。熊太郎のダメ姿を自己投影する読者も多いはずです。そこに町田文学に対する共感があり、そして考えさせられます。

改めて思う、町田氏は凄いです。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.24:
(5pt)

意識の滲出

俺たちって普段自分と自分以外の世界を隔てるキグルミを被ってる。

感情や心の中で渦巻くいろんな考えを上手にフィルタリングして、社会に溶け込めるように調整してくれる。

熊太郎のキグルミはつぎはぎだらけだった。

だから自分の過剰な思いが屈曲して外に漏れ出す。あるものには見透かされる。

外から入ってくる感情や言葉も屈曲し、時に剥き出しのまま彼の中に積もって腐って発酵していく。

もしくは自分が放ったものまで再び自分に溜め込んで。

で、熊太郎ははじけた。

俺たちがなんの気無しに着込んだキグルミは丈夫だけど、この小説はそこに少なからず綻びをもたらす。

これ読んだあとは用心しないと意識がそのまま滲出する。

外の世界と溶け合うことが苦痛になる。

あ,蛇足だけど、俺は夏目漱石の「こゝろ」の世界観を感じた。下ね。語るべき言葉を持った熊太郎は先生だろうかKだろうかって考えた。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.23:
(5pt)

純粋に深く考えてきた或る男の認識の大河

或る男が生まれる。齢を重ね自意識が芽生える。そこから生を絶つまで延々と続く思弁の流れを澱みなく描ききったすごい「告白」小説である。自分の思弁と発言の間に深い断絶があるため、世界と人々とコネクトできなくて懊悩と孤独を抱える男。読売新聞夕刊で連載されていた部分は、その「ずれ」を河内弁という強力な武器によって、蟻地獄的爆笑の渦にまで昇華している。それぞれの年代の彼のエピソードがツボにはまって、苦しくて次の文が読めないほど。喫茶店読書には向いていないかも知れない。私はアルバイトの給士に変な奴だと思われただろう。本書の1/3を占める終盤の書き下ろし部分になると、ユーモアはなりを潜め、シリアスな心の葛藤が大きな波濤の如く迫ってくる。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.22:
(5pt)

天才の集大成

町田康の集大成にして最高傑作。

主人公の内面の狂気に迫るねちっこい言葉と、人物間でかわされる

軽妙な河内弁が、壮大な物語を織り上げて読者を圧倒し翻弄する。

「紀州の伝さん」「正味の節ちゃん」「合羽の清やん」といった

脇役も光っていて、今思い出しても笑いがとまらない。

あまりにも深刻なストーリーとあまりにも笑えるディテールが

絶妙に配合されている点に、町田康の天才が感じられる。

従来の文豪には生み出せなかった大傑作であり、文学の愉悦を

これほどまでに味わわせてくれる作品はあまりないだろう。

絶対買うべし。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.21:
(5pt)

告白

いつも町田康さんの作品は大笑いして拝見させていただいております。

特に主人公「熊太郎」は自分の内側の虚無から外側の世界を眺めて、それを言葉にするときのあのどぎまぎする様子がとてもおもしろく感じられました。

面白い「喜劇」であると思うのと同時に人間の深層心理を深くついている文学だと思います。是ッ非!読んでみてください・・・。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.20:
(5pt)

町田康、渾身の一作

今まで宮部みゆきなど「殺人犯の心理」を探りたい気持ちで読んだ作品があるが、ピンと来るものがなかった。しかし町田康さんのこの作品は、主人公の破天荒さだけでなく、周囲の、小さい村の人々の悪意が事細かに書いてあり、それが主人公を犯罪へと走らせたことがよく分かった。貧しいと助け合う、のではなく、貧しいと生きるのに必死でここまで悪意をみなぎらせて生きるのか、と悪い夢を見そうなくらい作品に飲み込まれた。また旧き良き時代なんてのはノスタルジックな考え方で、小津安二郎の映画でも観ていればほのぼのするが、この『告白』では決してそういう気分は生まれず、こんな時代のこんな村に生まれなくて本当に良かった、と心から思えた。少ない資料からここまでの大作に仕上げた町田康の手腕に感服する。スゴイ。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.19:
(4pt)

自分には関係ない人の話、と思っていたが...

読み進めるにつれて、イヤな気持ちになっていきます。
最初は、主人公が自分とあまりにも違う価値観を持つ人物ということが
原因だと思っていたけれど、読み終わってから、そうじゃないかこと
に気づきました。つまり、私が感じるイヤな気持ちは、この主人公と
自分の差異ではなく、共通点から発せられているようなのです。
まとまらない思考。現実の問題を解決せずに逃げ出す姿勢。
頭の回転の悪さ。歯切れの悪さ。凶暴な精神。
悪い方へ悪い方へ転がっていく人生。他者を軽んじる利己的な人生観。。。
彼は、普段は目をそむけている自分自身の悪と愚の結晶。
おんどれ、うわべだけ善良ぶって生きとんちゃうん?と問われている
ような、強烈な揺さぶりをかけてくる本でした。
たまにはこんな本も良いです。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.18:
(5pt)

思考と表現

熊太郎は思考と表現が一致しないという違和感をかかえながら最後までもがき続ける。あるとき獅子舞の獅子を被った熊太郎は、自分がかぶりものの裏側を通して相手を見ているのに対し、人がかぶりものの表側を通してこちらを見ているそのずれを、思考と表現が一致しないときに感じる違和感と似ていると気付く。
熊太郎は自意識過剰で大人になっても自分探しをしているモラトリアム人間の定義のような人である。常に現実逃避しながら自分の内面と戦っている。自分の内面を重視しすぎて何をするにもシュールさを求めすぎる。
彼はいったい誰のために装っているのか。そこにばかばかしさと悲しみを同時に感じる。悲しみとは熊太郎はただ一人死ぬその時まで「まだ、ほんまのこと言うてへん気がする」と思い、自分の心の奥底を探すとき、何の言葉も思いも出てこなかったことだ。これは誰にも笑えることではない。
熊太郎は自分が特別な人間だと思っているが、思考と表現が完璧に一致する人のほうがめずらしいのではないか。それに気付くのか付かないかの違いではないのか。内向する思いを徹底的に育ててしまったことと、最後までそれを表現する術を持てなかったことが彼を殺人に導いてしまった原因ではないかと思う。
ストーリーの重苦しさとは裏腹に、河内弁の表現はリズム感があってよかったし、下手な漫才より笑えた。笑いとは悲しみが伴ってこそ本物だと気付く。ロックを聞いて哲学を知るような感じだ。衝撃的だった。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.17:
(4pt)

人間の業

「浄土」につづき、読みました。
テンポの良い河内弁、相変わらずの町田節。こちらまでが「くほほ」と読み進めている状態。熊太郎は確かに「あほ」なんだと思うけれど、その心の深いところまでしっかり入り込んでいる作者の目に脱帽です。
自分の人生を何度かやり直そうとして、でもまた深みにはまっていく熊太郎。そんな彼を兄貴分として慕い、命までも共にする弥五郎、金や権力に惑わされ、汚くなっていく人々よりも、彼らのほうがよっぽど純粋に思えました。
「まだ、ほんまのこと言うてへん気がする」と、死の直前につぶやき、自分の本当の、本当の思いを探って話す最後の言葉には、重みがありました。
町田氏渾身の超大作といえます。でも、町田ワールド初心者の方は、まずは軽いものから読んで、その後本書を読んだほうが、よりわかりやすいと思われます。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.16:
(5pt)

正気からの逸脱

今さらではあるが、記念的にレビューを残したくなった。それほどこの作品には震えた。内容については既にここで書く必要はなさそうだ。
 これほどまでに深刻な狂気をきちんと描ききった作品は、そうそう見つかるものじゃない。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.15:
(5pt)

とうとう町田康はここまで来てしまった

朝日新聞の書評に近代的自意識がどうたらこうたら書いてたけど、「ちょっと違うんじゃないの」と思った。なんというか、そんなええもんちゃうでしょ?単なるええかっこしいのアホですよ、この熊太郎は。
でも、そんな熊太郎と弥五郎を「アホ」とばかり笑っていられるかというと、必ずしも他人事とは思えない部分もあるわけで、それがこの物語のすごいところだ。
弥五郎が妹と分かれる場面。私は不覚にも電車のなかで、この場面を読んでしまった。妹に対してうそを言うことが出来ない弥五郎の不器用さに、涙が止まらなかった。
町田康はこの「告白」のなかで、すべての時代のすべての人間が生まれ持っている業というものを描いている。「近代」なんか関係ない。だからこそ、こんなに読む人の心に突き刺さってくる。
そして、この物語でなによりも重要なのは、読者が結末を知っているということだ。あの陰惨な結末に向けて、熊太郎と弥五郎が吸い込まれていく様子を読者は見届けなければならない。
こんなに悲しくて痛い話を私は読んだことがない。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.14:
(5pt)

圧倒されました!!!

まさに凄いの一言。ある男の一生を徹底的な内面の描きこみで表現し、あたかも読者自身が熊太郎に同化されたような感覚で本に引きずり込まれるようなパワーがありました。
 たしかに熊太郎はアホでどうしようもない駄目男なんですが、彼の事を笑える人間なんて本当にいるのだろうか? 読中は笑わしてもらったり、唖然とさせられたり、びびらされたりもしましたが、彼って典型的な日本人のような気がして、ある意味とても考えさせられる小説ではないでしょうか。多かれ少なかれ誰でも熊太郎に似たようなところがあるのではないかと思い、自分の生き様までも考えさせられる、とても重厚で心に訴える作品でしょう。
 圧倒的描きこみと700ページ近い長編で読み応えは充分です。町田 康さんらしい面白い表現も多々あり読み始めると止まらないと思いますよ。私の最大の事案ごとは「葛城ドール」「葛城モヘア」とは結局なんだったのだろうか、この存在がこの小説を陰で支えてある隠し味のような気がしました。
 予断ですが、熊太郎の駄目男ぶりと小説内での風貌の描写から、どうもチャウ・シンチー(映画「少林サッカー」「カンフーハッスル」の主役の人)の顔が浮かんできて仕方ありませんでした。なんかイメージに似てると思いませんか!? 私だけ!?(笑)
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.13:
(5pt)

敗北者の人生の全て。正統派大傑作長編小説

第41回谷崎潤一郎賞受賞作。
この作品は間違いなく日本文学史に残る傑作長編であり、町田康の現時点における最高傑作です。
百年後の人達にも読まれる作品だと思う。
町田康はよく太宰治と比較されるが、この作品は太宰治の「人間失格」によく似ている。
例えば「告白」を「人間失格」、「人間失格」を「告白」というタイトルにしたとしてもほとんど違和感がない。
しかし誤解を恐れずにあえて言わせてもらえば、町田康はこの作品で、太宰治を超えたと思う。
太宰治がついに書き切れなかった領域まで描き切っているように思う。
太宰治ももちろん素晴らしいけど、今読むならば町田康。
ほとんど文句のつけようがない素晴らしい作品だけど、特に熊太郎の最期の台詞が素晴らしい。
その一言で僕は涙が止まらなくなった。
あかんかった、というあの台詞によって「告白」は、
おそらく未だかつて日本文学が到達したことのない領域にまで辿り着く。
何があかんかったのかは自分で読んでください。
少なくとも丸一日をこの一冊に費やす価値は十二分にあると思います。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219
No.12:
(5pt)

頭がかっかしてる

自己の内にうずまく感情としての自分と、外の世界で確かに存在する自分。
これに奇妙なずれや違和感を感じ続けてきた、という人にとって、
熊太郎の思弁の節節に表われる、劣等感、疎外感、と言う一言では到底
言い表せないような感情の表現に、ドキッとさせられるんじゃないかと思う。
町田氏に見透かされてるのかと思った。
辛く重い作品ではあったけれど、ところどころに町田氏特有のリズム、
シュールな言葉遊びのようなユーモアがきちんと散りばめられていて、
そこで、無意識に止めていた息を、ふっとつける気がしました。
後半はさすがに息がつまりそうで、気がついたらちょっと熱があんじゃないか
ってぐらい頭に血がのぼった感じで覚醒したような、ぼーっとしたような、
不思議な感じになりました。
ジャンルは違うけど、古谷実氏の作品がデビュー当時から、笑いの中に
隠し切れない闇をはらんでいて、それが膨らみ続けて、『ヒミズ』という作品で
ついに深みにはまってしまったように、町田氏もついに闇が溢れちゃったなあ、
と思ったりしました。
この先、そのドツボにはまってしまうような作家さんではないと思いますが。
告白Amazon書評・レビュー:告白より
4120036219

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