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告白
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告白の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全151件 21~40 2/8ページ
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主人公はジャイアン的気質を持ちながらも、照れ屋で打算が下手な性根の持ち主。 人生下り坂となり、転げ落ちた後にも自分というものを問い続けたらどうなるかと考えると、このページ数では足りない。 | ||||
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町田康さんの作品を読むのは初めてでした。評価の高い作品でしたが、その評価に納得。河内弁を使う登場人物たちが、活き活きと表現されていて、この作品の世界に完全に引き込まれました。最初から最後まで素晴らしいとしか言いようがない作品です、 | ||||
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町田康の作品は、いずれも麻薬のような言葉の沼にはまってしまう恐ろしい快感がある。 読んだのは、無職で人生を彷徨っていたような20代の半ば。 炭酸飲料を飲み干すかのように、苦しいのに読むことを止められなかった。 どこにでもいる、誰にでもある、恐ろしい程の自意識の羅列。 たった一度読んだだけなのに、最期の告白を、私は10年以上たった今も忘れることが出来ない。 | ||||
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長かったー、でも引き込まれる面白さでした。 それとかわった文章 すぐに他人がどう思うか考えてしまう熊太郎に共感しました。善を積もうとしているのに、空回りし結果として極道者といわれ、何とも憎めなく、もどかしい気持ち。 偶然の積み重ね、虚偽の拡大が結果として殺人を犯すまで追い込むことになってしまう。 ニュースでみる容疑者の背景を知らずに決めつけてしまうことも良くない事であり、見方が変わりました。 結局人間は自分のことばかりで、複数だと強気でも、 いざ自分の身が危険な状態になると、逃げ隠れてしまう。そして周りと違った異質な物を排除しようとする生き物なんだなーと感じましたね。 | ||||
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なにが辛いって、それは主人公・城戸熊太郎が特に悪人でもなく、特に愚かなわけでもないのに、誰にでもあるような些細なプライドからくる見栄、偶然の事故、周囲の人間の笑ってしまうような我がままなどが積み重なって、終いにはあの河内十人斬りにまで至るという、その滅びへの道程。それを熊太郎と共に生々しく体験すること。 しかも十人殺しをした後の熊太郎を待ち受ける、もう死ぬ以外に逃げ場はないという、大罪を犯して逃亡する人間の心の沼を抉り尽くしていく、その身を裂くような徹底した心理描写。 安易かもしれないけど、平成日本のドストエフスキーとでも呼びたい凄まじい小説です。 しかもこれだけの分量(800ページ超え)なのに、町田さんの大阪弁言文一致体(大阪漫才・上方落語のような文体)なので、読んでる間、ずっと笑いっぱなし。 「あかんではないか」なんていう珍妙な関西弁の地の文、はじめて読んだ(笑) でもラストは、全身の力が抜けて虚脱してしまうような無惨な結末に言葉を失う。 そういえば熊太郎がずっと悩まされてきたのも、既存の言葉では自身の思考を上手く伝えることが出来ず、常に他者(=社会)との間に見ていた乗り越えがたい深淵。 物語の終幕に熊太郎が見た心の荒野は、自身の愚かさなのか、文化的人工物に過ぎない言語(日本語/河内弁)では決して表現することのできない、彼の心の深遠なのか。あるいは、言語以前の何かなのか・・・。 生きている間ずっと誰にも理解されなかった熊太郎の、クライマックスでの引金を引きながら涙を流す姿は、たぶん、生きている限り言葉を使い、そして社会の中でそれぞれの欲望を持つ他者と生きなければならない我々の、国境や時代を超えた『普遍的な苦悩』なのだと思いました。 おすすめの1冊です。 | ||||
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こんな面白い本読んだことない。 驚きしかない。 | ||||
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夜中に読み始めて、次の日も仕事なのに途中でやめられなかった。 プロの作家、書評家にも評価が高い理由が分かりました。 現代的な表現が、明治時代の物語ににすとんと入ってくる。違和感があるのに、妙にしっくりくる。 ストーリー展開の巧みさにも驚き、引き込まれました。 哲学的なことをいとも容易な表現で語る、なぜ人は殺すのか、そこは理由があるのかないのか、なぜ至ったのか、一つの事件を軸に、この普遍的な問題に、作者の答えを出しています。 こんなに力のある作家の作品に出会えたことに感激しています。 本を読んで久々に圧倒されました。 | ||||
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友人から勧められて読み始め、一気に読みました。独特の文章の奥に、私たち人間の生き様というのか、善悪取り混ぜた心の姿が垣間見えて、非常に面白かったです。 | ||||
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「平成の30冊」に選ばれたという。初めは文庫本842ページの長さにたじろいだ。 しかし徐々に、外見と中身が一致しない主人公に同感する部分が出てくる。「百姓なのに思弁的。・・・その思弁をうまくみなの使っている言葉と同じ言葉を使って伝えることができず、思弁は内向して身体のなかを暴れ、身体を蝕み、挙句,彼奴以上に粗暴な言葉を使ったり・・・」何となく分かる気がするのだ。恐らく、話の下手な人間なら、あっ、自分もそうかも・・・と思うだろう。時代物と敬遠しなくてよいと思う。ただ読み通すのは根気が必要。 | ||||
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とても分厚い本ですが、それは主人公の思考がこれでもかといわんばかりに描かれるからです。なぜそれほどの物量で描かれるかというと、読み進めていく中で主人公に同化する必要があるからです。なぜ同化しなければならないかというと、主人公は無差別殺人ともいえる狂気に走りますが、著者はその動機について明確に語らず、本人からたった一言の「告白」がなされるのみだからです。 しかし、同化した読者とってもはや説明は不要です。 人が人を殺す理由、それは言葉で理解したり他者への共感で測れるものでは到底なく、当人そのものになってみなければ本当には分からない、そういうことだと思いました。 人間を描いた大傑作です。 | ||||
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"なんらの言葉もなかった。なんらの思いもなかった。なにひとつ出てこなかった。ただ涙があふれるばかりだった。熊太郎の口から息のような声が洩れた。『あかんかった』"2005年に発刊され、明治に起きた【河内十人斬り】を題材に人はなぜ人を殺すのか?を描く本書はユーモアと絶望のバランス感が素晴らしい。 個人的には著者の本は映画化もされた『パンク侍、斬られて候』に続く2冊目として、朝日新聞による『平成の30冊』の3位にランクインしていた事をキッカケに手にとったのですが。 【実際の事件であり、河内音頭のスタンダードナンバーとしても今に伝わっている】といった前情報を全く知らないで読み進めていたこともあるのか。前半の熊太郎の成長を描いている部分には、大阪出身でもある著者自身が反映されているのかな?とか【大阪南部の史実ネタ】にもニヤリとしながら思いつつ。後半のヤクザ者になれど、不器用な好人物である熊太郎が、何とも必然的な流れによってスピード上げて破滅に向かっていく姿には、嗚呼。と【ぐいぐい引き込まれて】あっという間に読み終えてしまいました。 しかし、褒め言葉ですが。川上未映子もそうですが、ミュージシャンもされている方特有なのでしょうか?全般にわたるリズミカルな文体、センスの良い自由自在な言葉運びにはズルいというか、ある種の嫉妬すら抱いてしまいますね。本当に素晴らしい。 神話的なテーマを持つ作品を探す誰かに、そして【大阪南部に縁のある】全ての人にオススメ。 | ||||
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難解な語句や読み仮名を忘れてしまう地名などは時折ありますが、読みやすくユーモアのある文章で、 三人称や一人称が頻繁に切り替わって読者を厭きさせない工夫もあり、非常に読みやすい文体でした。 河内弁に関しても自分には関西弁すら馴染みがないのでどうかなと思っていましたが、わりと抵抗なく読めました。 物語としては序盤に動きが少なくどうにも退屈で、まだ後何百ページもある、と しょっちゅうページ数を確認してしまい、読み終えることができるか不安でした。 テーマにある思弁的という主人公の心理描写に入ると、同じような思考の繰り返しなので またかと思って読むのが億劫に感じることが終盤まで多々ありました。 引き込まれ始めたのは中盤あたりのおっさんとの盆踊りからで、 のりのりで踊るふざけた光景がありありと目に浮かび、思わず噴き出してしまいました。 好きな娘のことを考えて枕に顔を埋めて足をバタバタするシーンなど、おかしな描写に度々笑ってしまいます。 物語が動き始めるととてもおもしろいです。 ですがいつか読み返したいかというとそれほどでもなく、自分的には一回で満足でした。 | ||||
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感情をリアルにエゲツなく表現されている文章に没頭させられる、人が人を殺す事がなんら特別な事ではなく、自分自身にも主人公の様に感情と言葉の間に嘘をついている間に自分を傷つける結果に陥ってしまった経験を幾度となく経験している。 | ||||
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科学が数字や法則を用いてこの世界の仕組みを解き明かす学問であるなら、文学は文字をもって物語世界を構築し、この世界の真理を顕らかにしていく学問であり、この小説『告白』は紛れもなく文学だ。 中盤過ぎまではエンターテインメントとして非常に楽しく読めるのだが、終盤は一気に文学性が加速し、ラスト・シーンが激しく胸に突き刺さって読了後しばし呆然となる。 不器用で自意識過剰な熊やんに共感する読者は多いはずだ。そして面白おかしく読み進ませて親近感を持たせた挙句に突き落とす作者はかなりえげつない。だがそれは作者ですら辛かったらしく、最後は「3行書くごとにそのへんにある本を手にして読んで」いたという(※)。 私も終盤はとにかく読み進めるのが辛かった。性根は善人なのにコミュニケーションの下手な主人公熊太郎に自分を投影して悲しかった。弟分の弥五郎も男前で義理堅くいいやつだからこそ、愚かな熊太郎を無邪気に慕う姿がもどかしい。 他の人々は脊髄反射的に会話を楽しんでいるのに、熊太郎は思弁してからでないと話せない。話しても共感は得られない。 社交性を欠く熊太郎は現実よりも、他者の上に自分で作った幻を見てそれを信じた。善や正義や神秘を信じた。そうした幻は多かれ少なかれ誰でも抱く。弥五郎が熊太郎の上に見ていた理想の兄貴像も同じものだったろう。普通は現実と幻になんとか折り合いをつけて生きていくが、熊太郎にはそれが全然出来ない。 他者とのコミュニケーションに断絶を感じ続けた彼が最後に行った告白に意味はあったのか。 その告白後もまだなお自己の内面を見つめて言葉を捜した彼が見たもの、作者がここまで彼を追い詰めて見せた風景こそが、この世界の真理の一面であると思う。 だがしかし、正直打ちのめされてしんどい。作者の描く熊太郎弥五郎が好きだ。彼らに幸せになってほしいが、このラストには妙に納得できてしまう。 多分読者の多くがこうしたやりきれなさを痛切に感じ、世界の不条理を嘆き、熊太郎弥五郎が胸のどこかに生き続けるのだと思う。この作品に出会えてよかった。 ※「作家の読書道」http://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi52.html | ||||
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最近の小説はほとんど読んでいませんが、新聞の紹介記事で読みました。 章立てがないので、切りなく読ま根がなりません。でも、河内弁のテンポで終わりまで読みました。 読了後、昔読んだ、今東光の河内風俗を描いたもののほうがよかった、と思いました。年齢のせいですね。 | ||||
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町田康さんが読み手の告白を聴きたいです | ||||
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時代物はなんとなく敬遠してきたのですが、なぜもっと早く読まなかったのかと後悔するほどの大名著。これは犯罪奇譚などではない、これほどまでに、私たちを含めた「ごくごく平凡な人間の自意識の中の中」までを描き切った作品がほかにあるだろうか。最後は嗚咽が止まらなかった。傑作。 | ||||
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いつもの町田氏の迷走する文脈は だんだんと引き込まれて いつのまにか町田康の世界に陶酔し楽しい時間をいただきました。熊太郎と弥五郎が実存し河内音頭になっている事も読み終えてから分かった次第で衝撃的でした。 | ||||
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主人公の熊太郎が殺人犯なのに、余りにキュートで愛せずにはいられないキャラクターで最後まで目が離せなかった。作者の分身のようにも感じる。 中上健次のような世界観に、中島らものようなユーモラスで少し哀しみを帯びた河内弁が音楽を聴いているよう。ラストどうなるのかと思っていたら着地も素晴らしく圧倒されました! | ||||
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河内出身です。 セリフが全部「聴こえた」小説でした。 この素晴らしい作品をそんな風に読めただけで、河内に生まれて良かった!と思いました。 | ||||
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