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きれぎれ
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きれぎれの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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「きれぎれ」は、人間的にも社会的にも底辺を彷徨する主人公の、脳内活動が縷々つづられた作品。 男の嫉妬が露骨に描かれており、捩じれた感情が迸しる鬱屈した物語になっている。ジャンルとしては不条理文学に入るのだろうか。虚構と現実の交差するが、饒舌文体のなせる技か違和感はない。 ただ、この饒舌文体は、リズムがあわないのか眠気を誘われる。例えば、舞城王太郎、川上未映子ならば、ススっと入ってくるのだが、著者の場合はそうはいかないのだ。これは、音楽の趣味の違いに似ているのかもしれない。 | ||||
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町田氏の描く主人公は社会に順応できず、順応しようとすると空回りしてますます泥沼へ。かなり共感できますが、池澤さんの解説によると、『勘違いした読者が主人公に心を合わせようとすればたちまち押し戻される。ついて行けないぜ。』と。でも、はまるんですよね。 | ||||
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町田康は、読者を幻惑する。 タイトル作の「きれぎれ」は、幻惑されつつも、どこか魅力があり、もう一度じっくり読んだ方が良いかも・・・なんて、個人的に思ったりした。 「人生の聖」は、もう何が何だか・・・(笑 場面がバンバン切り替わり、よく分からない描写や情景がでてくるので、ついていくのがやっとだった。 もう、町田康の本は10冊以上は読んだが、この芥川賞受賞作の「きれぎれ」は、最も不可思議な一作だったかも。 | ||||
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まだ『くっすん大黒』と『きれぎれ』しか読んでないのですが、 両方とも『ダメ男の話』なんで、少し比べてしまいました。 『くっすん大黒』は、リズム感のある文章で、 最初のページで『この話、面白そうだ!』〜と思わせるのに、 『きれぎれ』は反対で、序盤が読んでいて辛いと思いました。 作品としては、持ち味が違うので両方好きですが、 『きれぎれ』に関しては「この漢字なんて読むの?(調べる→)」 その後「…こんなのカタカナでいいじゃん(例:護謨/ゴム)」 といった個所がちょくちょくあり、リズム感の邪魔でした。 読み終わった後味は、村上龍の「限りなく透明に近いブルー」に 近い感じ。不快感たっぷりだけど、終盤に美しい場面もあって…。 主人公のダメ男は、結局最後までダメ男のまんま、もうグダグダ。 ラストの『振り返ると、青空。きれぎれになっていて腐敗していて。』 の場面で、「腐ってんのは、空じゃなくてあんただよ!」と思いましたが、 この青空で最後に「読み手」が救われた気がします。すっきりして。 主人公は、何も救われません。青空に見るのは、虚しさか…。 はたまた、女房が飛び降りる幻影なのか…。 『日本語を壊して組み直す』という点ではパンクですが、 『ダメ男の生き恥〜それでも生きる』というストーリー性では、 「ブルースかな?」と。 | ||||
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クラクラしますね、町蔵さんの世界には・・・ ここんとこ、普通のものばかり読んでいたので、理解にかなり苦しみました。 んーーークラクラしています。 あぁ 町蔵さんなんだな・・・と・・。 いいえ。べつに「いぬ」には さほど 拘りはないのですよ 俺が学生で 彼らがバンドをやってた頃なんかには。 ぶっちゃけ バブルの時期に 何?パンク?という思い、しかなかった。 その中で、まともなことを言ってたように感じたうちの、ひとつではあるけど・・・ あいかわらず、あがいて、いがんで、ぐぎっている町蔵さんが、あーここにいるんだ と 思った。 | ||||
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おー。なんだ、なんだ、なんだ、だんな、これは! 怪誕不経、超塵出俗、憾天動地、瞠目結舌、 言語道断、支離滅裂、奇奇怪怪の怪物くん。 乱離骨灰、羅利骨灰、乱離粉灰、らりこっぱい懲りずに4回。 私は僕は俺は、頭割られて、脳みそに割り箸突っ込まれて、 ぐしゃぐしゃに掻き回され悶絶昏倒、主人公の気分。一言もねぇ。 日常からちょっと飛躍しているものが好き。って康ちゃん。 ちょっと”ちょっと”ちょっと”100万倍飛躍してまっせ。末世。 胡蝶の夢で飛び交う言葉の麻薬に覚醒されて、 意識は観念してまんねん。 発想と衝撃だけで、何かをやってみようという人が 始めた音楽がパンクと再び康ちゃん。 まるで、「きれぎれ」「人生の聖」はパンクロックのリズムに乗って、 「脳内シャッフル革命」を実践して書かれた歌詞でんがな。 と私は僕は俺は思う。たぶん。 「パンク小説」「小説パンク」。音楽と小説のコラボレーション。 新しいものはボーダレスで生まれる。(70点) | ||||
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町田康の作品は殆ど読んでますが、個人的にこれだけは 面白さがイマイチ解らんのですよ・・・。当方の読解力が無い所為も 十二分にあると思いますが・・・。何故コレが芥川賞?と正直 思いました(機は熟したって事か?)。それなら候補止まりになった ”くっすん”か”けものがれ・・・”で受賞して欲しかったなぁ。 芥川賞作品と言う事で町田康はこれが初めてって言う方も居られると思いますが。 面白く無いと思って町田康に見切りを付けた方は是非「くっすん大黒」か 「屈辱ポンチ(けものがれ・・・)」を一度だけ読んで欲しい!それを読んでも町田康パス! って言う人には何も文句は言わないっす。 ちょっとこの作品は難しかった(僕には・・・)何か読み終わった後に暗くなったし・・・。 町田康作品は読み終えた後は「生きてりゃ何とかなるだろう?」って感じに 訳の解らないポジティブ感が沸くのになぁ(僕には・・・) でも”タクシー”と”お見合い”の下りは、いつもの町田康っぽくて好きなんだけど。 | ||||
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「読後感として何も残らない」という感想は当たらず。この不快感と爽快さの絶妙なるバランス。人生と社会における不条理性と諦念と自虐と救い(か?)、悪夢と現実。やけっぱちなテロル。ちっぽけな悪意に満ちた快感。読書をすることの愉悦とひきつり。 | ||||
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芥川賞の選考では、宮本輝が猛反対し、石原慎太郎が強く推したようですが、わかる気がします。文体がユニークなことで「ビート派」とか言われる作家ですが、『きれぎれ』について言えば、かなり「メロディ」も重視し、計算して書いたように見えます。しかし文体も諧謔ぶりも、例えば、野坂昭如の初期作品などの強烈さには及ばないという気がします。 日常生活における人間心理の闇の部分、常識化されていない部分を描くのが文学の役割の一つであるという定式があるのか、芥川賞受賞作はその受け入れ易さで好きな人嫌いな人に分かれがちです。その点『きれぎれ』の主人公は、バブル崩壊後の世相を反映したキャラクターに思え、「勝ち組・負け組」で言えば「負け組」とわかり易い。屈折していて、そのくせラストの青空のように突き抜けたところがあるため、作品としては読み手に適度に受け入れられ易いのではないか。ただ読んで何が残るかというと今ひとつ。 | ||||
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初めて読んだ町田作品だったが、何とも形容しがたい読後感だった。また町田氏の文体には独特の粘りがあり、最初は戸惑ったが次第に慣れた。 3年も定職が無く、妻にも逃げられ、所持金も無く、かといって先行きを案ずるわけでもない、ぐうたらな主人公。貧乏人が金を求めて何かを始め、物語が展開して行くというパターンであるが、あらすじ自体にはあまり意味は無いのかもしれない。もっとも、巻末の三浦雅士氏の解説を読んで、作品の意味付けが多少出来たような気がする。 物語が進むにつれ、主人公が相対的に(他の登場人物と比べて)まともな人間に見えてくるのは不思議である。 作品に出てくるギャグ等にはクスリとさせられる。色々な読み方の出来る作品かもしれない。 | ||||
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「くっすん大黒」「人間の屑」「夫婦茶碗」などと比べると、わけが分かりません。どれが現実でどれが幻想なのか、そういうことは分かろうと思えば分かるのでしょうが、分かったからといってどうにもならないでしょう。文学の全てが作り物であることを強調しているような気はするが。 意味不明なパンクの文学バージョンと思えば分かりやすいのかも知れません。でも、最初期のニューヨークパンクは決して意味不明ではなかった。そこにあった反技術的な企みを町田は持っているのではあるが、この本は最もお勧めできない本に違いありません。 おそらく、この本を町田の中で初めて読んでしまうと、作者を嫌いになり、甘く見てしまうことになるだろうと思われます。 | ||||
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