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キャリー
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キャリーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21~33 2/2ページ
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モダンホラーの巨匠として知られる世界的に名を馳せた有名(メジャー)人気作家・スティーヴン・キング原作による処女作『キャリー』! スティーヴン・キングといえば作家としてのご高名は存じていたが一冊も読んだ事がなく、ただ『キャリー』『シャイニング』『スタンド・バイ・ミー』『ミザリー』『ショーシャンクの空に』といった映像化作品(特に映画的に名作・傑作といわれる部類)の多くはこのスティーヴン・キングによる原作だと知り、驚いた次第です。普通なら原作は名作でも映像化された作品は駄作というケースが多い中で原作は基より映像化された作品が後世に残る名作揃いというのは原作者として大変栄誉な事だし、これほど原作以上に個々の映像化作品が評価されているケースは稀だろう(近年の駄作を連発し続ける手塚治虫原作や吉田竜夫(タツノコプロ)原作による映像化作品とはえらい違いだ)。 ある世代にとってはトラウマ映画としても知られる名作『キャリー』〈1976〉が昨年リメイク〈11・8公開、監督:K・ピアース、主演:クロエ・G・モレッツ〉された事もあり、それをきっかけに今回初めて手にした次第です(スティーヴン・キング原作による処女作としても有名な作品だが、わたしにとっても初めてのスティーヴン・キング作品の処女読書体験です)。 片田舎のチェンバレンの町に住む少女・キャリー。狂信的なキリスト教信仰の母を持つ彼女には幼い頃から念動能力(テレキネシス)という不思議な力を潜在的に秘めていた。学校では目立たずにクラスメイトからは仲間外れでいじめられていた彼女だが、ある日、学校の舞踏会(プロムナイト)に招待され、ドレスを着込んで喜び勇んで出かけるキャリーに待っていたのはいじめっ子たちによる悪質なイタズラであった……。 映画『キャリー』(1976年公開時のモノです)で思い出されるのが、冒頭のシャワーシーンだろう。確か未成熟の身体をした少女・キャリーが初めての生理を体験する生々しいシーンは何も知らずに子供と一緒に見ていた親御さんにとっては気まずく思われるかもしれない(…というよりも本作自体R15指定だから子供と見る方が間違っているのだが、昔は普通にTVで放映していたような気がする)。 本書の原作にもこの場面が登場し、何も知らずにおびえるキャリーにそれを見ていたクラスメイトの女子たちがはやしたてて生理用品を投げつける強烈なシーンを思い出した(『キャリー』の中でもトラウマシーンのひとつだ)。 それともうひとつが本作を象徴するクライマックスでの(悪夢の)舞踏会(プロムナイト)の大惨事だ。いじめられっ子でクラスでも目立たない少女(今でいうイケてない女子)であるキャリーが舞踏会でクイーンに選ばれてスポットを浴びて周囲に賞賛されながら上がった壇上の真上からバケツいっぱいに入った豚の血を浴びて、周囲が凍りついた緊張感から笑いに変じたとき嘲笑された(と思った)キャリーの突如、潜在的に秘めていたマグニチュード級の(制御できない)念動能力(テレキネシス)が発揮して舞踏会はおろか町全体が大崩壊するというまさに圧巻のシーンだ。 本書ではその場面を当時の関係者たちの証言として各自の目線で舞踏会の大惨事を描かれており、リメイク版と同時期に公開された傑作映画『クロニクル』〈2013〉を思い出しました。『クロニクル』でも超能力を持った気弱な高校生の少年があるきっかけで能力を大爆発させ、街全体をパニックに陥れる場面が象徴的でした。 『キャリー』にしても『クロニクル』にしても基本的には普段おとなしく、何をされても怒りを表に出さずに我慢している子が一度怒りを爆発させると恐ろしい事になるという展開は読んでいてグロいんだけれどもどこかスカッとするところはあると思う(おそらく、キャリーと同じような境遇にある人にはある程度分かるハズ…)。 ただ『キャリー』の場合(『クロニクル』にしてもそうだけど)は、力をコントロールできない分、関係のない人も多く巻き込み(その象徴がキャリーに対して常に親身になって接していたデジャルダン先生の死に様だろう)、本来ならキャリーに対して不快な仕打ちをするいじめっ子にのみに向けられればよいハズなのだが、その瞬間、理性が崩壊してしまったキャリーは全てを破壊する通り魔的心情もしくは無差別テロのような感情が本書ではそうしたキャリーの精神状態が読み取れたのは面白かった(映画では視覚的でしか表現できないのだから)。 『キャリー』は読む人にとっていろんな捉え方があると思うが、オリジナル版〈1976〉が公開された当時に少年誌で連載されていた藤子不二雄A著『魔太郎がくる!!』で主人公の魔太郎が特殊能力でいじめっ子に復讐する姿が(時にはグロくても)どこか痛快に思えるところがあり、『キャリー』も同様にそれを感じさせるところがあるので人の心の奥底には何かしら破壊願望があって、その意味でも『キャリー』は、普段言いたい事が言えない人や何をされても我慢している人、虐げられている人(ほとんどの人です)にとっての代弁者の象徴であると思う(ただし、キャリーの場合は明らかに通り魔的犯行もしくは無差別テロ行為なのでご注意を!)。 | ||||
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新たに再販された表紙はリメイク版"キャリー"のクロエ・グレース・モレッツです。 スティーヴン・キングの原点であり名作ですね。 この作品を読むとJ.ケッチャムの"隣の家の少女"を絶賛していたことが納得いくことでしょう。 陰湿なキャリーへの虐め。 「うぅ・・」っと耐え忍ぶキャリーの慟哭。 狂気な母のキリスト教原理主義ぶり。 そして純粋無垢な良い人たち。 これらが織りなす日常の中の非日常。 そして、キャリーの慟哭が爆破する瞬間の恐怖。 映画を見てからこれを読むか。 本を読んでから映画を見るか。 これによってとらえ方が違う気がしますが、ラストシーンの壮絶さは原作の圧勝ですよ。 | ||||
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この『キャリー』から入るか、『IT』から入るかで、S・キングという作家の印象は劇的に変わる――。 そう批評家が口にするほど印象的な作品であり、彼の帝王が文壇という戦場を駆ける為に跨った、最初の騎馬でもあります。 アメリカでは、“ジーザス・マニア”とも揶揄されるキリスト教原理主義者の母親に育てられたキャリーと言う内気な少女。 彼女は、進化論を否定し、性行為を悪徳と信じ、故に娘を“汚らわしい過ちの成果”と断ずる母親に性教育を施されなかった事で、学校で初潮を向かえた時にパニックに陥ります。 それを冷やかして騒いだ同級生達は、現場を押さえた教師からプロムナード(学年度最後の舞踏会)に出席するのを禁じられ、キャリーを逆恨みする事に。 その中の一人で、唯一キャリーに対して罪悪感を感じていたスーザンは、恋人のトミーに、キャリーのプロムナードへのエスコートを頼むのですが……。 物語はキャリーの意思を無視して、周囲の人々の何気ない、あるいは歪んだ悪意の渦を作り、キャリーを情け容赦なくクライマックスへと追い立てます。 宗教倒錯、プロムナード、スクール・カースト……。今尚アメリカを構成する一部でもあるそれらを、全て一つの大鍋で煮詰めた様なこの作品は、家族を抱えながら貧困の中でもがいていた若きキングの、怒りや混沌とした気持ちを吐き出したかの様な様相を呈しています。 “スカーフェイス”や“ミッション・インポッシブル”のブライアン・デ・パルマがメガホンを取った最初の映画も、近年になってリメイクされた映画も出来が良かったですが、一切の規制や遠慮なく、一人の少女を悪魔の如き破壊と殺戮の権化へと変貌させてしまうアメリカの暗部を描いたこの原作の狂気には、遠く及ばないでしょう。 教師経験のあるキングだからこそ書けた、思春期の少年少女達の残酷さ。そして、純粋なものが情け容赦なく汚されてゆく様子は、読んでいて胸が締め付けられるのと同時に、クライマックスで、昏いカタルシスを読む人間にもたらします。 流石に、まだまだ円熟を向かえて書かれた傑作たちよりは荒削りだと一読者の私でも感じる所はありますが、キングに魅かれたのならば一読の価値はある作品だと思いますし、稀代のストーリーテラーの記念碑的作品でもありますので、星五つを点けさせて頂きました。 | ||||
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クロエ・グレース・モレッツ主演の映画版を観たことに触発されて再読。以前読んだのはかなり昔なので、ほとんど記憶にない。 映画版に比べて母親の狂信ぶりが尋常ではなく、小説の方がはるかに怖い。物語のラストも小説の方が規模が桁違いにでかい(なにしろ街全体を破壊してしまう)。キャリー自身の最期も小説の方がインパクト大。 というわけで、全体的に原作小説の方が怖くて衝撃的という印象だ。 | ||||
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学校でいじめられ、家でも虐げられる少女がやがて・・・というお話。 一番最初に本書を読んだのが、今から30年くらい前の中学生時代でその後の人生の方向性を決定させるぐらいのとんでもない衝撃を受けたのを現在でも昨日のことのように憶えています。2回目に20歳くらいで読んだときはまるで面白くなくて、その自分の感性の変容に驚いたのをよく憶えています。で、今回3回目に読んでみて、キング氏の最高傑作とは言えないまでもそれなりに面白かったのでホッとしました。特に、1回目や2回目で憶えていなかった細部のデティールがよりクッキリ読めて、それが作品全体にどのように関連するかが良く判って興味深かったです。 それで、この後の「クージョ」や「ミザリー」を読んだ後本書を鑑みてみると、キングという人が少ない状況を水増しではなく説得力ある叙述である程度の分量の長編に仕上げることに秀でた才能があるように思いましたがどうでしょうか。「クージョ」では狂犬に襲われる母子、「ミザリー」では狂った看護婦に監禁される作家、本書でも主な状況は主人公がメンスが始まってうろたえいじめられるシャワー室と卒業式で行われるプロムの会場の2か所が殆どの主要シーンで、そこに様々な証言録や新聞記事や研究所の抜粋が挿入されて成立していると思いました(細かく見ていくともっといっぱい色々なシーンもありますが)。これは決して批判ではなくいかにキング氏が他の作家にない特異な資質に恵まれているか或いは努力の賜物で習得した手腕の持ち主であるかが本書を読むとよく判ると言いたいかということで、その才能には驚嘆するしかないと感じました。この人は最初の時点でこのような異能天才作家だったのだというのが痛い程よく判るアメリカのホラー小説(これが出た頃はモダンホラーと呼ばれていました)の分水嶺的小説。 近作は不勉強で読んでいませんがその異彩ぶりは十分発揮されていると思います(「不眠症」はあまり面白くなかったですが・・・)。それと、巻末に収録されている風間賢二氏の解説は本書を詳細に研究していて必読と思われます。 これがなかったら、アメリカのホラー小説の流れはかなり違っていたと思われる記念碑的作品。是非ご一読を。 | ||||
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1922、ビッグドライバー 最新作の二巻は 本来は1つの本で 「星のない真っ暗闇」 つまり、 「救いがたく後味の悪い物語集」 という意味合いを持つ。 かつて、このキャリーを書いたキングが紡ぐ物語四編は素晴らしい技巧と筆致で圧倒される。 が、「救いがたい」という点においてはやはり、このキャリーをこえてはいないのではなかろうか。 これは、本当に残酷で恐ろしい。 技巧ではなく荒々しいまでの著者の若さが感じられる どちらも素晴らしいので、ホラーが好きならば一読をお薦めしたい。 技術は圧倒的に最新作が上だが、本書にはキングの原点、人間をみる目があると思えるだろう。 | ||||
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昔、映画で見た物語。それをオーディオブックで通勤時に聴いています。 あわせて本も購入しています。 なんとなく理解できるようになってきました。 友人は、聴ければしゃべれると言っていましたので。。楽しみです | ||||
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古い作品であることを感じさせない、永遠の新しさを持った作品だ。 アメリカで90年代に頻発した校内銃乱射事件の多くは背景にいじめがあるというが、それらの犯人たちがキャリーに重なる。人々は起こった事件の壮絶さにばかり目を向けるが、その前に蓄積された理不尽ないじめのすごさには、なかなか感情移入ができないものだ。 キャリーのような子はどこにでもいると書いてるレビュアーがいるが、ある意味それは正しい。それでも、キャリーのようでない人のほうが圧倒的多数なのだ。自分がそういう人間でない以上、キャリーのような子供の心情にきちっと感情移入するのは難しいのだろうか。だから「怖い」などという感想が生まれるんだろうか。 ハイスクールの教師をしていたキングは、それこそ日常的に、アメリカで変わり者がどれほど酷い扱いを受けているかを目撃しているのだろう。自身も変わり者か、あのキャリーを救おうとする教師に近い感情を持っていたのか。 体育教師、スー、スーのボーイフレンドなど、『聖人』としか言いようのないような、日本社会では絶対に見かけないような絶対的な勇気ある「いい人たち」も、この作品には登場している。そして、アメリカというのは、まさしくそういう社会だ。多くの愚か者と、少数の圧倒的「いい人」、それにアウトサイダーが、見事に存在している。そのへんがとてもリアルで素晴らしい作品だと思う。ただ、終盤、しつこいのが惜しい。 | ||||
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スティーブンキングの出世作。とにかく、映画の印象が強いので、いままであまり読みたいとおもいませんでした。しかし小説版は映画より、協力なサイコキネシスをもった超脳力者を仮定した「絶対可憐チルドレン」みたいなSFものでした。キャリーの力の描写にやや遠慮が感じられるのは時代のせいでしょうか。貴志祐介の「新世界より」を読んだ後では、やや物足りない感じです。ブライアンデパルマの映画のラストは蛇足でしたね。 | ||||
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らしい。 個人的にはミザリーとかよりも数段面白かったと思う。 確かに、構成とかは実験的で、デビュー前の人間がやるには修行が足りない、と思ったんだけど、それでもセーフの範囲でないか。 いじめられる描写が生なましかった。幼い女の子特有のいじめっぽくて。 | ||||
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これは最近読んだんですが、やはりキングの作品はいいですね。ゴミ箱に捨てられた作品だそうですが、ストーリーがいい感じです。主人公キャリーのだんだん壊れていく感じが怖かったです。これからもキングさんには、いい作品を書いていってほしいです。 | ||||
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小さい頃からホラーものが好きだった私、それがこの作品と出会い本来のホラーという作品の真髄を垣間見た作品だった。恐いのは、キング氏の作品は2時間ぐらいの映像だけでは描けないヒシヒシと迫ってくる怖さである。このキャリーという作品の主人公の少女はどこにでもいる、一人の女の子、、そのどこでもいる女の子の中に秘められた、異常な世界、歪んだ親子関係、狂気という言葉だけでは言い表す事などできない世界。しかし、キャリーの様なパワーはなくとも、最近では、こんな世界はあたり前のようにおきているし、存在しているのでは??と、ふと考える作品です。古い作品にも関わらず、新鮮??に読めます。やはり、ホラー界の貴公子??キング氏!!中だるみを克服して(ちょっと最近の作品は両だるみを感じます,,)キャリーの様なはっとして、そして、もの悲しくて、、そして、ぞくぞくしてしまうような作品を出してください!!でも、やはり(全ての作品を読みましたが)私にとってこのキャリーが5スターです。これをこえるのは本人も難しいかもしれませんね!! | ||||
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ホラー小説ではあるものの、なによりキャリーの悲劇的な人生に惹かれる。狂信的な母親、陰湿ないじめ、そしてキャリーの最期。大人気作家スティーヴンキングの長編第一作であり、文章などに粗さは感じられるものの、キャリーという特異な女の子の生涯を魅力的に描いた点で、いい小説だと思います。 | ||||
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