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呪われた町
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呪われた町の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全46件 41~46 3/3ページ
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| Kingが発表した2作目となるこの小説を手に取ったのは、実を言うと村上春樹があるエッセーの中で、‘Carrie’に比べると小説の腕が格段に上達している、と評価しているからだった。 この小説のPrologueは、親子と見まがわれる男と男の子の話から始められるのだけれども、実を言うとこれは後日談であると言う事が、Prologueを読み進めていくと分かってくる。然し、子供はともかくとして、その大人の男性が誰であるのか非常に興味があった。そしてKingは考えられる可能性の中で最も残酷なplotを選択していく。 たまたま幼少の時期を過ごしたSalem’s Lotに戻った作家のBenが出会った女性が後にGirlfriendとなるSusanであった。彼女はBenの愛読者であり、彼女が図書館で借りていたBenの本にサインをしてもらうところから彼らの交際は始まる。Suzanにはboyfriendモドキも居たのだけれども、そのboyfriendモドキを捨てるようにして、Benに接近していく。そしてそのまま愛が進行すれば普通の恋愛小説なのだが、Kingだから決してそういう展開にならないだろうと想像する事は容易だろう。 さて、この2人に何が起こるのだろうか。長さも‘IT’や‘The Stand’に比べればずっと短いのでとっつきやすいのではないだろうか? 然しKingの想像力には何時ものように驚かされる。奥さんであるTabithaが、偶然に口にした、「ドラキュラがこのアメリカに、メイン州に現れたらどうなるのでしょうね」、と言う言葉に創造力を駆り立てられた、とIntroductionで記しており、また奥さんに感謝しているとも書いている。この作家にして、この奥さんあり、と言う事だろうか……。 | ||||
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| キングの2作目は早くも上下巻に分かれた大作となっています。『キャリー』がベストセラーになってそういう書き方が許されるようになったのでしょう。確か宮部みゆきが本作をキングの最高傑作に推していたので楽しみにして読んだのですが、150ページ目くらいまでは大した事件が起こらないことに驚きました。ずいぶんのんびりとした筆致なのですが、それがラスト近くの怒濤のクライマックスの恐怖感を支えていることに読み終わった後で気づかされます。ストーリーは典型的な吸血鬼もので、現代において吸血鬼物語が通用するかどうかということにチャレンジしたかったのだと思います。ブラム・ストーカーとかを読んでいないと意味がわからない箇所が多いのですが、逆にそういうものが好きな人にはたまらない魅力を放っています。吸血鬼に関する文学を全部読破してみたい気分になりました。 | ||||
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| 今時吸血鬼なんてと思っていても、こんな風に現れたらなんて思わせてしまうところがこの作者の真骨頂。今回の地震でもそうだが、山間の小さな町で起こったことは情報が外に出にくい。あっという間に町全体が崩壊することはありえない話ではない。でも「吸血鬼があなたの隣にいる」ということと「十字架は悪に勝つ」という2点を比べた時、後者に全くリアリティーを感じなった私は俗世界に汚されているんだなあと思った。後に書いた「ニードフル・シングス」の原型とも言える作品。(丸写ししたような日本の小説もあった)彼の他の作品と同じく一気に読ませます。推薦します。 | ||||
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| シアトルからサンフランシスコへ向かうグレートハウンドバスに乗っていくと、途中こぢんまりした町中を通ります。バスの窓から外をのぞくと、ちょうど夕方にさしかかって、住宅街の窓には明かりも灯りはじめ、その町のゆったりした生活をかもし出しています。僕がアメリカを旅していた頃は、こんな町があちこちに点在していました。 この事件はアメリカのどこにでも有るようなこんな郊外に、一人の男がやってきたことが発端となります。 夕暮れ、兄と連れだって友人の家に遊びに行く途中、兄のすぐそばで弟が行方不明となり、一人戻ってきた兄はそのときの記憶が定かでありません。貧血がひどく病院に運ばれますが、原因不明で兄の死んでしまいます。弟の死体が見つからないまま、兄の葬式が執り行われます。 次に、その葬式に墓堀人として参加していた男がひどい貧血状態となり、日もたたぬうちに兄弟の両親までも同じような貧血状態を表し始めます。町の中にはネズミ算式にそんな人たちが増えていき、気づくと、こののどかだった町の公園や道路から昼間人々の姿が見られなくなっていきます。彼らに共通な表情は・・・全く飲食を受け付けなくなる・・・昼間の光を嫌うなどで・・ どこにでもある生活の中にヴァンパイアが入り込んで、あっという間にその町がゴーストタウンとかしてしまう恐怖を、キングは彼独特の文体で語りかけてきます。(キングは日常の中に恐怖を見つけ出す天才です。たとえば「クジョー」はその一番の例)これは、人の心を映し出す細かな描写と、大胆な言葉遣いで読者を恐怖に引きずり込んでゆくキングの2作目の作品です。今読み直してみると、何となく初期の頃の作家としてのキングの意気込みをも感じさせられます。一緒にキングの切ないほどの恐怖を楽しみましょう。 | ||||
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| ちょっと思い出してみてほしいのだが、みなさんの小さい頃の「怖いもの」の中に、吸血鬼は入っていただろうか? まず、たいていの人にとっては別に怖いものでも何でもなかったんじゃないかと思う。かくいう私も、ドラキュラは知っていてもちっとも怖いとは思わなかった(笑) それは何故か? 十字架、ニンニク、太陽の光、etc…たぶん、あまりに弱点が多くて、しかもそれがコドモにまで知れ渡ってしまっているからである。 弱点については、この小説の吸血鬼も例外ではない。ところが…怖いのだ、これが。平凡な田舎町に何の前触れもなく現れた「彼」によって、街は文字通り死んでゆく。ゆっくりと、だが確実に。 これを読んだ後でも、吸血鬼なんて怖くないと言えるかどうか。 興味があったらぜひ確かめてみてほしい。 | ||||
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| ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」の設定を忠実に踏まえながら、舞台を現代のアメリカにそっくり移行させた意欲作。片田舎の小さな町「ジェルサレムズ・ロット」がたった一人の吸血鬼によって瓦解してゆくさまは、現代アメリカの問題の諸相と相俟って、怖いというよりも、色々と考えさせられます。 キングお得意の《子供のイノセント》もたっぷり織り込まれており、吸血鬼の脅威を知りながら町を見捨てようとした保安官に言ったマーク少年の台詞が秀逸。「だって彼は悪いやつだよ、保安官。すごく悪いやつだ。だから彼をやっつけなくちゃ」 | ||||
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