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箱の中
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箱の中の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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知人に薦められて読みました。 稚拙な表現、浅はかな心理描写、不自然な展開に読んでいられず、途中でやめました。 若い人向け? | ||||
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木原さん作品の中ではメインの2人がかなり真っ当な人物で(刑務所に入ってるけど)、痛い描写も多くなく、初めて木原さん作品に触れる方でも読みやすい作品と言えると思います。私の大好きな作品の一つです。 なのに☆一つの理由です。 私はホリーノベルス版を紙で持っているのですが電子でも欲しいと思い今回電子で文庫版を買いました。 ところがノベルス版の「檻の外」に収録されていた「雨の日」と「なつやすみ」が収録されていませんでした…。 その2つを含めて完成された作品だと思っているのでショックでした。買わなければ良かった…。 私も未読の「すすきのはら」も含めた完全版をいつか出版していただきたいです。。。 | ||||
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三部構成の物語ですが、最後の『檻の外』が全てをぶち壊しています。何人かの他のレビュアーさんも指摘されているように、二人の男性が結ばれるために、片方の男性の妻と幼い娘が、都合よくも、あっさりと「削除」されてしまう。つい最近、お気に入りになった作家さんの作品で、他の作品も読もうと思いますが、この作品に関しては残念としか言いようがありません。喜多川というキャラがなんとも魅力的で、「病んでいる」キャラをこれほど魅力的に描ける才能には脱帽。二部の、小心なくせに悪事をはたらこうとした探偵の話も悪くなかったです(探偵にしては無知過ぎると思いましたが)。探偵の視点で、喜多川の常軌を逸した「愛」(愛への執着)が切なく胸に迫ります。なのに、ああ~~、三部目が酷すぎる。以下ネタバレありーー四歳の娘は誘拐されて残酷に殺され、可愛い奥様だったはずの妻は不倫していて、あれよあれよというまに醜いモンスターに。お手軽に刺激的なエピソードが連続するので、ストーリー自体は派手に展開し、リアリティはどんどん薄くなり(誘拐捜査に乗り出す警察とのやりとりや、妻の言動など)、それゆえ、テレビの『相棒』シリーズの一話のごとくに容易にエンドマークも打たれる。堂野は娘の無残な死に絶望することもなく、喜多川との関係になんとなく慰められて、どんな深淵を覗くこともない。あれれ、なんでこんな話にしちゃったの??? 喜多川が堂野の四歳の娘を嫁にしたい、と言い出したときは、「おっ、すごい展開。どうなるんだ!?」と期待したのに(同時に、これで物語をうまく着地させられるのかな、ページ数も少ないのに、と危惧はしました)、「削除」しちゃうんかいっ、と。 堂野の喜多川に対する感情は「愛」ではなく「情」であり、だからこそ堂野が喜多川を拒否してみたり惹かれたりの優柔不断な態度を見せるところは、自然です。すごくいい。「愛」と「情」のどこがどう違うのか、読者も考えさせられるし、その意味では深い物語。そもそも、大学出(理学部出身!)の堂野というキャラが、優しいけれど少しボンクラ(ボンクラだから優しいのか?)というのも、いい。ほんと、喜多川と堂野の二人はいい。あぶなっかしい二人の味わい深い物語になりそうだったのに、残念無念です。文庫版を出版するとき、『檻の外』だけは、書き直すべきでしたね。もったいない~~(涙)。二人の後日譚ともいうべき短編があるようですが、殺されちゃった穂花ちゃんが可哀そうすぎて、読む気になれず……。 とはいえ、ではあるけれど、しかしながら、この作家さんは大好き! 今後も応援したいです! | ||||
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この本評価しようがないのでは…という内容でした。残念の一言。 心に残るBLを描きたいという筆者の性癖にも近い欲望を満たすがためになにもかもめちゃくちゃ、犠牲者多数って感じで…浅すぎてアラサーの私には厳しかったです。 若い方向きですかね。。。内容も薄い。。。 | ||||
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知人が良かった良かったと繰り返していたので購入しました が、私には全く響くものがありませんでした 表紙の良さと、文章がきちんと読めるレベルというぐらいしか 評価するところがありません 結局なにを書きたいのか、なにを作品の華としたいのかが見えて来ず そういった要となる部分が鮮烈に描かれていないがために 展開や構成の粗が浮き彫りとなり、表面だけの何ら深みのない作品になってしまっています | ||||
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まず最初に、本作をBL小説として評価するのならば☆4です。 しかし一般小説として読んだ場合、☆2以上はつけられません。 こちらは一度BL小説として発行されたものを一般小説として出し直しているので、元々BL小説だということを考えると☆4にするべきかな?と思いましたが、一般小説として刊行するにあたって改稿したとの記述があったため、一般用に書き直したならば一般小説として評価するべきだなと判断し☆2をつけました。 私はBL小説には萌えを一番に求めているので、BL小説として本作を読んだ場合、言わずもがな萌えがあるので☆4評価になります。執着系のBLが好きなのでその分の加点ですね。 ですが一般小説となると、正直全体的に作り込みが荒いと言わざるを得ない。 いざ萌えのフィルターを外して読むと、全編に渡って男同士をくっつけるためにあまりにご都合主義な展開が目立ちます。数年ぶりに再会した主人公に妻子がいたことへの決着のつけ方がその最たるものだったと思います。 好きな相手に妻子がいてしかも家庭円満な様子。ここから妻子を捨て同性の相手を選ばせるには?と考えた時、妻を悪者にするか子供をどうにかするのが一番やりやすい展開だよなと思って読んでいましたが、まさか両方ぶち込んでくるとは思いませんでした。正直なところあまりの安易さにびっくりしました。子供が可哀相な目に合う展開や女が裏切る展開に特に拒否反応はないのですが、料理の仕方があまりに雑で一つのホモカップルを成立させるためにこの妻子がすべての業を背負わされたという印象が強いです。 しかし肉親・家族を切り捨て好きな男を選ぶという展開をこの作家さんはよく書くので、家族や肉親というものを比較対象にして愛情の大きさを表現するのがお家芸なのかもしれません。家族愛というものを大きく見ている私としては「そんなに簡単に捨てたり切ったり貼ったりできるほど家族間の絆というものは弱いものなのか?」と首を傾げる部分なのですが、まあそれは話が変わるので置いといて。 それと帯に冤罪というテーマを大々的に扱っているように記述されていますが冤罪に関しては単なる舞台装置です。解決しません。冒頭で主人公が詐欺に合いますが、それも特に解決しません。すっきり解決しなくても納得できる結末というものもたくさんありますが、本作では冤罪に関して舞台装置以上の役割はいっさいありませんので、その部分を期待している方はご注意。 冤罪や詐欺以外にも不倫や不妊や殺人など様々な事件が起きますが、こちらも特に読み手が納得できる形での解決はしません。いつの間にか知らないところで勝手に事件は収束してます。 一般小説として☆2評価をつけている理由は主にこういった部分で、やったらやりっぱなし、広げた風呂敷が畳まれていないという印象が強かったからです。 ですが文章自体は読みやすく、構成力もある作家さんだと思います。BLに興味がある・BLに好意的である方にはおすすめの一冊ですが、BLに興味はないけど評価が高いから試しに読んでみようという方は避けた方が無難かと思います。 あくまで本作はBL小説であってそれ以上でも以下でもないので、ストーリー上のあらゆる粗をある程度萌えでカバーできる方向けです。 | ||||
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レビューの高さとBL人気作家の作品、かつ講談社文庫からわざわざ出しているということで読みました。 しかし残念ながら喜多川の人物像に感情移入できませんでした。 喜多川を「純粋」「無垢な愛」と評していますが、過去の生い立ち、人を殺した経緯、現在の考え方をみていると、私的には怖かったです。狂気と執着の愛にしか見えなかった。 生い立ちが重すぎるし、彼の幼稚で感情的な的部分が怖い。 堂野はよくそういうの気にしないで、ずんずん喜多川に入っていけたなー、と堂野の能天気さにもついていけなかった・・。 キャラに入り込めなかったので星二つ。でも木原さんの文章力はなかなかです。 普通のBLとは一線を画しています。でも感動っていうと・・? あと刑務所の描写(同房の人たちがいい人たちすぎる)も甘かったかな・・。 | ||||
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BLなのか一般書籍なのか、エンターテインメントなのか文学なのか、どっちつかずの印象でした。 BLであればもう少し「萌えと性描写」が必要であるし、一般書籍であればあと少し「ストーリーの整合性と主人公の心象描写」が必要だと思います。どちらでもないし、どちらでも足りない。そんな印象でした。 堂野と喜多川の関係を成立させるために、妻を不倫させ(しかもパート先の店長という、今時昼ドラでも使わないようなチープな設定)娘を殺し、不妊治療ネタまで盛り込む辺りがとても痛々しいご都合主義に感じました。特に妻の描き方が安っぽく、彼女がなぜ不倫をしたのか、堂野が彼女のどこに惹かれて結婚し子どもまでもうけたのか、さっぱり理解できませんでした。これが右斜め上を行くトンデモ(BL)設定だったら、逆に受け入れられたのかも知れません。 個人的には三浦しをんさんが解説で語っていたBL小説の方が、物語としては完成しているのではと思いました。 簡単に説明すると、ピザ屋に行って日本蕎麦を出されたような気分です。蕎麦はそこそこ美味しい(文章は上手)。けれど、本当に蕎麦が食べたければ一流店に行きます、そういうお店たくさん知ってます、という事です。ピザ(BL)が食べたい客には、素直にピザを出して下さい。 少しこじゃれたイタリアンレストランでそば粉入りの生パスタを、「当店の自慢の一品です」とドヤ顔で出されたような気分がしました。 次は普通のピザと普通のお蕎麦を食べたいです。 | ||||
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この作品は、BL界の芥川賞といわれてるようだが、申し訳ないけれど、「冗談じゃない」のレベル。 Amazonのレビューでも評判がいいし、勧めてくれる人もいたので、手に取ったが、正直、がっかりした。 レビュアーの中には、酷評を寄せた人も数人いるが、私はそちらの方に同意する。 もちろん、読者をぐんぐんひっぱっていく描写力は十分認めるし、エンタメ系ラノベとしては、かなり成功していると思う。 ただ、それ以上でも、以下でもない。 だいたい、ストーリー展開がご都合主義で、あまりに安易。 主要登場人物がいずれも、なにも物を考えないで、ただ流されているだけのように見える。 それは、作者自身が、立ち止まって物事をゆっくり考える態度を放棄し、単にラノベのテクニックを身に着けることしかやってこなかった結果だろう。 ある程度上手く書けるようになり、読者の感動もある程度引きだせるようになったところで、お終いではないか。 まあ、それは小説の捉え方の問題だからいいとして、どうしても嫌だったのが、女性の描き方。 堂野の妻、麻里子がなぜあんなにひどい人物として造形されなければいけないのか、全く理解できない。 よく言われるホモソーシャル=ミソジニーという世界観は、こういうことなのか、と妙に納得した。 でも、女性作家がそれをやってどうするの? 私は別にフェミニストではないし、どちらかというと、彼女らとは立場を異にしているが、いくらなんでも、麻里子という「女」がこんな風な役回りしか与えられないのは納得がいかない。 彼女は、毎日退屈で、幸せだけど、毎日同じで、おばあちゃんになるまでこんな日が続くと思ったらゾッとして、浮気をしたという。 まさにボヴァリ―夫人と同じことを言っているわけだが、フローベールはそんな女性を冷やかに描きながら、自分自身は彼女の側に立とうとしていた。 少なくとも彼女の心の問題を近代社会の問題として、きちんと向き合うに足るテーマであると考えていた。 それなのに、この作者は女の苦悩を、男二人の愛を成就させるための、単なる踏み台としてしか見ていないのである。 だいたい、堂野も悩んで、悩んで、悩みぬいた果てに、喜多川を主体的に選び取ったわけではなく、麻里子が勝手にこけたから、棚ぼたみたいに、喜多川を選んだにすぎない。 そもそも彼は刑務所で、同房の芝に、「一生添い遂げるぐらいの気負いがないんだったら、(喜多川と関係を続けるのは)やめときな」といわれて、あっさりやめているのだ。 もちろん、一度はそんな風に捨てたことに対し、後悔の念があり、今度こそはと思って、彼を選んだのかもしれない。 だとしても、あまりに安易なのである。 とにかく、後味の悪い小説だった。 BLは所詮「ファンタジー」でしかありえないのだから、中途半端なレアリスムは止めておいた方がいいと思う。 もっとも一流のファンタジーは、現実に対する高度な批評性を備えており、事実、そうしたBL作品はほんのわずかだが確実に存在する。 でも、この『箱の中』にはなんの批評性もない。 なんだか、詐欺にあったような気がした。 | ||||
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最初に断っておきます。酷評になります。 以前BL作品の「夏の塩」という作品を読みとても感動してそれからBL作家さんの中にもとても 素晴らしい作家さんがいらっしゃるということを知りそれからストーリーに定評のあるBLを読むようになりました。 そしてこちらの「箱の中」はとても評価が高く、「これで泣けなければBLで泣くのは無理だと思ってください」的な ことを書かれている方もいらっしゃったので期待して読ませていただきました。 しかしはっきり言って一体どこで泣けるのかわかりませんでした。ちなみにこれまでBLでは 「風と木の詩」(漫画ですが)、「夏の塩」でボロ泣きしました。 この作品刑務所や冤罪という設定が重いだけでなくむしろそれ以上に登場人物がとにかく自分のことしか考えていないのです。 むしろある意味一番人のことを考えているのはかなり劣悪な環境で育った喜多川でしょう。 それはもう脇役だけに限らず喜多川の愛する堂野もそうなのです。 喜多川は育った環境のせいで性格や知識が子供のようでまた愛もそうなのでしょう。 解説で三浦しをんさんが「真実の愛」と書かれていますが確かに喜多川の愛は真実の愛なのでしょう。 「結婚しても一日一回は顔を見たい」というセリフの示すように 報われなくてもいい、ただ相手がそこにいてくれればいいという無償の愛なのでしょう。 見返りを求めない代わり周りも気にしないので端から見たら狂愛にも見えるほどです。 しかし堂野は違います。彼の愛は対価のいる愛なのです。 その証拠に彼は妻が浮気をしたという事実を知ったとたんに「自分は自分だけを愛してくれる人がいい」と言い放ち さらに「喜多川のことを本当に愛していたら刑務所にいたころから愛せていただろう」と思うのです。 つまり彼は結局は自分を愛してくれる人しか愛せないのです。それは真実の愛でしょうか? これまでの展開を見てありえない気がしますが喜多川が浮気をしたら堂野はあっさり彼に背を向ける気がします。 彼は常識的で確かに情にも厚く誰に対しても優しい代わりに誰か一人に執心するということもない気がします。 いわば喜多川とは正反対ですね。 妻が浮気をした事実を知るまではさんざん喜多川の愛を突っぱねて「友人としてしか付き合えない」 と言っていたくせに妻が自分を裏切ったことを知ったとたん手のひらを返し流されるまま喜多川と行為に及ぶ堂野 の感情は私には愛ではなくただの甘えにしか見えません。 しかも娘が亡くなってまもなく。いくら精神的に不安定だからとはいえ気持ち悪いとさえ思ってしまいました。 この作品の一番の犠牲者は堂野の娘でしょう。 作中で喜多川がかなり無謀な状態で堂野探しを依頼したときそれを受けた探偵の男は 「彼は不幸にロマンチシズムを覚えるタイプなのかもしれない」と思うのですが私からすると この作品がまさにそれなのではと思ってしまいます。 BLを読まない方はご存知ないでしょうが木原さんは三浦さんが書いているように BL界では絶大な支持を受けていて作風は「痛い」と評価されることが多くそれはファンの方も周知のようです。 それでもきっとファンの方には痛さを超える何かが感じられるのでしょうが私には無理でした。 ただ文章は読みやすく続きが気になり読みたい気分にはさせられます。 好き嫌いはかなり分かれると思いますが文章力はある方だと思います。 | ||||
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BL界の芥川賞作家、ということで読んでみましたが……。 すみません、その冠はどうかと思います。 まあ、好みに合わなかったということで、あえてここにレビューを書く必要はないとは思うのですが、普通の本を読んでいる人には、ちょっと向いていないと思います。 文章や構成は、ある程度上手だとは思うのですが、「文学」を目指すって……難しいですよね。(苦笑) 私的な印象で、自分に酔ってるかな、と。言い過ぎですね、すみません。 合わない人もいる。それだけです。 (てか、なんで読んでしまったのか。アマゾンのレビューの星のせいか?笑) BLファンの方、作家の熱烈な信奉者の方、申し訳ない。 ちょっと興味があって読んでみたというには、ちょっと厳しい。 BL好き向けです。他の分野を普通に読んでいる人は、避けた方が無難かも。 そこいえば、講談社の文庫で出されていたのは……ちょっと、ね。 | ||||
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全体として、視野の狭い小説だと思いました。 感情面は描写されていますが、世界の外側というか余白がない。 男性が主人公でありながら、ひどく感情的な物語であり、女性的な印象を受けました。 そのギャップで、あまりリアリティを感じられませんでした。 「箱の中」を独立した短編と見ると、刑務所という特異な環境と精神状態だからこその異常性や世界の狭さだと納得もでき、結末にも切なさを覚えました。 しかし、読み進むにつれ、前科者の負うべき苦悩を悉くスルーして、感情のみで進む展開に違和感を覚えました。 主人公の人生にとって最重要項である冤罪について、何の進展も見られなかったのもどうなのでしょう。 それ以前に「好き」だの「嫌い」だのだけに振り回されていられるほど、社会は前科者に優しいでしょうか。 セクシャルマイノリティや冤罪という重い課題を両手に引っ提げていながら、その重みを確かめずに「恋愛」に向けて走ってしまったようだと感じました。 家庭を持つに至った男が、我が子の死の後すぐに自分の恋愛に目を向けられるでしょうか。 相手を恨む描写もなく、自分の妻の裏切りばかりに目を向けられるで057;ょうか。 子どもの理不尽な死に、半生を賭けて戦う親は何人もいます。 しかし、目を背けて逃避する親は滅多にいないです。 まして、夫婦揃ってなどとなると…… 畳み掛けるように物語は終わりましたが、時の経過と恋愛面以外の情をもっと意識してほしかったです。 | ||||
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BL読みでない私にとっては、ホモセクシャルの傾向がない堂野に対して執拗なまでにまとわりつき、最終的に衆人環視の中で強姦にまで及ぶ、出所後も堂野を追い求める喜多川の姿は狂気をはらんだ執着にしか見えませんでした。 また、堂野という主人公も、流されるままになる脆弱な人間にしか見えず、強姦までされても喜多川を拒否しないという(ましてや、連絡先を残そうとまでした)のには理解及びませんでした。 もしかしたら、“BL小説”として読む、あるいはBL小説読みとしてのスキルが高ければ違う感想になったかもしれません。 ただ、普通に考えてみると、喜多川の堂野に対する想いは、例え不幸な生い立ちがそこにあったとしても、やはり狂気のものにしか見えませんでした。 それを“無垢な愛”と思えないところで、私はこの小説を読むスキルはないんだなと理解しましたが。 男と男がそこにいて、必ず愛がそこにあるという前提で読めば、違う見方ができるのかもしれません。 | ||||
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