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箱の中
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箱の中の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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前評判が良すぎたせいか、少し期待はずれな印象で終わってしまいました。箱の中はリアリティのある苦い終わり方で「なるほど、BLとしては異色!」と思いましたが、檻の外になると少し展開が強引過ぎるというか、最後の方の怒涛の展開に違和感を持ってしまいました。一般文芸としてリアリティを貫くか、それともBLファンの期待に応えるか、作者さんの迷いが出たような印象を受けました。 | ||||
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木原先生の大ファンで、これ以外のほとんどの作品を読んでいます。ただ、「箱の中」だけは、設定が刑務所という特殊な場所で始まるBLということもあり、ずっと避けていました。 このたび環境の変化で読んでみたいと思い立ち、一晩で一気読みしてしまいました。 ノンケの堂野が、どうやって喜多川になびくんだろう、どう考えても無理では?と思っていたのですが、そこはさすが木原マジック。あっという間にBLになってしまいますね。この辺の心理描写とか、ほんと匠の領域!! そこから2人はラブラブというご都合主義にならないところが、木原先生の小説の醍醐味でして。堂野は罪悪感を感じながら、他の女性と結婚をして、子どもまで作ってしまう。 女性というところが、憎いねぇ、という感じ。 家庭が壊れていく様は、「さようなら、と君は手を振った」に近いものがあるけれど、小さい犠牲の描写がちょっと私は無理でした。(同じくらいの娘がいるもので)なにも、○さなくてもいいのでは、と。あまりにも衝撃的すぎて、この作品がBLだということを忘れてしまいそうになりました。萌えが一気に吹き飛んでしまった。この辺が、この作品がBLの枠を超えると言われる所以なのかなあ。私はそれを悪い意味でとらえてしまう。 学生の頃なら何にも思わずに、2人がくっついて良かったと思えるだろうけど、家庭をもつ身としては、複雑な心境。 堂野と喜多川の幸せよりも、穂花ちゃんのご冥福を祈るばかり( ; ; )(あ、ネタバレしてしまった。)どうせなら尻軽で他力本願の奥さんを追い出して、3人で仲良く暮らす話にしてほしかった。けれど、さきほどの作品「さようなら…」はそれで息子が歪んでしまったから、それもそれで複雑なのかな。なんとも読後感が悪い…いや、それも木原作品の醍醐味なんだけど…。 BLならではの萌えはあまり感じられなかったな。だから一般読者も読める作品なのか…。 | ||||
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BL好きというわけではないけど、三浦しおんさんのおすすめと聞き読んでみました。レビューも評価高かったので期待して。喜多川の生い立ちゆえの不器用さや一途さに胸が締め付けられ涙しながら読んでいましたが、ラストが…何の罪もない子供があんな事になったのに、親としての気持ちがあまり感じられなくて一気に気持ちがひいてしまいました。後半までは良かったからすごく残念過ぎてがっかりだし、読み終わってどんよりした気持ちになるので再読する気にはとてもなれません。 | ||||
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三浦しおんが何故こんなに絶賛するか不明です 内容はラノベに毛が生えた程度 第一部はまあ、良いです 主人公が冤罪で服役する辛さと悔しさ絶望感が迫ってきて、惹きこまれました 二部から失速、三部はもう読んでいられないです 他のレビューにもありますが、主人公の妻のキャラクターの薄っぺらさに耐えられないです 夫を引き止めたいはずなのに、あっさり不倫を認めて、不倫相手の子を妊娠していることもさっさと喋っちゃうのは何故?黙って中絶も出来たよね? 冤罪とは言え前科があって収入も低い主人公と結婚してくれた優しい女性のはずなのに、あっさり不倫とか、なんかキャラがブレてる 娘を失った主人公の辛さも描かれてないし・・・・・・ 主人公、痴漢冤罪の活動はしてるのに、娘の殺害についてはノータッチって、ここもよく分からない | ||||
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この作品が堂野の視点でなく、最初から喜田川の視点で書かれていたらどんなだったろうかと想像してしまいます。語る彼の感情は非常に見えにくい。 困難な恋であることは明らかなので、読者は登場人物の優れた性格を見つけたいと。そしてその優れた部分を守ろうと、身を呈して破滅していくところが見たい。そんな人物の登場を心待ちにしている。そんな中、普通の男である堂野に対して喜田川が心を開いていく姿は、受刑囚とはいえ、人間の優れた部分だと思う。この喜多川の横顔を想像するのは爽やかな読書体験だと思う。他の囚人たちも概ね常識的。他方、これに対する堂野はといえば、セクハラ受けて、どんどん感情が見えにくくなって、もう考える能力がなくなっていないだろうかと心配になるくらいに魅力がなくなっていきます。いっそ、生きるためと割り切って、体を差し出す屈辱を怒りをエネルギーにするとかすればいいのに。奇妙なのは主人公である堂野が語る感情と、セクハラを受け入れている行動が一致しなくなって、読者はこの語り部を信用できなくなり始める点です。主人公なのにあまりな扱いで、遂に感情移入することなく刑期を終えてしまう。 2部の姑息な詐欺話は、彼(探偵)なりの大義名分と喜多川の痛いくらいの想いが交差するおもしろい設定です。小品としてとてもよくできています。 3部は、再会を果たした喜多川の、狂気に満ちた妄想なんではないかと思う。それにしては少々長くて冗長です。読者の解釈はそれぞれなので、これは私の解釈でしかないが、それくらい現実味に欠け、ご都合主義である。映画タクシードライバーで、狂気の主人公が最期に瞼の裏で見る、都合のいい英雄物語のようです。裏切りも殺しも出てくる魑魅魍魎。個人的にはこの章は失敗ではないかと思います。 不思議な構成で出版されているのですが、この作品には続きがあります。別の本になっています。エピローグに相当する、堂野の戸籍上の息子視点で描かれる話です。喜多川の幸せな日常を見てみたいなら、ぜひお勧めします。読者は愛とか想いの深さが、作中の日常の中に映し出された時に、自らの日常に照らして、胸に温かいものを感じたりするのではないでしょうか。普通に憧れ続けた男がたどり着いた、簡素な生活が夏の光に照らされて、永遠となったかのような錯覚を起こさせます。 予想し得ない結末ではないんです。ある意味ベタな感じはしますが、それでも充分心揺さぶるだけの描写と感情移入ができる文章なんです。 長い期間に書き溜めたものだと思うので、すんなりと受け入れられない部分もありますが、良作だと思います。 | ||||
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この続編であるらしい短編集『なつやすみ』を読んでいないので全体評価としては難しいところですが、星三つといたしました。 500ページ近くありますが一気に読めてしまうのはさすが木原さんの作品という感じです。 ですがいくつか腑に落ちない点がありました。 *ネタバレありです。 喜多川の愛を誠実な愛とするならば、堂野の愛は実に不誠実であると私は思いました。 喜多川の狂気ともとれる、ただ一人の人を思う一途な心。堂野に家庭があろうともただ側にいたいと願い時間やお金も全てを堂野に捧げるほどの情熱。ただ一緒に暮らしたいという夢。堂野が大切だから彼が大切にしているものを壊したくない、でももっと一緒にいたいという彼の葛藤には涙を誘われました。 だからこそ、喜多川の愛が通じて幸せになって欲しいと切に思います。喜多川が愛するのと同じくらい、堂野も彼のことを愛してほしいと。 しかし堂野はどうでしょうか。喜多川に対する想いは、その時堂野に家庭があろうがなかろうが、なかったと思わざるを得ません。堂野が一番嫌っている「裏切り」の形で夫婦の仲が悪くなり、その結果喜多川の愛に気づき乗り換えるわけですが、それがどうも腑に落ちません。 離婚間近とはいえ、結婚中に喜多川と事に及んでしまった堂野は、まさに自分が嫌っていた「裏切り」の行為そのものではないでしょうか。奥さんと喜多川に対して。 妻が堂野の優しさに甘えているという見方をするのであれば、一途で絶対に裏切らない喜多川の優しさに堂野が甘えているような気がしてなりませんでした。 妻と離婚する直前「愛とは何だろう。自分は確かに妻を愛していた。けれども今もそうなのかと言われれば答えることができない。どうして?それは裏切られたから。他の男と寝たから、二年も自分を裏切っていたから。裏切りという行為だけで、愛情が見えなくなるのは本当に愛してなかったからだろうか。ずっと一人の人を愛し続けるのが、本物なんだろうか。自分の愛は偽物だったんだろうか...略....もしも本当に愛していたら、刑務所にいた時から愛せていたはずだった....略」 二通りの解釈ができますが、もし(無理やりではあるが)「愛は多様なものである」と堂野が都合よく解釈しているのであれば、いつか堂野は喜多川を裏切ってしまうのではないかとそんな風に思ってしまいました。 それならば、奥さんを悪とせず、喜多川を一人にしておいた方が喜多川の気持ちの美しさが際立って良かったような気がします。 二人をくっつけるのであれば、せめて奥さんの気持ちを受けとめて許し気持ちの整理がついた上で誠実に喜多川と向き合って欲しかったなーと。「誠実な堂野」のイメージが作中よく出てきたから余計にです。 辛口な評価でした。 | ||||
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とても読みやすい文章だな、という第一印象。 そう引き込まれて読み進めていくと、 なかなか非現実的な感情の流れとエピソードの連続に驚かされます。 全体的に、登場人物が大胆で行動的で直情的です。 表紙を見て感じるような人間味や深いドラマ性はあまり感じられませんが、 フィクションとしてとても楽しめました。 娯楽作品としては大満足です。 | ||||
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木原作品を語るうえで「箱の中」「檻の外」「美しいこと」は 外せないと思うのですが、好きか嫌いかと問われれば、好きではない。 理由は 1.キャラクターに共感できない(嗜好の問題) 2.BLファンタジーに対して、リアリティーを求めていてもリアルは求めていない。 リアルになると興醒めしてしまうし、これを一般化となるとカテゴリーは微妙で あいまい、もしくは中途半端で浮くような感じさえする。 その証拠に、文庫化に至って「なつやすみ」あたりが収録されていないのは 如実に物語っている。「なつやすみ」は、BL(ファンタジー)であり、BLレーベルを 出ないのだと思う。 最後まで読ませる筆力はすごいと思うし、構成力も見事である。 別にこれらの上記作品がだめだと言っているのではなく、高評価の中、 BLとしての捉え方、こういう意見もある。と。 BLを知らない方たちがこれを機に、BLの世界の広さを知ってもらうのも云々… とご意見もあるようですが 私は、むしろ、知らせたくない。自分の、許された贅沢なひと時を、その甘酸っぱさを まるで学生の時古書めぐりをしていて、ようやくほしい本を探し当てた時の至福にも似た感覚を 教えたくはない。こういうものは、正直ひっそりと極上の時間として過ごしたいのである。 こういう本に夢中になって読むということは、贅沢なのである。それを知っている者たちが たまたま出くわしてしまったとき、にんまりと微笑むのが、乙、という気がする。 なんだか、いっていることが分からなくなってしまいましたが、 それにしても、木原作品は、レヴューを書くことが楽しくなる。 問題提起がダイレクトになされているからでしょうね。 今後の作品を楽しみにしている作家のひとりですので、頑張っていただきたいです。 | ||||
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とにかく主人公への共感が難しい。お人好しすぎるし、 伏線もあからさますぎて、全く気づかない主人公にイライラしてくる。 ご都合主義展開も目立つ。 また、ある脇役にある出来事が起きるが、それでその章は終わりとなりその後が全く語られないのもモヤモヤする。 キャラクター造形はいいと思うのだが…。 同作者なら『秘密』のほうが優れた作品だと思う。 | ||||
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感動を求めて初めて木原さんの本を手に取りました。 喜多川の純粋な執着(知的障害レベル?)に対してなかなか感動レベルを刺激されました。 けど私もやはり子供が殺されたら親はこんな冷静ではいられないなぁ〜と面白く読めていただけに勿体なく思いました。 素人の私が言うのもなんですが、こんな展開ならもっと入りこめたかも。 実の子供を殺されたらその原因である妻に対しては殺した相手同等の怨みを持ちます。離婚云々など関係ありません。妻の居る家など絶対に帰りたいと思いません。 そして殺した相手の奥さんには自殺してもらいます。犯人が生きているだけで親は一歩も前に進めなくなりますから。そして妻は狂って施設になり入ってもらい、堂野は怒りをぶつける対象がなくなり深い悲しみだけ残ります。娘がいた家には一人で居ることもできません。 花飾りのくだりがあったので、娘のお気に入りだった花の咲く喜多川の庭からずっと動けなくなります。そこで喜多川に抱かれるのです。なにも考えたくない考えさせないくらい犯して欲しい。でも獣のようだった激しさはなくただひたすら優しいセックス。ちょっと愛に対して成長した喜多川。 ここら辺で喜多川の純粋さを入れるなら 「天国の穂花は一人で寂しがっている。僕が逝ってやらないと。」 「なら俺が見てきてやるよ、だから俺を殺してくれ、父親のあんたに殺されたらきっとガキと同じ天国へ行ける。天国で神様にあったらガキだけ生き返えらせてもらう、あっちで金がいるなら俺が働いて払う」みたいなことを言われ、自分にはもう喜多川しかいないと認識して、やっと愛情を超えたなにかが生まれる。って感じです。エッチがここで怒涛に入ってくれたら萌えるな〜、 もし今のままの設定で進みたいなら穂花は連れ子にしたらよかったと思いました。なら冷静なのも納得。BL読歴25年的な意見って事で失礼しました。 | ||||
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