月の満ち欠け

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評判

月の満ち欠けの評価:

3.43/5点 レビュー 238件。 A ランク

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平均点3.43pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全474件 381〜400 20/24ページ
No.94
(5pt)

「語る=騙る」という技巧を長年駆使して来た作者の円熟味が静かに炸裂した傑作

私が文学界随一の純文学作家であると思っている作者が本作で「直木賞」を獲った事はある種の驚きだったが、まずは喜ばしい事で慶賀の至りである。本作のテーマが大衆文学に近いという判断なのだろうか ? そのテーマとは、題名通り、「『人の生と死』は『月の満ち欠け』(即ち、<輪廻>)の様であって欲しい」という願いである。このテーマのため、全編のヒロインとして"瑠璃"という名前の<生まれ変わり>の能力(?)を持つ女性を用意している。そして、このやや胡散臭い設定に文学的な説得力を与えているのが作者の純文学的技巧である。

まず、瑠璃を事を直接には描かずに、瑠璃と関係があった人々(瑠璃は<生まれ変わり>の能力を持つので当然複数人)の"問わず語り"の集合体として書いて、所謂、多視点物語としている点。更に、関係者の人格は当然異なるので、それに合わせて文体を自在に書き分けている点。加えて、瑠璃が<生まれ変わり>の能力を持つにも関わらず、関係者を全て現代という同時代に設定している点。これによって、<輪廻>の因果が益々強くなる事は言うまでもない。特に、関係者同士の回想・確執が交錯する辺りは読み応え充分であった。更に、上で多視点物語と書いたが、これによって、本作が(語り手の)関係者自身の物語ともなっている点も見逃せない。関係者達の人生の挫折や成功も巧みに描かれており、「月の満ち欠け」、という題名が、こうした人生における浮沈のメタファーとなっている点にも感心した。正確には掴みかねたが、「記憶と現実との乖離・一致」のメタファーともなっている様である。

ラスト近くで、小山内という関係者に訪れるエピソードはファンタスティックで瑞々しいと同時に、人生の機微を感じさせる。このエピソードで本作に妙な現実感を与えている点にも感心した。「語る=騙る」という技巧を長年駆使して来た作者の円熟味が静かに炸裂した傑作だと思った。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.93
(5pt)

淡く切なくて。

読書中も読後もその小説の世界は続き、その余韻に浸っている。
”瑠璃も玻璃も照らせば光る”。
切ない想い。
奏でる繊細な文章に浸る。
切り口が語る。
戦慄が走る現実の一理。
”君にちかふ阿蘇のけむりの絶ゆるとも萬葉集の歌ほろぶとも”。
幾重にも重なる想い。
ひと時を過ごした記憶は繰り返し現れる。
”月が満ちて欠けるように”
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.92
(5pt)

ええっ!これからどうなる?

いいところで筆を置いていますが、ここからあとのことを考えると、けっこうな地獄です。
 作中に「天国から来たチャンピオン」が出てきますが、これは男性が生まれ変わりそれを理解してもらおうと四苦八苦するお話でした。女性を主人公にして、かなりの時間差と複数転生というひねり技を入れたのが本作というところでしょうか。
 面白かったです。
 直木賞、とっくに取っている作家だと思っていたのですがまだだったのですね。
追記 生まれ変わりものは映画でも小説でもけっこうありますが、最近のものでお手軽なのは「こんにちは刑事ちゃん 」でしょうか。タイムスリップものと同様、どんなドラマチックな舞台設定でも簡単にできてしまうので、酷評されないためには、かえって筆力が必要です。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.91
(5pt)

淡く切なくて。

読書中も読後もその小説の世界は続き、その余韻に浸っている。
”瑠璃も玻璃も照らせば光る”。
切ない想い。
奏でる繊細な文章に浸る。
切り口が語る。
戦慄が走る現実の一理。
”君にちかふ阿蘇のけむりの絶ゆるとも萬葉集の歌ほろぶとも”。
幾重にも重なる想い。
ひと時を過ごした記憶は繰り返し現れる。
”月が満ちて欠けるように”
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.90
(5pt)

ええっ!これからどうなる?

いいところで筆を置いていますが、ここからあとのことを考えると、けっこうな地獄です。
 作中に「天国から来たチャンピオン」が出てきますが、これは男性が生まれ変わりそれを理解してもらおうと四苦八苦するお話でした。女性を主人公にして、かなりの時間差と複数転生というひねり技を入れたのが本作というところでしょうか。
 面白かったです。
 直木賞、とっくに取っている作家だと思っていたのですがまだだったのですね。
追記 生まれ変わりものは映画でも小説でもけっこうありますが、最近のものでお手軽なのは「こんにちは刑事ちゃん 」でしょうか。タイムスリップものと同様、どんなドラマチックな舞台設定でも簡単にできてしまうので、酷評されないためには、かえって筆力が必要です。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.89
(4pt)

繊細な男性視点の物語

唯一気になったのが、男性視点(願望)に読めてしまう?こと。それと1ヶ所、小説的な嘘をついていること。繊細な文章と構成は魅了されました。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.88
(4pt)

繊細な男性視点の物語

唯一気になったのが、男性視点(願望)に読めてしまう?こと。それと1ヶ所、小説的な嘘をついていること。繊細な文章と構成は魅了されました。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.87
(4pt)

リインカーネーション

直木賞にふさわしい作品だと感じました。
8月の蒸し暑い夜にゾクゾクしながら一気に読みました。

読んだ後、ふと思い出して松任谷由実のリインカーネーションという曲を聴きました。
かのSSWも作品の発表当時はこういう現象に興味を抱いていたようです。

内容は日本人の死生観と恋愛観に訴える秀逸なストーリーだと思います。
わかりやすい文章でオカルトとファンタジーを感じさせてくれるので多くの読者に支持されそうです。
後半部分ではやや強引な設定が目立つような気もしましたが見事なラストで解消されました。

巻末には著者がインスパイアされた参考文献が紹介されています。
その中に本編にも登場するマスターピースと言えるような重要な研究書があります。
読んでみようかと調べましたが現在は絶版となっているようです。
中古本を探すか図書館で借りるしかなさそうです。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.86
(4pt)

リインカーネーション

直木賞にふさわしい作品だと感じました。
8月の蒸し暑い夜にゾクゾクしながら一気に読みました。

読んだ後、ふと思い出して松任谷由実のリインカーネーションという曲を聴きました。
かのSSWも作品の発表当時はこういう現象に興味を抱いていたようです。

内容は日本人の死生観と恋愛観に訴える秀逸なストーリーだと思います。
わかりやすい文章でオカルトとファンタジーを感じさせてくれるので多くの読者に支持されそうです。
後半部分ではやや強引な設定が目立つような気もしましたが見事なラストで解消されました。

巻末には著者がインスパイアされた参考文献が紹介されています。
その中に本編にも登場するマスターピースと言えるような重要な研究書があります。
読んでみようかと調べましたが現在は絶版となっているようです。
中古本を探すか図書館で借りるしかなさそうです。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.85
(4pt)

面白く読めました

小説として、その文体・構成は素晴らしいと思います。正直、引き込まれて読むことが出来ました。
物語としてよく出来ているなぁ、と偉そうですが、感じました。
他の方のレビューにあるように、生き返りまで至る思いというか、執着というものには、正直ピンときませんでした。
ヒロインに共感出来ないわけではないのですが、少し度合が弱いかなと。
それでも、小説として非常に面白いです。買って損はないです!
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.84
(4pt)

面白く読めました

小説として、その文体・構成は素晴らしいと思います。正直、引き込まれて読むことが出来ました。
物語としてよく出来ているなぁ、と偉そうですが、感じました。
他の方のレビューにあるように、生き返りまで至る思いというか、執着というものには、正直ピンときませんでした。
ヒロインに共感出来ないわけではないのですが、少し度合が弱いかなと。
それでも、小説として非常に面白いです。買って損はないです!
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.83
(5pt)

何度も読みたくなります

ほかの作家に類を見ないとても不思議な本ですが、3回読ました。読むたびに新しい発見があります。4番目の瑠璃の積極性に驚かせられます。2回目は登場人物の相関図や接点を、3回目は登場人物の年表(どの時代にだれとかかわりをもったか)を紙に書き出しながら読み進めました。物語が立体的に浮かび上がった感じです。実際には起こりえないけれど、心の中では起きている可能性があるから読者をひきつけるのかな。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.82
(5pt)

何度も読みたくなります

ほかの作家に類を見ないとても不思議な本ですが、3回読ました。読むたびに新しい発見があります。4番目の瑠璃の積極性に驚かせられます。2回目は登場人物の相関図や接点を、3回目は登場人物の年表(どの時代にだれとかかわりをもったか)を紙に書き出しながら読み進めました。物語が立体的に浮かび上がった感じです。実際には起こりえないけれど、心の中では起きている可能性があるから読者をひきつけるのかな。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.81
(3pt)

構造は見事、ヒロインの行動に賛否がありそう。

直木賞は、少し前の作品でも一人称と記憶の性質を使った叙述トリックを使うなど、マンガやSFでは割りとポピュラーなネタが続いてますね。
今回は愛する人に再会するために、何度も生まれ変わる一途な女性と、彼女に関わる人達の物語です。生まれ変わり、という題材のケレン味を、静謐な文章が上手いこと抑制しています。
読んでいる最中も惹きつけられる物語、なのですが、実は一番面白くなるのは読み終わった後。人物の関係性を把握してから読み直すと、相関図の濃厚さに思わずニヤリとさせられます。小説に家系図がついていると嬉しいタイプの方には特にオススメかと。

終盤の構成も中々秀逸ですし、主人公が抱える鬱屈や孤独が癒される可能性も提示されていて、優しさと、少しの力強さを感じさせる素敵なものでしたが、
ただちょっと残念だったのは、ヒロインの行動が一途すぎて、周りの人間が巻き込まれることはどうなのか、ということ。自業自得と言ってしまえばそれまでの人物もいるんですが、彼女とかかわらなければ……という感想も否めません。
さらに、感情移入という観点からすると、純愛が向けられる相手が、登場順で言えば二番手のキャラクターであることは大きなマイナスなのではないかと。
主人公にもちゃんと救いがあるし、それを齎すのがヒロインであるとはいえ、中盤は「うーん?」と思うことも多かったです。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.80
(3pt)

構造は見事、ヒロインの行動に賛否がありそう。

直木賞は、少し前の作品でも一人称と記憶の性質を使った叙述トリックを使うなど、マンガやSFでは割りとポピュラーなネタが続いてますね。
今回は愛する人に再会するために、何度も生まれ変わる一途な女性と、彼女に関わる人達の物語です。生まれ変わり、という題材のケレン味を、静謐な文章が上手いこと抑制しています。
読んでいる最中も惹きつけられる物語、なのですが、実は一番面白くなるのは読み終わった後。人物の関係性を把握してから読み直すと、相関図の濃厚さに思わずニヤリとさせられます。小説に家系図がついていると嬉しいタイプの方には特にオススメかと。

終盤の構成も中々秀逸ですし、主人公が抱える鬱屈や孤独が癒される可能性も提示されていて、優しさと、少しの力強さを感じさせる素敵なものでしたが、
ただちょっと残念だったのは、ヒロインの行動が一途すぎて、周りの人間が巻き込まれることはどうなのか、ということ。自業自得と言ってしまえばそれまでの人物もいるんですが、彼女とかかわらなければ……という感想も否めません。
さらに、感情移入という観点からすると、純愛が向けられる相手が、登場順で言えば二番手のキャラクターであることは大きなマイナスなのではないかと。
主人公にもちゃんと救いがあるし、それを齎すのがヒロインであるとはいえ、中盤は「うーん?」と思うことも多かったです。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.79
(5pt)

佐藤正午の真骨頂

直木賞受賞おめでとうございます。1984年すばる文学賞を受賞した「永遠の1/2」でデビューして以来、賞とは縁の無かった作者が前作「鳩の撃退法」で山田風太郎賞を受賞したのが2年前、そして今作では直木賞受賞と、ようやく世間は佐藤正午を認知した?全作品を読んでいる私としては、気付くのが遅すぎるぞと言いたくなるほどではあるが、とにかく最近では一番嬉しいニュースだった。当作も4月に出てすぐに読んでいるが、直木賞受賞が嬉しくてレビューしたくなった次第。

 さて内容である。前記の前作「鳩の撃退法」とは打って変わった作品。当作者の中では「Y」のような雰囲気といっていいかもしれない。有り得ない話をさも有り得るように言葉を紡ぎ、物語を作っていく、作者が「書くインタビュー」の中で述べているとおりの作品作りで、しかも読みやすい。既にいろんなところで広まっているのでネタバレにはならないだろうが、一人の女性の生まれ変わりの話。この女性が生まれ変わった際の、子供時代の仕草、雰囲気が本当にかわいらしく、いじらしく表現されている。またエピソードの数々が非常に効果的で、作品全体に膨らみを与えており、最後も希望を感じさせる終わり方で、心が温まる。唯一気になったのは、そんな何度も生まれ変わって逢いたい相手との最初の恋愛場面が比較的穏やかで、そこまでの愛を感じ難いところか。ただ全体の中では欠点とは言えず、とにかく面白く読み終えた。

 ところで「鳩の撃退法」は年末恒例の「このミス」で初めてランクインしたが、今作はどうなるか?同誌では評論家の香山二三郎氏が常に当作者を好意的に取上げており、その香山氏が今作をどう評価するのか、多分激賞するのではないかとその熱い文章が今から楽しみである。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.78
(5pt)

佐藤正午の真骨頂

直木賞受賞おめでとうございます。1984年すばる文学賞を受賞した「永遠の1/2」でデビューして以来、賞とは縁の無かった作者が前作「鳩の撃退法」で山田風太郎賞を受賞したのが2年前、そして今作では直木賞受賞と、ようやく世間は佐藤正午を認知した?全作品を読んでいる私としては、気付くのが遅すぎるぞと言いたくなるほどではあるが、とにかく最近では一番嬉しいニュースだった。当作も4月に出てすぐに読んでいるが、直木賞受賞が嬉しくてレビューしたくなった次第。

 さて内容である。前記の前作「鳩の撃退法」とは打って変わった作品。当作者の中では「Y」のような雰囲気といっていいかもしれない。有り得ない話をさも有り得るように言葉を紡ぎ、物語を作っていく、作者が「書くインタビュー」の中で述べているとおりの作品作りで、しかも読みやすい。既にいろんなところで広まっているのでネタバレにはならないだろうが、一人の女性の生まれ変わりの話。この女性が生まれ変わった際の、子供時代の仕草、雰囲気が本当にかわいらしく、いじらしく表現されている。またエピソードの数々が非常に効果的で、作品全体に膨らみを与えており、最後も希望を感じさせる終わり方で、心が温まる。唯一気になったのは、そんな何度も生まれ変わって逢いたい相手との最初の恋愛場面が比較的穏やかで、そこまでの愛を感じ難いところか。ただ全体の中では欠点とは言えず、とにかく面白く読み終えた。

 ところで「鳩の撃退法」は年末恒例の「このミス」で初めてランクインしたが、今作はどうなるか?同誌では評論家の香山二三郎氏が常に当作者を好意的に取上げており、その香山氏が今作をどう評価するのか、多分激賞するのではないかとその熱い文章が今から楽しみである。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.77
(3pt)

独特の世界観

この世界観、私の感性ではついて行けなかった。ミステリーかなと思いながら読み始めて、恋愛小説かと思い改め、さてはカルト系か、最後やっぱり恋愛小説か、そんな感じ。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110
No.76
(3pt)

独特の世界観

この世界観、私の感性ではついて行けなかった。ミステリーかなと思いながら読み始めて、恋愛小説かと思い改め、さてはカルト系か、最後やっぱり恋愛小説か、そんな感じ。
月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 月の満ち欠けより
4000014080
No.75
(1pt)

これが純愛?。

先が気になって一気に読みましたが、読後感は最悪でした。不倫を純愛と呼び、その為に人格を奪われて早死にしていく子供達。その親に転生を必死に理解させようとする…ちっとも共感できませんでした。
岩波文庫的 月の満ち欠け Amazon書評・レビュー: 岩波文庫的 月の満ち欠けより
4000014110