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壜の中の手記
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壜の中の手記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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無事に届きました、有り難うございます! | ||||
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ひょんなことで知るにいたった、このカーシュ作品集。スタンでぃんぐ・オベーションするほどの、面白さ! どんなオモロさかといいますと、これまでになかった、<他にない>おもろさ。奇妙でもあるが、経験したことのない<おもしろさ>が、ここにはあります。 | ||||
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本は新しい、値段は安い。買ったの時、とでもうれしです。ぜひお試したい。 | ||||
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「豚の島の女王」「黄金の河」「ねじくれた骨」。 3篇とも南米の島や海辺を舞台にした怪異残酷奇譚。 男女4人のフリークが難破して無人島に上陸するというプロットの「女王」は、ヨーロッパ風の雰囲気で叙事詩のような感覚の悲劇。品格が感じられる一篇。 「黄金の河」は詐欺師の面白いほら話と思って読んでいくとどんでん返しがあり、「骨」は終身刑囚が刑務所で出会った詐欺師の話だが、脱獄の成功を保証したインディオの約束がまったく違った形で実現する。 どれもクラシックでナレーティブな古いスタイルで書かれ、文体はしっとりしている。 「瓶の中の手記」。1914年にメキシコで行方不明になったアメリカの短編作家、アンブローズ・ビアス。実はメキシコの火山の麓で出会った不思議な種族と不思議な生活を送っていたという設定で、ビアスになり切って“発見された手記”をそれらしく書くのだから、カーシュはある意味凄い書き手だと思う。 「ブライトンの怪物」。18世紀中頃、イギリスの寒村ブライトンの沖合に突然浮かび上がり、漁師に捕獲された全身入れ墨だらけの人間ようの怪物。その正体は? 最後はいきなり日本がらみ、時間空間SF的なオチになだれ込むが、非常に面白い話だ。 「破滅の種子」「壁のない部屋で」。どちらも上出来のオチが付いている。「種子」は呪いのかかった骨董品というよくある話だが、それを逆手にとってコミカルな味付けがしてある。「部屋」はスター芸能人のつまらない浮気がいきなり最後の審判につながってしまうという破天荒なジョーク。そのギャップが面白い。 「時計収集家の王」。ヨーロッパの年老いた専制君主に仕えた時計師が語る奇怪な政治裏面史。彼の作った王様そっくりの動く蝋人形が亡くなった王の代わりをするという奇譚。 「死こそ我が同志」。マッドな死の商人が次々に新兵器を開発させたあげく、手違いから自分が作らせた新兵器で自滅してしまう・・・ クラシックでホラー風味のディストピア的寓話。解説によると1938年の作品で、未来の科学戦をかなり的確に予言している。 全部で12篇を収載している。アイディアも良いしクラシックな文体も洗練されていて魅力がある。ただインパクトがない。短篇は特にエンディングの衝撃が重要だと思うが、オチを含めてそこの作り込みが弱い。それが日本で有名になれない原因ではないか。 | ||||
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豚の島の女王 大好きなストーリーです。 この作家の本をもっと読みたいけどあまりないんですね。 もう一冊の廃墟の歌声も良かったから残念です。 | ||||
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信じられないような話なんだけれど,相手の話の様子からすると,真実なのかもしれない。 でも残念ながら,その大事な証拠が今となっては失われてしまったのだ・・・。 といった感じの奇譚群。 そしていずれの奇譚も気がついたら話に吸い寄せられるかのように聞き入っている。 ジェラルド・カーシュは著者自身の人生が奇譚のようなものだったのではないか,と思ってしまうような波瀾万丈な人生だったようで,読後感がいずれも良く,実に巧いなあと感心させられる。 個人的には「豚の島の女王」のもの悲しさ,「壜の中の手記」の俗世界から遮断された桃源郷のような世界観などのHGウェルズを彷彿させるような短編たちが心に残りました。 この短編集は,著者の他の短編も読んでみたくなる,そんな魅力を持っています。 | ||||
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カームジンシリーズがおもしろくて、同じ作者の本を読みたくなり。 一番好きなのは「ねじくれた骨」ですが(人生塞翁が馬・・・)、表題作の「壜の中の手記」(宮沢賢治の某短編を思い起こさせる)、「破滅の種子」、(ラストがきれいにオチて、にやりとさせられる)、「カームジンと「ハムレット」の台本」(自分がもっと文学に詳しかったら楽しめるのに)、です。 こんな話はこの作者しか書かないだろう、という気がしてしまうのは「豚の島の女王」とやっぱり「壜の中の手記」でしょうか。 寓話?奇譚?広い意味でのSF?ミステリ?カームジンシリーズとはまた違った、作者の芸風の広さ?が楽しめる本かも。 なんというか、イギリス作家らしい味わいです。 | ||||
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私も他の方がおっしゃるように彼の死は少し早すぎたような気がします。あと少し、せめて80年代ぐらいまで生きていてくれたのなら、もっといろいろ読ませてもらえたのに・・・と勝手な感想を持ってしまいます。 しかし彼の人生が不遇で押しも押されもせぬ人気作家ではなかったことが彼の作品にいい意味の澱みを与えているのかもしれません。 どう表現したらよいのか、私の拙い文章能力ではうまく彼のよさを表現はできませんが、救いのないラストなんだけれど後味は悪くない。 このようなアンビバレンツなことを書くしか彼の作品を表現できません。 | ||||
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カーシュの傑作を集めた短編集。 何度も読み返す本では無いのだけど、久々に読むとやはり面白い。 サキの短編の帰結の仕方、乱歩的猟奇趣味が好きな方は絶対好きでしょー。 寺山修司の世界が好きな方にも向くかな。 ある意味、エグく、ある意味、グロい。 でも、それで終わらない。 着想がものすごく独創的なんだけど、その着想に執着せず、短編にまとめるところが潔くて私は好きだ。 おどろおどろしい中に、そこはかとない寂しさやリリシズムもあり。 読んで損は無い1冊。 傑出した短編集と言えましょう。 | ||||
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レビューでとても評価の高いジェラルド・カーシュという作家に、歯切れの良い、爽快な話を期待してはいけない。計算されつくした短編ミステリーを期待するのも良くない。 話のテンポや台詞回しはちっともスタイリッシュじゃない(たぶん翻訳とは無関係だ)。 しかも話の出来にむらがある。 彼の特徴はその舞台装置だ。日常からかけ離れた場所と状況で、人がどのように考え、どのように振舞うか、そしてその結果どのような事が起こりうるか…そういった事を少しばかりの教養と共に我々に見せてくれる。 多くは回想形式で、語り手は感情の高揚や悲嘆などをほとんど見せない。我々は発掘された骨や遺跡を見るように、当時を想像しながら話の流れに乗っていく。 主人公の多くは、今の危機を回避しても、投げかけられた謎を解いても、自分が置かれている絶望的な状況にちっとも変わりはない。それが分かっているだけに、主人公も我々読者も、どこか無力感に囚われてしまうのかも知れない。 楽しい訳でも怖いわけでもなく、かと言ってすごく不思議な話でもない。ただ、異常な状況に巻き込まれた主人公の淡々とした物語であり、妙に苦い後味が残る短編集である。 それにしても…この手の物語で読者に『これは面白い』と思わせるには、きっと何か特別な才能が必要なんじゃないだろうか。たとえばその語り口で、視点で、世界観で ―。 果たして特異な経歴を持つこの著者にその才能があるか否か、それは読者が自分自身で読んで判断するしかない。 | ||||
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全12編、どれも奇妙怪奇、奇想天外なゾッとするような短編集。ほとんどが聞き語りというかたちで展開される常識離れしたストーリー。 ジャングルのなかで行き倒れになった主人公。秘境の中に建つ荘厳な宮殿の主が贅をつくして主人公をもてなす真意は? 『壜の中の手記』。次々と不幸をもたらす指輪の行方は? 『破滅の種子』。などなど。個人的には『死こそわが同志』が秀逸か。 「このミステリーがすごい!」2003年第6位。う〜ん、そこまで読み応えがあるか、微妙。 | ||||
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飛行機の中にいつも持ち込みます。すると旅する国が違う彩りに包まれている、そんな短編。語り口が小さい頃幼稚園で先生が語ってくれたそんなトーンで始まり、うたた寝している気分になる。大好きです。 | ||||
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まるでどこかの旅先で知り合った老人が、「ひまつぶしに話でもいかがかな?」と語りだすような、そんな不思議なイメージ。 この本はすべてが、すでに書き手が「誰かから聞いた話」という形で語られる。 ああ、物語とは本来このようなものだったと思い出す。 人から人へと語り継がれる物語。 そのたびに話は不思議さを増し、同時にそれが真実かどうかなんてどうでもよくなってくる。 むしろ奇妙な話をどれだけ魅力的に語るかで、その物語の価値は決まる。 その点、ジェラルド・カーシュの腕はまさに見事。 表題「壜の中の手記」のほか、「豚の島の女王」「ねじくれた骨」「時計収集家の王」がおすすめ。 なぜか日本人がたくさん出てくるが、それもちょっとした見所のひとつ。 読書後には、誰かに「こんな話を知っている?」と、語ってきかせたくなる。 | ||||
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精緻かつ乾いた文体で奇想天外なホラ話を悠然と綴るカーシュの代表的短編集。単なるホラ話を歪んだユーモアで包んで文学的領域にまで押し上げる所が作者の手腕か。 冒頭の「豚の島の女王」は容易に乱歩の「芋虫」、「孤島の鬼」を想起させるが、乱歩の猟奇的描写が不思議と嫌らしさを感じさせないのとは対照的に、こちらは粘着質の強い嫌悪感をタップリ味あわせてくれる。タイトル作の「壜の中の手記」はA.ビアスの失踪という大事件を扱い、偶然にビアスが最後に残した手記を読むというもの。骨格は「注文の多い料理店」と同じなのでオチの予想は簡単だが、お膳立ての周到さに圧倒される。「ブライトンの怪物」は日本人の力士、空手家、レスラーが出て来てオヤオヤと思うが、更に原爆との組み合わせで話を繋げる奇想に驚く。「破滅の種子」は生体実験の怖さをねじれたユーモアで包んで描いた佳作。「時計収集家の王」は題名通りの時計収集狂の王(歳で他にする事が無い)と時計屋との残酷な交流を描いて秀抜。王の哀感とプロットの巧さが融合して、個人的には一番の好み。 途方もない奇想をねじれたユーモアで包んで描いた傑作短編集。 | ||||
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まずカーシュは前衛作家でノンフィクションを元にした題材から小説を構築するのを 得意とします。 私は単行本を以前読みまして今回の文庫で再読したことになります。 まず新作2つ入っていますから文庫をお薦めします。また1作は完全版ということで やはり文庫をお薦め。 何といってもカーシュの魅力はその前衛的、実験的な手法に尽きます。 文庫の帯には宮部さんのこのミステリーお薦めと記載されていますけど、何かミステリー という範疇に収まりきらない様々な要素をこの短編集は包括しています。 彼は生前それほど売れなかったです。しかし現在これほど評価されるということは 作品発表した頃は彼に時代が追いつかなかったと痛感しています。 | ||||
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物語への助走部分が短い短編集って、100㍍ダッシュを繰り返しているようで忙しなくて、よっぽど面白くなくては読む気がしないのであるが、登場人物の味付けが冒頭からすんなり頭に入ってくる作家的な熟練度が心地良いから少々古びたネタながらついつい没頭して電車の中でも降りるの忘れて読み込んでしまうのである。いやはや。奇想がいきなり立ち上がる短編作家としての技巧が、そのまま洗練されてないワイルドさで迫ってくるのが凄い! こういう作品群&作家を発掘してくる編集者も凄い! まさしく晶文社ならではの作品であるなあ…良くも悪くもこういう変化球系の作品はここでしょ(^_^;)。 1968年には死んでしまってるジェラルド・カーシュ。発表年度は1940年代が中心であっても、カーシュの寓話性はそのまま普遍性へと繋がり2002年の今に甦るスケールに「おお」と思わず作品解説を熟読してしまうのよね。そう、ミスター波瀾万丈=ジェラルド・カーシュ。不遇の晩年だった彼には、時代が早すぎたのかもしれません。ハーラン・エリスンらが熱烈な賛辞を送っているってのに納得だな。ブラッドベリら短編の名手と共通するコアな部分に共鳴してしまうのでありましょうねえ。 個人的な好感度では、『ねじくれた骨』表題作『壜の中の手記』『時計収集家の王』などがお勧め。ミステリ好きにもSFマニアにも納得の異色中の異色12作品を収録。まさしく奇想、読者を動かす作品群にこの秋、どっぷりハマってみませんか。新しく始まった晶文社ミステリ。古いけれど新しい。 | ||||
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