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はぐれ鷹
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はぐれ鷹の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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なにかのはずみで傑作が生れないように、力のある作家からはとんでもない駄作は生れないと思っていましたが、どうしたことでしょう、この直木賞作家の本作品はまるで文壇に登場する前のアマチュアの習作のように稚拙です。私はこの作者の他作品を読んでいますがいずれも自然と対峙する男の生き様を描いた読み応えのある作品でした。本作も鷹匠となろうとする青年を描くもので作者の得意なテーマな筈なのですがなんとも期待はずれでした。 角鷹(くまたか)の最後の鷹匠、富樫総一郎に弟子入りしている杉浦を中学生の頃、同級生であった久美がテレビ局のADとして取材にやってくるが、富樫はまだ修行中の身であるといってこれを許しません。富樫は自他ともに認める鷹匠ですが、町に自分の銅像をつくれといったり人間国宝に指定するよう働きかける俗物的なところもあります。しかし高齢のため冬山に入って過し、囮餌ではない野生の小動物を狙う実戦の鷹狩りの指導を受ける事は無理そうだ、そう判断した杉浦は富樫から神室号を譲り受け冬山の廃屋にこもり一人立ちを目指しますが未熟なためその神室号を死なしてしまいます。そんな時に久美が再びクルーを連れて独立した杉浦を取材にあらわれます。クルーたちは取材すべき鷹がいないので、たまたま発見した営巣中の雛鷹を育て訓練し神室号と偽ってドキュメンタリー化しようとしますが・・・ 劇的な題材であるにもかかわらずストーリーはいかにもムリがあるし、主人公杉浦の造形も中途半端です。半年やそこらで基本的な修行しかしていない杉浦に鷹を譲ってやるのはこの種の求道的なテーマとしては安易に過ぎますし、特に耐えられないほど稚拙な印象をうけるのは登場人物たちの会話で、例えば杉浦と久美の会話などは生硬でまるで中学校の学芸会の台詞のような言い回しに感じられます。これが方言を巧みに駆使して北国の男達を活写した作品を発表した同じ作者とは到底思えません。 | ||||
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