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それを愛とは呼ばず
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それを愛とは呼ばずの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.79pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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男と女の哀愁が伝わってきて良い。 ホテルローヤルよりよほど面白い。 | ||||
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登場する人物たち、特に吉田プロや小木田のような人たちが確かにいると思わせるのは、その輪郭を筆力で浮かび上がらせる作者の人間と社会に対する想像力のなせるわざだと思う。主人公の紗希が最終的にとった行動やそこに至る意識の流れに、ごくごく凡庸な生活を送る一読者である私に違和感がないわけではないが、それを愛とは呼んではいけないのか、言葉にすれば恥ずかしいようなフレーズが重い余韻になって我ながら戸惑いを覚える。全体にトーンは暗く淡々と読み進んだが、最終章は二度読みすることになった。他の作品同様、小さな、いつまでも抜けない棘を残す。 | ||||
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桜木紫乃の桜木紫乃たる筆力がいかんなく発揮された一冊。 暗闇に差す光。救いの形とはなんなのか。 終盤の畳みかけるような文章に、何度もタイトルが思い出されては、その度に色と手触りが変わっていく。 読み手を突き放すようでいて、いつのまにか絡めとられている結末は、しばらく心を揺さぶり続ける。 | ||||
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色々な「愛」があると思うけれど、主人公の愛し方はいつからか湾曲を描いたような愛し方、一方通行な愛し方になってしまう様が読み取れて面白かったし、最後には主人公を思いながら少し切ないという気持ちになりました。 | ||||
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やっぱりおもしろいです。とても魅力的な文章、独特の言い回しがあちらこちらに散らばっていて読者を決して飽きさせないです。この小説の最後をどうとるかはきっと読者の自由なのだろうと解釈しましたが、正直ゾッとした結末でした。 | ||||
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桜木作品を新旧いろいろ読み進めてきて、自分の中では最新の作品。 あまりネタバレ的なことは書きたくないので控えるが、いろいろな結末を予想しながら読み進めて、最後の12章のページをめくった瞬間の驚きは多くの読者共通のものと思う。 そして「それを愛とは呼ばず」という題名の意味に、改めて感じ入るエンディングとなっている。 桜木ワールドにハマってしまった理由は、共通してある北海道の寒々とした寂しい風景描写と、悲しくも強く生きる女性を描くやるせなくかつ希望あるテイストである。本作品ではこの辺があまり感じられないが、やはりテーマは女性の人生であり、舞台は新潟だけでなく北海道も重要な土地である。 そうした北海道、カムイヒルズでの出来事の結末を、最後でどう描き終えるのかも気になりながら読み進めたが、意外にあっさりではあった。 カギの無いBMWを、どうやって始末したのかも…。 作品としての完成度や文章力は相変わらず見事。 ただし読了直後の感動の度合いを、これまでの桜木作品の中の五つ星と比較して敢えて四つ星とした。 | ||||
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桜木さんが『ホテルローヤル』で直木賞をとってから、 ほとんどの著作を読みました。 新作を毎回楽しみにしています。 他のレビューでもありましたが、北の国で暮らす哀しい女性を 描く文章力と表現力、今の小説界で右に出る人はいないのでは。 プロットも面白いのですが、登場人物たちが本当に魅力的でリアルなんですよね。 読む手が止まらず半日で読了しました。 50過ぎで人生に行き詰まった男と、東京でアイドルになることを 夢見ながら失敗した30過ぎの女性との出会い−という設定から想像される 読者の期待をいい意味で次々と裏切っていきます。 そして登場人物一人一人が哀しく切ないのに憎めない。 桜木さんの本は私の中では『ラブレス』『無垢の領域』『ガラスの葦』が お気に入りなのですが、『それを愛とは呼ばず』も加わりました。 桜木さんの長編を是非読みたいです!!!! | ||||
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とにかく表現力が秀逸ですね。読後感は純文学のそれと似たようなものと感じます。 現実の男女はもっと俗物的だと思いますが、それだけに余計に新鮮な読後感があります。 作者の力量ですね。 | ||||
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10歳年上の女経営者と結婚した亮介は、もとホテルマン。 優雅な仕草、人当たりが良いだけでなく、しっかりした男だ。 妻である女経営者のもとで副社長を務めていたが、妻が 交通事故で意識不明になったとたん、会社から放り出された。 そして、もうひとり。 ブレイクを夢見て、キャバレーのバイトをしながら芸能界を 生きてきた紗希は10年間鳴かず飛ばずで、これが最後と念押し されたオーディションも落ち、30歳にしてついにプロダクションを クビになった。 人生をもう一度見つめ直さなければならなくなった二人の、 倖せ探しの行方は!? 妻の章子の事故、キャバレーの衣装係で女の子たちの相談相手だった 吉田プロの突然の不在など、大事な人の喪失から新たな人生を始める きっかけが、無理なく読者のこころに入ってくる。 それに比べて終章は少し急いだ感じもするのだが、「ホテルローヤル」 の作者だけに、不思議な虚無感と意外な結末はさすが。 | ||||
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人の日々の生活のいとなみは、なんと複雑なのだろうとおもう。皆何かを抱えて生きている。 小さな支えが励みになって生きている。失ったとたん大切さを思い知らされるような小さなものに。 桜木さんの作品は、いつも育った家庭環境が必ずしも一筋縄でいかない人が描かれ、 平凡な人の表立ってはでてこない事情が細やかに描かれていて、何かにいつも共感できるし、いつも胸を打たれる。 そして生きつづけるたくましさと、死のはかなさが漂う。 最終章の終わり方を全く想像してなくてびっくりしたのだけど、こういうオチもいいかなとも思う。 | ||||
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一作ごとに進化し続けている桜木紫乃が、また一つ高みに達した感がある。 凡百な作者ならただの官能小説にしか仕立てられなかったであろう物語を、表面は清々しく、内面は美しくかつ荒涼とした精神の物語に仕立てている。 とにかく一読したら桜木紫乃の達した領域が実感できる物語である。 | ||||
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