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(短編集)
たんぽぽ娘
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たんぽぽ娘の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 21~28 2/2ページ
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出版者から毎年のように「今年こそ」とアナウンスされるもなかなか出版されなかった『たんぽぽ娘』が、奇想コレクション最後の一冊として刊行され、「風におどるたんぽぽ色の髪」を持った美しい女性とついに再会することが出来ました。 表題作「たんぽぽ娘」は不朽にして長らく単行本で読むことが出来なかった幻の名作。 休暇に家族と離れ、ひとり山小屋を訪れた四十男の主人公マークは、未来から抜け出してきた若い女性と出会う。「おとといは兎をみたわ。昨日は鹿、今日はあなた。」 年甲斐もなく女、ジュリーに惹かれ、マークはつかの間の逢瀬と知性に満ちた会話を楽しむ。しかし、彼は妻を愛していた。ジュリーは去り、彼は妻、アンのもとに帰る。彼の目には全く若さを失わない「輝くような亜麻色の髪」をもつ妻の元に。 ヤングのSFといえば、やはり時間もの。「荒寥(こうりよう)の地より」は彼の原風景を思わせるような第二次大戦前のアメリカが舞台で、遺作でもあるそうです。少年の家にやってきた流れ者の男、ローン。かれは他の粗野な流れ者の男たちとどこか違う。そして時間と、未来の社会に対する知性を垣間見せる。異なる世界を生きる人々の交流を描いた傑作。 もう一つ、「11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス」は純粋に甘ったるい。 掉尾を飾るのは「ジャンヌの弓」。はっきりいってSF的なトリックは稚拙とすらいえますが、無垢な少女と普通の若い男性とのラヴロマンスをあえてSFの枠組みで描ききった佳作です。この作品に象徴されるように、ヤングとは、ボーイ・ミーツ・ガールにはじまりハッピーエンドに終わる作家なのです。 | ||||
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約30年前に竹宮恵子女史の「私を月に連れてって」で知ってから、当時探しに探してコバルト文庫版を購入。気に入ってハヤカワの「ジョナサンと、」青心社の「ピーナッツ、」も。それから30年、やっと新訳で。待っていたかいが有りました。願うならば、この本がコバルト文庫版と同じ道を辿らない事を祈ります。あと、編者あとがきにある「次に計画している第三短編集」期待しています。 ※あと、私に素敵なSFを読むキッカケを与えてくれた竹宮恵子女史の「私を月に連れてって」にも感謝します。このマンガで知ったSFは数しれず。 | ||||
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今日復刊ドットコムから「たんぽぽ娘」が届いたので本書河出書房版と比べてみた。 河出書房版は、訳者でもある伊藤典夫さんによる編集で、ロバート・F・ヤング傑作選となっていて、帯に「改訳決定版」と表記されている。 復刊ドットコムのほうは、翻訳に関してはどこにも書いてないが、アマゾンの商品説明によると同じ伊藤典夫さんによる「新訳版」となっている。 この2冊のいちばん大きな違いは、河出書房版は13編の短編が収められており、あくまで短編集の中のひとつの作品という位置づけなのだが、復刊ドットコムのほうは「たんぽぽ娘」のみを収録していること。 復刊ドットコムの方は、内容をよく確かめないで予約したので、短編集ではなかったことにちょっと驚いた。 復刊ドットコムは小さめのハードカバーのような感じ? 文章中には挿絵もあり、字も大きく字の色もブルー系。 気になるのは訳だが、比べてみると微妙に訳が違うことがわかる。 たとえば、「登り坂」が「上り坂」だったり、「四日目に登ったときには」が「四日目に丘に登ったときには」だったり多少違いがあるのと、復刊ドットコム版にはほとんどルビがないが、河出書房版にはちょっとうるさいくらいルビが振ってあるとか。 全部の文章を比較したわけではないが、他にも違いがあるかもしれない。 とはいっても文章の根幹が変わるようなことはないと思うし、普通に読んでいて違和感はないと思われます。 なんにせよ、こんな素敵な作品を普通に買って読めるということは素晴らしいことですね。 復刊ドットコムにも河出書房にも感謝。 特に河出書房の奇想コレクションはシオドア・スタージョン作品を3冊も出してくれたので、感謝感謝です。 | ||||
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現在は入手不可能なハヤカワの短編集「ジョナサンと宇宙クジラ」が大甘の感傷主義、懐古趣味に思え、あまり好きになれなかったロバート・F・ヤング。 おかげで未読の「たんぽぽ娘」の世評に対しても懐疑的にならざるを得なかったのですが、長くこの叢書で刊行予定にあったのが、ようやくリリースされたとなると、やはり読まずにはいられません。 というわけで、長年刊行を待っていたファンほどには大きな期待を抱かない状態で冒頭から収録順に読み始めたのですが、表題作に至るまでにすでに、あ、今回はいい、と思うようになっていました。 同じ作家で、同じ伊藤典夫さん編でこんなに印象に差が出るものか、とちょっと不思議ですが、あとがきで伊藤さんの書いている「版権などを気にせずセレクトした」というのがポイントなのかもしれません。 表題作については、世評通りの佳作であることに全く異議はありませんが、2013年の今となっては、これが様々な亜流作品の元だったのか、という感慨のほうが強いかなという感があります。むしろSFファンでない読者(ビブリアのドラマ経由で興味を持った方など)のほうが既視感なく楽しめるかもしれません。 これに匹敵する強い印象を残したのは、遺作だという「荒寥の地より」--「ジョナサンと宇宙クジラ」で「大甘」と思った側面が、きちんと緊張感を持った現実認識として昇華されたようで、この作品を最後とすることができた作家は幸福だったのだろうと思える作品でした。 伊藤さんは第3弾の刊行を予定されているようですが、うーん、たぶんヤングのベストはこの作品集に集約されてしまったんじゃないかな...未刊の作品と比べるのは失礼ですが、そう思えてくるセレクトの短編集でした。 | ||||
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ヤング大好きの伊藤和典氏に依り編纂されたアンソロジー。 ロマンスものだけでなく殆どの作品に切なさが漂う・・・そういう作品ばかりをセレクトしたのだろうが、この切なさが堪らなく良い。 兎にも角にも、これで奇想コレクションは全て刊行された事になる。 | ||||
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とてもロマンチックで美しいお話でした。 これから、きっと何回も読み返すと思います。 | ||||
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ヤングの名作「たんぽぽ娘」など全13編が収録された短編集。 「たんぽぽ娘」は本書の他に、近日発売予定の復刊ドットコム版や、で読むことができる。 だが、ロバート・F・ヤングの一ファンとしてはぜひ、本書を手にとって欲しいと思ってる。 ヤングの魅力は「たんぽぽ娘」だけではないのだから。 本書にはSF・ファンタジーという枠内に収まる作品が多く、慣れていない人はその奇妙な世界に戸惑うかもしれない。 だが、ヤングが描くのは世界観そのものではなく、そこに生きる人々である。 私たちと同じように、彼らも甘酸っぱい恋をし、失われたものへの憧憬や感傷などを覚え、時にそれに惑わされ、時にそれを大切に思う。 住む世界や環境は違えど、人生のうちに誰しも少なからず経験することがヤングの作品の根底に流れていることに気づくだろう。 だからこそ、物語を読んでいるうちに自然と人物の機微に共感し、物語の行く先を気にせずにはいられなくなる。 一編を読了する度に思わずほぅとため息をついて、作品の余韻に身を委ねてしまう――そんなヤングの魅力を思う存分味わえるのが本書である。 収録されている作品のどれもが面白かったが、特に良かったのが「寂寥の地より」と「ジャンヌの弓」 後者は悲壮的な終盤の展開からの、鮮やかな逆転ハッピーエンドが見事。 『ア・ボーイ・ミーツ・ア・ガール』テーマで、表題作と並ぶ傑作だと思う。 短編の名手による奇想を、心行くまで楽しめる珠玉の短編集。 | ||||
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ビブリアを見て欲しくなり購入しました、まだ読んでませんが綺麗な本が来て満足してます。 | ||||
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