■スポンサードリンク


アトミック・ボックス



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
アトミック・ボックス
アトミック・ボックス (角川文庫)

アトミック・ボックスの評価: 4.10/5点 レビュー 20件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.10pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全20件 1~20 1/1ページ
No.20:
(4pt)

イメージ通りの作品

イメージ通りの作品で、購入してよかったと思います。
アトミック・ボックス (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アトミック・ボックス (角川文庫)より
4041037158
No.19:
(5pt)

知的で品のあるミステリー。とても面白い

〇 かつて日本で原爆の設計を試みたことがあったという想定で、その事実を世間に知らせようという大学講師の若い女性がこれを阻止しようとする警察の追跡を逃れる逃避行を敢行するという物語。ハラハラドキドキのエンターテインメント小説だが、暴力や派手なアクションや粗雑なトリックは出てこない。知的で緻密な駆引きが続く。とても面白い。

〇 いかにもこの作者らしく、登場する人物はみんな実際に存在しそうな同種の人々よりもちょっと洗練されていてちょっと知的だ。その振る舞いも会話も、物語の最後の結末までも、実際にはこんなにきれいには行かないよなと思う。これを甘いと批判することもできるのだが、そのお陰で上等なお菓子を食べたときのような後味を楽しめるのだから、こういう作品なのだと受け入れれば良いのだと思う。
アトミック・ボックス (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アトミック・ボックス (角川文庫)より
4041037158
No.18:
(4pt)

おもしろかったです

なかなか謎がわからないので,そこがはらはらしておもしろいです。
ただし,人物の心情描写が長すぎて,ミステリらしくないです。気持ちが長いと物語のテンポが悪くなるので,それだけは避けてほしかった。
アトミック・ボックス (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アトミック・ボックス (角川文庫)より
4041037158
No.17:
(4pt)

小説は面白いが、例によって解説が・・・

『キトラ・ボックス』が面白そうなので買ったのだが、こちらの方が先だと知って、先に読むことにした。
小説はエンターテインメントとして十分、面白い。
しかし、近年に文庫版ではままあることだが、解説がダメ。

国産原爆開発プロジェクトの名前が「あさぼらけ」なのは、『万葉集』にある沙弥満誓の和歌「世の中を何に譬たとへむ朝開き漕ぎ去いにし船の跡なきごとし」から採られたのだろうと、解説者は勝手に推測しているが、この歌にある言葉は「あさびらき」であって「あさぼらけ」ではない。
「あさぼらけ」の出典なら、あの『青年日本の歌』(昭和維新の歌)の六番の歌詞、「天の怒りか地の声か そも只ならぬ響あり 民永劫の眠りより 醒めよ日本の朝ぼらけ」こそ、小説の内容を考えても、ふさわしいのではなかろうか。
そしてあの歌の続き、九番の歌詞が「功名何ぞ夢の跡 消えざるものはただ誠 人生意気に感じては 成否を誰かあげつらふ」であったことを思い出せば、この小説の終盤の展開にも、ご都合主義とは言えぬものが感じられよう。
そのあたりを解説しても良いと思うのだが。
アトミック・ボックス (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アトミック・ボックス (角川文庫)より
4041037158
No.16:
(5pt)

突っ込みどころ多々あり。しかし面白い

美汐を追いかけて、秘密裏に事をすすめるのではなく、指名手配までして大々的に捕物帳を展開するくらいなら、公安は父親が生きている時にさっさと片をつけときゃよかったじゃないかと根本的な突っ込みどころはあるのだけども、それでも物語にぐいぐい引き込まれて面白く読ませてもらいました。ほかにも突っ込みどころは多々あるけど、まぁ面白いからいいや。やはりこの人、読ませる力量のある作家だなぁと再認識。
アトミック・ボックス (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アトミック・ボックス (角川文庫)より
4041037158
No.15:
(3pt)

もっと辛口に。

2017年に読みました。東北の地震、原発の事故のあとですからもっと現代的な内容に書き改めてくれたらまた読みます。非常にいいところを突いて、ドラマとしては面白くなっていますがエンターテインメントじゃないのだったらもっと突きつめて問題を浮き彫りにしてくれてもいはず、その力量のある作家さんだとおもいますが。
アトミック・ボックス (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アトミック・ボックス (角川文庫)より
4041037158
No.14:
(4pt)

多くの人の助けを借りながら美汐が真実に迫っていく展開は読み応えがあった

死んだ父親が大学講師の娘の美汐に託した一通の手紙とCD。その中身を巡って、警察から追われることになった美汐の逃亡劇と父の秘密に迫る社会派サスペンス。

「あさぼらけ」という核武装準備の計画が日本にあったという話がおもしろくて引き込まれた。父親はなぜ過去について語らなかったのか、なぜプロジェクトが途中で中断されたのか、多くの人の助けを借りながら美汐が真実に迫っていく展開は読み応えがあった。

美汐と黒幕との社会学と政治学を巡る口論も白熱した。警察相手の騙しあいも楽しめたが、警察が騙されすぎだと感じたので、もう少しハラハラする展開がほしかった。
アトミック・ボックス (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アトミック・ボックス (角川文庫)より
4041037158
No.13:
(5pt)

大変よかった

新品同様で、トテモ安く入手できました。こんなことがあるのかとビックリしました。また、次回も利用したいです。
アトミック・ボックスAmazon書評・レビュー:アトミック・ボックスより
4620108014
No.12:
(5pt)

主人公・美汐の「最後の対決」は圧巻。

原爆開発という機密プロジェクトに関わった過去を持つ父と、その父からの遺言をある秘密とともに託された娘。
父の死をきっかけに、動き始める、28年前に封印されたはずのプロジェクトを巡る思惑たち。

原発を扱う作品として興味を持つと同時に身構えたところもあったが、最初から最後まで実に読みやすく、また、常に続きが気になり、一気に読み上げてしまった。

東野圭吾さんの「天空の蜂」という作品のことが頭に浮かぶ。おふたりの感性、あるいは誠実さのようなものがそうさせるのか、この二つの作品はどこか似ているような感じがする(そして、どちらも是非、おすすめしたい)。

登場人物の顔が浮かぶ、生々しい描写。どのような事件も、日常も、生きている人が紡ぎだした風景の中に存在する。いつのまにか、社会から、政策から、顔が見えなくなるのは何故だ。ふつふつとわく怒り、居心地の悪さに不完全燃焼を抱えたままの心に、はっとさせてくれる、ぶれないでいられるための眼差しのヒントを、この作品は与えてくれる。

「ポリティカルサイエンス」というジャンル特有の「いなやイメージ」を払拭してくれたのは、主人公・美汐の背筋のしゃんとした、気持ちのよさからだろうか。少しも苦もなく読めた。

あまりに一気に読みすぎてしまったので、また少し間をおいて、読み返してみたいと思う。
アトミック・ボックスAmazon書評・レビュー:アトミック・ボックスより
4620108014
No.11:
(2pt)

原発の制御の部分に誤記がある

遅ればせながら読んでみました。途中までは、原発に不案内な人に、その背景を理解させるための努力をしていると、感心していましたが、あるページを開いて、そこに、原発の「超臨界状態を維持する」という記述を見つけて、目を疑いました。
この書評を見て疑問に思った方は、wikipedia で「臨界状態」を調べてみて下さい。「超臨界状態」が、原発の通常運転に対応しないことが分かります。
作者は連載時に、単に書き誤ったのかもしれません。ですが、その部分が未修正のままで単行本を出版したのはいただけません。それにもまして問題なのは、この本が新聞社から出版されたことです。全国紙には科学部があって、科学ジャーナリストを名乗る記者がいるのです。この本を未修正で出版したことで、この新聞社の科学部記者の、原発に対する理解度が判断されたとしても、仕方ないでしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%A8%E7%95%8C%E7%8A%B6%E6%85%8B
アトミック・ボックスAmazon書評・レビュー:アトミック・ボックスより
4620108014
No.10:
(2pt)

エンターテイメントとしては・・??

レビューが良かったので、期待して読みました。

この作者は初めて。
なので、他の著作は存じ上げず、単にエンターテイメントとして読みました。

結果、相当の期待はずれでした。

逃避行ではありますが、手に汗にぎる・・とは言い難い内容。
この手の分野に慣れている者にとっては物足りないでしょう。

なんといっても、追う側の国家・警察がまぬけで、甘すぎ。
公安も全くやる気がないのではと感じさせる。

瀬戸内の島内で物語の半分ほどがすぎ、話の大きさに対して、
話はまとまるのか?と心配になりました。
案の定、ラストも直接すぎるほど安易な対決。

こんなに簡単に対決に至るか?普通・・とツッコミを入れたくなる展開。

主人公の正義感・最後の行動も共感にいたりません。
悪役であるはずの権力側の論理のほうが、スじが通っている面も・・。

この著者の原発に対する造詣の深さ、スタンスには頭が下がります。
この著者の主義・主張に共感される方には、たまらない小説かもしれません。

が、原発に対する明確な主義・主張のない、
単なるエンターテイメント好きにとっては、少々ぬるい内容と言わざるを得ませんでした。
アトミック・ボックスAmazon書評・レビュー:アトミック・ボックスより
4620108014
No.9:
(5pt)

アトミック・ボックス

毎日新聞の連載小説の時から興味津々でした。

一気に読みたいと思い 購入しました。

「好きだ」の「嫌い」だのという辛気くさい話でないところが 気に入っています。

これ どのくらい本当のことなのでしょうか?

(わたくしは 77歳のおばあちゃんです。)
アトミック・ボックス (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アトミック・ボックス (角川文庫)より
4041037158
No.8:
(5pt)

国産原爆をテーマにしたサスペンス

池澤夏樹氏による原子力をテーマにした長編小説です。
かつて国産原爆の開発に携わったという父が亡くなる間際に娘である主人公「宮本美汐(みしお)」に当時の機密書類を託します。
それを巡って主人公を追いかけてくる国家による追跡をかわし、父の心残りだった秘密に迫っていく、というストーリーです。

国は主人公が持つ機密を奪うために国家権力である警察を動かし、執拗に主人公を追い続けます。
しかし美汐は勇気と友人たちの手を借りて鮮やかに出し抜いていく姿は痛快でした。
冒頭の掴みも良くて、少しずつ読んでいくはずが本を置くことがついにできず、3時間かけて読了しました。
本書ではメインテーマに原子力を置いてはいますが、それ以外にも幾つかのテーマを織り込んでいて奥行きを感じさせるストーリーになっています。
またどちらかというと反権力的な筋立てになっていますが、このような本にありがちな国家に対するルサンチマンなどは感じさせず、最終的に和解を感じさせるエピローグは爽やかで、読後感も良いものでした。

池澤氏の作品は遠い昔、受験生だった頃に解いた課題文で「スティルライフ」を読んだことをきっかけにして、ずっと読み続けているお気に入りの作家さんです。
静かで透明感を感じさせる筆致が気に入って追いかけてきましたが、年を経てますます筆は鋭く、深みを増していることを感じています。
アトミック・ボックスAmazon書評・レビュー:アトミック・ボックスより
4620108014
No.7:
(4pt)

面白かった

新聞で途中まで読んでいたので気になっていて、
受け取って一気読みした。高かったが、面白かった。
アトミック・ボックス (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アトミック・ボックス (角川文庫)より
4041037158
No.6:
(3pt)

書店で見つからなかったので

読みたいと思い何軒か書店で探したが、いつも本を購入する際に利用している書店に在庫が無かったので購入しました。
アトミック・ボックスAmazon書評・レビュー:アトミック・ボックスより
4620108014
No.5:
(4pt)

やや深読みかもしれませんが…

まず、何より読みやすいです。『静かな大地』もかなり読みやすかったですが、それ以上と言えます。
「原発」と「核」という、一見、“正”と“負”の側面を持った二十世紀物理学の“成果”が極めて近接していると同時に、現代に生きる私たちにいかに大きな影響を与えているか認識させてくれます。
それと、大学で理系に進んだ著者(ただし、中退)だけに、こういった作品では避けて通れない科学的・技術的な面に関する描写も比較的分かりやすいです(といって私に完全に理解できるわけではないですが)。
また、ヒロインの逃避行を助ける人との絆、様々な工夫は、現代社会の人間関係の在り方や“便利さ”への皮肉にも思えます。

178ページに「カロンの艀」(本文には“はしけ”とルビがあります)が出ていますが、著者の父である福永武彦氏の『死の島』を思い出しました。『死の島』では、広島の原爆で被爆した女性が出てきますが、本書でも被爆が大きなキーになっていることを考え合わせると、エンターテインメント色が強い作品とはいえ、ヒロインと父親の関係に、著者と著者の父親の関係が微妙に影響を与えているような気がしてなりません。
アトミック・ボックスAmazon書評・レビュー:アトミック・ボックスより
4620108014
No.4:
(3pt)

現実離れしたお話

高評価につられて購入しましたが、現実離れし過ぎていてもう一つついて行けないものがあります。あまり期待しすぎないで読んだ方がいいかもしれません。
アトミック・ボックスAmazon書評・レビュー:アトミック・ボックスより
4620108014
No.3:
(5pt)

若者こそ読んでほしい

この本が出版される以前に、読破した者です。 
毎日毎日こんなに待ち焦がれた新聞連載小説は初でした。 そして、読破後に単行本を購入したのも初体験です。
核は人間の手に負えるものではありません。原発の恐怖を体験してなお学習のない人々を心より憂えます↓ 過去
から学べぬ人々が、現在進行形からも学べないということに深く哀しみを覚えます。 私はもう日本がどう闇に向か
おうと構わない世代ですが、次世代 次々世代を憂慮しつつ、あなたたちに大きな責任があることを自覚して欲しい
と願う者です。 池澤さんの思いが伝わる素晴らしい本でした。
アトミック・ボックス (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アトミック・ボックス (角川文庫)より
4041037158
No.2:
(5pt)

倫理と舟の作家、池澤夏樹

池澤夏樹さんは、倫理と舟の作家だなあ、と思いました。この小説を読んで。別の作品も思い出して。これは、前作の「双頭の船」と並んで、ポスト3・11文学だなあ、とも。前作が岩手・宮城編なら、これは、福島編とも思えます。両者に共通するのは、ここからあそこに渡る舟。

 ページを追わないではいられない、どんどん読ませる物語展開。そこに埋め込められる思想、メッセージ。両者が両立、相互補完、いや一体化。

 27歳の女性社会学者、美汐(みしお)。父が死んだ。長年、漁師をしていた。けれども、それ以前の仕事は? 権力が秘密にしたがる仕事? なぜ、それを止めた? 辞めた? 父は娘に何を、何故、伝えようとした? 父は過去のある罪ゆえに自罰のための自死の手伝いを娘に頼むが、娘は? 謎が二重三重に解かれていく。

 娘は追われる。行かなければならないところがある。けれども、駅も空港も高速道路も、監視カメラだらけ。携帯も電源を入れれば、たちまち居場所が知られてしまう。そこで、美汐はどうやって、目的を達成しようとするのか。

 跳んだり、走ったり、国家を維持したりすることが危うくなってきた今日この頃。ぼくたちは、潜り、泳ぎ、島に生きる。

 技術者は製品の行方などは考えずに、目の前の課題をこなしていけばよいのか。「工学は時として罪を犯す」(p.339)。けれども、父の師匠である漁師は言う、「頭じゃない、身体だ」(p.347)。海での毎日の体験は、工学とは違う種類の知性が人間にはあることを教えてくれる。

 父の同僚は言う。原爆は使われる時以外は眠っているが、原発はつねに超臨界状態を維持している。その原発が事故を起こし、父は自分の「罪」をあらためて思い起こされ、また、癌にかかり、ある決断をする。

 国家のいや政治家の、論理いや理屈と、個人の論理いや倫理の対決。負けるのは、勝つのは、どちら。

 物語の父と娘は、池澤さんと娘さんにも重なるのだろうか。池澤さんは娘に何を託すのだろうか。

 一気に読めるが、現在のテーマが幾重にも折り重なり、掘り下げられている。
アトミック・ボックス (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アトミック・ボックス (角川文庫)より
4041037158
No.1:
(5pt)

最高の原発啓蒙書

癌で無くなった父には秘密があり、秘密を託された娘は、指名手配を受けながらも、友人たちの協力により、秘密に迫っていく。そこには日本による原爆開発の関与が。社会学者である主人公は自身の倫理観からその問題に立ち向かって行く。

根底に流れるのは、「楽しい終末」で示された人間の開発し、保持し続ける制御技術に対する疑念であり、それは東日本大震災での体験をもとに強固なものに消化され、強い物語となった。原爆の仕組みについても、池澤さんらしく真摯に説明している。

社会に問題を提起するという意味合いにおいて、この物語がとても有効に機能している。その辺りを嫌味なくまとめてるあたりは流石と思う。

原爆は抑止力であり、原発はエネルギー保証において非常に重要であることは理解できる。そこは間違いなく池澤さんも理解してると思う。

しかしながら、作家としてまたは世を憂う詩人として、そこに問題提起していこうという姿勢が重要で、私はひどく共感を覚える。小泉元首相や山本太郎だけじゃない、こういう作家にこそ注目が集まるべきと考える。

池澤さんはようやっとこれを書いてくれた。それだけで今の僕は充分に満足。
アトミック・ボックス (角川文庫)Amazon書評・レビュー:アトミック・ボックス (角川文庫)より
4041037158

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!