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吉原手引草
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吉原手引草の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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最後まですんなり読ませる。 しかし、同じ吉原舞台の隆慶一郎『吉原御免状』と比べると×0.4くらいだ。 あくまでも「事件」であって、「人物」ではない。 もう少し人物の掘り下げが欲しかった。 | ||||
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新吉原の中の職業人毎に藪の中風に仕立てていて、書き分けはさすがに プロの仕事だなと思う。しかし、すでに吉原を舞台にした物語になじん でいたり、基本的な知識をもっているものにとっては、ガイドブック風な とってつけた話者の「職業紹介」にいささか興がそがれる。 古典落語の「明烏」「三枚起請」「五人廻し」などの廓ものになじんでい る方にとっては、正直、説明のためとはいえわざとらしくかんじるでしょう。 素人への説明という仕立ては、隆慶一郎「吉原御免状」の二番煎じじゃないか とおもった。 個人的には「吉原御免状」や皆川博子「恋紅」など、優れた吉原ものがあるので どうしても色あせて見える。 あと、本書でも初会(初顔合わせ)→裏を返す(2回目)→馴染み(3度目)と いう花魁となじみになる習慣がまことしやかに描かれているが、永井義男氏に よれば史料的な裏付けのない「伝説」だそうだ。 また、花魁がいろんな芸を稽古したという下りで、その芸のひとつに長唄と ならんで小唄もあげられている。長唄はいいとしても、ここでいう小唄は、 閑吟集のような小歌のことではなく、いわゆる端唄のことだろうか? 十八大通がモデルとおぼしき札差が登場したり、「呼び出し」「昼三」とか、 少し前の記憶として奈良茂にふれられているので、本作の舞台設定はおそらく 18世紀後期の吉原のように思える。 ならばここでいう小唄は、所謂、江戸小唄ではないよなと、少々気になった次第。 (どういう小唄だろうかと・・・) 語られるが決して登場しない主人公という意匠自体も、少々手垢にまみれた感じ がしないでもない。あと、話者の話をとおした葛城の造形も今一つ平たんな像しか 結ばす、薄く魅力に乏しい感じがする。 題名の「手引草」の「草」は、徒然草とかと同じように、メモとかいう意味だろうが、 忍者の「草」(身分を隠した隠密)にもかけているのだろうか・・・ | ||||
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直木賞受賞作ということで読み進みましたが、十返舎一九の孫弟子らしき人物が関係者への聞き取りで 核心に迫っていくという構成を執っています。 最初から最後までがヒアリングになっているのでワンパターンになっており、読み手としては飽きがきます。 花魁の人間模様を女流作家の手で生々しく描く物語にして欲しかったと思いました。 | ||||
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十数人の独白だけで構成された変わった構造の時代ミステリで、第137回直木賞受賞作。 読んでいくと、ある花魁がなにかの事件を起こしたらしいことがわかってくる。その全貌を知りたがる質問者が関係者を一人ずつ訪ねていくが、質問に対する答えだけが会話体で記され、物語が進行していく。 事件がどんな内容だったのか、質問しているのはどんな人間で何の目的なのかは、終盤まで伏せられている。 ではどんな興味で読者を引っ張るのかというと、廓の習慣や用語、職制や役割分担などの解説がそれで、タイトル通り吉原ガイドブックとしての面白さでつないでいく。 時代もののミステリは単純にならざるを得ないので、面白くするのはかなり難しい。本作も例外ではなく、トリックに意外性がなく、鮮やかなどんでん返しもない。では、吉原ガイドブックとしてどうかというと、そこそこ興味深いが、特にびっくり、面白いということもない。 延々と独白で引っ張るのでメリハリがなく、ミステリとしても一本調子で起伏がない。直木賞受賞作だからもちろん上手いが、その割には平板な印象しか残らない。もうひと工夫、ふた捻りが必要だと思った。 | ||||
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