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私の消滅
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私の消滅の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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「このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない」 この怖さは、ここでしか体感できない。 人間の暗部、隠された強暴性、誰もが持つ攻撃性。 それらを解放しているこの作品は危険。 私が消えていくということ、誰かが私に成り替わるということ。 中村文則さんは、 またまた大変な作品を世に送り出してしまった。 必読だと思います。 | ||||
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期待通り面白いです。教団Xと同じくらい衝撃的で興味深い内容でした。今から新作が楽しみです。 | ||||
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誰だって自分は何者なのか?と自問自答して苦しんだ時期があると思う(若しくは現在進行形で)。だが、そうした問題の答えなど何処にもなく、答えがなくても用意された日常に流されながら生きることができてしまう。 しかし、この本の主人公はそうした日常に生きてなく、過去の自分の経験にその生の意味を見出そうとしている。過去が全てという事は、その記憶を操作することで良くも悪くも出来るのだが、中村氏の小説だから徹底してドン底に陥れる。 だから小説の最後に「この世界の何らかの平穏をー。」と自分を救う行動に出てしまう。 弱い人間だ。弱い人間をありのままに美しくそしてグロテスクに書き上げる中村氏の作品は、私にとっては生きる希望になる。 | ||||
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人の深層心理がよく考えられた作品でした。 後半になるにつれ、物語の真実が見えてきたときには、 そういうことだったのかという衝撃をうけ、一気に読むことができました。 マインドコントロールや精神分析系が好きな方にはおすすめです。 | ||||
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読み終えた中村文則さんの最新作、「私の消滅」。 最後まで読み終え、あとがきを読み、「この世界は時に残酷ですが、共に生きましょう」の言葉に涙が溢れた。 またひとつ、人間の内面の奥の奥に踏み込み、この人はなんとか一人でも暗闇の中から救いたいと強く想っているのではないかと、深く感じて胸が痛んだ。 全てを読み終えて表紙を見たとき、壁に掛けられたドレスがウエディングドレスに見えたのは私だけだろうか? この作品の「仕掛け」の巧みさや、ストーリーの基軸が恋人を喪失した者の復讐劇であること、人形師が作った本物の人間のような人形が出てくる点などは、近作の「去年の冬、きみと別れ」を想起させる。 しかし、あの作品はミステリーの要素が強かったが、今回の作品はより人間の真相に深く分け入ったという点ではずっと重厚になっている。 それは、現実の宮崎勤の事件をよく調べ、その内面に深く接近したことや、以前から中村文則さんがもっているテーマでもある“性の衝動”に更に鋭くメスを入れたこと(性の衝動が特に色濃く出ている作品は「最後の命」)、そして「私」という存在の認識は果たして明確なものであるのかという哲学者が問題にしてきた自己認識に対する精神分析や脳科学からのアプローチなど、様々な問題意識が深く考察されているからだろう。 しかし、この物語から私が得たシンプルな感触はこうだ。 「普通の顔をして生きている人間の悪意ほど恐ろしいものはない」。 殺人を犯すところまで追いつめられた人間には、そこに行き着くまでに多くの人間の他愛ない悪意が積み重ねられている。そういう悪意を秘めている人間の方がのうのうと暮らしていて、そんな自分に罪悪感すら抱かないのかもしれない。自分たちの悪意が生み出した結果を法で裁くことで安堵して、自分の悪意に見て見ぬふりをしているのではないか。そうやって、自分の悪を許し飼い慣らしている以上、殺人や暴力はこの世界から消えることはないのではないか。そう思わずにはいられなかった。 私は、殺人事件や暴行事件、自殺の報道やテロ、紛争や戦争などニュースに触れると、いつも心に痛みが走る。なぜ、人は自分や他人を殺してまで世界に復讐しなければならないのだろうと。どうしてこんなに生きづらい世界なんだろうと。こんなに生きづらくしてしまったのは、結局は人間そのものなのに、なぜ人間は世界を変えられないのだろうと。 でも、こうやって、戦っている人がいる。世界をなんとか変えられないだろうかと、生きづらい人々が少しでも長く、なんとか明日に向かって生きられないだろうかと模索している人がいる。 中村さんの小説を読んでいると、小説を読み終えて「あとがき」の「共に生きましょう」に出会うと、いつもそのように励まされ、私もなんとか生きなくてはと思う。 今回の小説も、また深く考えさせられ、またひとつ勇気づけられた。 この小説の最後が、絶望なのか希望なのか、それは読者一人一人に委ねられるものだが、その先に私はやはり希望を見出したいと思う。 | ||||
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中村文則氏の最新作。 あまりの面白さに一気に読了してしまいました。 ストーリーは重度のうつ病の女性を病的に愛した、ある精神科医の復讐の物語。 濃度の濃い純文学にミステリーの要素を入れ込み、圧巻のクオリティーの作品に仕上がっています。 全166ページと短いながらも、人間の悪意、神や世界への抵抗、マインドコントロール、犯罪者心理、自己の喪失等、これまでの集大成のような濃密なテーマが盛り込まれ、どれも興味深く、かつ非常に濃い読み応えでした。 主人公の神を無能であるとし、抗おうとする場面では非常に考えさせられるものがありました。 また、「たとえ倫理的に間違っていようともやらずにはいられない」、そんな切実さを感じるような描写が多く、こうした人間の複雑な内面を描いた部分に、毎度心を惹きつけられます。 「去年の冬、きみと別れ」にも見られた、物語が進むにつれて大きく視点の変わるだまし絵のような構成も見事で、何が起きるのかとドキドキしっぱなしでした。 切ないながらも、わずかに希望を残すようなラストも秀逸。 著者のファン、純文学やミステリーのファンにもぜひおすすめしたい1冊。 とても面白かった、未読の方ぜひ。 | ||||
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このページをめくればあなたはこれまでの人生の全てをうしなうかもしれない。 帯のインパクトで、 作者の名前で、 購入。 装丁もこの小説にふさわしい。 己というものについて改めて考えさせられる作品だった。 中村文則という作家の奥深さにはまる。 | ||||
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宮崎勉事件の解釈のような部分がありとても興味深く読みました。作者の解釈とはいえなかなかリアリティーがありました。単なる終わってしまった事件ではなくまた、だれにでもあるこころの闇という共通項があるのであれば、変態だのきちがいだのと切り捨てるのではなく正面から向き合ってみることも必要かと考えさせられます。ただ本当にその気持ちが分かったときに自分もきちがいになっているかもしれないと思うと怖いですがそういうものと戦いながら生きていくのが人生かもしれません。 | ||||
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…なんて偉そうに書く資格もないのですが。 「教団X」は、もちろん、ものすごく面白かった。 でも、それでも大満足とまでいかなかった人がいたら、 ぜひ手に取ってほしいです。 読み終わって率直に思いました。 ―「教団X」でのモヤモヤが、ここで全て解消された!と。 宗教の話でもないし、エグイ性描写もありません。 ストーリーも、少し書くとネタバレになってしまうくらい短い話で。 ざっくりした紹介だと復讐の話、ということになるのでしょうか。 それも「今まで見たこともないような復讐」。 読了し、腹の底から不安が這い上がってくるようでした。 でも、文句なく面白いです。 とにかく、とにかく読んでほしい!! | ||||
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「このページをめくれば、 あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない」 帯にもそう書かれた本作。 大袈裟なのでは、本当にそこまでのものが描かれているのか、と ほんの少し訝りながら読み始めましたが。。。。。。 納得しました。 そういうことか、と。 重度の鬱病の女性を愛した精神科医の物語。 彼はどうにか彼女を救おうとするが。。。というのがあらすじ。 こう書くとすごくありがちに思えるかもしれませんが、 人間心理がこれでもかと細かく描かれていて、 「著者の中村氏、ここまで物事を細かく見れて人間の本質を見抜けちゃうなら 生きづらいだろうなあ。。。」 とまで思った。 純文学作家さんだけど元々がミステリの要素を取り入れた物語を書くひとで 最近は特にミステリづいて来ているので、 純文ファンもミステリファンもどちらでも読める。 出だしから何が始まるのかとドキドキさせられ、 宮崎勤などの著者の考察も興味深く、 ラストシーンでは切なくてやるせなくて胸が締め付けられるようだった。 あっという間に物語は終わった。 ほんのわずかな希望だけ残して。 初期の中村作品が私は特に好きなのですが、 中村氏が公私共に充実している(いや、実際は知りませんが)せいか 最近は孤独が描かれず妙に明るくなってしまったなとちょっと残念に 思っていたのですが、中村節は健在だった、 いやむしろパワーアップしていると非常に喜ばしく思った。 非常におすすめです。 中村氏の抱える闇にやっぱり私は惹かれてならない。 | ||||
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