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黒い十字軍



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黒い十字軍の評価: 5.00/5点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(5pt)

1962年の米ソ間〈キューバ危機〉をいみじくも予言しているかに見える傑作冒険小説

アリステア・マクリーンはよく〈冒険小説の王者〉と呼ばれますが、その理由はやはり読者をグイグイと作品世界へ引きずり込んでゆく確かな手腕にあると思います。
その手腕をひとことで言えば、冒険小説にミステリー (謎解き) の要素を大々的に取り入れたストーリー展開の妙味です。

本作『黒い十字軍』でも、世界的な科学者たちが次々と行方不明になるという不可解きわまる現象がまず真っ先に読み手の興味を引きつけます。真相究明のためにジョン・ベンタルとマリー・ホープの2人は夫婦を装ってオーストラリアへと飛ぶ。が、途中南太平洋のフィジーで武装した謎の一味に拉致され老朽した貨物船の船倉に幽閉されてしまい・・・・。

400ページ余りの作品だけど、真ん中 (200ページ) くらいまでは、読めば読むほど謎はますます深まるばかり。
真ん中を過ぎたあたりから、少しずつ真相の光 (?) みたいなものが見え始めます。
しかし、その真相というのが絶海の孤島で極秘裏に開発された英国の最新鋭ミサイル (ダーク・クルーセイダー) をめぐる驚きの陰謀という、ほとんどSF小説のような内容。
孤島における諜報部員ベンタル &マリー & 島の極秘ロケット開発施設に常駐する英国海軍と、悪漢一味との間の生死をかけたぎりぎりの攻防・・・・。

特に後半は、王者マクリーンの持ち味である結末がどうなるのか全く予測のつかない展開に、ハラハラのし通しです。
1961年刊行の本書ですが、最新鋭ミサイルを盗み出して他国へ売りつけようと画策する悪漢一味のボスが終りのほうで語る〈悪のシナリオ〉は、翌年 (1962年) に全面核戦争スレスレのところまで行って世界を震撼させた米ソ間の〈キューバ危機〉を、いみじくも予言しているようです。
マクリーンの恐るべき想像力に脱帽です。
黒い十字軍 (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:黒い十字軍 (ハヤカワ文庫NV)より
4150404747

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