金門橋



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初公開日(参考)1978年01月
分類

長編小説

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金門橋 (ハヤカワ文庫NV)

1988年06月01日 金門橋 (ハヤカワ文庫NV)

アメリカ大統領とアラブ産油国の国王らを乗せた専用バスが金門橋上で強奪された。知能犯ブランソン率いる犯人グループは、橋の交通を遮断し、爆薬を設置する。彼らの目的は5億ドルの身代金。要求が受けいれられぬ場合には、橋を爆破するという。現場に駆けつけた政府首脳らもブランソンの完璧な計画に、なすすべもない。だが、さしもの知能犯も、大統領一行の中にFBIのリブソンが潜んでいるとは知るよしもなかった―。かくて史上空前の大犯罪をめぐり、熾烈な頭脳戦が開始される!風光明媚なカリフォルニアに展開する大型冒険アクション。(「BOOK」データベースより)




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金門橋の総合評価:3.00/10点レビュー 1件。-ランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

意外にハラハラしないサスペンス

マクリーンも後期になると戦争物やスパイ物といった冒険小説の王道から離れ、F1レースの世界やサーカス団員を主役にした奇抜な潜入行といった様々なヴァリエーションの物語設定を拡げているが、本書は王道のハリウッドアクション映画さながらの、テロリストによる政府高官を人質にした緊迫の籠城劇である。

まず大統領、アラブ産油国王らを乗せた専用バスがターゲットの金門橋に辿り着くまでのゼロ時間に向けてテロリストのピーター・ブランソン側の準備の模様が描かれる。
そしてゼロ時間が訪れた時の騒動の一部始終、息詰まるテロリストたちと人質連中、救出対策本部との攻防戦とセオリー通りに物語は進む。
この実に解りやすさがデビュー作の『女王陛下のユリシーズ号』を髣髴とさせる。変に仄めかすような描写やサプライズのために状況説明を省いた書き方をして、妙にやきもきさせるよりも、ストレートに物語が運ぶ方が実に心地良い。

金門橋で陣取ったテロリスト、ブランソンは政府に5億ドルもの身代金を要求する。大統領を筆頭に国賓として招かれていたアラブ産油国々王らVIPの身代金に加え、爆弾を仕掛けられた金門橋の身代金が上乗せされていた。

爆弾は上空を飛行するヘリに乗ったテロリストの1人がリモコンを持っていつでも爆破できるようになっている。

この一分の隙のない計画の中、唯一の誤算は人質の中にFBIエージェントで主人公のポール・リブソンがいたことだった、とまるで一級のアクション映画の煽り文句のような状況設定でありながら、物語が進むにつれて色んな綻びが見えてくる。

特にブランソンの片腕ファン・エッセンはマクリーン作品定番の背の低い、がっしりとした身体つきの、いわば汚れ役を担うキャラクターだと思われたので、リブソンにとって最後まで大敵となると思っていただけに、簡単に拉致され、しかもブランソンの余裕を挫くために裏切者として扱われるに至っては、読んでいるこちらも複雑な思いがした。

つまりヒーロー役のリブソンとテロリスト役のブランソン一味の力の差が歴然としているのだ。
これほど苦難に陥らない主人公も珍しく、血腥くない籠城劇も珍しい。さらに上でも述べたファン・エッセンを筆頭に、囚われの身となったアラブ産油国々王や王子たちも物語に大きく影響を与えることもなく、その他大勢の1人に過ぎなくなっており、せっかくのキャラクターを活かし切れていない。

またマクリーン作品の最たる特徴である専門知識も鳴りを潜め、金門橋に関しての薀蓄もたった2ページが費やされているだけである。最盛期のマクリーンならば金門橋を取り巻く周辺特有の霧の濃さに関する地形的な特徴などを延々と語り、また濃霧に縁のない人々を唸らせる思いも寄らない弊害なども盛り込まれ、サスペンス性をどんどん重ねていったことだろう。

舞台は一流でありながら、進行は牧歌的という実にアンバランスな内容を読むに、やはり往年のヴァイタリティは枯れてしまったマクリーンの作家としての衰えを激しく感じてしまった1作だった。



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