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生まれる森



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【この小説が収録されている参考書籍】
生まれる森 (講談社文庫)

生まれる森の評価: 3.42/5点 レビュー 31件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.42pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全18件 1~18 1/1ページ
No.18:
(4pt)

本というより島本理生さんの作品について

私が初めて島本理生さんの作品に出会ったのは中学生のころ、ナラタージュでした。
それまでの私の読書はファンタジー物が多く、読書に求めるのはワクワク感でした。
しかし、ナラタージュを読んでからは心の内を言い当ててくれるような言葉を見つけることが読書をすることの意味として新しく加わり、それ以降の私の読書はそれが目的になりました。
 恋を知った今、体を重ねることの幸せや喪失感や、自分を消耗するような感覚…いろいろな複雑な感情を知った今、そして心があまり元気ではない今、島本理央さんの物語は重いものを孕みすぎていて辛いものがありました。でも、読み進めながら救われていく主人公に自分も救われていくような小説です。
自分の心を見つけ、大切にぎゅっとし抱きしめてあげる。島本さんの本を読んだ後はいつもそんな気持ちになります。
生まれる森 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:生まれる森 (講談社文庫)より
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No.17:
(5pt)

表紙から素敵!!

「死にたくなったら、どんな時間でも駆けつけて止めるから。見捨てたりしないから。愚痴でもなんでも好きに喋ってかまわない。
それでも抜け出せないほど絶望が深かったら、そのときは僕を殺してから死んでくれ」

単行本と同じくミヒャエル・ゾーヴァの絵が表紙が、タイトルにぴったり!!

高校生から大学生になる時期に、いびつな恋を経験して心が壊れかかってしまった“わたし”
この主人公が、高校時代の友人キクちゃんとその家族との温かい交流の中で、少しずつ自分を取り戻していきます。

このお話を読むと、やっぱり女友達の存在って大切だな、と痛感します。
キクちゃんのように明るくて許容力のある女の子は中々いないですよね;こう在りたい、とは思いますが;
また主人公が雪生さんの優しさに絆されながら、少しずつ心を開いていく様子は、『リトル・バイ・リトル』での周とふみの恋愛模様と重なります。

読んでいると何とも言えない爽やかな気持ちになれる一冊です。
こうして考えてみると、島本さんの作品は『一千一秒の日々』『波打ち際の蛍』など、夏っぽい雰囲気のものが多いですね。
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No.16:
(4pt)

感性一本勝負の小説

早熟な女性作家らしい、感性一本勝負の小説である。
ストーリー構成や身体感覚よりも、
主人公の感情的な揺らぎが重視されている。

物語の契機となった「出来事」については、
肉感的なものだけれども
頑なに精神的なピュアさを希求する点に
物足りなさと/潔さと、感想が相半ばするだろう。

テーマにも繋がる部分が、ややあからさまの気もするが
それは判りやすい、若さゆえの直線的魅力かもしれない。
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No.15:
(4pt)

ナラタージュ好きな人にはオススメ

「ナラタージュ」好きな人は、間違いなく好きになる作品でしょう。

個人的には、こちらのほうが書きすぎた感がなくて好み。

島本さんて、自身でもやはり教師と恋愛をしたのだろうか?あるいは

親友が。。という感じ。

でないと、この感覚かくのは難しいのではないかと思います。

今まで島本さん読んだことない人にも読んでほしいですね。
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No.14:
(4pt)

作者の瑞々しい感性

妊娠、堕胎、好きな人を救えなかった絶望感。ばらばらになった心は日常生活の中で、少しずつジグソーパズルのように組み立てられていく。なぐさめの言葉など必要ない。ただ自分を見つめてくれる人がいればそれでいい。迷い込んだと思った森は、実は自分を再生してくれる森だったのだ。瑞々しい感性で描かれ、読後感もよかった。
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No.13:
(4pt)

伸びゆく力を感じた。

シルエット、リトルバイリトルを読んだとき、正直、あまり
評価できる作家じゃないな・・と感じた。
でも今回のこの生まれる森では確実に成長した筆者の姿が見
られた。今後、さらに成長されると思う。
芥川賞も次の作品くらいで取れる気もするが、芥川賞より直
木賞をあげたい。幅広い読者に愛され続けていく作者である
ように感じた。
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No.12:
(5pt)

一気に流れ込むモノ

前から読みたいと思ってた。
島本さんの作品はシルエット、リトル・バイ・リトルと読んできた。
違う話でも、後に残る感覚は生まれる森を含め似ていた。
自分に向き合うコト、周りと自分、過去との狭間、様々な人が交差して紡ぐ物語は、甘く切ないラブストーリーという訳でない。
絆なのか・・・忘れることの出来ない「愛」と言われるモノとの格闘と温かな空気。
言葉の魔法と言っても過言じゃない。
ココロに染みる感覚を久しぶりに思い出させてくれました。
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No.11:
(4pt)

透明感溢れる澄んだ小説

大学1年の夏休み、帰郷する友人の部屋を間借りする主人公
彼女は昨年から抜け出せない深い絶望で途方に暮れていた
最初から主人公の絶望は読者には明かされない
少しづつ彼女が何に迷い苦しんでいるのかが見えてくる
人を好きになるきっかけに、その人を救いたいという感情がある
しかし、その感情がいかに支配的だとしても、
救いたい感情が傲慢でもなく相手を本当に癒すことが出来る関係もあるが
反対に、相手に対し自分がいかに無力か思い知らされ打ちしがれる場合
残酷にもその恋が一方的に終りを告げられたとき
その絶望から終わった恋愛は、1人の人格を粉々に出来る
そこから、恐れることなく、人を受け入れ、時間をも受け入れれば
私たちは再び誰かを愛することが出来る
この小説を読むと、心が澄んでゆく
決して明るい題材ではないのだが、前向きになる感情が読者を包む
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No.10:
(4pt)

初めて読んだけど

~友達に借りて、初めて島本さんの作品をよんだんだけど、個人的にはかなり好き。
いろんな作家さんの本を読むけど、なかなかこれっていう作家さんには出会わない。
だけど、彼女の本は結構つぼです。
内容としては、つめが甘いなと感じる部分は確かにあるんだけど、言葉の使い方、表現力、それは評価できると思う。
読んだ後に不思議な爽快感がある。
~~
ほかの作品はまだ、読んでないのでなんとも言えないけど、これからに期待。~
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No.9:
(4pt)

惜しい~!

彼女の文章の、よけいなことを省いたシンプルさが好き。
だけど、すごく的を得た書き方をする。
そして、なぜかせつなくなるような、そんな情景を描いている。
押し付けがましくなくて、それでいて胸に残る描き方をする彼女の文章には、とても好感を持てた。
淡々とした日常を描く小説は退屈だったり飽きてしまったりすることが多いけど、この小説はそんなことがまったくなかった。
それはやっぱり書く力があるからなのかなぁ。
恋愛にトラウマを持った女の子の話だけど、「つらい」「苦しい」といった感情を、押し付けないから嫌味がなかった。
ただ残念だったのは、書くべき細部が、書かれていないということ。
だから、どうしても最後に疑問が残ってしまった。
そこがすごく惜しいと思ったけど、それをのぞけばすごくよかったです。
痛い、っていうのがすごくよく伝わってきた。
この人の目線、鋭い。
鋭い観察力の持ち主かもしれない。
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No.8:
(4pt)

きゅーん

島本さんの作品をはじめて読みました。はじめからおわりまで、全体を流れる独特の雰囲気が壊れることなく続き、読後、ふわんとしたものが心の中に残りました。心の揺れがとてもうまく表現されており、「青いな」と笑いながらも、少しキューンとなりました。言葉の選び方、並べ方も結構気に入りました。
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No.7:
(4pt)

ほんとうにやさしい小説です。

偶然ですが、「蹴りたい背中」を読んだあと、この作品を読みました。
あ、去年、「リトル・バイ・リトル」で芥川賞候補になった人だ、とあとで気づきました。ほんの2年ほどで、島谷さんの成長(女性として、作家として)をとても感じました。 なんて品のある、美しい文章を書く人だろう! これで21才?恐るべし、です。内容も、私には物語とリアルの中間くらいの距離で、最後まで一気に引きつけられました。
「蹴りたい・・・」より、こちらの作品の方が、私は心に残りました。雪生さんの「幸せにしたいと思うことは、おそらく相手にとっても救いになる。けど、幸せに出来るはずだと確信するのは、僕は傲慢だと思う」という一節が好きです。その雪生さんを、この物語の中で、主人公に対するただの救い主にしないで、「一見物腰が柔らかいけど、面倒なところがあって難儀だよ、やめたら?」と、妹のキクちゃんに言わせるところはもっと好きです。やっかいな心を抱える人間のそばに、「死にたくなったら、どんな時間でも駆けつけて止めるから。見捨てたりしないから」といってくれる人間が寄り添う暖かさ。「自分が書きたい」小説家であると共に、「小説に愛されている」島本さんを感じました。次回作も楽しみです。
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No.6:
(4pt)

失恋・孤独・再生。

惜しくもまた芥川賞を逃しましたが、私はずうっと応援しています。『シルエット』『リトル・バイ・リトル』から今度の作品へと、一貫して、島本さんの作品には柔らかな明るさがありますね。現代の若者を描きながら、他の人とはちょっと違うのは、表面的なファッションや流行りものが、あんまり出てこないからでしょうか。『生まれる森』は、堕胎という重い体験を、さらりと脇に除けてしまっているのが少々気になりますが、初めて人を本気で愛してしまったという自覚が、主人公の野田をじりじりと成長させているのがよくわかって、ほほえましいです。いくら愛しても、相手がこちらをみてくれない時、そこには、計り知れない距離ができ、孤独が身を苛みます。その孤独を野田はよくみつめ、おずおずと手をさしのべてくれたキクちゃんや雪生さんに、少しずつ応えていきます。彼らにもたれ掛からず、そうっと手を繋ぐといった感じが、とてもいいです。失恋によって、自分を知るという苦しい作業をきつい言葉を用いずに、よく表現していると思います。
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No.5:
(4pt)

大人への、迷いの森

読み終わったあとに残るいくつかの疑問は、先のレビュアーの方が書いてくれているので省きます。ずっとずっと応援してきました。『シルエット』『リトル・バイ・リトル』から比べると、島本さん、成長しましたね。いつもゆるやかに、柔らかくほほえんでいるような、静かな明るさは、今度の作品にも流れています。芥川賞の候補に、二度までも上がったのに惜しくも逃したのは、いつもインパクトのある作品が横に並ぶから。中絶という重い体験を、さらりと脇にのけて、書きたかったのは大人へのとば口でつまずいた恋・・・失恋の痛手。本当に人を愛したと自覚できた恋愛を失った時、そうそう簡単に立ち直れるものではない。初々しい痛みを、私も思い返しています。その人が大人になっていくために、しなくてはならない経験の量は、各人で異なるのでしょう。しんどい、苦しいその負荷をこの作品は、よく描いていると思います。愛した人と自分との距離を思う時、人は誰しも孤独です。彼女の孤独にそっとそっと手をさしのべているキクちゃん、雪生さんに、おずおずと応えていく様子も好ましい。“ゆるやかな新生”を自覚して、物語は終わります。そして、その後をまた今度読みたく思います。
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No.4:
(4pt)

何かをあきらめることは、永遠に難しい。

「言い当てられた」気がした。
好きなのに、拒絶しなければ「自分がダメになる」という感情、
人間として自分がひとりで生きていくことが
好きな人と一緒に生きていくことと必ずしも両立しない事実、
ためらわず自分に手を差し伸べてくれる人達の優しい重さ。
堕胎したことなんて、どうでもよくなるほどの、恋。
誰かを必死に愛そうとした記憶が20歳の主人公を変えていく。
私も、変われる――。そう思ってページを閉じた。
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No.3:
(4pt)

きれいな文章はさすが

特に泣けるところも、感動するところも無いので、
芥川賞候補だから読んでみた、という人には物足りないと思います。
ただそれが島本さんの作風であり、この作品からも島本さんが書く
きれいで、やわらかな文章から感じるものは少なからずありました。
ただ「堕胎」という重いものを主人公に背負わせているわりには、
それについての描写がほとんどなく、あっさりしすぎていた感も否めません。
確かにインパクトという点では芥川賞作品だとか、他の作品に負けていると思いますが、感動したり、何か衝撃を受けるものだけが小説ではない、と言う人には、味わい深い小説だと思います。
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No.2:
(4pt)

しっかりとした筆致

「緩やかに失恋から立ち直っていく心情」をしっかりとした筆致で捉えた作品だと思う。
第130回芥川賞を受賞した二人の女性の小説は両方ともあまりに文体が砕けているが、彼女の場合は話し言葉を多用しないので逆に読みやすい。
ただ気になったのは、小説の中で「堕胎」を軽く取り上げているが、誰の子供かわからないにしろ10代の少女にとって「中絶」は失恋と同じく心に深い傷を残すものだと思う。しかしそれについても中途半端な心情描写しかないのが気になった。
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No.1:
(4pt)

期待をこめて

芥川賞候補で、もし受賞するならこのひとがいいと思っていました。日常をこんな繊細な筆致でかきつけられるのはこのひとしかいない。とくべつなにが起こる小説でもありませんが、そういうものをかくのが本当はいちばんむずかしい、と思うのです。今回は堕胎というテーマもおりこまれていて、担ってしまったいたみや、他人との微妙な距離感。過去に恋をしたサイトウさんとの深い森にいるような息苦しさ綴る文章。島本さんの小説はいつも柔らかい、という印象をうけます。まだまだいい作品をかけると思うので星はよっつにしました。是非、これからも質のいい作品をだしつづけてほしい、そう思います。
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4062756277

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