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(短編集)
ポイズンドーター・ホーリーマザー
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ポイズンドーター・ホーリーマザーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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6作品が収められた短編集。 よかれとの思いが、相手には悪意に変換されてしまうシチュエーションが描かれている。5作品が、いわゆる”毒親”もので、著者ご本人の想像力だけとは言い難いリアルさがある。読み進めるうちに、登場人物と同じく暗澹たる気分に浸ることだろう。 女優となった娘視点から支配する親を見た「ポイズンドーター」と、彼女の親を知る友人が語る「ホーリーマザー」は、物事のA面、B面として読み応えがある。ただ、作品集全体としては、ラストに捻りが欲しいところ。読書が同調するであろう出だしの怒りのおさめ所が不完全燃焼かな。 | ||||
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タイトルを直訳すると「毒をまき散らす娘、聖なる母」となるのだろうか。 毒親という表現が普及してきて、自分で責任を持たずに母親のせいにしすぎではないか、 といいたいのだろうか。 聞かれた質問と関係ない、自分勝手なことばかり話続ける30過ぎの困った娘、 他人のことを勝手に決めつけ、自分の勝手な理解を他人に言いふらす面倒臭い娘、 優しい人でないといけないという呪縛から逃れられず、殺人までやってしまった娘。 毒親についての記事や本では、子供側の内面的な苦しみにばかりフォーカスされることが多いが、 実際問題はそう単純ではない。 子供側も毒におかされ、そのうち娘が毒をまき散らす(平気で他人に迷惑をかけたり、不必要に嫌な思いをさせる)ようになってくる。 そして、他人から距離を置かれ、社会で孤立することになる。 この部分をここまでリアルに描かれている小説は珍しく、湊かなえさん自身が毒親育ちではなかったとしたら、非常によく取材されていると思う。 それこそが毒親育ちの本当の苦しみであって、「あるよね」という感じであった。 という風に途中までは感じたのだが、最後の章の弓香と理穂の対決はどう捉えたものか受け止め方に悩んだ。 マリアのように虐待と呼べるような扱いをされていたわけでもないのに、 大したことないことで毒親だと大騒ぎし、うまくいかないことがあると母親のせいにして、 苦しんでいるふりをしているだけで、本当の根の部分で弓香は苦しんでいない。 この理穂の見方は、毒親ブームの世間への湊かなえさんの見解だろうか、それとももっと違う意図なのかがわからなかった。 こういった問題をある程度知っている人間が読むと、弓香と理穂の間には本当の信頼関係と呼べるものがなく、それは、どちらも本当に深いところで他人を思いやることができない人間に育っているから、つまりは親が毒親だったことが遠因となっていると感じるが、 そうではない人が読むと、「そうだよね、毒親とかじゃなく、自分の問題だよね」と単純に受け止められるのではないかと思った。 そのような意味で、毒親持ちには辛い一冊だと感じた。 | ||||
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いつも通り間違いなくいいです | ||||
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恐ろしい小説もあったもんだ。母子家庭ばかりじゃない、今やほとんどの人間関係において感染症のごとく毒が蔓延しているって言いたいのかな。人間関係の希薄さは毒への防衛本能だとも。いかなる小説でも作者の本音がどっかに隠されてると聞くがこの作者の本音は奈辺にあるのだろう。読後はドロンとした妙な感覚が残る。 | ||||
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同じテイストの作品をまとめた短編集です。 なぜ、人を殺してしまったのか、という理由を犯人の視点から書いています。害を与えた方にも理由はあるということで、犯人が被害者であるかのように錯覚してしまう作品も多くて、ただ、それが悪いというわけではなく、繊細な人の心の動きを描くのが上手な著者だと思います。 表題になっているホーリーマザー、ポイズンドーターは言うまでもなく面白いです。 妙に感心したのは、脚本家を目指す女性を描いた作品。ドロドロ具合とリアリティに引きこまれ、最後に意外な結末に驚かされます。 読後感は、残念ながらよくありません。二度読みたいかと言えば嫌。その部分が同じ著者の「告白」との違いかと思います。 | ||||
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久々に湊かなえさんを読んでみましたがやっぱり私には合わないなぁ。 読後にいや~な気持ちしか残らない読書は、楽しくない・・・。 でも、最後の最後で今まで信じて思いこんできたものすべてが一気にガラガラッと崩れちゃう快感・・・この手法はやはり見事です。 要するにひとつの出来事にしてみても、事実は1つとは限らなくて、見る人によって感じ方や見方はまったく違うということ。 そして、傷ついて苦しんでいるというのはその人にとって事実なわけだし、 誰と比べたらマシとか、もっと苦しんでる人がいる・・・というのは説得力がない。 すべてがそれで納得できちゃう作品集でした。 | ||||
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母や同僚、友人、兄弟への憎悪や嫉妬、軽蔑など、様々な暗い感情とその裏に隠された想いを描いた6つの短編集。 どの話もうまく毒が隠されていて楽しめたが、全体的に内容が薄かった気がする。 表題作は毒親と毒娘、双方の見方によって解釈が全く変わってくる話。願っているのは娘の幸せのはずなのに気持ちは完全にすれ違っていく様子が伝わってくるのだが、人間関係が分かりにくくて描写がくどかった。 個人的にはベストフレンドと優しい人が好きだった。 ベストフレンドは、脚本新人賞の最優秀賞と優秀賞をとった作家の卵たちのその後を描いた話。相手を認めながらも自分の方が上だという嫉妬の感情が分かりやすく描かれており、最後に驚きの展開が隠されていたのもよかった。 優しい人は、損な役回りを押し付けられて最終的に犯罪を犯すことになった女性を描いた話。人に興味がないため誰にでも親切にしてきた明日実がなぜ殺人を犯すことになったのか、本当の優しさとは何なのか考えさせられた。 | ||||
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短編集だからか、 物語の内容がどれも薄い。 特に感想も残らないものばかり。 でも、レビューを見てて、 この作品で自分の人生救われる 人がいるなら それだけでも、 この本の価値はあるのかなと思う。 みんな一生懸命生きてるだけなのにね。 | ||||
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イヤミスが好きでないなら、ただの後味の悪い短編集です ただイヤな気持ちにはなりますが、ミステリーとしてはどうなのかなぁと思うので 直木賞候補になったことは驚きでした 湊かなえさんらしい1冊でした | ||||
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嫌ミス作家の売れっ子筆頭とされる湊さんの新作で、直木賞候補作でもある作品です。 内容については詳しくは言いませんが(ネタバレしてしまうと、面白さが半減してしまうので)、面白いのは確かなんです。確かなんですけど、これが直木賞候補作になったのは少し不思議でした。親しみやすい文章だし、適度な毒を入れているのも湊さんらしいです。ただ、毒の入れかた、そして毒の見せかた、そういったものが露骨すぎる気がするんです。おまけに表題作になっている「ポイズンドーター」と「ホーリーマザー」は、ちょっと前に発表された「母性」という作品のダイジェスト版のようにしか思えなかったです。 | ||||
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殺人に至る経緯、それぞれに考えがあっての流れが巧みに描かれていて、無理なく読んでしまいました。自分の経験からもう少し早く出逢っていたら、親子関係が違ったかも?とも思いましたが、人間って混乱の最中では解れないと思った次第です。作品はどれもワクワクでした。 | ||||
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短編6編。 読み始めは「あれ?こんなもん?」という気がしないでもなかったが、「罪深き女」辺りからエンジンかかった。 後は「何?何が悪かったの?なんでこうなってしまうの?」の世界にどっぷり浸りました。 表題作の印象は、コップの中の嵐は悲劇なんだろうか喜劇なんだろうか、でした。 好み的には「優しい女」がツボだった。 楽しませて頂きました。 ☆は「湊氏ならこの位面白くて当然」というスタンスで付けてます。 | ||||
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