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(短編集)
ウィルキー・コリンズ短編選集
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ウィルキー・コリンズ短編選集の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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短編集で、コリンズらしくて、安心して読める。 | ||||
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意外な展開もなくプロット自体さほどのものではありませんでしたが、冒頭に置かれている「アン・ロッドウェイの日記」(1856年)をまずおもしろく読みました。 同じコリンズ(1824-1889)の『白衣の女』にも女性の登場人物が書く日記体裁の章がありましたが、この冒頭の一篇もコリンズ調ともいうべき徐々にサスペンス感が高まってゆく日記体の語りになっています。 ともあれトマス・ハーディにも「アリシアの日記」という佳篇があって、まあヴィクトリア朝時代、日記体の小説は一種はやりの物語形式だったのでしょうかね。 「運命の揺りかご」(1861年)は、オーストラリア行きの船のなかで起こった赤ちゃん取り違えの話で、これもそれなりに巧みなストーリーテリングで、滑稽にして深刻な話が展開されます。登場人物、とりわけ船長のキャラクターがなかなかよかったです。 「巡査と料理番」(1880年)は、殺人をめぐって意外な犯人をつきとめるという一種の探偵(警察)小説になっています。 19世紀後半、ロンドンは百万の人口をかかえるきわめて近代的な大都市だったわけですが、事件関係者から供述をとるさい「発言はすべて記録され、不利な証拠として用いられることがあると警告しなければならない」というような、法律にもとづいた近代的な警察の捜査の基本が当時すでに確立していたことがうかがえ、興味深いものがありました。 「ミス・モリスと旅の人」(1881年)は、英国の小説ではおなじみの遺産相続と結婚をめぐっての物語ですが、ストーリーとすればこんなにうまく良き偶然が重なるものかというところがあるものの、コリンズ得意の女性一人称による語りで読者を愉しませてくれます。 最後に置かれている「ミスター・レペルと家政婦長」(1884年)は著者晩年の作でもありますが、これは本書のなかでウィルキー・コリンズならではのストーリーテリングがもっとも達者に発揮された一篇ではないかと思います。 冒頭のイタリアの劇場で、主人公たちがある芝居の第一幕しか観ることのできなかった劇のシチュエーションがあとで予想もしなかったかたちで現実の世界でも起こるという、まあそのあたりの物語展開のうまさにやはり舌を巻きます。これぞウィルキー・コリンズ、と。 なお翻訳は読みやすいほうだったかと思いますが、ただ、ややひらがなが多用されていて、そのへん好みが分かれるかもしれません。 | ||||
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とにかくストーリー展開の面白さは時代を超えて今日に引き継がれている。加えて、ヴィクトリア朝時代の社会風俗などがわかりやすく描かれている。 | ||||
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