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(短編集)
10月はたそがれの国
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10月はたそがれの国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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「火星年代記」はSFという範疇のなかでは屈指の「文学作品」だと思 うが、本書は著者の処女短編集「闇のカーニバル」に五編の新作を加 えたものだという。SFではなく幻想小説であるのは意外であったがブラッド ベリの筆力に改めて感心した次第。特に「こびと」「壜」「骨」などが印象的。 旧題「闇のカーニバル」に相応しい作品。「つぎの番」の・・からだのなには 骨があるんだとしらされなければ、いくつになっても、骨のことなんか気 にしないものよ・・が「骨」で見事に敷衍される。誰でも皆からだのなかに 骨を持っている、ということグロテクスさ?に気づかされたが、作家のイマジ ネーションというのはどうなっているのだろうか。なんとも凄まじい。 文庫本を読む、読んだあとの最大の楽しみは「解説」だけれども、こ の文庫本には解説はおろか「訳者あとがき」もない。創元SF文庫って? よって付け加えられた五編の新作がどれなのかも分からない・・・なぜ タイトルが変わったのかも分からない・・・ 46年前の訳。男性の話し言葉は変わらないけれど女性の話し方はず いぶんん変わったなあ。まるで小津映画の台詞のよう。女性が強くなっ たということか・・余談。 | ||||
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不思議であやうい雰囲気をただよわせた短編一つ一つにどっしりとした現実味がある。 これは私達からかけ離れた世界ではなくとても身近な世界だ。 SFという手法をとっているけれども、もしかしたらこれは人間の深層心理そのものかもしれない。 人間の恐怖、残酷さ、慢心、せつなさ、好奇心、やさしさが美しい描写の中で際立っている。 誰もが感じうることを作者が代弁してくれているようだ。 短編だから読みやすい。 SFが苦手をいう人にもぜひ読んでもらいたい本。 | ||||
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40年近く前の本なので柴田元幸、村上春樹といった現代の訳者に慣れてしまった自分のような読者は、時折立ち往生してしまうかもしれない。 しかしそこで諦めずに読み進めていって欲しい。 作品のそこここに今も瑞々しく感じられる、作者のセンスが光っている。 訳者のフィルターを通してもなお、感心させられる描写も多い。 「アンクル・エナー」のような思わず微笑んでしまう牧歌的な作品から、「小さな殺人者」のように震える背筋が最後には凍ってしまう作品まで。 毒も皮肉も不条理も…とあらゆる要素が楽しめるお得な1冊である。 試しに1度読んでみても損はないと、自分は思う。 | ||||
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僕の手元にある文庫は、1965年12月24日のクリスマス・イブに発行された初版である。 以来、約40年間の星霜。 何度も読み返してきた。 不思議に飽きることはなかった。 なぜなのだろうか。 「波がぼくを、この世から、空飛ぶ鳥から、砂浜に遊ぶ子供たちから、岸辺に立つぼくの母から切りはなした。 やがてまた、波はぼくをかえしてよこした。 」『みずうみ』より。 なんと多くの、少年と少女たちが、この十月の国を訪問し、何かを見てしまい、立ち去り、時を経てから、その恐怖を書いてきたことだろう。 これは、作家を生み出す文庫なのだ。 | ||||
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ブラッドベリの代表作としては「火星年代記」や「刺青の男」を挙げる人が多いが、私にとってブラッドベリの最高傑作はこの本。 彼のセンチメンタルな部分とグロテスクな部分が同居する卓越した感性が、ぎっしり詰まっている。 20世紀アメリカ幻想文学が生んだ最高の短編集といってよい。 「みずうみ」「熱気のうちで」「2階の下宿人」「こびと」などなど、どれもこれも素晴らしすぎる。 ブラッドベリはやはり、この本に代表される初期の作品が一番いいと思います。 | ||||
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