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誰か Somebody
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【この小説が収録されている参考書籍】
誰か Somebodyの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全58件 21~40 2/3ページ
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こまく言えば ミステリーと言えるんでしょう。 ストーリー的には中盤まで面白く、スイスイ進みました。 どなたかも書いているように、読んだあとは後味が悪い。 姉妹の主人公に対する感情がこうも変化するものかと驚き ましたし失望もしました。 | ||||
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後書きに宮部みゆきは素描の名手であるとありました。 読んでみて「なるほど」と感じました。 他の方も書いてますが、全体的に盛り上がりに欠けます。 いつ謎が深まるのか、どんなドンデン返しがあるのかと期待して読んでいると、 最後までそれがなく終わってしまいます。 ただつまらないかと言うとそんな事はない。 模倣犯、理由などと較べると物足りない感じは否めませんが、それなりに愉しんで読めました。 しかし主人公の設定はなかなか特殊で面白い。 この主人公と設定でもっと派手なミステリーができる気がします。 | ||||
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宮部みゆきさんは、3つのタイプの小説を書く。 模倣犯や理由のような現代社会の直面した問題に鋭く切り込む現代小説と時代劇。それと今回の「誰か」のような感じの軽い推理小説。 (この軽い…というのは例えば中学コースで筒井康隆が書いていた「時をかける少女」のような感じ。) 私が一番好きなのは、もちろん模倣犯のタイプで、火車・龍は眠るあたりなどはすべて読んでいる。しかもすべて完璧に面白い。参りました…と降参するくらい。 その反面、時代劇は全く面白くない。なぜこれだけ差があるのか? 今度こそはと何度読んでも毎回期待を裏切られる。 で、軽いタイプのミステリーは、まあどうでもいいとか、時間があれば読むかとか、ちょっと集中して読書に没頭しようとか言う時にいいのかもしれない。 この「誰か」も面白いし、最後の最後まで一気に読ませる筆力は宮部さんならではなのだが、何か物足りない。登場人物の設定が薄っぺらいし現実味がなく自分が感情移入できないのが原因と思う。しかもこの「誰か」は事件は解決しているが、その後にもっと大きな問題が持ち上がり、その結末は中途半端に終わってしまっている。 事件の解決より、そっちの方が気になっているのに…。 この主人公がまた出てくる「名もなき毒」という作品があるらしいが、1600円もするので(笑)、買うかどうか迷っている。 | ||||
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主人公の設定は、決して平凡でもなんでもありません。 一大コンツエルン会長の娘婿。 ここにまつわる人々の話なのですから、通常なら何人死んでもおかしくないのですが・・・。 文庫本の帯文にもある通り、本当に“平凡な事件”が、非常に淡々と綴られています。 しかしその描写は、あまりに細密で微細です。 読者の日常のように語られてくる内容に、いつのまにか作中の人物達が、 周りで息をしているかのような感覚を覚えます。 ここまで書いているからこそ、結末の救いようの無さと、そこに際立つ日常という幸せが、 実感を持って迫ってくるのでしょう。 凡庸な作家が、同じプロットで書いても、こうは読みごたえのある作品にはならないだろうと思わせるのが、 やはり宮部氏の凄いところなのだと思います。 | ||||
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噂話を聞いて、すぐに広めてしまう人。反対に、人があまり口外して欲しくなさそうなことは極力話題にしない、口の固い人。 後者は、単に口が固い真面目な人なのだろうか?「自分自身に、誰にもいえない秘密を持っている」からこそ、他人の秘密も守っているのかもしれない。そうでなくとも、様々な経験から、他人の気持ちを思いやり、そうさせているのかもしれない。 この小説の登場人物のうちのひとりは、そんな男であった。 余談だが、そうやって考えると、噂好きの人は純粋で無邪気な可愛らしい人だと思えてくるから不思議だ。 | ||||
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淡々と進むので盛り上がりに欠ける。 なんの変哲もなさそうな人にスポットを当て、徐々に秘密が明らかになると言った手法は面白いんですけどね。 | ||||
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自転車にはねられて死亡する男性の人生を辿る物語。 ミステリーそのものは、深い謎解きがあるわけでもないし、ビックリするような展開が起こるわけでもない。 主人公も、刑事でも探偵でもない、すごく頭のキレる人間でもない、社会の中で肩身を狭くしながら生き抜いている、そんな男性である。 その主人公が、事故死した男性の生き様を辿りながら、自分自身の家庭での存在意義や、愛する者を守るという事について見つめ直していく。その姿に共感し、読了後に自分自身も、このテーマについて考えさせられていることに気付く。 男性に読んでもらうも良し、「お父さんってなんか嫌い」っていう娘さんに読んでもらうも良し。 | ||||
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宮部みゆきの小説の良さは、「丁寧」なところ。 キャラクターが丁寧によく作りこまれている。 脇役にも、手抜きが見られない。 特に「トモノ玩具」のおじいちゃんとお嫁さんのやり取りがいい。 この二人は脇役で、ほぼ一場面にしか出てこないのに、とても魅力的なのである。 丁寧がゆえに、華やかであるとは限らない。 この物語は最後にとても「地味」ともとれる結末を迎える。 人間の明るい部分。嫌な部分。 実は事件解決などでなく、そういう部分に焦点を当てた小説であったのではないかと思わされる。 だから多くの人の感想にあるような「後味が悪さ」は感じなかった。 「どんなにいい人でも、全てにおいて潔癖な人とは限らないよね」 そんなことを言いたかったのではないだろうか。 マイナス評価としては、最後のオチがわかってしまうような展開が随所にあったこと。 結末への伏線は必要だが少しわざとらしさが目立ち、途中で展開が読めてしまうのは残念だった。 宮部みゆきの腕なら、オチを読ませないような伏線の張り方が充分できたはずでは。 | ||||
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初めて読んだ宮部みゆきの本でした。 人気がある作家さんのようだし、期待して読み進めましたが、 半ばまできても目立った展開もなし。 いったいどこで驚かされるのだろうと待っていましたが、 出てきた真相は「これだけ?」って感じでした。 それにしても、『恋におちて』っていう選曲は どうにかならなかったんでしょうか。 あまりにもかっこ悪すぎです。 せっかく着メロをキーにしてるのに、あまりの選曲ミス。 子煩悩で奥さん大好きで、でも逆玉ゆえの悩みがある主人公には 好感が持てましたが、「だから?」という感じ。 期待してたのに残念だなぁ。 もっと面白いとよかったな。 | ||||
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会社の広報室に勤める平凡な会社員が、ひょんなきっかけで相談を受け、ある人物の過去を辿り始める 火車に次いで読んだ人探しの本(と言っていいものか)ですが、火車ほど気持ちを盛り上げるというか、大幅な感情のブレはありませんでした 良く言えば安心して読める 悪く言えば物足りない 主人公が平凡なサラリーマンなので、それはそれでいいのかもしれない 最後のシーンでの会話も、刑事でも探偵でもない、一介のサラリーマンだからこその展開だと思う サイコロのようにコロコロと転がり、新たな面や展開を見せる文章は私を飽きさせることもなかったし、 読了後のずっしり感はやはりちゃんとあって、読んで後悔したというようなことはなかった けれど、読書を逃避や娯楽としている私にとっては、もう少し辛味のようなスパイスを欲しいかな、とも思いました | ||||
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久々の宮部みゆきである。 模倣犯以来か。 さて、この作品であるが、内容が地味であり、サスペンスとしては盛り上がりに欠ける分 リアリティがあるのだが、後味がなぁー。 主人公がもっとハードボイルドに徹して、最後に気の利いた台詞を吐けば、ハードボイルド小説として成立すると思うのだが、本書の終わり方では、ちょっと救いがないような気がするなぁ。 | ||||
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歩行中、自転車に衝突され死亡した男性。 轢き逃げ(自転車の)事件の被害者家族(美人姉妹)に依頼を受け、探偵役となる杉村三郎氏。事件を追う中、杉村氏の妻と娘、義父(財閥の領袖)、勤務先の出版社の人々、被害者の昔の勤務先の社長やその家族等が丁寧に描かれて行く。 驚くようなトリックなどは出て来ないが、細い伏線を張り巡らし、静かにミステリーの濃度を高めて行く。 他のレビューでも記されている様に、完成度としては超A級とは言えないと思いますが、著者の新たなる試みとして充分におもしろいと思いました。 | ||||
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宮部みゆきさんの文庫最新刊です。 主人公は、大コンツェルンの今多コンツェルンの会長の娘婿である杉村三郎。彼は手に入れた幸せを失うのが怖い小心者で、普段はコンツェルンの広報誌の編集員をしています。その彼に、義父であるコンツェルン会長から、彼の運転手を勤めていた梶田信夫の娘達の相談を受けるように指示されます。梶田は、自転車に轢かれて亡くなったのですが、その事件は未解決のままで、娘達はそんな父の為に本を出版したいというのです。 大人しく心配性の聡美、十歳ほど年の離れた妹の梨子。彼らはともに父の死を悲しんでおり、妹はその本を出すことが事件解決に繋がると感じて積極的ですが、姉のほうは、実はこの事件には父の梶田の隠された過去に秘密があるのではないかと三郎に相談します。彼女が言うには、妹には内緒にしているが、父には隠された過去があったのだといいます。 かくして三郎は、気だてのいい妻と、4才の娘を溺愛するマイホームパパでありながら、事件について調べ始めます。。。。 さて。 ミステリーとしてはオーソドックスでじっくりと作り込まれた作品で、品よくきちんとまとまっています。文章にぶれもなく、構成にも無理がなく、欠点らしい欠点はなく、さすがは宮部みゆきという作品です。しかし、どうしたものか、ストーリーが地味であることも多少は影響していると思われるのですが、盛り上がりが薄く、平坦な感じがしてしまいます。 また、登場人物の「悪意」が根底にあるものは子供じみた感情からのものであるにせよ、非常に後味の悪いもので、それが読後感を悪くさせています。主人公家族は非常に善人で恵まれた人たちであるが為に、余計にこの悪意がひきたって負の連鎖が続いていくことが悲しくなります。救いがないというか本当の意味での解決がなされていないというか。宮部さんの作品には日常の中の残酷な面がよく描かれますが、これは特にそういう作品で個人的には後味が悪かったです。主人公サイドにたって忘れられたら幸せなんですけれど、姉妹の行く末が気になってしまって後味が悪かったです。 | ||||
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ミステリー小説としてはあまり面白くなかった。自転車によるひき逃げ事件という最近の社会問題を題材にはしているが、概ね登場人物が善人ばかりで暗さがなく、人間と人間のつながりや他者への思いやりなどの重要さを説教されている感じがした。主人公である杉村三郎は実在したら魅力的な人物だと思うが、妻子との会話はストーリーに直接関係ないし、かなりうっとうしい。結末も意外性がなく、人情派推理小説という印象だ。 | ||||
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名もなき毒を読む前に読んでおこうと思って、読みましたが、「火車」「理由」の一連の宮部作品に見られる「切れ」がまったく感じられなくて、正直がっかりでした。 ほのぼの系でも江戸ものには、到底及ばず、宮部さんどうしちゃったの?って感じでした。 【今作の続き物の感がある、名もなき毒、こちらは、読み応えありで宮部ファンとしては、ほっと胸を撫で下ろした次第です】 | ||||
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多分、この小説のテーマは「心の中に誰にも言えない隠し事を持っていると、とても苦しい」とか、そんな事なんだと思う。 半分以上読んでから、やっとこのテーマに気が付いた。 今までの宮部さんらしくなく、淡々と内容が進んでいかない。 主人公の三郎の性格が、そのままこの小説の流れになってしまったのかも知れない。 そうは言っても、なぜタイトルが「誰か・・」なのか、未だにわかっていない私がいる。 人間はみんな心の内を聞いてくれる「誰か」を探している・・という事なのか? | ||||
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自転車のひき逃げ事件から物語は始まり、宮部みゆき得意の社会風刺かと思いきや、本書は 自転車の危険性を主題として強く訴えているわけではない。 この物語の主題は姉の聡美と妹の梨子との間の確執である。 父親の暗い過去の時代に幼少期を過ごした聡美と、その過去を知らずに生まれ育ってきた梨子。 それ故に、聡美は物事を悪い方向へ考えてしまう性格を持ち、一方梨子は自由奔放な生き方 をしている。この2人の性格の違いが、結果的には不幸な結末を招いてしまうことになる。 長編小説ではあるが、主題とはあまり関係のない部分での膨らませ方など、やや冗長な感は 否めない。また、ちょっと鋭い人なら途中で結末の展開も読めてしまうかもしれない。 (私は最後まで気づかなかったので、その分楽しめましたが...) | ||||
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宮部作品として、期待持って読んでいた分『普通』だったのかな? いつも、驚かされたり。号泣なぁんて。連続だモノ。 おっきな波や山みたいなものを感じられなかった。 だから。 でも、じんわりとは、きます。よ!一気に読めます。 義父の今多会長の運転手だった梶田さんの事故死がきっかけ。 その姉妹と父の本を出すことになった主人公杉村三郎。犯人探し。人生探し? 結局は姉妹のお話だったのかなぁ。なぁんて。 姉と妹の対比。昔の彼と、婚約者の。 実家同士の。過去と、現在の。 父の過去の事件と事故死の対比。 ・・・。って、相反しているモノで、埋め合わせていった物語かな? 【人間はそういうものだ。必要に迫られれば何でもやるんだ。 〜問題は、それを背負っていかれるかどうかだけだ、と。】 あまりにも、普通というより幸せすぎな主人公杉村三郎さんだったけど・・・。 | ||||
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「今多コンツェルン」の会長である義父から妙な依頼を受ける。自転車にはねられて亡くなった個人運転手の残された娘たちが父親の思い出を本にしたいという。姉は父親の過去に後ろ暗いことがあることを理由に渋り、妹は本を出すことで自転車で父を殺した相手に訴えかけると意気込んでいる。 ウチの住んでいる大阪は自転車が多いところで、歩道を歩いていると「危ないなぁ」と思うことが度々ある。その反面、自転車で移動することも多いので人を危険にさらしていることも多いんだろうなぁとも思ってしまう。 自転車と歩行者の事故を取り上げているわりには、「火車」や「理由」のように、テーマとして掘り下げてはいないんですよね。そういう意味では物足りなさを感じてしまって、「あぁ、なんやぁ」と思ってしまったんですね。 でも……「誰か」というタイトルは実に意味深だと思うと、読み口が変わってしまいました。 自転車でひき殺してしまった「誰か」 過去の父母の後ろ暗いことを知っている「誰か」 4歳の頃に自分を誘拐した「誰か」 逆玉にのった自分を見る「誰か」 …… 「誰か」を感じてなにかしら不安に感じる危うさを思わされました。うーん、読み方がずれてるかなぁ。ミステリとしてではなく、「誰か」が見る自分に染まっていく怖さを感じた小説でした。 | ||||
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暴走自転車による死亡事件という時機を得た題材ですが、ミステリー度が低く、謎解きの楽しみはほとんどありません。この作家としては、冗長さがないので読みやすいですが、全体が冗長だという読者がいるかもしれません。星は3つというところでしょう。 | ||||
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