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探偵はバーにいる
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探偵はバーにいるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全69件 61~69 4/4ページ
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謎解きというよりも、個々のキャラクターのもつ個性がおもしろい。また、軽快なテンポで描かれるストーリー展開も絶妙だった。 | ||||
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ハヤカワJAの送り出している作家・東 直己さんってどんな探偵小説書くんだろ?程度に思って、気軽に手に取った本。これが、大当たり! マスコミ・出版社・書店が<造り出した>ベストセラーに辟易しているあなた、本物の1冊がここにあります。内容などは購入してから後の話し。 とにかく手に取ってみてください。あっという間に読了して、東さんに出会えた事に感謝する<あなた>がきっとそこにいるはずです。 このあとの作品群も私の書棚の大事な本のポジションを永久キープです(北方謙三の諸作ともども)。 | ||||
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既レビューに「生ゴミの匂いがする」と言う記述が あったので、我慢できずに筆を取りました。 私も他の方の例に漏れず「探偵はバーにいる」とい う題名が嫌で、ずっとこの作品を手にせずに来まし た。しかし「畝原」シリーズのあまりの出来の良さに この「ススキノ探偵シリーズ」も読んでみる気になっ たのです。 この作品だけについて言えば、デビュー作ということ もあってか、文章や構成に生硬なところがあって、や や読みにくいかも知れません。ましてや目の肥えたミ ステリ愛好家の皆さんには軽すぎると思える展開もあ ると思います。 しかし、皆さん、これは東直己のデビュー作です。多 少の事には目を瞑って、自作の「バーにかかってきた 電話」も読んでみましょう。その成長ぶりに驚くこと でしょう。そして、シリーズが進むごとに作品は成長 して行きます。 銃を持てない日本で「探偵」小説が成り立つのか?と いう命題に東直己は見事に答えを出しています。多く の作家がこのジレンマに耐え切れずに、結局は警官を 主人公に据えることが多いのが日本のミステリです。 「ススキノの便利屋」は年齢を重ねると共に成長して いきます。そしてシリーズもよりリアル感が増して行 きます。是非、全作を通して読んで頂きたい。 この作家の良さが分かってもらえるはずです。 それにしても「生ゴミの匂い」をレビューの題にする とは小説への愛が足りない気がします。 | ||||
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全く知らなかった方なのですが、良かったです。行ったことないのですが、北海道は札幌に、もしくはススキノに、もっと言えばバーボンに、偏愛を感じさせる文章で、しかも窮屈でなく、そして受け手の想像を遊ばせる範囲を残す「ゆるさ」があり、そのうえその「ゆるさ」を上手く使えている部分を特に良いと感じました。 札幌はススキノの酒場で「何でも屋」で暮らしている<俺>は今日もいきつけのバーで美味しい酒にありつき、そして細々した用事を片付けなければいけない。そんないつものバーで<俺>を待っていたのは中退した大学の後輩で、しかも彼女の失踪だと言うのだが...というのが冒頭部分です。もちろんただの失踪ではなく、その後いろいろと絡んでくるのですが、ただのハードボイルドでは無く感じさせるのは、テンポの良さとそのキャラクター、そして遊びのある「ゆるさ」であると私は感じました。 たしかにちょっと古い話しかもしれません、手垢のついた話しと感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、それでも充分楽しめる作品です。それはただのハードボイルドではなく、土着のハードボイルドであるからのように感じました。それにいわゆるキメ台詞も、もちろん素晴らしいのですが、そのレベルが日本の日常会話レベルで素晴らしいのです。そりゃリュウ・アーチャーやフィリップ・マーロウが、あるいはリック・ブレイン(「カサブランカ」のハンフリー・ボガート)がキメる台詞はカッコイイでしょう。けれど私には恥ずかしくもあるんです。恥ずかしさを感じさせない世界を構築する方も、その技術は凄いけれど、等身大でかっこよくさせる日本の日常的世界観とその技術も素晴らしいと私は思います。なかなか冴えた台詞があって私は好きです「生きてる証拠」ってやつ。 また、運転免許を持っていないところ、持っていないことに何の問題も感じていないところがまた何となくカッコイイのです。 そして何かを思い出させると思っていたら、それは「羊をめぐる冒険」ですね。札幌の街を歩き回るので急に思い出しました。行ってみたいです、札幌。 日本の、ハードボイルドが好きな方に、どっぷり世界に浸るのではなく、日常と地続きのハードボイルドを楽しめる方にオススメ致します。 | ||||
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ファンの方には申し訳ないが、私にはまったく合わなかった。 「残光」を衝動買いして、アマゾンのレビューを見たら 最低「フリージア」を読んでから読むべしとのレビューが。 この「最低」に引っ掛かり、どうせならデビュー作から読もうとおもったのが大間違い。 なんなのこれは? 軽ハードボイルドだかソフトハードボイルドだか知らないが、 この本を早川が出し、まだ売っていること自体が不思議。 それなら「風間もの」を復刊してくれよ。 「ハードボイルドとは、軽口ではなく生き方だ」とおもうのだが、 この本は「生き方ではなく軽口あるいは軽い思考」 という悪い見本である。 風間と比較していた方がいらっしゃったが、 私は稲見と比べてしまい、 投げ出し本にしてもよかったのだが、 早川が出している以上最後はなんかあるはずと思い、読了した。 結果何もなかった。 ゴミのにおいがするというレビューが的確だということがわかっただけ。 この本は、著者が36歳のときに出版されているが、 28歳の著者って、この主人公のようだったのだろうか。 この主人公が38歳なら、その行動言動にうなずけたかもしれないが、 28歳でこれなら「つける薬」はない。 いま、悩んでいる。 「残光」をどうすべきか。 乏しい小遣いから買った本だから とりあえず読むか、 「フリージア」を買って、それから読み始めるか。 いっそ古本屋にでも売り飛ばすか。 | ||||
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風間ハードボイルドを好む者としては、既レビューにも書かれているのと似たような理由、つまりタイトルだけで内容までもが容易に想像できるようで、しばらく手をつけづにいたのですが、処女作(<作者の本来の感性・資質が最もわかる)くらいは読んでおくか、ということで読んでみました。読後感は変わらず、というか残念というか、主人公である探偵の年齢設定と、口調・行動がどうしても終始違和感を覚えました。数々の乱闘描写も白けます。いったん違和感を覚えたら、この手の読み物はどうすることもできません(肌にあいません)。特にハードボイルド=風間作品の主人公たち、という観念がある場合です。そういう偏見を抜きにして、こういう若く、世間感覚の登場人物の、ハードボイルド系を画策したフィクション物と割り切ればなんとか消化できます。 | ||||
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ソフト・ハードボイルド(何じゃそりゃ)とでも言うのでしょうか。 語り口はハードボイルドなのに会話が全然普通で、最初は、そこがどうもな〜と思っていたのですが、徐々にその不思議な会話のリズム感が説得力ある感じになってきました。 ただどうしても、小汚い場末の飲み屋や、ヤクザの手下のヤク中のチンピラや、下卑た女子大生は、不潔でかなわない。混沌とした中に何か真実をつかもうとする気持ちは分かるんだけど、それは不潔でなくてもできるだろうって感じ。主人公の散らかった部屋や、繁華街の裏口や、デートクラブの事務所や、ラブホテル、と出てくる場所がすべて生ゴミとゴムの匂いがしそうな場所ばかりなのも辛い。 この不潔な環境にガマンできるのは、主人公の若さの証拠なんでしょうが。音楽や女優の好みやら、そこだけ取ってつけた"趣味の良さ"をアピールするエピソードも、人間関係も、鼻白むものが多いし。作者の若さのせいなのか。 そこらへん変わって来ますかね。次作はどうしようか。 | ||||
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特定の地域を限定にした探偵ものか・・・と思いながら購入。飲んでいる酒の種類は聖なるハードボイルドのカクテルで、依頼の受け方はマンハッタン・ニュヨークで便利屋探偵業をやってるおっさんと似ており、「俺」に向かって「聖なるカクテルをがぶ飲みするな!」と注意したりする自分が楽しかった。男族たいていの奴が持っている「後輩の面倒を見てやる」という心情をくすぶりながらストーリーは展開していく。やたらと便利な友人、気の弱いロマンティクな依頼人の後輩、言い訳で固めた娼婦業を営むその彼女。「ススキの界隈で最高に素敵な娼婦」なかなかよい登場人物設定です。あっと言う間に読みふけるモテナイ「俺」に「バカ」とつぶやきながら読める探偵ものです。 | ||||
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札幌に越して来て5年。だと言うのに、ぼくはこのススキノ作家・東直己の本を一冊も読んでいなかった。1992年、つまり10年前にハヤカワミステリーワールドという日本人作家のミステリ・シリーズが早川書房でスタートしたときにも、東直己の方は、新人作家ということでさほど興味を覚えずに、そのままぼくは東直己という作家を素通りしてしまった。 一つには作品名が気に入らないっていうのがあった。『探偵はバーにいる』だ。なんだか臭い、品がないと感じたのだった。その頃ぼくの読書的天敵と言えば、多作作家。彼らのタイトルに対するこだわりのなさや、ふざけ加減が、どうもいい加減な仕事のように思えて反感を感じていたから、この東直己も、正直同類だろう、くらいに思っていた。だってタイトルがいかにも軽そうだ。 でも実に10年の時を要して、ぼくはこの作品のページを開いた。ぼくの渋る背中を押してくれたのは他でもない、多くの読者たちの東直己賛美だ。悪く言う人というのをあまり聞かない。それどころか書店での東直己コーナーは厚みを増すばかりだ。札幌だけの現象なのかもしれないが、それにしても作品が増え、賞を取り、いやでも名前を聞くようになる。ある日妻が街で東直己を見かけたらしい。ぼくが読まず嫌いだった作家は、ぼくの知らぬうちにそのくらい有名になっていた。 読んでみて面白かった。軽ハードボイルドと誰が言ったのか知らないが、ぴったりくる小説かと思えた。随所にユーモア。風来坊な主人公。不細工で弱点だらけで、自動車の運転ができず、いつでもどこでもウイスキーをタンブラーになみなみと継いでもらい、ススキノを漂流して歩く男。なんだ、探偵でも何でもないじゃないか。 そう。ぼくは先入観から、いわゆるトラベル・ミステリーみたいな探偵を思い描いていたのだ。そんな「探偵」では全然なかった。いい加減な28歳の若造と言われてもおかしくない自由業の男が、いい加減な生活のなかで、適度に自分の方法を見出しつつ、便利屋をやって人さがしをやって、周りと折り合いを付けながらススキノで生きてゆく、割と生活臭の漂う、大人の小説であったのだ。 意外だった。たちまち面白さに取り憑かれた。全作読んでみたくなってしまった。街の紹介、脇役陣の紹介などが多いように見えるが、作者はきっと最初からシリーズ化をもくろんでいたのだと思う。シリーズのスタート作だと一度思ってしまえば、それ以外のものには決して見えない作品だ。何故か。ススキノへの愛着。多くの酒場への愛着。作品にそれがいやがおうでも漂っていることだからだ。 札幌に住んで5年経った今、ようやくこれを手にして、味わい深いものを感じる。通りやビルやその他のもろもろに、多く親しみを持って読むことができる。わが身の生活タイミングとのシンクロを考えると、10年遅れて読むことになってしまったいきさつについても、そうあながち悪いことではないような気がしてきた。 | ||||
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