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【東直己】
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探偵はバーにいるの評価:
3.00/10点 レビュー 4件。 E ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点3.00pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
<俺>と俺との相性は良くなかった
現在も続くススキノ探偵シリーズの第1弾。そしてこれが作家東直己氏のデビュー作である。一読後の率直な感想としては若書きの三文芝居のようだというのが本音。まず主人公が28歳という設定に微妙なずれを感じた。私の28歳像はようやく社会の仕組という物が解り始めたばかりの青二才である。大学を中退し、早くから飲み屋街を根城に、色んなトラブルを片付ける便利屋稼業で糧を得ている俺が、いくら世間の風にすでに揉まれていたとしても、ヤクザにも一目置かれるような存在になるとは思えない。確かに時代はまだソープランドがトルコ風呂という名前だった昭和50年代後半か昭和60年あたりだろうか。確かにその頃の若者は今の平成の世のそれと違い、精神年齢も高く、成熟していたかもしれないが、ちょっと想像つかない。それは作中に語られる妙に時代がかった風俗描写も、私が作品世界から隔絶されているように感じたからかもしれない。ヤクザの着る物について、ゴルフ・ウェア、白ベルト、ローファー、ファスナーで締める厚手のカーディガン。スケタン、ナハナハナハという笑い声。今ではもう想像できる人がいるか解らないファッションや、流行語・俗語が古き良き時代のハードボイルドというよりも、その時代でしか楽しめない風俗小説といった色合いを濃く感じさせ、古びた感じを抱かせる。そして確かに主人公<俺>は若い。一人称描写で初めから終わりまで語られる文章に織り込まれる<俺>の皮肉や自嘲めいた台詞が、非常に青臭く感じた。時にマンガで行われるような表現を文章で行う事もあり(例えば頭の中でふざけた俺と冷静な俺、さらに熱血な俺が出てきて言い争いをするシーン)、なんか勘違いしていないか?と思うことが多々あった。タイトル『探偵はバーにいる』がまずいけなかったのだと思う。このタイトルだと主人公は、酒を片手に周囲の友人や街の弱者のトラブルを片付ける、酸いも甘いも知った30代後半の男を想像してしまう。しかし東氏が設定した主人公は最近大学を中退したアル中の男で、やっていることは単なるチンピラの小遣い稼ぎと変りはしないという物。おまけに常に斜に構える、減らず口を叩くのだけは一人前。夜の街を徘徊するから友達には事欠かない、といったちょっと相容れない人物なのだ。単純に云って、私と<俺>は合わないのだ。あと文体。ススキノの夜を一生懸命に生きる底辺層の人々を描きつつ、時折、<俺>の社会の落伍者に同情する感傷を挟むことで男のペシミズムを語りながら、なおかつ軽妙洒脱さを狙ったのだろう。小説には極上の旨みを感じさせる美文、しっとりとした質感などの綺麗な文章も大事だが、やはり外連味も必要である。しかし、この小説は外連味しかない。だから非常に俗っぽくて情緒が感じられなかった。なんだか風俗ルポを読んでいるような気がした。これもハードボイルドを読むと期待しただけに一層居心地の悪さを感じた。北海道最大の繁華街ススキノ。そこを舞台にし、その街とそこに住む人を描こうとした趣向は買うが、ちょっと変に力が入りすぎたようだ。そして肝心の事件だが、大学の後輩の失踪した恋人捜しから、ラブホテルで起きた殺人事件の犯人捜し、そしてススキノの夜の天使の捜索へと移りいく。これらのプロットはそれぞれがきちんと関連しており、淀みは無い。ただもうちょっと何か欲しかった。サプライズもそうだが、心に響く何かが・・・。軽めの文章だっただけに印象も軽くなってしまった。とまあ、第1作の印象は非常に悪く、正直このまま読むのを躊躇ってしまいそうだ。しかし現在も続くこのシリーズ、人気があるのだろうから、その後何かが変ったのかもしれない。ちょっと間を置いて、第2作も読んでみるか。
探偵はバーにいるの感想
クセのある文章と馴染みのない地方話が苦手でした。普通なハードボイルドでした。
話の展開が強引であり、出てくる会話も読み辛かった。ギャグを言って自分だけで笑っているような自己満足な文章で、読んでいて苦痛に感じた。映画化されている作品に期待したほうが良いですね。
しょうがないか。
どうやら映画化になるとの事で(2作目のバ-にかかってきた電話)、1作目であり東氏のデビュ-作でもある本書を読んでみた。正直、読んでて暇だった。主人公がどういう立場なのかがわかりづらい。彼女がいなくなって探してほしいと言われ大学の後輩という事で探しはじめるのだが、その探し始める動機も弱いし、他の登場人物もどういう関係なのか、いちいち巻頭の登場人物一覧を見る始末。ヤクザともタメ口をきいたり、よく分からん。話はひねりもなくシンプルでストレ-トな感じで終わる。デビュ-作だからしょうがないですかね?2作目に期待です。
現在も続くススキノ探偵シリーズの第1弾。そしてこれが作家東直己氏のデビュー作である。
一読後の率直な感想としては若書きの三文芝居のようだというのが本音。
まず主人公が28歳という設定に微妙なずれを感じた。私の28歳像はようやく社会の仕組という物が解り始めたばかりの青二才である。大学を中退し、早くから飲み屋街を根城に、色んなトラブルを片付ける便利屋稼業で糧を得ている俺が、いくら世間の風にすでに揉まれていたとしても、ヤクザにも一目置かれるような存在になるとは思えない。
確かに時代はまだソープランドがトルコ風呂という名前だった昭和50年代後半か昭和60年あたりだろうか。確かにその頃の若者は今の平成の世のそれと違い、精神年齢も高く、成熟していたかもしれないが、ちょっと想像つかない。
それは作中に語られる妙に時代がかった風俗描写も、私が作品世界から隔絶されているように感じたからかもしれない。
ヤクザの着る物について、ゴルフ・ウェア、白ベルト、ローファー、ファスナーで締める厚手のカーディガン。スケタン、ナハナハナハという笑い声。今ではもう想像できる人がいるか解らないファッションや、流行語・俗語が古き良き時代のハードボイルドというよりも、その時代でしか楽しめない風俗小説といった色合いを濃く感じさせ、古びた感じを抱かせる。
そして確かに主人公<俺>は若い。一人称描写で初めから終わりまで語られる文章に織り込まれる<俺>の皮肉や自嘲めいた台詞が、非常に青臭く感じた。時にマンガで行われるような表現を文章で行う事もあり(例えば頭の中でふざけた俺と冷静な俺、さらに熱血な俺が出てきて言い争いをするシーン)、なんか勘違いしていないか?と思うことが多々あった。
タイトル『探偵はバーにいる』がまずいけなかったのだと思う。このタイトルだと主人公は、酒を片手に周囲の友人や街の弱者のトラブルを片付ける、酸いも甘いも知った30代後半の男を想像してしまう。
しかし東氏が設定した主人公は最近大学を中退したアル中の男で、やっていることは単なるチンピラの小遣い稼ぎと変りはしないという物。おまけに常に斜に構える、減らず口を叩くのだけは一人前。夜の街を徘徊するから友達には事欠かない、といったちょっと相容れない人物なのだ。
単純に云って、私と<俺>は合わないのだ。
あと文体。ススキノの夜を一生懸命に生きる底辺層の人々を描きつつ、時折、<俺>の社会の落伍者に同情する感傷を挟むことで男のペシミズムを語りながら、なおかつ軽妙洒脱さを狙ったのだろう。
小説には極上の旨みを感じさせる美文、しっとりとした質感などの綺麗な文章も大事だが、やはり外連味も必要である。しかし、この小説は外連味しかない。だから非常に俗っぽくて情緒が感じられなかった。なんだか風俗ルポを読んでいるような気がした。これもハードボイルドを読むと期待しただけに一層居心地の悪さを感じた。
北海道最大の繁華街ススキノ。そこを舞台にし、その街とそこに住む人を描こうとした趣向は買うが、ちょっと変に力が入りすぎたようだ。
そして肝心の事件だが、大学の後輩の失踪した恋人捜しから、ラブホテルで起きた殺人事件の犯人捜し、そしてススキノの夜の天使の捜索へと移りいく。これらのプロットはそれぞれがきちんと関連しており、淀みは無い。ただもうちょっと何か欲しかった。サプライズもそうだが、心に響く何かが・・・。軽めの文章だっただけに印象も軽くなってしまった。
とまあ、第1作の印象は非常に悪く、正直このまま読むのを躊躇ってしまいそうだ。しかし現在も続くこのシリーズ、人気があるのだろうから、その後何かが変ったのかもしれない。ちょっと間を置いて、第2作も読んでみるか。