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殺人者たちの王



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【この小説が収録されている参考書籍】
殺人者たちの王 (創元推理文庫)

殺人者たちの王の評価: 3.00/5点 レビュー 7件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

完結してない。

「殺人者たちの王」は次の「ラストウィンターマーダー」と合わせてワンエピソード見たいですね。
こういの三部作って言わないんじゃないの?
次の話単体ではわけわかんねになりそう。
コニーといい、捜査官といい「サイコパス設定」の主人公すら全く合理的な行動をしていない。
「ラストウィンターマダー」でうまく話がまとめてもらえるといいんだけど。
そういうわけでこの作品単体では評価はそう高くできません。
殺人者たちの王 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺人者たちの王 (創元推理文庫)より
4488208045
No.1:
(3pt)

ジャズら若者三人の活躍は良いのですが著者にもう少し人間性への配慮を望みたいです。

ニューヨークを騒がす連続殺人鬼ハット・ドッグ・キラーの捜査への協力依頼を受けて大都会へと旅立つシリアル・キラーの息子ジャズと彼を助ける親友ハウイーと恋人コニーの若者三人の活躍と成長を描く大型青春ミステリー3部作の第2弾です。今回は「ゲームへようこそ、ジャスパー」という殺人鬼からのメッセージが謎を投げ掛ける非常に遊戯性の強いストーリーになっていますが、さすがにこれだけ徹底的に冷たく無慈悲に描かれると読んでいて辛いものがありますね。著者はきっと現代社会の人間関係の希薄さをリアルに描こうとしているのだとは思うのですが、でも犠牲者の無念さや家族の怒りといった人間の感情や刑事が被害者の家族に訃報を告げる辛い場面等々が全く省略されている点や残虐の限りを尽す殺人者のやりたい放題で後追い捜査しか出来ずにもはや諦めの気配さえ漂う刑事達の無為無策振りを読むと誠に遣り切れない思いが込み上げて来ますので、著者には主題である少年達の成長のドラマの面以外の部分でもせめて何とかもう少し人間性への配慮を望みたいですね。
NYから来た刑事に頼まれて連続殺人鬼ハット・ドッグ・キラーの捜査の手伝いをすべく同行したジャズは新たな被害者の遺体に残された「ゲームへようこそ、ジャスパー」のメッセージを知る事となる。一方、親友ハウイーはジャズの祖母の面倒を見る手助けをし、恋人コニーは強引にNYのジャズの元へついて行き独自に謎の言葉「みにくいJ」の落書きを突き止めるのだった。
本書は500頁を越える大分の小説ですが、最後まで読んでも明らかになるのは必要最小限の事実だけで、結局は完結編への繋ぎの役割を果たしているだけの作品になっていますね。もはや犯人が誰なのかに全く意味がなくなっているのは寂しいですが、無理もなく動機も全くない無差別殺人であれば人間関係の面で捻りを効かせる余地も皆無なのでしょうね。それでも目玉であるこの趣向殺人の真相は巧く考えられていると思いますね(但し警察の誰かが先にその意味に気づいても良さそうな気はしますが)。それから別の面で「みにくいJ」のおそらく元の英語「UGRYJ」を日本語の手紙の文面に上手く当て嵌めた翻訳者の方の器用さに感心しましたね。さて、本書での三人はそれぞれ離れ離れになってしまい十分に心が通っているとは言えないのが残念ですが、でも困難に直面しながら良く頑張って奮闘している方だと思います。ハウイーは殺人鬼ビリーの姉サマンサに随分の年の差があるのに惚れ込んで不届きにもちょっかいを出そうと企む相変わらずのとぼけたズッコケ振りですが、最後にまたまた早とちり(?)して思わぬピンチになりますね。黒人の美少女コニーはジャズとの初体験を決意したのに拒否されて傷つきますが、両親に二人の仲を反対されても退かない強さも見せますし、一人で謎の怪しい輩とやり取りして即座に決断してみせる勇気が見事でしたね。そして我らがジャズは自分が殺人鬼に変貌する事を恐れてコニーとの行為に踏み切れないジレンマに陥りますが、父ビリーに鍛えられた影響で殺人者の心がわかる鋭い分析力を駆使して誰よりも早く真相を突き止める手際が流石の鮮やかさでしたね。でも今回はまさにクライマックスで絶体絶命の大ピンチを迎えてしまい、またコニーとハウイーも程度の差はあれ別な意味でのピンチに陥り、しかも気になる結果はそのまま次巻に持ち越しですから殺生だよなと著者を怨みたくなりますね。そして冒頭に書いた思いに戻るのですが、本書に登場した最も印象的な大人であるFBIの特別捜査官の女性モラレスの何て呆気ない無情な運命には哀しみが込み上げますし、もう若くはない私には容易く「単なる非情な殺人ゲーム」と割り切る事が出来ずに長く後を引いて心にずっしりと重くのしかかり堪えましたね。まあフィクションに対して過度に感情的になるのは大人気ないかも知れませんが、完結編となる次巻では何とかこの悪が大手を振ってのさばる状況にピリオドを打って鬱憤を晴らし溜飲を下げる事が出来る素晴らしい結末が読めます様にと心から祈りたいですね。
殺人者たちの王 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺人者たちの王 (創元推理文庫)より
4488208045

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