獣の記憶
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獣の記憶の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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18世紀 フランスのジェボーダン地方で実際に起きた謎の野獣による襲撃事件を元にしたゴシックミステリー。 謎の野獣の正体を追究することに重点を置いた物語かと思ったが、事件に係わる人達が抱える秘密、そして心の奥底に秘めている思い等についても描かれており、実に面白かった。ジェボーダンの獣については映画でも観賞し面白く感じたが、実際の事件の真相はどうなのか、凄く気になってしまう。いつかは真相が明かされる日が来てほしいと思う。 | ||||
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内容についてはまだわからない。本自体は、まだ新しい綺麗と言っても良いと思います。 | ||||
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史実に基づいたゴシックミステリー というのに魅かれて読んでみた。かなりドラマチックな脚色と分かるが、面白かった。登場人物と、当時の過酷な農民生活や荒れた野山の雰囲気がリアルで魅力的。 | ||||
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18世紀フランスのジェヴォーダン地方で起きた残虐な大量殺戮事件に材を取ってミステリー・ロマンス・友情の要素を絶妙にブレンドし巧みに織り上げられたロマンス好きの女性の方には堪らないお奨めの傑作です。本書は史実である有名でミステリアスな未解決事件の謎に迫る良く出来た歴史伝記ミステリーの興味と共に主人公トマとイザベルとの幾多の困難を乗り越えて行く切なくも元気が出る恋愛物語がたっぷりと味わえますし、若い女性と子供の大量死という悲痛な内容の割には殆ど暗さや重さを感じさせない前向きな姿勢に貫かれた読み心地が最高な滅多にない素晴らしい一冊だったなと深く感銘を受けましたね。 フランスのジェヴォーダン地方で30人を越える若い女や子供の惨たらしい謎の殺戮が繰り返される。スケッチが得意な博物学者を目指す青年トマは野獣の正体を突き止めようと決心してヴェルサイユから派遣される狩人に何とか同行させてもらう。やがてトマは現地の領主の城で被害に遭いながら辛くも生き延びた美少女と出会い心を奪われて直ちに恋に落ちるのだった。 まず何よりも声を大にして言いたいのは、本書のカバー写真が古色蒼然として実に陰鬱な雰囲気を醸し出しておりましてパッと見の第1印象が少しも魅力的には思えない寂しいイメージを抱いてしまいますが、それは完全に間違いですので多くの方にぜひ読んで頂きたいと強く願いますね。時代ミステリーにありがちな堅苦しい読み難さは全くありませんし、シンプルながらも合理的な謎解きも十分な説得力があって絵空事でないリアリティーも感じられて無条件で信じられますし、真犯人の推理が二転三転するどんでん返しの趣向も真にドラマチックな鮮やかさで最後まで中だるみせずに思う存分楽しめますね。それから人間ドラマの面では、まず主人公トマが不仲だった今は亡き意地悪な兄アルマンの思い出と声に悩まされ、息子の縁談を利用して自らの社会的地位を上げようとする功利的な父シャルマンと最後まで互いに理解し合えない親子の反目と対立の関係が読んでいて痛々しいですね。次にトマが都会から田舎に来て知る事となる男同士の友情の物語がありますが、これもそれ程に単純ではなく複雑な裏表があるのですね。それから、それぞれに好ましい性格の公爵の妹イザベルと旅籠一家の娘マリーの間に隠された意外な秘密を知って思ったのは、やはり人間の成り立ちは生まれや遺伝による物ではなく育ちの環境なのだなと深く納得しましたね。そして意外な真犯人については、読みながら無意識に疑う事を避けて来た領域の哀しい負の側面で、決して甘くはない苦い人間性の真実が曝け出された事に打ちのめされ唯々無性に悲しかったですね。最後にトマは窃盗を疑われて獄中生活を強いられる体験をする等、浮き沈みの激しい試練を味わいますが、クライマックスでは幽閉されたイザベルを野獣から命懸けで救出する活躍を見せ、高貴な娘イザベルとの身分違いの許されない愛を最後まで諦めずに貫き通し固く抱擁する二人の揺るぎない真摯な愛のドラマには大きな感動が込み上げて来ましたね。私にとって本書は大長編ながらも読んでいる最中は心からの幸せを感じられる素晴らしい作品でした。何時の日か著者の次回作が紹介されたならば絶対に読もうと決めましたので今から楽しみに待ちたいと思いますね。 | ||||
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映画『ジェヴォーダンの獣』でも描かれた、革命前フランスで実際に起きた連続殺人事件の小説化。映画は獣との荒唐無稽な対決(モンハンみたい)が見物のB級作品だが、本作は二転三転する優れたミステリとして仕上がっている。 前半でじっくりと状況や人物関係を説明しながら、獣の正体はなにかという謎を、裏で糸を引いているのはだれかという謎へと巧みにずらしていき、後半で畳みかけるように展開する著者の手際は見事の一言。 歴史物が好きな人にもおすすめ。ヴェルサイユと地方、貴族と庶民との対比が生み出す不穏な雰囲気は、数十年後に迫ったフランス革命を感じさせる。ルイ15世や博物学者ビュフォンらも登場するが、とりわけ、後のデュ・バリー夫人が精彩を放っている。著者があとがきで述べているように、ジェヴォーダン(「ボルヴィック」の水源地近く)での現地調査も存分に生かされ、緑深い、神秘的な山岳地方の雰囲気もよく出ている。 しかし、本作の一番の魅力は、冒険、ミステリ、歴史物という体裁をとりながらも、若者の成長を描いた教養小説として読めるという点にある。ビュフォンの弟子を務める主人公トマが、父との葛藤、許されない恋、同年代の若者とはぐくまれる友情を通して、優柔不断な青年から決然とした大人へと成長していく過程が、読者を最後まで引っ張る原動力となっている。訳者解題によると、ニーナ・ブラジョーンはファンタジー小説を手掛けていたということなので、この点は得意とするところだろう。本作は著者の本邦初紹介ということなので、これからも翻訳を期待したい。 | ||||
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ルイ15世統治下のフランス、ジェボーダンで正体不明の獣が村人たちを次々に食い殺したという史実に基づいたミステリーです。 貴族社会と因習、お伽話と血塗られた現実の世界。読み応えあります。引き込まれます。 「え?あの人がそうなの?じゃあこっちは?え?実はそうだったんだ!と思ったら今度は?」という感じ。 インテリでハンサムだけど父と相容れないトマ、異教的な令嬢イザベルも魅力的ですが、登場シーンは少ないジャンヌが光ってる。貴族の愛人にあてがわれるべく仕立てられた彼女は後に歴史に名を残すあの人なのです! それにしても貴族って基本的に庶民を人間と思ってない。あれじゃあフランス革命も起きますよね。 | ||||
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