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山ん中の獅見朋成雄
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山ん中の獅見朋成雄の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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主人公の青年がなぜか山で相撲や書道をするという世界観に前半は冗長な感じでしたが、別世界に入ってからはあれよあれよと物語が展開し、引き込まれていきました。キーワードを挙げると、たてがみ、パラレルワールド、女体盛り、食人と、訳がわからないように見えますが、物語はしっかり収まっており、40代後半のおじさんでも十分楽しむことができました。 | ||||
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鬣、名字、殺人、ぼん、名前、トンネル掘り、山の中の馬、習字、うさぎ。 同じフレーム内に入りそうにないバラバラの絵柄のピースが 最後まで読むと何故かちゃんと同じフレームにはまってしまっているという不思議。 読後感がすごい。 読んでる途中は圧倒的なスピード感で物語が収束し、余韻はじんわり。 すぐにもう1回読みたくなる。 | ||||
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しぞりりりりんに。しぞりりりりんに。 さて、講談社ノベルスではこの言葉(呪文?)が帯になっていますね。 ぱっと聞いての感想は「何これ分けわかんない」ですが、とにか本書での『擬音』の表現の仕方は目を見張るのもがあります。 主人公の獅見朋成雄の一人称によって成り立つどこか狂った世界が、綿密に表現され、あなたも「舞城ワールド」に引きずり込まれることと思います…。 「しゅこりんき しゅこりんき しゅこりんき」 「しかしこ しかしこ しかしこ」 「しゆりんすちん しゆりんすちんしゆりんすちん」 この音が気になった人は、読んでみることをオススメします。 | ||||
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やっぱり舞城って、ただのぶっ飛び作家じゃなく、相当の筆力持ってる!と改めて感心した一作。擬音センスは宮沢賢二ばりに巧い。 | ||||
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不思議な世界観に溢れる作品だなぁと思いました。内容はというと、シミトモナルオとかいうありえない名前の少年が山ん中へ探索していって、不思議な集落を見つけて、その集落に住んでいる人たちと交流してくといった感じです。 モヒ寛とかいうおっさんの相棒と共に墨汁磨ったりするんですけど、その時の擬音が何とも印象的。まぁ特に意味はないのかもしれないけど。('-,_ω-`)プッ 終わり方もなんだかこれで終わりでいいんだろうかと疑問を持ってしまうような終わり方だし、だけど物語そのものが破綻しているわけでもなく、なんというか最初から最後まで捉え所のない作品でした。('-,_ω-`)プッ | ||||
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舞城王太郎独特の擬音語とスピード感プラス世界観がこれでもかと発揮されて非常に面白い作品に仕上がっています。 ・・・食を極めると人盆にたどり着くそうです。人盆って言うのは盆になるための人間であって人間で無い人間の上に乗せた人肉料理です。 主人公は何の罪の自覚も無く、それを勧められるがままに食し、ウマイと感じます。 物語の途中、村にたどり着いてからこれまでの作品の色がガラリと変わります。 一冊で二度ウマイ、と取るか、ちゃんと一貫性を持って書ききれよ、と思うかは人次第だと思いますが、僕は好きでした。 | ||||
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とても面白く一気に読みました。「煙か土か食べ物」「好き好き・・」を読み終えた時にも感動しましたが、また違う深い感動を覚えました。人と動物の違いは何か。欲望や情熱を追求し高めていったところに芸術や文化があるのだとすれば、お行儀良く美しく文化的に行えば、酒池肉林も人肉を食することさえも文化的でありうるのではないか・・。あらゆる常識やタブーやルールが意味を成さない世界で、淡々と全てを丸呑みにして自分らしくあることに拘って生きようとする少年。人間であるとは?罪とは?という問いかけに、とても熱い想いを感じました。 | ||||
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人間でありながら、馬のような鬣を背中に持つその鬣は、主人公成雄が13歳になってすぐ発芽したが、もちろん父にも、祖父にも、祖父の祖父にも代々受け継がれている。獣のような鬣を気に病んでいた13歳が、オリンピックの引き抜きを断わり、山の中で書道の弟子になる書の奥深い世界をさ迷う成雄は、現実の境界を飛び越えた世界に足を踏み入れる獣の象徴である鬣を剃った成雄は、獣のように人を殺す人が人を盆にし、人を食す行為人間の自我は何を持って支えられているのか中途半端なプライドで世間に振り回されるのではなく、強烈な個性で捻じ伏せる主人公成雄が、芯から強く、獣を内に共存させて人間社会に降りてくる結末念仏のような文体に、密かに笑う | ||||
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この本は長編小説のスタイルをとった禅の「公案」ですね。京極夏彦の「鉄鼠の檻」を読んだ直後に読めばすぐに思い至るはずです。公案には論理的なアプローチは通用しません。この本も論理的な思考によっては読み解けません。したがってこの本に対して「意味が分からない」という批判をするのは的外れです。わざと意味が分からないように書いているからです。この本を「公案」だと看破せずに、普通の小説だと思って読むと苦痛を味わうかもしれません。しかし理解した上で読めば作者の凄さが感じられるかと思います。 | ||||
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舞城作品のよさは、その濃密な独特の文章と予断をゆるさない非情なまでのストーリー展開である。本書もその例にもれない。この薄い本の持つパワーは、巨大だ。閉鎖的な場を舞台にしながら、驚くほどの空間的広さを感じる。疾走感と奇妙なガジェットがあわさり、まるでディックの悪夢世界だ。どうのこうのいってもはじまらない。とにかく読むべし。クラクラすること間違いなしである。 | ||||
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今までの作品と比べると「こっち側」に降りてきてくれた(?)感のある装丁で帯の文句や書き出しなんかも一見とっつきやすく、この本から舞城ワールドに入っていくのはいいかも。どんなに非凡な設定、ありえな~い人物が登場しても、結構すんなり、「私でもそうかも」と思えてくる不思議。あいかわらずかっこいい福井弁!変わってるけどちょっといい友情。きっちりカタルシスを与えてくれます。 | ||||
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