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山ん中の獅見朋成雄



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山ん中の獅見朋成雄の評価: 3.62/5点 レビュー 21件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.62pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全8件 1~8 1/1ページ
No.8:
(3pt)

暴走し発散する思考を無理矢理、作品世界に押し込めた印象がある

背中に馬のような鬣が生えている高校生の獅見朋成雄(しみともなるお)。

書道の師匠を殺害せんとした犯人を追い、山中の異空間(?)の村落へ彷徨い込んでしまうという、筒井康隆風の不条理系の物語。

陸上のオリンピック候補という成雄のキャラクター設定が、ストーリーにそれほど活かされていなかったりと、暴走し発散する思考を無理矢理、作品世界に押し込めた印象がある。舞城作品に慣れていなければ、途中で投げ出してしまうだろう。慣れていても終始つかみどころが見つからず、苦戦を強いられてしま津った。
山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)より
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No.7:
(3pt)

舞城成長中?

アインデンティティの確立の話なのかな、と思っていたら、途中からカニバリズムネタが放り込まれ、一体これまでの話と何の関係が?とわからなくなっちゃったんですが、
「いいもんを追求するのに加減してどうするんや。加減なんて結局自己満足の発露やで」
「違う。節度を守ることこそが美や」
この会話でちょっとわかったような気がしました。
美を追求する上での「本能、直感」と「理性、節度」との相克。これは作者自身の創作における悩みを表してるんじゃないでしょうか。自然(山、獣)→本能。人→理性。本作において作者は「人でも獣でもなく」「成長の過程にある」成雄くんに自分を重ね、作家としての方針(アイデンティティ)を模索していたのかもしれません。
独特って言われてますが、実際は相当に先行作家の影響下にある作家ですからね。

全体の話をしますと、文章は舞城氏の割には落ち着いています。明らかにエンタメを捨てて純文学に走ってます。いつものドライブ感を求めて読む人には物足りないでしょう。真面目に書きたかったのはわかるんですが私としても読んでてあまり楽しくはなかったので、星三つということで。
山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)より
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No.6:
(3pt)

「食」という暴力=快楽について。

文章のドライブ感という点では、舞城氏の他作の方が一気に読ませるスピード感がある。この世に暴力や悪が存在してしまうことのどうしようもなさを描いた素晴らしい作品を沢山モノにしてきた舞城氏だが、本作は「食」と「エロス」を通して人間という生き物を描こうとした作品だ。(「食」だって、人間が避けることのできない一つの暴力=快楽だ。)

 キャラクターの設定(例えば主人公が変わった名前で、背に鬣(たてがみ)が生えていること)など細部にあんまり必然を読み取れなかったことが個人的には残念。また、ネタバレになるので詳しく書けないが、主人公の「一線」の超え方はとても軽くって、そこに敢えてドラマや葛藤を込めないことで新しさを狙った点は分かるが、それ故にラストで描かれた「解放への疾走」も軽くなっちゃってる。

 以上の点で星は一つ削ったが、それでも作家の実験の意図は十分に伝わってくる作品だ。
山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)より
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No.5:
(3pt)

髪は長い友達

『山ん中の獅見朋成雄』です。
従来の舞城作品は、純文学でありながら、ミステリー的な謎解きがあったりと、何らかのエンターテインメント的な楽しみ要素がかなり多く含有していたのですが。
本作品が含有率が違います。かなり純文学寄り、といっていいでしょう。
エンタメ的な楽しみを期待して読むと、全くワケワカランということになりそうです。
モヒ寛がやられたので犯人を捜す、的要素はありますけれども。
盆、とか、盛り込まれているアイディアは豊富なので、そこが楽しみどころともいえるのでしょうが。
最もシンプルなみどころは、足の速い主人公が変わるところでしょうか。
たてがみを剃り落とすことによって自分のアイデンティティと名前を失い、元には戻れなくなってしまう。
擬音語に特徴があります。毛を剃るシーンとか。
最後の読後感は良かったのですが、舞城の特色である、エンタメとしての面白さが少なく、難しかったので★3で。
山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)より
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No.4:
(3pt)

リズムとスタイルと、そして擬音

舞城さん作品はどの作品も水準以上のモノが多いです。しかし、「煙か土か食い物」を読んでしまった読者からは少し刺激が少なく感じてしまう事もあるかも知れません。
しかし、それでもなお、舞城さんにしか書けない小説で、独特のリズムと擬音に更なる鋭さを増しています。ですから、中毒性が高く、最後まで一気に読めます。ただし、導入部が今までの作品より大人しく感じましたので、今までの始まってすぐの、金鎚で頭を叩かれる様な、最初からのツカミは少し弱いかも知れません。
変わった、今までに無い物語をお求めの方に、文章のリズムに乗る事の快楽を得てみたい方にオススメいたします。
山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)より
4061824678
No.3:
(3pt)

おもしろいよ

真ん中辺りまで読んで、もう止めようかと思った所から急展開!
一気に読めちゃいましたが、どうなのこのシツコイ擬音語、やる気あんの?と思ちゃいました。おもろいけどね。
ヒトボンって女体盛りからの発想なの?福井にあるの、女体盛り?うまかったの?
山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)より
4061824678
No.2:
(3pt)

舞城のスタンス

 この作品は「千と千尋」のパロディだが、それは舞城のスタンスだ。既存のものを分解し、自分なりの解釈をつけてそれをぶちまけた小説を書いている。「暗闇の中で子供」ではレクター博士が出てくるし、「好き好き」は世界の中心で愛を叫ぶのパロディ、「みんな元気」の中のある短編はトトロがキーだった。 しかし、これは決してこの作者のマイナス面ではない。プラス面だ。 この作品は人間の罪、そして少年の成長に焦点を当てて描かれている。 特筆すべき点は、書道を音で表現している点。それだけ、この作者の才能を感じる。
山ん中の獅見朋成雄Amazon書評・レビュー:山ん中の獅見朋成雄より
4062121131
No.1:
(3pt)

う~ん

 舞城ファンにとっては物足りず、初めて読む人には「なんだこりゃ!」というところではないでしょうか。 徐々に「普通の純文学」へと移行しつつあるように見え、読みやすくなっていますが、その分ドライブ感が薄れてしまったような気もします。 帯の「最高傑作」を真に受ける人もいないとは思いますが、「ミステリーに興味はないが、この作家のものを読んでみよう。」という方には、「熊の場所」がお薦め。 次作を刮目して待つ者です。
山ん中の獅見朋成雄Amazon書評・レビュー:山ん中の獅見朋成雄より
4062121131

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