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日蝕



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【この小説が収録されている参考書籍】
日蝕
日蝕 (新潮文庫)
日蝕・一月物語 (新潮文庫)

日蝕の評価: 3.11/5点 レビュー 90件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.11pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全21件 1~20 1/2ページ
12>>
No.21:
(3pt)

主人公の心情に共感できず、、、

分人主義を解説した『私とは何か 「個人」から「分人」へ』が面白かったので、デビュー作から読んでみました。僕の読解力が足りない可能性は大ありですが、主人公の心情に共感できず、世界観に入り込めなかった感じでした。三作品目の『葬送』も既に購入済なので、そちらに期待。
日蝕・一月物語 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.20:
(3pt)

キリストの再臨か?三島由紀夫の再臨か?

三島由紀夫の『金閣寺』に似たリズムを文体に感じることはできる。だが、『金閣寺』の場合は主人公の現実世界の解釈に論理の美的飛躍があるが、平野啓一郎の『日蝕』にはただ論理の飛躍のみが散見されるだけである。
『金閣寺』は、美的に現実を飛び越えてみせることで読者は驚き三島由紀夫の世界に酔い唸らさられるのだが、平野啓一郎の日蝕においての論理の跳躍は味気なくやや陳腐さを覚えてしまう。若書きであるから、それも仕方のないことか。
それを補うためであるのか、森鴎外的な・文語体的な・古語的な言葉の多用があり、それも借り物の感を拭えず、成功しているかどうかも微妙なところではある。
ただ、物語自体は面白くなくはない。
日蝕・一月物語 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.19:
(3pt)

漢字と古文の言葉遣いの勉強になるから芥川賞?

難読漢字ドリルとして芥川賞(ネタ賞)が与えられたということは良く分かりました。
面白いといえば面白いです。
日蝕 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.18:
(3pt)

この作品を評価する人は本当に理解しているのか

日蝕が2点、一月物語が4点でならして評価「3」です。日蝕については、芥川賞選考委員の石原慎太郎氏が「この衒学趣味といい、たいそうな擬古文といい、果たしてこうした手法を用いなければ現代文学は蘇生し得ないのだろうか。私は決してそうは思わない。」とのコメントを残していたが、私はむしろこのたいそうな擬古文に心地よさを感じ、物語終盤までは海外の古典文学の翻訳を読んでいるかの様な錯覚をもって(よい意味で)、読みすすめることができました。ただ、両性具有者が象徴することが何なのかまったくわ分からない。「両性具有者(ルビ:アンドロギュノス)は私自身であったのかも知れない」などどいう安易な結論を一片たりとも理解することはできませんでした。

一方、一月物語は良いですね。蝶々という死の象徴に導かれ、あの世とこの世の境界を官能的に紡ぎだす、言わば古典的な怪奇譚がテンポよく描かれています。雨月物語の様でした。
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4101290407
No.17:
(3pt)

難解

読み終わった後に、すっきりする物語ではない。つまり、物語を理解するには時代背景や登場人物の役割を理解しなければいけない。じっくり腰を据えて読む必要がある。
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4101290407
No.16:
(3pt)

始め20頁を乗り越えれば

著者の受賞当時それは大変な話題になり、その頃から読んでみようと思ってはいたものの、非常に難解でしかも面白くないという噂ばかり聞くので手に取ることなくでした。

それでも気になっているならいい加減読もうと購入。

いざ読み始めてみれば取っ掛かりが非常に難解。
旧仮名に特殊なルビ振り、それらを使って魔術や宗教を最近で言う中二病な表現で書かれているのだから、もう本当に読み進め辛い。
心が折れそうになりながら長い最初の20頁が終わり、いざ主人公が動き出すと、あれ?と拍子抜けする程読み易くなる。

その後もまた中二病表現がたまに出てきては読みを阻むものの、基本は読みやすくストーリーも単純。
乱歩など読む人なら仮名使いは問題なく読み進められるはず。読み進めて分かったが、変なゴテゴテを削ればとても読みやすい綺麗な文書を書かれる作家さんで他作品に興味が湧くほど。

ただ受賞するにはあの難解さや中二病さが必要不可欠で、それがなければあっさりしたよくあるストーリーで終わってしまってたんだろうなぁーと。いかにもこれが受賞作!といった作品でした。

解説が面白くて、ストーリーはほぼネタバレされてます。ネタバレされたストーリーを頭に入れつつ、読みきる事に意味があると言った感じでしょうか。フォローする優しさが何とも面白い。
正直これは物語としては単純でその辺りでのお薦め感はないです。が、受賞作として、作者さんの読み易い本質を知るきっかけとして読めたので面白い面もあります。

薄めの文庫で文字も大きい。前評判で遠ざかっているけど気になる方は、是非挑戦して下さい。
ネタバレでも全然問題ないのでまず解説を読み、負けずに最初20頁を読みきる。それさえ越えればあとはスラスラです。
長年の気掛かりをおろし、やっと読んだぞ!という攻略感は気持ち良いですよ。
日蝕 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.15:
(3pt)

作者の人柄と戦略勝ち

無駄な表現を、とにかく執拗にゴテゴテと使うだけ使いました。
そういう文章です。内容自体は薄い。表現だけが宙に浮いた
ままの様です。
平野さんは京都を、結構うろうろしておられますが、先日
某所で上から下までゴルチェ等のブランドでキメキメの服装
でグラサンをかけ、ぽっちゃりした締りの無い体型で、その
自慢の服をパツパツにさせておられました。
当時の作家の日常、その存在の在り方が表現された小説だと言えます。
平野さんの受賞するための小説ということです。上手くやりま
した。今後は、同時代人として、有意義な活躍をしてほしい。
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4101290318
No.14:
(3pt)

『æ-¥è•』はなかなかです。

最大の功績は、短編ながら、擬古文を貫いたこと。
擬古文をヨーロッパ中世の物語と結びつけたことに尽きると思います。
擬古文で単文を書くのは容易ですが、一作を書くのはとても骨が折れます。
擬古文によって中世の雰囲気がよく出ていると思います。
「日本人がイメージするような」という修飾句がつきますが。

残念なのは、おそらくは著者にキリスト教神学に不可欠なラテン語の知識がなく、
神学の知識も、概説書を2、3冊読んだ程度のものであることです。
そのため、ある評論家が評したように、RPGのような筋立てになってしまいました。

ともあれ、19歳で『瀧口入道』を著した高山樗牛を彷彿とさせます。
そういえば、『瀧口入道』も擬古文でした。
欠点が魅力になっている点、行間から若者の野心のようなものが感じられる点なども、共通しています。

高山樗牛は30歳そこそこで夭折しましたが、平野氏は先が長そうです。
ご活躍をお祈りします。
日蝕・一月物語 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:日蝕・一月物語 (新潮文庫)より
4101290407
No.13:
(3pt)

世界観と文体とのバランス

惜しい。 その一言が読み終えた瞬間に湧き上がった感想だった。 さながら泉鏡花のような耽美的で重厚なその文体は、江戸の花魁でも描くかのような印象を与えた。 私もそんな古風な世界観を期待せずにはいられないまま読み進める。 しかし、少し読んだ段階で、すぐに違和感を覚えた。 表現力も素晴らしく、世界観も魅力的なものがあるのに、 どこかアンバランスなのである。 この感覚は読んで頂ければ、少しは感じていただけるのではないだろうか。 そこを振り払って読むことで、次第に独特の世界に入っていくことができたが、 惜しいという感情が常に付きまとうことになってしまった。
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4101290318
No.12:
(3pt)

現代文学に擬古文をもってして孤独な戦いを挑むという思想

兎に角難しい漢字が多用されていて、読みづらさに面食らってしまった。こういった文章、昔の日本語の小説の様な言葉使いの文章を擬古文と言うらしい。もう一度言うが兎に角難しく読み難かったが、だがストーリーはそれほど難解ではなかった。

パリの学僧ニコラは自分の探究心の為に欲しい本があった。それを求めてフィレンツェに行く道すがらついでに怪しい錬金術師のいる村を訪れる。そして、人間とも天使とも悪魔ともつかない両性具有者を目撃する。だがその両性具有者は魔女だと勝手に決め付けられ異端審問にかけられ焚刑に処される。その時日蝕が起きるのだが、タイトルにもある日蝕だが、これは聖職者の腐敗の象徴として表現されているように思えた。他にも巨人など少し意味不明な所もあるが、やっとこすっとこ読破出来た。

これは極端な考え方なのだが、これは小説だがストーリーはさして重要ではないのでは?とも思える。それは現代文の小説ばかりのこの時代に、かつての日本語の素晴しき文学の表現方法を再度日本人に知らしめる。そういった作者の思想が、思想そのものがこの作品に練りこまれていて、その現代文学に単独で戦いを挑む様に選評者が感銘を受け芥川賞受賞に至り、更にその孤独な戦いの様に三島由紀夫の片鱗をみて、三島由紀夫の再来と言わしめたのではないだろうか。私にはそう思えてならない。

なおこの作品は
【第120回(1998年下半期)芥川龍之介賞】受賞作。
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4101290318
No.11:
(3pt)

いまさらですが読んでみました

昔、色々話題性豊富な作品だったようですが、私は「中世の神聖と異端について書かれた本」という点で読んでみました。  何か得るものはあったかと思うと、ちょっと思いつきません。 悪いですけど。  でも、頭は良さげな方なので、芥川賞作家という汚名?をすすぐほどの名作を書かれること期待します。 (堀田善衞レベルまで行ってくれればうれしいな)
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No.10:
(3pt)

擬古文の美しさは評価したいが。

評価の難しい本だ。

 まず気に入った点。擬古文という「日本語」の美しさは大いに認めたい。これは勿論平野自身が作り上げた文章ではないので 独創性はないが この時代復活させた点は功績である。この文章を読んでいると 言葉が生き物であることが実によく分かる。それほど 今の日本語とかけはなれた文章だ。

 気になった点。文章に幻惑されている一方 この本のテーマが最後まで見えなかった。やはりテーマが見えないものに 感情移入も出来ないし そもそも「読み耽る」ことも難しい。

 非常に乱暴に言うと アンティークの店で 無類に美しいアンティークを見つけたような印象だ。美しいが その美しさだけが存在理由であって それ以外の用途は何もない。そんな印象を受ける。
 もちろん文学という芸術の一つとして「美の追求」は常にある。但し 本書は それを擬古文という 作者自身の独創ではないものに 求めてしまっているような気がしてならない。それが 本書の弱みであり 毀誉褒貶ともいうべき評価なのだと思う。
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No.9:
(3pt)

秀作??いや習作でしょう

ストーリーに起伏もなく、新しい視点もなく、読み手側が受け取れるものがなにもない。
ただ作者が自分の頭の中身を小説世界に構築するための手すさび、という印象以上のものが出てこない。
三島由紀夫は二十歳前後ですでに起伏もあり新しい視点もあり、読み手をうならせる短編作品を世に出していたので、
この作品だけで言えば、三島とは比較にもならない。
ただし、自分の世界観を紡ぎあげて作品世界に昇華させるという作者の意図は肯定したい。
三島ではなく平野での作品勝負なのだから、三島うんぬんの言及はナンセンスかな。
私はこの作品では、平野氏の作品を今後も追って、
さらなる作者の挑戦を見たいという思いにはさせられた。

やるなら徹底的に。
冀(こいねが)わくば、平野氏がその頭脳内宇宙をさらに自分流に展開してくれることを。
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No.8:
(3pt)

海外での評価ってどんなんだろう。

神に仕える身でありながら、その威光を使って享楽的な生活をむさぼる者たち。 そんな人々の支配する村の中で、ひそかに新たな神を創造しようと試みる錬金術師…人間。 信仰に迷いを持つ主人公の目を通して、それらの顛末がえがかれる。 はたして、本当に冒涜的なのはどっちのヤツラかな?みたいな。 まあ、テーマはご立派だがそのことと小説の面白さはまた別問題である。 ということがよくわかる小説でもある。 しかしながら、こういうのを我慢して読みきってみるのもまた思い出というか、後になって効いてくる読書体験じゃないかな?と思ったり思わなかったり。
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4101290318
No.7:
(3pt)

処女作

平野啓一郎は決して泉鏡花のエピゴーネンなどではない。そう言う人がいたならば、私には鏡花を馬鹿にしているようにしか思えない。鏡花のイメージの絢爛さや、どこにどう繋がっているのか分からなくなるような美文は平野には見られない。まあ、漢字の使用は少し似ているかもしないが、『康煕字典』を使って漢字の使い方を練っていた鏡花には遠く及ばない。また、「三島の再来」というのも言い過ぎだろう。二人の文豪にはどう考えても及ばない。

本書は平野の処女作であるためか、技巧に凝りすぎている。古くさい言い回しは時代感を出すためかも知れないが、奇妙な使い方をしているところがちらほら見られた。

だが、平野はそう悪い作家ではないと思う。『葬送』などは構成もしっかりしているし、文章のぎこちなさが全くなくなっていて、平野の著作の中では一番の傑作だと思う。
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No.6:
(3pt)

嫌いではないけど、ぎこちない話

他のレヴューでみなさんがおっしゃっていることですが、この方の文章はそんなにうまくないです。あくまでも「擬」古的。三島の擬古文とも天と地との差です。うがった見方をすれば、現代的な日本語が下手だからわざとそれっぽい表現でごまかしているのかもしれない。
ストーリーはすごくコンセプチュアルです。多分バタイユとか好きな人なんじゃないでしょうか。最近の芥川賞作家のなんとかひとみさんの作品よりはよっぽどバタイユ的です。僕の推測ですが、この人は小説を書く上で思想から入っているのではないでしょうか。なんでも思想に合わせるから、ストーリーの展開がほとんど力技になって、背景やら文章表現にもアラが出る。そのせいでなんだか物語に入っていけないような感じ。言わば読み心地が悪い。この感覚、何かに似てるなあ、と思ったら、ラース・フォン・トリアーの映画を観ているときの感覚と同じでした。内容は全然違いますけれど。
要するに、色んな意味でぎこちない。普段思想や純文学に触れない人には単にとっつきにくいだけの作品であり、思想や文章のエキスパートからすると物足りないし、鼻に付く。
但し、何を言っても現代の若手の作家の中では悪くないと思います。きっと頭の良い人なんだろうし。芥川賞は早すぎたと思いますけどね。三島ほどの美文は書けなくとも、ずっと小説を書き続ければ、十年後には真っ当な芥川賞作家になっているのではないでしょうか。一皮向けるとホームランを打ちそうなタイプなので、真摯に小説を書き続けて欲しいし、この先を追っていくのは面白い作家だと思います。
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4101290318
No.5:
(3pt)

日蝕

三島由紀夫の再来と言われたこの著作。賛否両論というか、解説をみると非難の方が多かったのかしらん、と思ってしまいますが私は面白かったと思います。何が三島由紀夫風なのかと問われましても私、金閣寺すら読んだことないので判りかねますが、文体と内容は確かに純文学的ではあると思います。とにかく難しい漢字が多い、それこそキーボード変換も出来ないような昔の漢字に熟語。カタカナ語もほとんど漢字。広辞苑なしでは読めないです。
それでも慣れれば十分に読みやすいし(それこそ中島敦や森鴎外よりは遙かに)この作品について文学的探求が出来るほど内容の深いものでもないと思うので、三島由紀夫の再来と評されようと、紛れもない現代文学である事には変わりないと思います。純文学特有の一種の堅苦しさというのが感じられないので誰でも気負わないで読めると思います。内容も少しの西洋史と錬金術を知っていれば解ります。ただ、まぁ普段読書をしない人にとっては受け付けられない類の本でしょう。
また作者のやりたかった事残したかった事というのは内容云々というよりも別のところにあるようなので、これはこれで良いんじゃないでしょうか。彼も、自分の中の整理とか準備体操とか言ってますし。
芥川賞を受賞したにもかかわらず、評価が厳しいのは仕様がないかもしれないけど、私はこの人のこの若さでの語彙力と豊饒な知識に敬意をはらいたいと思いますね。
日蝕 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.4:
(3pt)

日本語って美しい

難解な一冊でした。
文体が古めかしくて少々読みづらいと批判する声もかなりあるようですが、個人的に好きでした。
素直に『あぁ、日本語って美しいな』と思わせてくれます。
 でも実は、この小説自体よりも、四方田犬彦さんが書かれた解説でも触れられている「ルビ」の方が私には印象深かったのです。
『日蝕』の文体の特徴の一つとして、ルビ使いが非常に多いのが一目でわかります。
ためらうをわざわざ「躊躇う」と書き、ことごとくを「悉」と書いてルビをふる。
また、「蒼穹」と書いて「そら」と読ませ、「赫く」と書いて「かがやく」と読ませる。
こうしたルビ使いによって、同じ音が違う意味を帯びてくる。
なんとも、日本語ならではの「あそび」と言えるのではないでしょうか。
 お恥ずかしい話ですが、実は「この漢字をこう読ませるなんて粋だわ」
なんて思っていたら、実は本当にその漢字を用いるのだと知った単語が
多々ありました。
日本語って奥が深い。。。^^
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No.3:
(3pt)

リメイクの意味と意義

近代文学好きには嬉しい文体。やはり表現方法は大切だということを思い知らされました。十五世紀のヨーロッパという舞台設定を考えてもそうだし、過去の文学的モチーフをなぞると言う主題からいってもそうだし。
 宗教的背景を援用した小説はあまり読んだことがなかったので、「魔女狩り」「錬金術」といったシンボルも見慣れてはないはずなのに、それが指し示すところや、歴史上文学史上どのように扱われてきたのかといったところは、自然と理解できた。というよりも、知ってるはずのない知識なのに、既に知っている知識であるようなある種のデジャ・ビュだった。これは、この宗教背景に対する作者の深い理解の賜物か、それとも「宗教」という舞台装置のかぶせ方が甘くて、覆い隠しているはずのモチーフが透けて見えたからか?
 文学的価値はあると思うし映画にしたりするとおもしろいだろうなあと思いますが、つまりドラマはありますが後にはあんまり残りません。毎日の暮らしが文学という「学問」とくっついてないフツウの人には。僕はくっついてないので。まあでもこの小説は、過去の文学をリメイクするのが主題ですから。
日蝕 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:日蝕 (新潮文庫)より
4101290318
No.2:
(3pt)

クライマックスは良く描けている

構成とか伏線といった類のものは皆無に近く、ほとんどの記述は削ってもいいと思います。 文体は好みの分かれる所でしょうが、私は好きではありません。 クライマックスだけは良く描けている、ということで星二つ。 あと、エピローグの錬金術に関する記述が、「錬金術」を「文学」に置き換えて読むと味わい深いです。 それで星一つ追加して、合計星三つ。
日蝕 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:日蝕 (新潮文庫)より
4101290318

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