■スポンサードリンク


翼ある闇



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

翼ある闇の評価: 3.56/5点 レビュー 43件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.56pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全43件 21~40 2/3ページ
No.23:
(4pt)

読む人を選ぶメタミステリー

麻耶氏のデビュー作の新装版だが、著者のよる解説によると加筆や訂正は一切行っておらず、当時出たそのままの文章での復刻となる。
館を舞台にした現実性皆無の重厚な探偵譚が展開するが、この著者の特徴である、次々に人が殺害されていくのに恐怖感も臨場感もまるでない淡々とした進行はデビュー当時からだったのだと分かる。正直事件が淡々と進行する前半は少々かったるいが、メルカトル鮎が登場してくる辺りからはめくるめく推理合戦で急激に盛り上がる。
誰が物語の支配者になるかというテーマを追求したらしく、これまた氏の特徴である、それまで構築した推理で解決したと思いきやそれを根本から覆えすパターンも本作から既に使われているのが興味深い。
途中の探偵による密室のトリックの推理など、これだけ見ると完全なバカミストリックだが、著者は確信犯なので何ともしてやられた感じになる。
ミステリーに対して一歩引いた感がありながら、とことんマニアックなネタを散りばめるという自己言及性の強い新本格第二世代らしいテイストの作品。評価ははっきり分かれるだろう。合わない人にはとことん合わない。
新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061828231
No.22:
(5pt)

最後まで予測つかず。ワトソン君がキーパーソン?

作者処女作とは思えないプロットでした。
最後まで見えず最後の最後でどんでん返し。
ワトソン君(私)がキーパーソンでしたか。
綿密なトリック、いとも簡単に読者を惑わせます。
全編に漂う壮大なクラシックとギリシャ神話の神を例えた粋なセリフ回し。
作者の知識と技量がうかがえます。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.21:
(4pt)

なんかスゴい

21歳の処女長編から、やっぱり普通では無いです。麻耶さんの他書が楽しめた人は、本著もお勧めです。
アンチミステリと書く人もいるようですが、その気持ちは良く分かります。著者自身は、本格派だといっていますが。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.20:
(5pt)

いやはや

「楽しい!」陰鬱な時代がかった洋館で次々と起こる凄惨な殺人事件が楽しいわけないのだが、ミステリ・ファンなら、読後、あきれ果てながらも認めざるを得ない。「これは、楽しい!」と。すべてが終わったあとは、突っ込みどころ満載の怒涛のアイディアに突っ込みたくて七転八倒しつつも、爽快に満足していることにちょっと驚く。これまで、「この作品のトリックはちょっと」とか、すかして批評するスタンスでミステリを読んでいたファンに、そんなことはどうでもいい、と根源的にわからせてくれる作品。
 私は『メルカトルと美袋のための殺人』から麻耶ワールドに入ったので、最初の短編を読んだあとは、許すまじき人間性を持った、このいけすかない探偵に辟易しつつも、文章の上手さ、人物描写の巧みさ、状況の鮮やかさに惹かれて、次、次、と魅入られたように読み、毎回、憤慨しながら、読み終わるとすぐに『メルカトルかく語りき』を求めていた。こちらはこちらで、「こんなのありか」とか「ふざけるな」とか叫びながら、一気に読んで、憤慨しながらも、読書体験としては、すごく楽しかった。そういえば、もっと「立派」な本が途中で読むのがしんどくなってしまったり、歴史に残る本格作品が、読後鬱々とした気持ちになったりしたことをふと思い出した。 
 麻耶ワールドは中毒する。これは、そのメルの最後の事件。これからは、メルの所業にも若干優しくなれそうな気がした。
 とにかく、最後まで読んでみよう。きっとこう思うはず、「いやはや」。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.19:
(5pt)

闇はどこまでも深いのだろうか

改めて、このシリーズをみると、今となってはこの最後の答えも全ては操られたものだということもわかる。
この作品も全てを女が操っていたことも明らかだ。事件の構図はいくらでも反転する。
女に、そしてそれを見越したあの男に。ただ憎むべき相手をより完全に滅ぼすために命もかけるあの男に。

そのことは、シリーズ最後に爆弾で暴かれるだろう。そのために一歩一歩作って。
もう一方のシリーズの時限爆弾によって。
これもまた、あの男に見出され、愛していたものが幻なのか否か決定できずに、
緩慢な予め決められた破滅を進んでいるもう一人の男によって。
その男が全てを反転させるだけだろう。

どこまで闇は深いのか。ただ私たちはそれを見届けるしかない。
新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061828231
No.18:
(2pt)

ミステリーおたくによるミステリーおたくのための作品

学生の頃の海外ミステリーを読み漁っていた時期だったら拍手喝さいしたかもしれない。
社会派の小説とかも読むようになってからだと、この小説の内容はコントにしか思えない。
「ありえね〜」とか言いながらニヤニヤして読むのが、こういう小説への正しい対処の仕方なのだろうか?などと思うのだが、残念ながらそういう見方をしても面白いとは思わなかった。

麻耶雄崇さんが学生時代に書いた作品なので、まあこんなものか?という感じがしないでもないが、トリックだとか意外な犯人だとかどんでん返しばかりに気が行き過ぎているような気がしてしかたがない。
ミステリーおたくである作者が、ミステリーおたくのためだけに書きましたという作品だ。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.17:
(3pt)

ふっつうぅ

まぁ…、日本の古典ミステリー好きな人だったら、好きな形での書き方ですわな。
作品自体も非常に格調高く書かれていて、ミステリマニアだったら結構食いついている人が多いと思います。
しかし、もし、推理漫画を読んでいる人だったら、ある程度内容の展開については予測が付くかもしれませんね。
犯人についての目星もある程度つけられます。
「なんでそこ調べて他調べないんだ!?」とつっこみたくなるところとかありますが。
評価点としては、探偵役が何回も入れ替わるという趣向の面白さでした。

ただ、面白いのですが、何というか小難しいことを並べ立てる割には、事件にまつわる描写が少ないのには少しいらいらしますね。
実際、一つ一つの事件が連続しているように見えてかなりチグハグです。流れるようなストーリー展開をあまり期待できません。
また、その残虐な殺し方で、作品の内容に関する疑問点をを覆っているしている感じてなりませんでした。
だから、3つです。

一番悲しかったのは、メルカトルが徹底的に当て馬として扱われていることですねぇ。
こういう扱いしておいて、それでいて副題に乗っているのだから、「詐欺だ…。」と思いました。
この人のネーミングセンス、どうにかした方がいいですね。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.16:
(4pt)

「カタストロフィ」と言う名の快感

麻耶雄嵩の作品は、恐らく極端にその好みが分かれるだろう。その理由と言うのも…彼の描く「ミステリ」は真っ当な「ミステリ作品」とは大きく異なるからだ。

大きく展開する事件とその中にある正に「闇」とも言うべき人の暗部。陰湿に複雑に絡み合った人間関係とその下に見え隠れする陰鬱な心理…。麻耶雄嵩の描く作品は滑稽な描写で多少味付けを変えているものの基本的にそうした深い「闇」に満ちている。

だから、彼の描く作品は恐らく極端に好みが分かれる。けれど「麻耶雄嵩作品が好みが分かれる」理由は、決してそれだけではない。彼の作品が好みが分かれるのは…この一点。読み手がそれまでに必死に推理して自分なりに犯人を導き出そうとしていた展開を根っこから壊してしまう様な「カタストロフィ」が、麻耶雄嵩作品の終幕には存在しているのだ。

だから、好みが分かれる。だからミステリ作品としては異質である。けれど…その「カタストロフィ」の崩壊感こそが麻耶雄嵩作品の最大の味でもあると私は思う。特にその感覚を味わう事が出来るのは同作者の「夏と冬の奏鳴曲」ではあるが、読後の後味を考えると、此方の方が人には勧めやすいと思う。この「翼ある闇」「名探偵 木更津悠也」「メルカトルと美袋のための殺人」を読んでみて、作品が口に合う様なら…本格的に、麻耶雄嵩作品の世界観にはまってみるのも良いかもしれない。




翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.15:
(4pt)

衝撃のデビュー作

異能の著者による、衝撃のデビュー作。良作を出し続け、一定の評価が出た後に一つとして書いたなら、まだ理解できるが、之を自身のデビュー作に持ってくるには相当の勇気がいる。実際に、某所でも「読後に壁に叩きつけたくなる本」に何度も名前が挙がっている。本作は「黒死館殺人事件」をモチーフに書かれており、黒死館同様にそれっぽいガジェットをふんだんに取り入れている。本作はある屋敷で起きた密室殺人と、その解明に挑む2人の「”めい”探偵」の対決を軸に話が進む。私選で見所を紹介しよう……【見所1】探偵「木更津悠也」の2度にわたる迷推理(特に2度目)。警察よ……。頼むから信じないでくれ……(汗)。【見所2】最後のある人物が解き明かした「全ての真相」。恐らく、多くの読者がおいてきぼりを喰らったに違いない(笑)。フェアかアンフェアかと言われれば間違いなくアンフェアな真相であるが、そんな事を既に超越した彼岸の彼方に存在する真相である。恐らく、相当の人を選ぶだろう。アンチミステリを深く考えたいミステリ中上級者、或いは無類のバカミス好きにお薦めする。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.14:
(2pt)

ミステリマニア向け?

読みにくいです。何故読みにくいかといえば、ペダンチックな内容を含みながら丁寧な解説は殆ど無いこと、神話や寓話を用いて人物の性格や役割なんかに言及するあたりも知識無しではさっぱりわからない。自らの無知をひけらかすのを承知で言うが、概略でいいから解説が欲しい。そうすればこれほど苦痛な読書を強いられることなく、心地よい時間が生まれただろうにと思う。意味不明な会話も多いし、出会って何日もしない癖に相手の心の内を読み取るかの離れ業を成し遂げたり、「彼(女)はそんな人間ではない」と知った風な口をきくあたり「あんた何様だよ」と思わず突っ込まずにはいられない。さらに、所々論理が破綻している。特に探偵木更津の論理はミステリ小説を下地とした凡そ現実的な解法とは言えないメタ論理を駆使しているあたり、物凄くマニア向けだと感じる。「首を切断する理由の多くは被害者と加害者の入れ替わりだ」なぞ、世間一般の論理では到底現れてこないものだろう。しかも、二言目には「多くの例外を含む」などと矛盾したことを言い出す始末だ。これ以外にも、相当へんてこな論理が詰まっている。はてさて、名探偵木更津は一体何者なんだ?著者の思考を介して物語を誘導する所謂”神”なのか?はたまた、読者をミスリードするための舞台装置なのか?もしかすると、単なるミステリ馬鹿なのかもしれない。何れにしろ、この人物が上手い具合に物語を混沌としたものにし、読者を騙してくれる事は間違いないだろう。物語終盤には、思わず噴出してしまうような推理も見られ、前半より断然面白いものになっている。しかし、日々ミステリに浸かって生きているような人間で無い限りは、この作品の中で披露される推理には疑問符しか浮かばないだろう。いつか古典名作といわれるミステリ作品を開いたとき、思い出し笑いでも出来たらいいなと思っています。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.13:
(5pt)

黒死館から蒼鴉城へ

詳しくは書かないが、作者である麻耶雄嵩氏は、
アンチ・ミステリーの大家でも特に小栗虫太郎「黒死館殺人事件」が大好きなんだろうと思う。
「黒死館」を読めば一目瞭然なのだけれど、意図的に真似ている部分がある。(最後とか、ニヤリとします)
まあそんなのは置いておいて。
とにかくデビュー作であるこの「翼ある闇」は、舞台や雰囲気としては今までのミステリーを踏襲しながらも、
わざとその定石から歪めていったかのような印象を受けます。
これも余り詳細に述べることは出来ないですが、悉く探偵の裏をかいてゆく犯人、ぶちのめされ敗北する探偵、
タイトル通りの目に遭う探偵、最後におとずれる崩壊、・・・など。
これが初めて読むミステリ本だったとしたらそのお方は悲惨な初体験となることでしょう。
ですので、まずはいろいろな作家のいろいろな有名作品を読んだのちに、本作に取り組んで欲しいと思います。
(日本・海外問わず、できれば黒死館も先に読んでおけたら楽しめそうです)
一部では文章が下手であるとか(不見識なぼくからすれば)見当違いなご意見もありますが、これがデビュー作であること、
茶目っ気がふんだんに盛り込まれた内容など、もっと評価されても良いように思います。
また疑うべくもなくこの作品は次作同様アンチミステリーの様相を呈しているので、
真っ当な推理によって犯人を当ててやろうなどと意気込まないようにおすすめします。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.12:
(4pt)

タイトルは、鮎川哲也の使われなかった長篇のタイトル『翼ある靴』から

探偵の木更津悠也は、大富豪である今鏡伊都から依頼を受け、
友人の香月実朝とともに、今鏡家の豪邸・蒼鴉城に赴くことになる。
しかし、蒼鴉城に到着した彼らを持っていたのは、密室状態の部屋で
伊都の首と、息子である有馬の胴体が発見された、という報せだった……。
何はともあれ、前述の密室殺人に関する木更津の推理が、本作の白眉。
生真面目な読者の神経を逆撫でするような、バカミス的解法が示されます。
(何十億分の一の奇跡w)
また、本作では、ある《見立て》に基づいた連続殺人が起きるのですが、ミステリ
へのオマージュゆえとはいえ、安易といえば安易な趣向が用いられています。
甲冑の具足を履かされた死体、死体の上のオレンジの種、白粉で化粧された生首……
これらを繋げるミッシング・リンクを知って、「マニアの悪ふざけ」と酷評する人が居ても
仕方がないとは思います。
ただ、個人的には、意表を衝く探偵役の交代劇や意想外な伝奇小説的背景など、
ミステリのコードやガジェットを裏切るメッセージを内包させつつも、結末では臨界
ぎりぎりでミステリの枠内に納めてみせた、弱冠二十一歳(当時)の作家の手腕
に感服させられました。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.11:
(4pt)

良くも悪くも騙されまる

恐らくこの本を読んで、途中で分かったという人はいないと思います。というかわかる訳ない!
何もかも読者の想像を裏切ることは間違いないので、とにかく騙される事が好きな人は絶対読んだ方がいいと思います。
論理展開や、人間関係や、犯罪に至る心理など、「現実感」に煩くこだわる本格派好きの人にとっては許せない作品かもしれません。
小説なんて楽しく騙されるのがいいのだ!と思う僕は見事にハマって楽しめました。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件より
4062053438
No.10:
(4pt)

デビュー作としては

 91年(単行本)→93年(講談社ノベルス)→96年(文庫)。
 著者の第一長編にして、メルカトル鮎の最後の事件。著者の作品の中では、いちばん「ミステリ」っぽいのではなかろうか。きちんとトリックもあり、どんでん返しも効いている。名探偵が不条理な世界に巻き込まれたりもしない。
 そういう意味で、普通に楽しめてしまった。まあ、新人らしい欠点は(いくつも)あるが、将来性を感じさせてくる良作だったのではないか。
 しかし、著者は現実には、メタミス的な傾向を強めていくことになる。どのあたりに分岐点があったのか、知りたいものだ。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件より
4062053438
No.9:
(4pt)

本格ミステリへの限りない礼賛

作者のデビュー作。副題にもある通り、メルカトル鮎はデビュー作の本作で殺されてしまうのだ。これも無駄に殺される訳ではなく、本作の趣向の一部として必然性があるのだが、この趣向はほとんど作品のトリックと言っても良いもので、これ以上内容は説明できない。
犯人がこの趣向を実行する必然性は殆どないのだが、作者がこの趣向を用いた背景には、作者の本格ミステリに対する限りない賛美と憧憬の想いが感じられて、同好の士として非常に嬉しかった。
作者はこの後、話題作を次々と発表していくが、本作はその出発点として本格ミステリへの限りなき愛着を示した感動作。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件より
4062053438
No.8:
(4pt)

いいね。

 最初文章についていけなかったのだが、話が進むにつれてどんどん面白くなっていく。 デビュー作なのに、最後の事件www これを読んだら、続く夏と冬の協奏曲を読めべき。ミステリの歴史に残る名作なので。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.7:
(3pt)

いったい誰が本物?

え?この人が本物の探偵だったの????と、私的にはどんでん返しが楽しかったです。犯人探しはどうでもいい感じ。 最後の最後だけたのしめました。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件より
4062053438
No.6:
(3pt)

誰が本当の探偵か

ミステリー的な驚き以上に、21歳でこれを書いたという事実に驚きます。
ペダンチックにあらゆるミステリーのガジェットを詰め込んだ、現実感に乏しい
世界観は玄人向けで、初心者門前払い的な雰囲気をまとっています。
マニアックであるということは承知の上で読んで下さい。
複数人の探偵という設定がよく効いており、かつキーワードとなっています。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件より
4062053438
No.5:
(4pt)

再生、解体、再構築

「新本格」第一世代(綾辻行人氏など)が、ミステリ黄金期の英米作品や、日本のミステリの古典的名作に強い影響を受けて生まれたとするならば、それらを踏まえつつ、更にその第一世代の作品群をも取り込んで現れたのが新本格第二世代、でしょうか(商業的なニュアンスもありますが)。その代表選手の一人である麻耶雄嵩氏のデビュー作です。21歳の時の作品ですってこれが。凄ェ。凝りに凝ったややこしい事件が漸く解決した、と思いきや最後に読者はまた突き落とされるという。普通には終わりません。この濃ゆい世界観はデビュー作の時点で見事ですな。さすがは、綾辻行人氏らを輩出し、ミステリ・ルネッサンスの発火点ともなった名門、京都大学推理研出身。探偵たちの饗宴をお楽しみあれ。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件より
4062053438
No.4:
(2pt)

凡作

この本で小気味よいのは、「探偵の推理は絶対である」という暗黙の了解を裏切ってくれる点である。小栗虫太郎ばりの、暗鬱感ただよう館の雰囲気もまあまあだ。最後には恐らく誰も予想出来ないであろうすさまじい(笑)どんでん返しが用意されているが、どうも現実ばなれしており「反則だろそりゃ」の感を否めない。個々の人物も極めて影が薄く、「人間が描けていない」などと通りいっぺんの文句は言いたくないが、やはり読み応え、インパクトを弱めてしまっている要因として目についてしまう。巷では結構評判がいいようだが、何のことはない、凡作である。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件Amazon書評・レビュー:翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件より
4062053438

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!