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生ける屍の死
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生ける屍の死の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 1~20 1/3ページ
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長くて冗長かも。けどそれなりに古典ぽさと海外の雰囲気が味わえて楽しい。知らない言葉がたくさん出てきて調べながらなのでなかなか進まず。2日かけて上を読了。日本人作家がこのようなアメリカを舞台としたお話を書けることがすごいと感じます。このあと下巻を読む予定。時間があれば上巻からまた読み返そうかな。 | ||||
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死者がよみがえる不思議な世界の葬儀屋一族の相続遺産争いの殺人事件かとおもったら、、とんでも展開が続いて、よくでき 新なミステリ小説であり、生きること、死いろいろ考えさせられる。何も知らずにタイトルに惹かれて買って読んでみたらなかなか、いやとても面白かった。 逸脱したミステリ。お薦め | ||||
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アメリカの葬儀会社の社長が死につつある中で、遺産を巡る葛藤があり・・・というお話。 上記だけだと何だか判らないと思うので、以下の書き込みでこの作品の要諦に触れますので、未読の方は読まないでください。 舞台設定で、死者が蘇る現象が起こるアメリカでの騒動を描いたミステリで、殺しても蘇るのに、何故連続殺人が続くのかという、かつてない状況でおこる事件を描いた前例のない魅力的な謎を提起した問題作で、発表当時から斬新と高く評価された記憶があります。それまで権威のあった社会派の作家が書かない(書けない)異様なミステリとして、この後の所謂バカミスにも多大な影響を与えた作品だと思います。 発表された89年くらいは、小説に限らず、音楽や世界史でも色々あった年でもあり、その2~3年前から台頭していた新本格の人との連動で、従来の推理小説から少し毛色の変わった作品が出始め、その後毛色の変わった作品が異色の作品から主流の推理小説としてスタンダードになった作品も多く、この小説もそういう作品だったと思いました。 ただ、書いた著者には葛藤があったらしく、「新本格ミステリはどのように生まれてきたのか? 編集者宇山日出巨追悼文集」という新本格の編集者だった方の追悼文集に依ると、一番最初に出した版元から冷遇されていて、他にも被害にあっている作家がいて、その版元から最後に出した作品もその版元と契約を終了したくて書いたとあるので、今回全面改稿して出版社が代わったのもそういう事情があったらしいです(因みに私もその出版社を怒らせたらしく、メールを送っても返事が来なくなりました)。 山口さんに関しては評論家の頃に出した、「ミステリーの友 ミステリー・グルメになるためのメニュー105」で知っておりましたが、こういう歴史に残る作品を書く作家になるとは思っていなかったので、意外と言えば意外ではありました。また、音楽が好きらしく、この作品でも色々有名な曲の歌詞等が雑学風に出てくる所も好印象でした。 推理小説のパラダイムを転換させた問題作。必読。 | ||||
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この小説は死者が甦る世界である。通常の本格ミステリーであれば、殺害された人物は、真っ先に犯人役から除外してもよい。だが、本作ではその常識が通らない。死んだ者にもなんらかの「役」が与えられて小説内で動き回る。 推理しようにも、死者と生者が錯綜する世界では、理解が追いつかない。むしろ、その大混乱、大渋滞に、情報を追う気すら失せてしまう。 それにしても、死者が、死して、なお全うしなければならない「役」とはなんなのか? そこにこの小説の肝がある。 死とは本来、世界において「役」から強制的に降ろされてしまうことである。 この小説では死者に「役」が与えられることで、生きるとはどういうことか、またどういうことであるべきか、逆説的に「生」の概念に光が当てられる。 死者は甦るが、肉体が朽ちてしまえば、今度こそ確実な死がやってくるので、あくまでも甦りはかりそめのものである。 甦った死者は限られた時間の中で「役」を全うしようとするが、それはどうしても生者たちの目を憚ったものになってしまう。 死者はやはり生ける世界において、はぐれ者なのだ。それを死者は痛感している。生と死の違いをどの生者よりも深く理解している。 本作の主人公グリンとヒロインチェシャはパンク族であり、つまりもともと社会からのはぐれ者の立場である。 はぐれ者同士、チェシャがグリンと愛を交わそうとしたシーンでは、グリンが二重にはぐれ者になっていたことで、それが果たせず、死の本質的な哀しみが心に沁みる。 ラストは錯綜していた物語も整理され、落ち着くところに落ち着き、まあ、面白かったなという印象であった。 しかし、読了後、何日も頭の片隅に何か引っかかっているものがある。あの死と生に溢れた世界でもう一度グリンとチェシャに会いたいという気持ちが消えないのだ。 甦りによって「死」の意味はどこまでも軽くなっているはずなのに、筆致もどこかコミカルで小ネタに溢れ、むしろお巫山戯小説の印象さえあるのに、それでいて、なぜか読者に、死について、生について、真剣に考えさせる不思議な小説。 そう『生ける屍の死』は後になってじわじわと良さがわかってくる小説なのである。 本作が10年、20年、の時を経て評価を上げてきた理由がよくわかった。 いつのまにか私の頭の片隅には「メメント・モリ」が見事に刻みつけられていたのであった。 | ||||
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1989年に上梓された本書は、山口雅也のデビュー作にして、とかく評価の高いミステリである。2018年には全面改稿版(上下に分冊した光文社文庫版)も刊行されているが、僕が読んだのは1996年に初版が出た創元推理文庫版。この時点で「全面改稿による待望の文庫化」とうたってあり、幾度も手を入れられてきたことがうかがえる。 本書の斬新さは「次々と死んだ人が蘇る」というユニークな設定に尽きると思う。その怪奇現象のなかで不可解な殺人事件が起きる、というわけだ。このような特殊な状況を「あり」として書かれる本格ミステリは、今でこそ増えてきたが、当時はまだ受け入れる側にも戸惑いが強かったかもしれない。今なお、ミステリの頭に「メタ」とか「アンチ」を冠して呼ばれるゆえんだろう。 特殊な設定をうまく生かして「この奇妙な世界でのみ通用する殺人の論理」(P624)を組み立てていることには敬服しかないが、実はそれ以上に僕が感心したのは、文章のうまさである。アメリカを舞台に、アメリカ人をたくさん登場させながら、「なんだか無理してるなあ」という感じがあまりない。映画やドラマでよく見るような「アメリカ」が、とても生き生きと描かれている。また文章自体が、たとえ衒学趣味に傾斜しても、平明で読みやすい特長を備えている。 死をこれだけたっぷり扱っているにもかかわらず、全体を覆うトーンは「陽」。雰囲気としては、ティム・バートンのワールドに近い。それにデヴィッド・リンチのテイストが混じっている感じだろうか。主人公グリンとその恋人チェシャの造形はプラトニックなシド&ナンシーという感じで、清潔感があり、ちょっぴり切ないラストもよかった。ただ法月綸太郎の解説には、一部の新本格の人たちは本当に小難しいことを言うのが好きなんだなあと苦笑を禁じ得なかったけれど。 | ||||
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三分の二くらいまで惰性で読みましたが、謎解きの段階であっと驚きでした。あの主人公からは想像も出来ないようなちゃんとした推理で意外と好きです。 | ||||
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舞台、登場人物の説明が必要なため、前半部特に抑揚なく平坦な道が続く。登場人物も多く途中放り出したくなるがちょっと我慢。 後半から物語が大きく進み始める。 死んだ人間が蘇る世界という視点が問題を複雑化させていく。ミスリードを誘う内容もあり、「あぁなるほどね」という納得の結末。 読んで損はない、非常に練り込まれた一作であった。 | ||||
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娘の大学でレポートの課題書籍のひとつだったようで、地域の大型本屋数店探しても見つからず、書店取り寄せだとかなり時間がかかりそうだったところ、さすがアマゾン、すぐに見つかり手元に!助かりました。本の内容は???読んでいないので分かりません; | ||||
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ネタばれをしたくないので、手短に書きますが・・・読んだミステリーが多くなっていくにつれ、めったな事では新しさや驚きを感じなくなってしまっていたのだけど、これはそんな自分にも「そう来たか!」と思わせてくれた、特別な一冊。 | ||||
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どうしてこんな空想が考えられるのかなあ。舞台も登場人物もアメリカの田舎です。著者の深い知識に脱帽です。 | ||||
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死者が蘇る≒殺人の意味のない世界において、殺人事件がおきるとしたら、どんな状況か? そんな考えを発端で作られたのではなかろうか?と思いました。 で、エンバーミングが当たり前の日常が必要ってことで、舞台がアメリカになり、 奇抜な化粧しても違和感ないように、死んだ探偵役がパンクスに設定されたのかな・・・と。 結局、宗教的な”死者復活”が動機となってしまったのですが、 ひょっとして、そっちを主題として、書かれたのかな・・・・・。 副次的に生まれたと思われるラストシーンですが、私はここにこそ価値を見出します。 泣いたとレビューで書いてる人がいるのも頷ける。 「いいラブストーリーだったじゃないですか・・・」 って、違うけど、あんまり”愛してる”の押し売りがない話の方が好き。 | ||||
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1989年に刊行された本書は本格的ミステリーとして当時の「このミス」などで高評価を受けただけでなく、その後の10年、20年単位での本邦ミステリー評価におい ても非常に高ランクに位置づけされている。その題名からおどろおどろしいホラーものを想像するが、非常に良質な本格的なミステリーである。舞台は米国、登場 人物も殆どが米国人、主人公は日米のハーフとなっているが、これが日本人が書いた書物かと思わせるほど、欧米の本格的ミステリーが持つ雰囲気、背景、人 物描写、全てを持っている。19世紀末から20世紀初めにその頂点を極めた本格的ミステリーが現代、しかも日本人作家によって書かれたことは、大きな驚き である。 舞台は20世紀末であるが、その雰囲気からして丁度その100年程前を舞台にしているように感じてしまうほど、作者はディーテイルにも拘っている。本格的 ミステリーのコアとも言える推理と謎解きも本物だ。唯、題名のごとく、登場人物は結構簡単に蘇り、普通の人間とほぼ同様に筋に絡んでくる。本書の至る所に 作者の死生観が垣間見られるが、欧米独特のユーモアによって堅苦しさを感じさせない。文末に法月綸太郎が、長文で小難しく、理屈っぽい解説を載せてい るが、こんなものは読まん方がよろしい。まずはこの作品の持つ本格ミステリーの醍醐味を読者は十分味わうべきである。 | ||||
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登場人物が多い上に外国が舞台ということもあり、まず全員の名前を覚えることが大変な本作。(外国小説を読み慣れている人なら問題なしですが) 物語が動き出す中盤までは正直退屈で何度も読むのを中断しました。が、最初に殺されたのがまさかの…!?という意外性に一気に引き込まれ、あっという間に読了。 死者が蘇る。しかも何の説明もなく。 この一点は結局最後まで解明されないため人によってはモヤモヤしたものを残すかも。しかし死者が蘇らなければ成立しないトリックがとにかく衝撃的だったため個人的には何故蘇るのか?という点はさほど気にならなかった。 一見ミステリーとしては反則な設定かもしれないが十二分にその設定を生かし本格ミステリーを完成させている作者の手腕に驚愕。 ミステリー小説としては文句なしの花丸。且つ生と死についても深く考えさせられる傑作。 生きることはゆっくり死ぬこと、この一文が忘れられない。 | ||||
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死人が蘇る! 死人が犯罪を犯す! 蘇った死人探偵が犯罪の真相をあばく! もう、これだけで読む価値ありの奇書ですが、アイデアだけに偏った小説ではないです。キャラクターのバラエティが豊富で、とくに多くを語らないパンク探偵が魅力的です。著者は日本人なのですが、文体は「アメリカの、情報のつめ込まれた良質な娯楽小説」を日本語で読みやすく翻訳したような文体。細かい描写やセリフも含めて、アメリカ感があるのです。それでいて、一般のミステリ系翻訳小説(お固い雰囲気)に出てきてしまう、難解な長文や言い回しはないのがよいですね。おそらく、これは著者のコンセプトなのだと思います。創元の翻訳ミステリやハヤカワの翻訳SFを読んでる人には馴染み深い文体ではないでしょうか。あなたがターゲットです。 面白い小説でした。冷静に考えると、別にどうでもいいなという話でもあるのですが、小説として良質で、最後まで楽しく読めました。 | ||||
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ホラーのジャンルで検索したらこの作品に出会いました。ですのでてっきり最近の定番のサバイバルホラーのようなものだと思っていたら 思いっきりの勘違い、全く別物でいい意味で期待を裏切られました。 葬儀屋一族の末裔たち、そしてその内の1人である主人公の苦悩・・・・・。今までのゾンビ物語では味わえない物語です。 バイオハザードや今までのゾンビサバイバルホラー系のストーリーに辟易した人にはオススメです。 とにかく、この物語がどんな結末を迎えるのか?主人公の運命は?わくわくしながら読んでいます。 | ||||
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もともと鮎川哲也と13の謎の一冊として刊行され、現在に至るまで山口氏のデビュー作かつ代表作とされている、ミステリーの名作であり怪作である。 アメリカの片田舎の広大な葬儀場を舞台として、死者が蘇るというロメロ的な現象が起こる中での一族の連続殺人事件が描かれる。 死者が蘇るといってもホラー的な趣向は全くなく、どこか朴訥としたのどかな雰囲気なのは後の山口氏のパラレルワールドミステリーの雰囲気を彷彿とさせる。 死者が蘇るという設定を徹底的に緻密な論理で法則化して、論理トリックで斬新な切り口を見せるというよりは、一種のパラレルワールドでの伏線を重視したプロットを突き詰めたストーリーであり、その点でも山口氏の後の日本殺人事件やキッドピストルズシリーズでもお馴染みの作風である。故に何故蘇るのかとかや、どういう条件で死者が蘇るのかといったSF的世界観に現実味を付与する必要要素はばっさり切り捨てられている。山口氏の作風に慣れていると面白いが、初めて読むとやや本書の高い評価が過剰評価のように感じる人もいるだろう。 死者と生者が入り乱れる世界だからこそ納得できる落ちも伏線もよく張られていることもあり、非常に斬新である。 文庫本で650ページというかなりの大長編で死に関する蘊蓄も多く挟まれており、ちょっと見た感じだととっつきにくそうな印象を与えるが、実は読みやすい。是非挑戦してもらいたい山口作品としては必読の作品。 | ||||
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もっと荒唐無稽な異世界な設定かとおもっていたが 殺人事件の前提(被害者は主体としては世界から退場) という前提を無効化したらどういうことになるかという かなりミステリというものへの批評性を含んだ実験作。 ユークリッド幾何学の平行線公理を仮定しなければ、 という楕円幾何学のそれにたとえられるかも。 その実験結果は、実際にご自身で読んでみて判断する しかないですが、「無駄にした時間や金をかえせ!」と 感じることは恐らくないと思います。 すくなくとも、物語としての面白さをキープしながら (読書の間だけだとしても)現代風の「メメントモリ」 の一つのありよう濃厚に体験させてくれる、そんな体験は 保障できる一冊でしょう。 | ||||
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一言でいえば、天才の作品。 神が山口雅也をして書かしめた世紀の傑作。 いまだにこれを超える本格推理はない、と言ってもいいだろう。 クイーンが脱帽し、カーが歯ぎしりして悔しがる作品。 海外本格ミステリ黄金期の傑作群を 追い抜いた、 日本代表ミステリのひとつ。 て言っても過言ではない。 なのに、未だに理解されていないのが残念だ。 例えば、 こんなコメント⇩ 『死んだ人間がよみがえる、という設定がユニークなだけ(中略)死んだ人は一回しか死なない、というのは、推理ものの中のもっとも重要なルールであって、それを覆すのなら、もっともっとラディカルな作品とするべき。形式は本格、ルールは破る、というのでは中途半端』 抜粋してみたが、 理解されていないんだな。 悲しいとしか言いようがない。 死人に口なし、はこの世の摂理であり 本格ミステリというジャンルを 成立せしめる大前提であり、 作者にとってとても有難い設定である。 この設定がなければ、 本格ミステリは土台から崩れてしまうだろう。 犯人を知っているのは、被害者=死者のみ。 つまり被害者殺害=口封じ、となる。 となると、 探偵は、語られざる真相に向かって、 あれこれと推理して、最後に真相に辿りつく。 いわば、最後に死者の代弁者の地位に辿りつくこと。これが、本格ミステリにおける解決であり、それが探偵の機能、役割なのである。 なのに、この作品はそういった本格ミステリの大前提を逆手にとって、本格ミステリを脱構築、深化させたのである。 深化とは、論理性に他ならない。 はっきり言って、 一般的に本格ミステリは、死者が話せたならば、簡単に犯人がわかってしまうような代物だ。だからミステリは子供っぽい、幼稚だ、と純文学に比べて低く見られることもある。 しかし、本作品はこういったジレンマを乗り越えて、『死者が生き返る世界=殺人による口封じが意味をなさない世界』で、なぜ殺人が行われるか、という新たな論理を完成させているのである。 こんな本格ミステリは、『生ける屍の死』まで、なかったのである。 散りばめられたペダントリーも素晴らしく、90年代別から流行り出したジャンルミックス的な作風の先駆けでもある。 さらに この作品の死者が甦る世界観において、 なぜひとは生き、死ぬのか、 といった普遍的なテーマが語られる。 これは、並の純文学にも出来ないことではないか。 この作品を生んだ 日本の本格ミステリ界に拍手を送りたい。 | ||||
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作者には申し訳ないけれど、改訂した文庫版よりオリジナルの単行本の方が好きです。 個人的にはそオリジナル版の復活を望んでいます。 一冊のミステリの中にグリンという青年の人生が描かれているのが特徴で、 ラストは泣けて仕方がなかったのを今も覚えています。 | ||||
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まず感想から述べると、普通に面白い。日本人作家がアメリカを舞台にした作品という意味でも大健闘だ。内容についても文句の言い所が無い。アメリカの片田舎で相次いで起こった死者甦り事件。死んでいた、殺されていたと思われていた人間が突如よみがえるという奇妙な現象。そんななか主人公グリンは帰郷した家に渦巻く殺人事件に巻き込まれ、自らも命を落としてしまう。しかし、彼は州に蔓延するこの奇妙な現象の影響を受け、息を吹替えしてしまった。甦ってしまった事への動揺が未だ消え去らぬ中、グリンは自らの死を隠し真犯人発見に努める。時折脳をかすめる疑問、「死んだはずの被害者が甦るのにそれでも真犯人を見つける事に果たして意味はあるのか?」、グリンの葛藤は治まらない。哲学的ミステリーともいえる二十世紀末の大傑作!!普通のミステリーに飽きた人にはおすすめの一冊です。 | ||||
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