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宇宙消失
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宇宙消失の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 1~20 1/2ページ
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本書は、長いのです斜め読みしました。でも、楽しめました。まあまあ面白かった。 で、思ったのは、チリ?で撮影されたUAPの動画では、UAPが二つに分かれるのです。二つに分かれた後はまた一つになるかどうかは動画ではよく分からないのですが、二つに分かれる様子は見える。これは重ね合わせ状態なのかと思った。UAPサイズだったらもしかして、重ね合わせ状態が実現出来るのかもしれない。 | ||||
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アイディア等も良くて、山本弘氏が現役最高のSF作家と書いているのもわかるんですが……イーガン、非常に強い還元論者でもあるんで、果たしてそれだけでこの宇宙をどこまで理解できるのかな?というのは感じますね。SF小説ってサイエンスの非常に強力な武器ではある還元論を超えたところにあるのでは?(小説というか、文学がそもそもそうでしょうし)というのはかんじますね。 ただ、他の作品も読まねば、とは思いますけれどもね。山本弘さんがちょっと褒めすぎているような気はしますね。 | ||||
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20年ぶりに再読した。 前回のことはあまり覚えていない。一応読了し、書評どおりの凄い話だと思った記憶はなんとなくある。しかし、消化不良のイメージがいつまでも付きまとい、再読する気にもならず、以後、イーガンの小説からは遠ざかってしまった。その後、それ以前にもまして現代SFから遠ざかり、古い時代のSFばかりを読むようになったのは、もしかしたら後遺症だったのかもしれない。 今回、リベンジのつもりで再読したが、終盤までストーリー展開に翻弄された。 理論は理解できなくとも、せめて論理は理解しながら読みたいと努力するが、ついていくのが大変。初読以来、本書について書かれた多くの解説、評価等を多数読んでいる筈だが、それにもかかわらず、話についていくのがしんどい。この20年間は何だったのかという思いに駆られる。 今回は特に、脇役のはずの“忠誠モッド”に翻弄されてしまった気がする。何でいきなり・・・。 一方で、この20年の間に見聞きした情報が理解を助ける部分もあった。特に星野之宣の『レインマン』は本書を再読して初めて描かれていた意味を理解した部分がある。本書と相互補完関係にあるのではないだろうか。 結構苦しみながら読み進んだ本書だが、終盤に至って霧が晴れるように一気に理解が広がった。 それまで主人公の頭の中だけで展開していた物語が、ヒロイン?と相方?との関係性の中で少しずつ明確になり始め、雲をつかむように思えていたストーリーが形を取り始める。 そして、それまで世界の在り方として繰り返して語られてきた常識がいきなりひっくり返される。衝撃。そこに至るまではまさかそれがそのような結末につながるとは思ってもいなかった事象が、それまで語られてきたのと同じ、たった一つの理論で次々と説明されていく快感。まさに快刀乱麻を断つがごとし。“センス・オブ・ワンダー”という言葉で表されるSFの特徴の一つが、ハミルトン、ホーガン、ベイリーなど過去の傑作と同等以上のレベルで実現されている。 一方、終盤で描かれるビジョンが『ブラッド・ミュージック』に例えられるのも良くわかる。 SF者が書いたものは、読者がSF者であるほど理解が深まるということを強く感じた。 吹きつけられて一度は拡散したトランキライザーが、再び収縮してノズルに飛び込むイメージは鮮烈。これが拡散と収縮なんだな。 ようやく『順列都市』以後の積読の山に取り組む気になった。 | ||||
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2034年、地球の夜空から一夜にして星々が消えた。冥王星軌道の倍の半径を持つ暗黒の球体「バブル」が突然現れ、太陽系を包み込んだのだ。世界を恐慌が襲った。バブルについて様々な仮説が乱れ飛んだが、決着がつかないまま33年が過ぎた――。 元警官のニック・スタヴリアノスは、警備の厳重な病院から失踪した女性ローラ・アンドルーズの捜索を依頼される。 ローラを追ってBDIにたどりついたニックは、しかし、そこで囚われ、警官として脳に埋め込んだ忠誠モッドが〈アンサンブル〉に忠誠を誓うように設定される。 ニックは、波動関数への干渉実験を続ける錘玻葵(チェン・ポークウイ)の警護をしながら、劉九重(リウ・キウチュン)から〈真のアンサンブル〉の存在を知らされる。 玻葵の力を借りたニックは、「拡散」と「収縮」を繰り返し、ついにBDIの金庫の奥にある〈真のアンサンブル〉に辿り着く。そしてローラを名乗る“存在”に遭遇。「バブル」の正体を知ることになる――。 | ||||
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海外の文庫にありがちなのか、意味のわからないオリジナルの単語が説明もなく行きかい、それが頭の中でへだたりとなって全く世界観に入り込めない。変な単語がでる度に現実世界に戻される。 訳が下手とはいわないが、やたらまどろっこしい文章がつらなり読んでいて萎える。 ストレスだけがたまっていく本。 | ||||
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"そしていま、おれはここで、夜の闇を見あげ、自分の目に映っているのが無限の空間なのか、それともまぶたの裏側なのか、わからずにいる"1992年発刊の近年最重要のハードSF作家初の長編である本書は、探偵ものにナノテクと量子論"シュレディンガーの猫"が融合した、類のない読み心地。 個人的には、SF好きとしては読まなければと思いつつ、専ら文系の私にわかるのだろうか?と積読になっていたのですが。映画『ハローワールド』での紹介(あっちは『順列都市』ですが)あるいは漫画『バーナード嬢曰く。』での【多少よくわからなくても、すっっっごくおもしろい】という登場人物のセリフに勇気付けられて【長編の中では読みやすい】といわれる本書を手にとりました。 さて、そんな本書は元警察官の主人公が依頼を受けて女性を探す【馴染みのある私立探偵もの】として"モッド"と呼ばれる脳神経をナノマシンで再結成するというSF的ギミックの自然な紹介や【正体不明の暗黒球体が突然、太陽系を包み込んだ】と大風呂敷を広げられても最初の方はまあ確かに読みやすいのですが。途中の実験で、量子論的な展開が突然出てくると。いよいよ来たか!と"よいしょ"と居住まいを正して(または後書き解説を参照にして)咀嚼し、感じていく読後感でした。 また、多少ネタバレになりますが。多元宇宙に同時に存在する生命体から見れば、観測により一つに収縮させてしまう人類の方が【特殊にして脅威】というコペルニクス的転回は面白い。そして、ちょっと後半は【ベストの選択を自由に選べるようになった】主人公が無双して、何がなんだか的ですが、それでも最終的には日常に着地するのもホッとしたり。確かにこれは【多少よくわからなくても】読み終えた時にSFって最高だな!と思わせる一冊だと思いました。 ハードSF好きな方はもちろん。考えるな感じろ的なSFを探す誰か、あるいはSFに頻出する"シュレディンガーの猫"話であーだこーだ言いたい人にオススメ。 | ||||
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イーガンは他の作品を読んでいて、それがあまり面白くなくてそれ以来食わず嫌いしていたが、それがどれだけ馬鹿げた判断だったかこの作品を読んで知った。本書は私に素晴らしい読書体験をくれた。他の本も読んでみるつもり。 読書好きなら覚えがある通り、当たりの作品はほんの数ページで分かる。序文を読んだだけで「これは俺の感性にぴったりはまってる!」と言うのは直ぐに分かった。 そもそもタイトルが素晴らしいではないか。壮大な展開を僅か四文字の簡単な感じで想起させる。 2034年、太陽系をある謎の球体が覆う。それらは表面が事象の地平線に似てるがブラックホールではないようだ。その現象は「バブル」と名付けられるが、何故そんな現象が起きたか分からないまま33年の時が過ぎたある日、元刑事の探偵の元にある少女の誘拐事件の捜査の依頼が来る。 ただの少女誘拐事件がどうやってこの壮大な天体現象の説明に繋がっていくのか全く読めなくて一気に読めた。 最近量子論やダブルスリット実験などに興味を持って色々本を読んでたので、案外にすんなり読めたのでそれも良かった。あれらの本を読む前なら途中で振るい落とされていたはずだ。 恐らく主人公が学者ではなく探偵なのは、敢えて一般人の視点で話を進める事であまり量子論を知らない人にも分かり易く説明するためだと思うのだが、それが成功してるかどうかは怪しいものだ。解説でも一生懸命この作品の核となる「波動関数の収縮」について説明しているが、そもそもこの話ほんの数ページで説明できるものではないので前提となる知識を何も持たない人は厳しいのではないかと思った。量子論について全く知識を持たない人が本書を読んで「訳が分からない」となったとしても、「そりゃあそうでしょう」としか言えない。逆にあの説明で分かった気になる人の方が危うい。 それにしても、イーガンは随分と大胆な飛躍をする人なんですね。フィクションに科学的にあり得るかどうか問うのはナンセンスの極みだがハードSFって何だっけ。その辺の飛躍を評価するかしないか、或はそもそも理解できないかが評価の分かれ目かも知れない。 それと終盤に不満がある。主人公は「奈落の子ら」と言う中二感溢れる名前のカルト組織に妻を殺された過去があるのだが、その組織は殆どストーリーに関係ない。てっきり何だかんだあって妻の敵を討って終りだと決めてかかってた私はちょっと拍子抜けだった。と言うか主人公最初から最後まで自分の実存主義的な悩みやカルト組織にビビってるばかりで妻の敵を討つ気がさらさら無い。フィクションでこう言う夫って珍しい。エンタメの基本じゃん復讐って。復讐は何も生まないとかじゃなくてびびって逃げ回るだけってのはちょっと情けない。 結局、その意味するところは壮大な結果を生むものであっても、ストーリーの表面で起きているドラマは終始人間同士の小競り合いでしかなかったのではないかと言うのが正直な所だ。今後もし本書が映画化するような事があれば、教団との闘いがメインになるのではないだろうか。実際その方が分かり易いし、ラスボス的役割の彼の役は教団にもできるはずで、その結果あのラストにしても特に問題ないはずだ。 最後に一番好きなシーンを上げる。 主人公がとある組織の男と公園で待ち合わせをしていたら、その男が池のふちでアヒルに餌をやっている。それを見て主人公が突っ込む。「この男はスパイ映画の観すぎだと思う。」 小難しい話が続く中でさらっとこういう話をやられると弱い。基本的に終始暗い本作のなかで、何だかほのぼのした。確かにスパイ映画って老スパイが公園でアヒルに餌やってる。「あるある!」ってクスッとした。 | ||||
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面白かった。一気に読めた。星が消えるところは想像すると恐ろしい。 | ||||
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他の誰かとは、波動関数を収縮させる能力を持つ、地球上に住むある特別な生物=にんげんである。 波動関数を収縮させる能力を持つ生物の出現は、この宇宙にとっては普通ではなく、他の星系では生物は常に存在が多態である。複数の状態を重ね合わせて保持するのが当たり前の生物から見れば、観測行為によって波動関数を収縮させるにんげんとは、自分たちの存在の多様な可能性を消しにかかる破壊者でしかない。 地球外生命体にとっては、にんげんに観測されたら負けなのだ。 しかし残念ながら、地球外生命体との遭遇や対決といった事にはならず(外宇宙の観測を阻むものについては終盤で登場人物から1つの解釈が提示される)、主人公と何人かの登場人物そして、モッドと呼ばれる脳神経を再構築し脳の一部を特殊用途のコンピューター化するマイクロマシンを使った駆け引きが終盤まで行われる。 拡散中は時間も対称性を持つため行き来ができ、拡散中の多様な自分が成した様々な事の中からある1つを選択してそれを事実として確定させ(波動関数を収縮させ)、時間は非対称となり過去が1つに決まり、その記憶を持つただ一人の自分が、、、自分の存在や失われた他の可能性の世界に生きる自分について悩む。 考えることはいうなれば自分の存在を多様に拡散させること、観測することはその対象をある特定の固有状態に収縮させること。行動することは自分を特定の固有状態に収縮させること。 モッド「ハイパーノヴァ」は存在の拡散と波動関数の収縮を行うことができるが、固有状態の選択まではできない。つまり望む未来を意のままに操作して手に入れることはできない。 しかし拡散中は時間が「非対称ではない」のだから、、、拡散中の全ての自分達に、目標に対する真剣さを繰り返し根付かせる事はできる。 ここまでの記述はネタバレではなく、従って本書を読むときになんら楽しみが失われるものでは無い。 サイエンスフィクションは単なるフィクションではなく、そのアイデアは時に現実に対して適用可能だと思わせてくれる。作家の優れたアイデアを披露するのに適切な舞台が、たまたま「ニックがいる宇宙」だったのだ。 そのアイデアを上手く拝借するのが、自分がいるこの宇宙であっても、何ら問題はないであろう。 | ||||
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二度目のチャレンジで読み通すことができました。 本作が翻訳発表された当時に読もうとした際には、まだ量子論がなんたるかまったく分からず、イーガン的発想についていけず途中断念した経験があったのですが、いくつかの短編や本作の数年後に発表された「万物理論」を先に読んだことで、ようやく本作でのイーガン的発想の面白さについて行けるようになりました。 そして本作の面白さが分かってくると、もう他のSF作品でとりあげるテーマが小さく見えてしまうほどの副作用があります。 自身の脳内にインストールすることで精神状態を強化する様々な「モッド」が登場する2060年代の社会が描かれる序盤は、行方不明の女性を、モッドを効果的に使いながら主人公が探すという探偵小説のSF版といった趣で、純粋に面白いです。 この精神状態を自身の都合の良いように操作できるという設定は、イーガンの短編のいくつかでも描かれており、導入部分は入り込みやすいと思われます。 たとえば警察官が標準装備しているP1からP6と呼ばれる六つの精神強化モッドは、強制的に現場出動時に適した精神状態を作り出すことで、警官として最適な働きを実現することができます。モッドの効果は絶大で警官の能力を高め実際に警官を命拾いさせているものの、警官を一時的に人間以下の存在にしているとも言えるかもしれません。 このどこまでが自分の意思なのか、というアイデンティティーの問題はイーガンが数多くの短編小説の主要テーマとして取り上げているもので、本作においても序盤の大きなテーマでもあります。 主人公はこの問題について何度も自問します。 「たいていの人間は、いろいろな出来事に翻弄されながら生きていて、制御の及ばない力に人生を決められているだけさ。そんな人間が、モッドで自分を変えて何が悪い」 「でも幸せになるのは誰?モッドを使った人間じゃない。その人はもう存在しなくなっているんだから」 そして中盤以降は、「波動関数収縮問題」にテーマが移り、初読の際に難しくてついていけなくなった展開をみせます。 それでも、なんとなくでも分かってくると、宇宙規模のそのテーマの壮大さに文系人間でも知的好奇心が刺激され、大変面白くなってきます。 波動関数の収縮を自分の脳内で実現可能となったら・・。 モッドを利用することでそれが可能となるとしたら・・。 「かつて宇宙ではあらゆることが同時に起こり、すべての可能性が同時に存在した。波動関数は収縮することなく複雑化する一方だった。でもそのどこかで進化した生物が、あらゆるものの根幹を覆し、ほかならぬ自分を生み出した多様性を消滅させてしまうようになるのは不可避だったのかも」 本書はもう20年以上前に発表された作品ですが「人類は自分と世界についての知識を得る過程で、自分と世界の大半を滅ぼしている(全宇宙を収縮させている)存在なのか?」というテーマのあまりの壮大さに目眩がするほどの動揺を感じてしまうほどの、突出したSF作品だと言えるでしょう。 | ||||
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量子力学SFです。2060年代、私立探偵的な仕事をしている主人公ニックが、ある失踪事件に関わることから物語が始まります。紆余曲折あって、波動関数の拡散と収縮をある程度操作できるようになる(!)ニックが、邦題にもある宇宙消失の謎に迫り、人類の運命までも左右しそうになるというのがあらすじです。 量子力学ネタとしては、いわゆるコペンハーゲン解釈を(イーガンが)思い切り激しく外挿したような原理と技術に基づいています。無限の「もしも」の世界から任意の一つを選び続ける主人公が「現実」を作り出すさまが、それなりのもっともらしさを伴って描かれています。(一番肝心なところはなんかうまいことごまかされた感はありますが。) 本作品のもう一つの見どころはSFガジェットとしての脳神経系改変技術「モッド」です。この時代の人類は自分の脳に、現在のコンピュータのようにさまざまなソフトウェア(?)を導入することができ、それが「モッド」です。 この辺の技術描写が社会背景も含めて実に深く考えられており、個人的には(話の主題よりも)むしろこっちの方が面白かったかも。 全体とおして、まあ面白かったと思いますが、肝心の「宇宙消失」にしても原題の "Quarantine(隔離)" にしても、その辺の大風呂敷がストーリーにそれほど直接関係ないと言えば関係ないのかなぁ、と思いました。とても気になる部分がいくつか最後までわからずじまいで終わっちゃうのも少しすっきりしません。それと、主人公ニックの頭の中の独り言が少し多くて、(読者に対して)押し付けがましいところがあるかも知れません。個人的な感想ですが。 | ||||
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グレッグ・イーガンの長編。短編では緻密な世界を編み上げる作家だが、長編になると打って変わって想像力の限界に挑戦するかのような世界観、人物造形でぐいぐいと世界にひっぱていく。 多少、無茶な所もあるがそれを感じさせないパワーにあふれている。 正統派SFだと思う。 ナノテクノロジーと量子論が展開される未来。必見。 | ||||
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読めばわかりますが、まず世界観が理解しにくく、説明不足のように感じます。 というか、訳者の力量不足? 以下、ややネタバレが含まれているので注意。 宇宙消失とタイトルがついていますが、このタイトルも謎。 量子力学的な要素が素晴らしい技巧で合わさっていると聞いたので読んでみましたが、時間の無駄でした。 内容に進歩がなく、ただ一人の主人公がトンデモ能力を実験によって手に入れて今の現状を打破していく話。 その方法がまた意味不明なもので、簡単に言えば最も効率のいい世界を選ぼう!というもの。 しかも、解決されたかどうかはわかりません。物語はその直前で終わってしまいます。 あらすじを書けば100文字以内に収まってしまう、中身がない作品だと思いました。 | ||||
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最初は少女の誘拐についての調査を依頼される 探偵ものと始まり、途中までしっかりミステリーが進み 徐々に宇宙的なSF世界が展開されていくのだが。 途中から量子観測の不確定性原理?的な説明と対話が 延々始まり、最後は結局何が何だかさっぱりわからなくなる。 そもそも主人公は元刑事の探偵であり。 せめて主人公が物理学者だ、というならわかるのだが なぜ元刑事の探偵が量子力学について延々と謎解き 検証しているのかさっぱりわからない。 自分の任務が何なのかさっぱりわかってないし 周りのキャラクターもなぜ主人公とそんな話をしてるのか さっぱり。 ミステリーはさっぱり収拾ついてないし。 世界がどうなったんだかぜんぜんわからないし。 量子力学の多世界解釈なのでこんな結末です、といわれても 量子力学がどうこうの前に、小説という作品なのだから ちゃんと結末を用意しておけよと言いたい。 こんなのがありならどんな小説でも、多世界解釈ですとか 言われたらどうするんだよと。 グレッグイーガンっておススメだというので初めて読みましたが まったく面白くなかったです。 | ||||
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太陽系をぐるりと取り囲んで人類を隔離した「バブル」。 そして主人公ニックに依頼された人探し。 通常は交わらない2つの出来事が最後のどんでん返しで突然クロスする。 量子力学の観測者とは何なのか。 拡散して存在する波動関数を収束させる可能性という科学的問題から何というトンデモナイ小説の構成を思いつき、実現したものか。 突き詰めた人間主義が及ぼす影響の範囲が余りにも多くて目眩がする。 随所に散りばめられたナノテク(蚊を操るだとか、脳内の配線を変えてしまうだとか)が、個人のアイデンティティを何度も問う。 ナノテクで感情を操られる人間は、以前と同じ人間なのか。しかも、そのことを自分で選んだ場合は? 著者の独自の未来世界観があるので、初めてだと少し読みにくいかもしれないが、理系にはたまらない仕掛けが満載です。 | ||||
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人間の居住する空間(全体、またはその一部)が得体の知れない何かに覆われる、という発想は、古くは小松左京『首都消失』がある(原題の“Quarantine”が『宇宙消失』と邦訳されているあたり、小松作品に対する翻訳者のオマージュだろう)が、類似点はそこまで。量子論――シュレディンガーの例の猫――と、気が遠くなるほど巨大な〈バブル〉の謎を、密室からの脱出というミステリーに挑むナノテクで武装した主人公によって接続するアクロバティックな作品。主人公の佇まいがフィリップ・K・ディック的実存に陥っていったりして一筋縄ではいかない。と、何かと多様なアイデアを詰め込んだ作品ではあるが、どうもすっきりした読後感を得られないのも事実。「拡散」と「収縮」と「観測」の関係が曖昧なのがその理由だろうか。むしろかつて存在した「ゲームブック」(懐!)的手法を突き詰めた方がより面白みが増したのでないだろうか? ともあれとても現実的ではない(と、個人的にはある確信を持って考える)多世界解釈が物語の鍵を握る秀作ではあると思う。 | ||||
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本作の主人公ニックは百二十億の世界と自分とを等価に置きます。それが彼の結論だった。 そして自分が選ばなかった世界からの復讐をものの見事にすり抜けます。 今自分を自分だと意識している自分とは何か。それを問わなくなったとき、彼にはやっと平和が訪れます。 その結果として妻だったカレン(とそのモッド)を失おうとも、彼は世界に背を向けて「何もない日常」を選んでしまう。 この結末はどうなのか、と私は他の百二十億の世界のニックのひとりひとりに尋ねたくなりました。 それでいいの? あなたたちは、と。 ここまで圧倒的な世界観を持ち、華麗な舞台を用意されても、「結局自分は誰にもわかってもらえない」「もうわからせるために説明する気もない」「自分に他人は必要ない」と、思ってしまうのがひどく現代的な造形の主人公。 彼が本当に必要だったのは今は亡きカレンその人ではなく「カレンがいた日常」であり、それが決定的に失われた後の世界は彼にはもう不要のものだったのかもしれません。 作中で幾度か言及される「自分が選び取った世界『以外』の百二十億の世界」と自分とをニックは等価に置いて、残された人生を孤独に歩んでいくのでしょう。 これは大変な問題作です。作中のアクロバティックな論理の飛躍や、確固たる物理現象を元に推測される現実に対する深い考察の見事さとは別に、人は何によって自分を人と規定するのかを、正面から取り上げようと試みて、結局はそれに答えがないことを証明してみせた作品だと思うからです。 本作を難解だと思う人がいるのは、おそらくニックへの感情移入の難しさに起因するのだと思われます。彼は確かにヒーローです、本作を読む私たちのような考え方をしない、という点においては超人的なヒーローです。 彼はなぜカレンを本気で求めなかったのか……。 現代社会につきものの、倦怠と疲労を更に大いなるそれでもって粉みじんにしてしまう……これは確かに傑作です。 | ||||
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話の前半は話がまどろっこしくて少し読みにくいかと思いましたが、中盤からグイグイ引き込まれました。 量子論から、どんどんスケールのでかい話になっていってポークウイの示す解釈あたりで、ほほーと思わず唸りました。 量子力学そのものは知らなくても、シュレーディンガーの猫の話を知っているとより楽しめます。 知らない方もネットで簡単に解説してあるサイトなどで調べておくといいと思います。 | ||||
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もう、ご指摘されている方も多いと思いますが、エヴァンゲリオンの人類補完計画とラストとで人間がみんなスライムになってしまうのも、エヴァに乗っていた2人だけが生き残るのも、これを読むと解ります。なあんだ、これじゃん。って感じ。早く読んでおけばよかった。これを読んでからエヴァを見ると単純にロボットアニメとして楽しめます。真実は違うのかもしれないけど、エヴァのラストの解釈で悩んでいる人がいたら絶対オススメです。そして、これは、この本は、面白い。勇気がもらえる。日本人の言霊信仰なるものも、ひょっとして、あながちありえない話でもないのかもしれない。そして、強い信念をもって生きよう。念ずれば叶う。それを改めて感じました。 | ||||
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イーガンの旧作を再読。92年(翻訳は99年)の作品だが全く古さを感じさせない。量子論なんて全くわからないけど、ナノテクとか科学技術をちりばめるだけでなく、星たちがなくなった世界での混乱、カルト教団のテロとか舞台仕掛けがいい。 やっぱり、イーガンは面白い。そういえば、今年イーガンのTAPが翻訳されるって聞いたが、あれはどうなったのだろう? | ||||
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