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鱈目講師の恋と呪殺。 桜子准教授の考察



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【この小説が収録されている参考書籍】
鱈目講師の恋と呪殺。 桜子准教授の考察 (集英社文庫)

鱈目講師の恋と呪殺。 桜子准教授の考察の評価: 5.00/5点 レビュー 3件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(5pt)

いいシリーズ見つけた

ミステリとしては弱いです。 それよりはキャラの描写、主人公の考察部分が秀逸。 事件が終わった後、犯人について作中人物達が語り合うんですが、この部分が本当にいい。 犯人はただの異常人物ではない。 でも決定的に何かが欠けている。 この描写が。 説明が追い付かなくてもどかしいです。 前作もそうでしたが、キャラがどうのストーリーがどうのより先に、作者の意見が充分に投影されているであろう主人公のモノローグや会話が面白すぎて、そこにばかり目がいってしまいますね。 取り合えず次作も購入決定。 いいシリーズ見付けて幸せです。
鱈目講師の恋と呪殺。 桜子准教授の考察 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:鱈目講師の恋と呪殺。 桜子准教授の考察 (集英社文庫)より
408745343X
No.2:
(5pt)

衝撃の「くぱぁ」

「田崎教授の死を巡る桜子准教授の考察」に次ぐ、待望の桜子准教授シリーズ第2弾である。桃沢桜子は立志館大学文学研究科の美人准教授である。京都にある立命館大学と同志社大学をたして2で割ったようなこの大学は、実は阪急神戸線の六甲の駅の近くの丘の上にあり、学生や教員は徒歩かバスで通学するという。どうみても神戸大学以外にありえないので、御当地ミステリーとして事件現場を訪れるのが好きな方、神戸大学関係者には必読の書であろう。本を片手に事件現場を訪れるのも楽しい。ちなみに事件現場はどうみても文理農学部キャンパスの正門である。

前作によれば桜子准教授は42歳、独身で、マンションも買った、車も買った、足らないものは男だけという。村上春樹をおもわす大作家の井上則夫に迫られているが、電話で話すのと食事をする、そこまでである。実は『酒に浸るように肉欲に浸り、手当たり次第、やれる男とは全部やる。ということに、わずかに憧れがある桜子である。じゃ、なぜやらないのか。と自問すれば、ただひたすら「後が面倒だから」』

その大学近辺の電信柱や看板などに「殺」「呪」という字がスプレーで吹き付けられた。それは釘の刺された藁人形になり、さらに猫の死体が正門ゲートに吊るされた。

今回の主人公は鱈目講師である。彼女は芦屋六麓荘出身のお嬢さんなのに、貧乏たらしい生活をしている地味地味な女性である。桜子准教授を慕っている。その鱈目講師がなんと恋をしたのだ。相手はモテる男で任期付きの特任講師の平泉英麿である。その恋を巡って事件は展開する。鱈目講師に執拗に嫌がらせが始まる。「鱈目小雪。ああ見えてインラン」「鱈目小雪のおマタはゆるい」

そしてついに事件は起きた。女子学生の宮坂真央が正門前で殺されたのである。後ろから鋭利な刃物で四十回刺されていたのだ。その殺人を巡って桃沢ラボの大学院生たちの活躍が始まる。ラボを仕切るのは博士課程院生の和田望ちゃんと森之宮邦仁くんである。容貌は本の表紙を参照のこと。望ちゃんの言葉「くぱぁをやっちゃう」を聞いて桜子はどきっとする。この「くぱぁ」という言葉が、今回の最大の収穫であった。知らなかった。そう、宮坂真央は「くぱぁ」をやっちゃったらしいのだ。

本作品はミステリーではあるが、昨今の若者、とくに大学院生、大学生を巡る青春物語である。ちらりと登場する大学教授、准教授たちは、相変わらずどうしようもない人物ばかりだ。ライトノベルのようではあるが、さまざまなところに散りばめられている、作家の現代社会に対する観察、不満が面白い。大学生の「ぼっち」問題。K大学の生協食堂に「ぼっち席」ができたことがニュースになる現代である。これ以上書くと、ネタバレになるのでやめよう。

ともかく、神戸という御当地に興味のある人、現代の若者の諸問題に興味のある人にとってオススメの書である。気楽に読めること請け合いである。
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408745343X
No.1:
(5pt)

かっこいい桜子先生

「大学院ミステリー」第2弾。軽めの文体ではっきりキャラの立った桜子准教授がかっこいい。
院生や先生を相手に、人生の様々な問題(ほんとにさまざま)について意見を言う。そんなに確信的でないけど、
マジメによく考えているのが、面白い。
ミステリーとしては、前作より楽しめる。ただし犯人はオキテ破り。
鱈目講師の恋と呪殺。 桜子准教授の考察 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:鱈目講師の恋と呪殺。 桜子准教授の考察 (集英社文庫)より
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