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水の肌
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水の肌の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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『水の肌』の主人公は、その特徴から今で言う発達障害者かなにかだと思いました。松本清張さんも実際そのような人間を観察したうえで小説のネタにしたのかも知れませんね。 | ||||
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この事件については多くの作家の著書がある。が、この小説の面白さは、話しを進めてゆくのは清張ではなく保険会社の人間の立場から推理しているところである。 推理の視点が、他の3億円事件を扱ったものとは異なる小説あった。 | ||||
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下記の5作が収載されています。題名横のカッコ内の数字は当文庫本での長さ (ページ数) です。 「指」(45ページ)、「水の肌」(36ページ)、「留守宅の事件」(59ページ)、「小説3億円事件」(61ページ)、「凝視」(66ページ)。 これでお分かりのとおり、前半2作よりも、あとの3作のほうが長めの短編になっております。 「指」は引き込まれましたが、最後、利己的な殺人の犠牲になった登場人物が可愛そうでした。松本清張さんの作品にはそういうパターンが多いです。ちなみに本文庫の中で「小説3億円事件」を除き、みんなそのパターンです。 「水の肌」これもすぐに読破しましたが、前述の「指」と同様、殺人の犠牲者が可哀そうすぎました。主人公の男の一方的なエゴの犠牲です。 「留守宅の事件」も、前2作よりも長い作品だと読後に知ったほどの一気読みで、やはり殺された登場人物(宗子)が可愛そうで可哀そうでたまりませんでした。あまりにも理不尽な殺人というべきです。 「・・・私は家内が痩せて貧弱な身体をしているのに不満をもっていましたから、自然と宗子さんの豊かな身体つきにあこがれていたのです」 (「留守宅の事件」120ページ) こんなふうに、主人公である夫の大学の後輩に当たる男がすごく憧れていたほどの女性ですよ。この後輩、先輩 (宗子の夫)の留守をいいことに憧れの宗子さんに密かに会いに行ったために、あやうく殺人犯人にさせられかけるんですが・・・。私的には、この作品が一番入り込めて面白かったです。 「小説3億円事件」は、「留守宅の事件」と同じくらいの長さなのに長く感じられました。でも、今から半世紀近く前(1968年)に起きた名高い事件の詳細が分かって興味深かったです。「小説3億円事件」が長く感じられたというよりも、「留守宅の事件」がすごく短く感じられたと言った方がいいかも知れません。 「凝視」は、最後の29ページくらいで、どんでん返しが起きるんですが、本作のトミ子もすごく可哀そうでしたね。読書好きのトミ子がなぜ、風流を解さないヤツから殺されなければならないんだ? あんまりじゃないか、と義憤にかられながら読みました。殺されかたも残酷だし。 | ||||
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文体が昭和みたいなとこも雰囲気ありました。 三億円事件も興味深くよみました。 | ||||
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最近では多くの「三億円事件」についての本もあるが、当時の清張の事件の見方が知りたかった。かなり参考になっている。 | ||||
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小説三億円事件が5篇の短編の一つに入っている。国家の闇、社会の闇、弱者の怨念とリベンジその動機など、重い素材を扱う時、恐怖感と説得力を感じる清張作品。 三億円事件については元の事件の動機があいまいで、小説的に動機を作り上げれば説得力を失いかねない。清張にとって、三億円事件が興味ある事件だったのか。それでも推理小説の巨匠として重い腰を上げざるを得なかったのではないのか。 単独犯人説。遠方から偽装バイクが(現金輸送車を監視した緑カローラを止めた場所)第3現場に朝6時ころやってきた。そこから近くの晴見町団地まで徒歩で7分歩く。止めてあった逃走用に使う青カローラに乗り、第2現場(現金輸送車を止めた地点)で止める。再度徒歩で晴見町団地に徒歩14分で行く。そして緑カローラで第2現場に戻り青カローラにエンジンをかける。そして緑カローラで第2現場へいき偽装バイクにエンジンをかける。緑カローラで日本信託銀行国分寺市店の近くに行き待機。現金輸送車車を確認しながら走る。第3現場で偽装バイク(ニセ白バイ)に乗り換え、現金輸送車を騙して奪う。(第1現場)第2地点まで逃げ去る。そこで、青カローラに乗り替え現金トランクを積む。本町住宅駐車場でさらに別の車に乗り換える。(盗難車ではない犯人の自家用車の可能性) 清張は徒歩の行動について合計21分もあるのに、目撃者が一人もいないのは変だと言う。また、金を奪ったならアジトに金を置き、からの現金トランクの状態で本町住宅駐車場に青カローラ(盗難車)と共、車シートをかけ放置したのだろうと推理する。犯人はずぶぬれの姿で銀行近くで見られておりそれが歩いていたら目だったはずという。 この辺までは同意できるが結末の三億円の使途の推理については安易と思った。自殺した少年がやはり怪しい点、基地を利用した点はいい。 清張にとって、パズルのような盗難車の利用や、漫画にもないようなニセ白バイによる犯行とその成功は、小説にするにはもっと時間がほしかったように思う。 | ||||
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本屋で新刊文庫のコーナーにおいてあったので、黒い福音につづいて読んだが、これも、短編5編とも面白く、読ませる、まったく清張の作品は、ハズレがない。 | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算165作品目の読書完。1979/02/26 | ||||
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昭和後期、松本清張円熟期の短編集。主人公の人物設定、心の闇、意外なトリック、文章力など、さすが清張と思わせる。一気に読んでしまった。 読後はなぜだか気分が晴れない、これらの短編では、必ず、動機不十分の凄惨な殺人事件が起きてしまう。「なにも殺さなくともいいのに」と陰鬱とした気持ちになる。リゾートに持ち込む本ではなかったな。青い空や海が、犯人たちの不条理でどす黒い欲望で、黒く汚れてしまったようだ。昭和の推理小説の定型は、大事件=殺人事件なのだから、目くじらをたてることではない、と解ってはいるのだが、、、、。これは、私のTPO判断の失敗。北村薫にしておけばよかった。 この短編集の中では、「小説3億円事件」は異質の作品である。3億円事件について米国保険会社調査員のレポートの形式を借りて、清張が独自の推理を展開する。実に詳細かつ合理的な推理により、捜査本部の単独犯説を批判し、真犯人像に肉薄している。が、この作品でも、、、、、、。 | ||||
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指:偶然の重なりが多く、設定に無理があると思いつつも、一気に最後まで読ませてしまうのは、著者の筆力のなせる技であろう。よそのバアのママと偶然出会ったバア勤めの弓子は、その日から女性同士の関係を持ってしまう。物語は最初から予期せぬ展開を見せたため、その後の偶然が気にならなくなったのかもしれない。 水の肌:本篇収録の5篇の中での最高傑作だと思う。私立探偵所の個人身許調査報告書の記述、エリート笠井の挫折、偶然につかむ幸運、軽蔑していた同期と妻との再婚、すべてを関連させながら、急テンポで進むストーリー展開は、全く飽きさせるところがない。 留守宅の事件:結論から見れば、用意周到な営業マンの完全犯罪が、萩野という後輩男の奇怪な行動により崩されるといった話だが、ストーリーの展開はそう進まないから面白い。 小説 3億円事件:5篇の中で一番読みにくい作品。実話に対して、松本清張が独特な視点から推理したもの。 凝視:沼井の妻が殺され、隣に寝ていた夫が軽症で済んだ。警察は夫を犯人と決め付け調書をまとめて起訴する。夫は地検で自白を翻す。時を同じくして、刑事課に配属されて半年しかたっていない添田が事件を解明するという話。凝視に深い意味が込められているが、殺人の動機として十分に納得できないところが残る。それでも読み切らせてしまう清張の筆力がここでも発揮されている。 | ||||
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まさに、「人間」。その一言です。 もともとこういう本が好きなので楽しめました。 エリートの人間、挫折、豹変。人生上手く行き過ぎるのもどうなのか・・・と考えさせられる本です。挫折した後自分の人生が変わる。そして新しい出会い…自分が思っていたこととの食い違い…「都合が悪い」と人のせい? これぞ、人。 恐いですね。慣れていない人は苦手かもしれませんが、内容的にはものすごく『濃い』本です。これはオススメできます。 | ||||
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性格のおとなしい普通のサラリーマン水間隆吉に対し、超エリートで非人間的な笠井平太郎の価値観が、鋭く描かれているけど、学歴社会の日本でも、現実に有り得る(?)話かな?!超エリートってコワーーーーイ。短編で「指」「水の肌」「留守宅の事件」「3億円事件」と「凝視」の5話入っています。 | ||||
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