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武器よさらば
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【この小説が収録されている参考書籍】
武器よさらばの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.02pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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読後に感じたのは、この悲惨な話を追体験したかのような重苦しさと、自分の物語としては取り込めない、距離を置きたくなるような感覚だった。ヘミングウェイは、自分の悲惨な体験で受けたトラウマ(重傷を負った、眼前で人が死んだ、恋人に振られた)を浄化するためにこれを書いたのではないか。残酷で理不尽な場面を詳細に描きつくし、人を愛することは大切だが愚かだと伯爵に言わせ、恋人の意思で別れるのではなく神の意思により死なせることで失恋の痛手を癒そうとした、のではないか。それらを感受してしまうとこちらも苦しくなってしまう。 ヘミングウェイ自身も納得できる形の物語にできていなかった、消化しきれてなかったのではないか、この後もトラウマとして苦しんだのではないか、と思わされる。 | ||||
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いっつも酒飲んでるなあ キャサリンってちょっとアレだなあとか あの二人の軍曹を撃つ必要あった?とか 淡々と事実が書かれるのみなのでこういう即物的な感想になる まだ若いからか、人生とは!みたいなテーマも感じない 中盤までの戦争の描写は面白い、ただその後は退屈だった でも終わり方は余韻があっていい | ||||
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★3.3/2022年19冊目/2月3冊目/『武器よさらば』(新潮文庫/新潮社)/ヘミングウェイ/P.494/1955年/629円+税 #読了 #読了2022 翻訳かつ文字ポイントも小さく読み終わるのに苦労した。全体的にリリカルな印象。第一次世界大戦のイタリア戦戦を背景に、戦場に芽生えた恋愛を描いた作品。所々、主人公が、戦争はもう終わる、と呟いていることや、最後は思わぬバッドエンドだったのは、ヘミングウェイの個人的な戦争観にも由来しているんだろう。—「ここには戦争はなかった。僕にとって戦争はもう終わっていた。けれども、本当に終わったのだという感じはしなかった。ズル休みをした少年が、学校では今頃何をやってるんだろうと考えているような気持ちだった」p340 | ||||
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女性に翻弄される兵隊さんの話し。以上。 | ||||
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"しかし、彼女たちを追いだし、ドアを閉めて、ライトを消しても、何の役にも立たなかった(中略)しばらくして廊下に出ると、ぼくは病院を後にし、雨の中を歩いてホテルにもどった。"1929年発刊の本書は実体験を元にシンプルな文体で描かれ、2度映画化もされたノーベル賞受賞作家の代表作。 個人的には『老人と海』『移動祝祭日』『日はまた昇る』と読み継いできて、手にとりました。 さて、そんな本書は第一次世界大戦真っ只中、オーストリア軍と戦うイタリア軍に身を投じたアメリカ人青年フレデリックが砲撃で重傷を追って病院で再会したイギリス人看護師キャサリンと次第に恋に落ち『カポレットの惨敗』などの戦況が悪化する中、軍を脱走。キャサリンと一緒に新天地スイスで幸せを掴もうとするのですが。 まず、ページこそ約500ページと割と分厚くもハードボイルド文学の原点とも言われる【独特の削ぎ落としたような簡潔文体】はやはり読みやすく、驚くほどすらすらと読み終えることができるし、また本書では一説によるとスタンダールの『パルムの僧院』−あの映画のカメラワークを先取りしたような圧巻の冒頭描写を参考にしたともいわれるカポレットの混乱極まる敗走シーンは写実的な迫力を感じたのですが。 ただ、元祖ハードボイルド。"黙っていても背中で語ってるだろ"的に余白から【書かれていない感情を読者が読み取らなくてはいけない】のかもしれませんが、どこか虚無的な発言、行動をし続ける語り手のフレデリック。そしてある種の男性からは今でも理想的かもしれないけれど、現代感覚からは古典的なヒロイン、キャサリンは【感情を寄せるには難しかった】 あと、舞台は毒ガスの登場など【何でもありの近代兵器が飛び交う悲惨な戦場】のはずなんですが。フランスやスペインで酒を飲んでは享楽的な日々を過ごす著書の他作品と同じく、本作のフレデリックも【とかくお酒を飲み続ける】わけですが。やはり同じ年にドイツ人作家レマルクが発刊した『西部戦線異常なし』の内容と比べてしまうと"ノリが軽い"というか違和感を強く感じてしまった。 ノーベル賞受賞作家の代表作の一つとして、また翻訳の勉強してる方やチャンドラーみたいなハードボイルド作が好きな方にもオススメ。 | ||||
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とにかくやたらとお酒を飲む小説である。欧米人の標準なのかは知らないが至る所で酒を飲む。妊娠中の女性ですら酒を飲むのにはギョッとさせられる。酒と会話がセットになっている。酒を飲めばキャラクターがしゃべりだし内面や個性が分かってくる。戦時のストレスを表す記号なのかと思ったが戦争と無関係の人でもガブガブ飲む。戦争、戦時下が舞台なのにあまり悲壮感はなく優雅な雰囲気すら漂う。割と不名誉な戦線離脱をしても悲壮感はない。悲劇的な結末だが全体の軽さのせいかまるで失恋したかのような程度の衝撃だった。戦争小説として読むには物足りなさを感じた | ||||
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ヘミングウェイならではの絶妙な言い回しと表現力 ぜひお読みください。 | ||||
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ハードボイルド小説は好きじゃない、ヘミングウェイの小説を読んでしみじみ実感しました。 でもこの小説を読んでハードボイルド小説がどういうのかはよくわかった。 とくに最後。 奥さんが出産で生死を彷徨っているさなか、普通の小説ならここで主人公のくどくどとした心理描写が挟み込まれるだろう。 しかしこの小説にそのような描写はない。 代わりとして主人公はレストランに出向き食事を摂る。 奥さんが死にそうなのに食事かよと思いながら、さらに彼はそこで暴飲暴食に走る。 そこでようやく意味がわかる。心理描写をせずに、行動で主人公の心理を表現する、それがハードボイルド小説。 まさにここは、奥さんが死にそうにもかかわらず、呑気に飯を食べる。しかも暴飲暴食。 その異常性こそに、主人公の混乱、不安が表れているのだ。 なるほどこれがハードボイルド小説。 でも私はハードボイルド小説は好きじゃないので星は三つで。 | ||||
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主人公はイタリア軍に志願したアメリカ人中尉である。これは作者自身がイタリア軍傷病兵運搬車要員であった経験に基づくものだろう。主人公は戦場で負傷し入院先の看護師と恋に陥ちる。再び戦場に駆り出された主人公であったが、敗走することとなった部隊を厭戦気分が覆う。主人公は憲兵からドイツ軍ゲリラと疑われ逃走するものの運良く恋人と再会を果たす。しかし、悲しい結末がふたりを待っていた。 | ||||
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第一次世界大戦のイタリア。アメリカから従軍した青年・フレデリックは、現地で美人看護婦キャサリン・バークレイと出会う。キャサリンは許嫁が結婚前に戦死してしまったという過去がある。フレデリックはその後負傷し、野戦病院に担ぎ込まれる。友人のリナルディは、なにか勇敢なことをやったと証明できれば銀の勲章、できなければ銅の勲章がもらえるといい、何かやってないかというがフレデリックは正直で特に何もやってない時にぶっ飛ばされただけ、といって取り合わない。 野戦病院でフレデリックはキャサリンに再会し、二人は恋に落ちる、キャサリンはやがて妊娠。フレデリックは軍を脱走し、キャサリンと落ち合う。見つかれば銃殺なので、二人はスイスへ。しかし、キャサリンは死産し、キャサリンもそのまま死んでしまう。 ストーリーは単純。ヘミングウェイはヨーロッパ戦線に従軍し、ミラノの病院でドイツ人看護婦と恋に落ち(結婚は断られている)、そのときの経験がベースにあるらしい。ヘミングウェイは猟銃自殺しているが、父も過去にピストル自殺しているそうである。 | ||||
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はじめて読んだが、文章はあまり人物の内面に立ち入ろうとしない。「氷山の理論」だったか?どちらかというとセリフで人を描写する。ほかの部分は即物的で単純な感じのする文である。 だからさっさと読める。三時間で読めた。そういうところがヘミングウェイの良さではある。映画的でハードボイルドなカッコよさはあるのである。それはあるが、文章の絡まり合いの芸術のようなものはあまりない。 子供の頃はこの小説の概要になんとなくロマンなものを感じていたが、そういうロマンは実はゴロゴロ存在しているのである。今はそんなに感動もしない。 もっとも、わかりやすい文章なのでむしろ大きくなってから読むに向くとも言えるが。難解なものを読んでも必ずしも満足できるとは限らないと悟ってくるので。 | ||||
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ヘミングウェイ(1899-1961)の長編小説、1929年の作。 主人公二人の人物像が、例えば19世紀フランス文学に登場する人物たちと比べて、「現代」的であると感じられるの何故だろう。 "おそらく、完璧な勝利などもうあり得ないのだ。戦争は永遠につづく。" 舞台は第一次世界大戦の真っ只中にあるイタリアとスイスである。この第一次世界大戦とは、「近代」が内包する「目的合理性」「官僚制」「資本主義(帝国主義)」と云った諸要素が世界を全面的に覆い、それらが最も極端な仕方で結合されて現出した事件であったと云えないか。かくして世界は一個の巨大で即物的な「機構」として、人間にとって疎遠で対立的な「物」として、立ち現れる。そして、表面上は戦争が終結したとしても、人間を一つの無意味な「機構」に閉じ込めようとする不条理との闘争は"永遠につづく"。世界と自己との紐帯が消失してしまったという喪失感が、世界と自己とが隔絶してしまっているという直観が、終始この二人に差している翳の正体ではないか。それがこの二人を「現代」人たらしめているのではないか。 「だって、わたしたちは二人きりなんですもの。世の中はみんな他人ばかり。もし私たちのあいだに隙間が生じたら、もうおしまい。私たち、世間というものの餌食にされてしまうの」 「あの二人、どこか行き場所があるといいね」 「あったとしても、何も変わらないでしょう、きっと」 「でも、わたしたちって、わが家に長いあいだいられたことってないわね」 "偶然この世に放り出され"た二人、戦場を目の当たりにした男と、戦争によって恋人を失った女と。無意味な一個の「機構」でしかない世界の中に、二人の故郷は無い、何処も彼処も異国だ。その二人が、仮初の居場所を求めて互いに愛を交し合ったのがこの物語の始まりである。愛の始まり自体が、不条理に身を晒す微小な人間がもがきつかんだ偶然であった。そしてこの愛の結末も、世界にとっては余りに微細な、どうでもいい出来事だ。 「わたし、ちっとも怖くない。ただ、こんな騙し方、卑劣だなと思って」 巨大な「機構」の不条理に翻弄される微小な現代人の物語。 | ||||
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本の裏にネタバレが! びっくりしたよ。一度読んだときはまったくなんてことない話だと思ったけど、今読むと何だか面白そうでした。かなーり、戦争の嫌で残酷な部分と愛が上手く融合しているから、その点はさすがだと思います。 | ||||
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