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オールド・テロリスト
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オールド・テロリストの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全69件 61~69 4/4ページ
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途中まで読んだときの感想。カリヤが怖い。丸太が怖い。 ジェットコースターのような小説でした。続編はあるのでしょうか。メディアをあんなに批判して龍さんは大丈夫なのでしょうか? | ||||
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おそらく誰も指摘しないであろうことを指摘します。 もし仮にこの作品が芥川賞候補であったら村上龍さんが 指摘するかもしれないことを皮肉めいていますが書きます。 まず第一に、私自身統合失調症患者で一度入院し、 その後、精神病患者を全体の8割近く就労させるA型事業所という ところに在籍していた体験と発症してから出会った様々な 精神病の人たちと接してきて思 うのはこの物語の重要人物カツラギは 非常にリアリティがないということです。 突然、変な言動をするかと思えば、一般人よりも理知的に 長文をよどみなく話すような精神病患者はまずいません。 実は最後までこの作品を読んでいないのですが あれは全部演技してたというオチが最後にあったとしても 理性的な一面もそれまでに出してしまっている場面があるので やっぱりなんかひっかかります。たとえば絵がものすごく上手だとか 躁鬱病みたいに行動が極端というのならわかります。要するにカツラギだけ 非現実的な”漫画”に出てくるキャラクターみたいになっているのです。 リアリティが通奏低音となっている村上龍さんの小説でこれは致命的だと思います。 あと主人公がさまざまな残酷な事件に遭遇してもなお危険な場所に飛び込んでいく 動機もリアリティがないです。 失職し妻子と離ればなれというだけでそこまで自分の命を省みない行動をするでしょうか? という疑問が常にわいてやはりここも小説の中から浮いています。 多分、二度目くらいの惨劇のときに、作品の中にも出てきますが ビルの清掃とかそういう仕事でなんとかやるという迷いがせめて 主人公の心境として出てきてもいいのに、そういったところがなく ストーリーの細部を詰めるのに注意を払いすぎた感じがあり おもにその二人の登場人物の描写に違和感がありました。 | ||||
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ラストの一文に何を思うかは、人ぞれぞれだと思う。 わたしは、反射的に(そして無邪気に)、「希望」のようなものを感じたが、 わたしとは別人であるあなたは、きっと別の何かを感じるだろう。 今、ここのレビューを読む人たちの多くが、「日本の閉塞感」にやさしく寄り添っている。 数年前から、数十年前から、わたしたちの心から流れ出した血は、二度と止まらないかもしれない。 友達の(わたしにはいない)、恋人の(わたしにはいない)、見知らぬ誰かの感想を、そっと聞かせてほしい。 | ||||
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村上龍氏のファンで、ほとんどの著作を読み、その中の半分くらいは繰り返し読んでいるものです。 特に、「五分後の世界」「最後の家族」などが好きです。 私は、最近の著作やエッセイをことごとく批判してきました。 簡単にいうと「エネルギーを感じない」からです。読後の「何かを変えなければ」と思える感覚が欠如した作品が多いからです。 もちろん今回の作品も、例えば「五分後の世界」と比べればエネルギー量はやや少ないかもしれません。 連載だったものですから、昔のことを振り返る場面も多く、少し冗長にも感じます。 しかしながら、村上氏らしさがところどころに垣間見え、正直読む手は止まりませんでした。 少しずつ物語が展開していくところ、はっとするような急展開、セキグチへの心理描写、そしてラスト。 「静かな怒り」については、「そうきたか」と思いました。セキグチの揺れる振り子とうまくシンクロしていると感じます。 昔からのファンも、初めて読む人も、著者らしさが詰まった、読んで損はない一冊です。 | ||||
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「今の日本に、静かな怒りを維持していて、社会に関与したいという欲求を持った人々が存在していたというだけでも驚きで、しかも、あろうことか、高齢者でした」 「わたしは、この国のあらゆるものを信じていない。政治しかり。経済しかり。社会システムしかり。 ですが、もっとも大きな不信感を抱いているのは、マスコミだ。どう思いますか。彼らは、正義を言う。権力を批判し、弱者の側に立つと言う。だが、日本で、平均してもっとも高額な給与を得ているのはマスコミの人間ですよ。フジテレビの社員の給与は世界一だとも言われている。 …勘違いしないでいただきたい。金を稼いではいけないということではない。 彼らマスコミが偽善者だと言うつもりもないし、嘘を報じると言うつもりもないし、権力の側について事実を隠蔽していると言うつもりもない。 単に、能力がないのです。 事実を報じる能力がない。」 「その、オールド・テロリストたちの目的は何?」 「それが、あるメンバーの言葉を借りると、もう一度日本を焼け跡というか、廃墟に戻すということらしい。腐りきった日本をいったんリセットする、ということだけど」 「…彼らは、怒ってるわけね」 「そうみたいだ」 「それって、リアルね」 「何かを変えるためのプランには、静かな怒りが必要なんです。 感謝の念は、とても大切です。ですが、往々にして現状維持を助長し、変換のためのプランには結びつかないことが多いんですね」 「年寄りは、静かに暮らし、あとはテロをやって歴史を変えればそれでいいんだ」 | ||||
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「希望の国のエクソダス」で集団不登校を起こした中学生集団ASUNAROを独占取材したフリー記者セキグチが本書の語りべ。 福島の原発事故から7年後という時代設定で、セキグチも40代後半。 週刊誌は売れなくなり、仕事を失い、充実感を失い、家族を失い、誇りを失ったセキグチは、いまやホームレスと変わらない風体。 大切な人に対し何もできない存在になってしまった、だから自分は生きる価値のない人間だと決めつけてしまい、気持ちが常に萎えている。 コミュニケーションに必要な労力、つまり心のエネルギーが枯渇してしまったセキグチは、村上龍の小説史上、まれにみるダメダメ状態です。 精神安定剤や睡眠導入剤を酒とともに常用し、とんでもない状況に直面して小便を漏らし、涙と鼻水まみれになりブルブル震え、しょっちゅう泣いて、みっともない姿を何度も見せる。 しかし、そんな彼に対して、本書の村上龍は、次のようにとても優しい。 「不安が強いとき、不安に逆らうとさらに不安になり、悪循環が起こってやがてそれはパニックとなる。今は不安になるのが当然だと思うことが大切なのだ」 「元気になる必要はない。不安を感じない人間はこの世の中に誰もいない。不安を感じることに不安を感じる必要はない」 「今は生きるのがとても辛い時代なんです。あなたはこれまでよくがんばってきたし、自分に嘘をついていない。そういう人は余計に辛いんだ」 本書は「希望の国のエクソダス」から十数年後の設定ですが、共通する登場人物は「おれ」と元官僚の山方と当時交際しており、現在は別れた妻の由美子くらいで、少し当時のことを思い出す場面もありますが、前作を知らなくとも十分楽しめます。 「希望の国のエクソダス」と共通する点は、十数年前に前作で問題を指摘したにもかかわらず相変わらず変わらない日本のマスコミに対する怒りでしょうか。 「問題点や疑問点を示さず、犠牲者の葬儀や遺族のコメントなど情緒的な報道しかできない日本のメディアの罪は大きい。なんて可哀想なんでしょう。なんて悪い人なんでしょうという二つのアプローチでしかニュースをつくれない」 「権力を批判し、弱者の側に立つと言う。だが日本で平均してもっとも高額な給与を得ているのはマスコミの人間ですよ。あの連中は、自分を否定したことがないし、疑うこともない。わかるという前提で報道し、記事を書く。わからないことはないというおごりがあるので、絶対に弱者に寄り添うことがでいないんだ」 「危機感のない人間に危機感しかない人間のことは分からない。最大の問題は、連中が、わかる、理解していると思っていることだ」 本書はタイトルどおり、現在の日本を憂い、怒って、もう一度日本を廃墟に戻し、腐りきった日本をいったんリセットしようとする「オールドテロリスト」たちが登場します。 もちろん、テロはいかなる大儀があろうと許されうるべき行為ではない。 しかし、本書に登場する「オールドテロリスト」たちの「日本を廃墟に戻す」という目標にどこかでシンパシーを感じてしまう主人公セキグチの気持ちは非常によくわかります。彼らに対するセキグチの相反する思いはシンクロします。 みな、安全なところから批判したり、不平不満をいったり、もっと生活を楽にしてくれ、景気を回復してくれと陳情するだけ。それで日本はまったく変わらず、衰退が静かに始まり、やがて加速して常態になる。そんな日本に対する憎悪に気づかないふりをして毎日を生きている。 村上龍の過去の作品では、たとえば「半島を出よ」などでは、数多くの兵器が登場し、戦闘場面に数十ページをさき、圧倒的なまでの破壊行為の描写にカタルシスを感じたものです。 この「破壊行為」というのは「コインロッカーベイビーズ」をはじめ「昭和歌謡大全集」「五分後の世界」などなど、村上龍作品の真骨頂で私が最も心惹かれる作品群で、本書でもとんでもない兵器が登場するのですが、それでも前出の作品群と比較すると肩すかしかもしれません。 もっとやれ!もっと戦え!ぶち壊せ!と思うかもしれません。 しかし、本書における語り部を心に弱みを持つセキグチに設定した点、また、本書では大儀のためには罪のない人々を簡単に殺してしまうテロリストを扱ったがためか、「とにかく何よりも破壊がさきだ、あとは野となれ山となれ」路線よりも、現実路線をとったのかもしれません。 それでも余韻を残したラスト数行には痺れます。 | ||||
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ちょっと読んだだけで作者の「おサヨク」ぶりがよく分かる酷い小説。 少し登場人物のセリフをさらってみると 「原発事故では、地震で古くなった配管が壊れたんだ( ー`дー')キリッ」 ーいや、地震では配管に傷一つなかったことは事故調査報告書見れば一目瞭然なんですがw 「中国脅威論は政府が不満を外に逸らすためにでっち上げてるんだ( ー`дー')キリッ」 ーえーと、フィリピン、ベトナムその他諸々の国々は中国の脅威を肌で感じていて(特にフィリピン大統領はいつでも基地を自衛隊に貸すと明言)、日本の集団的自衛権関連法案にも「歓迎する」旨を表明してるんですがw日本国内だけなの?中国脅威論w なんつーか、もちろん小説としてのフィクションはアリなんですが。 それは小説を面白くするためのウソであるべきですしねぇ。 とにかく失笑モノの描写が多くて。 これを面白いと感じられる感性にはどうも共感できないですねぇ。 同じ老人暴走小説なら、筒井康隆のほうがよほど毒もあって面白いです。 | ||||
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店頭で新作を見た途端、おお、と小声を発する唯一の小説家 ーーーーーーーーーー 今でも満州国の人間なんです あきらめと無気力の場所では、何かに挑む意欲は湧いてこない 現実や他人と折り合いをつけて生きることは、普通以上の価値がある 形ではなく心 必要不可欠なものを失った人間には明るすぎて不自然だ 「闇がないってことですか」そう言って微笑んだ それでわたしとまた会いますか 分散型組織は組織的な被害が最小 現代の戦争はほとんどが市街戦 問題点や疑問点を示さず、情緒的な報道しかできない日本のメディアの罪は大きい 人間の図々しさは暴力に近い。身体の内側を強引に傷つける 労働とは無縁の手 勝新太郎、若山富三郎、鶴田浩二、高倉健が、出演者として候補に挙がっていた ただの年寄りではなかった 着ぐるみを着れば、役者の拘束時間も短くて済む 自分で自分の生き方を選べるのは数パーセント おじさん・普通・おばさん 上手な歌なんか今誰も聞きたくないでしょう イペリットだ 息を吸うな。このまま逃げる サウナ シンプルで自然な素材の服を着るように ハイマン・ロスは安普請の平屋に住んでいた 電通、共同通信の母体は満州 どの流れの金をつかんだのかは絶対に聞かないでください わたしは、会社や個人を、丸裸にできます 地獄であがいてきた人間の方が言葉に力がある 恥を売る わたしは犬だったんですよ いやな場所は、出たほうがいい 笑うことがないから笑わない 全部、原発のあるところです カツラギさんは、誰にも甘えないからです 何かを変えるためのプランには、静かな怒りが必要なんです 会う人はみな好感を持つだろう ヤワな人間だから逆にいい 88ミリ対戦車砲だ ああ、これから、撃つよ ああ、これから、雨だよ 歴史とは、世の中の軸が変わることだ わたしは、この国のあらゆるものを信じていない 事実を報じる能力がない わからないことはないというおごりがある すべて本当のことを書いてください お前はしぶとい。死ななかった おれたちのことを記事にしたら、今、日本国の唯一の希望である東京オリンピックが、間違いなく中止になる いや。三軒茶屋ですけど 愛情は量 本当にテツなの? ほとんどすべての投資家が日本から資金を引き揚げるはず ほら、パパだよ、話す? 誰?パパ? 元気か 元気だよ パパも、元気? 元気だよ 元女房に信頼されてたでしょう 西木副大臣に連絡がつきました。すぐに会いたいそうです アメリカの特殊部隊に、日本人の年寄りたちを殺してもらうってことですか ねじ曲がった劣等意識 お願いなんかしてもムダだと骨の髄までわかっている 後悔することだ そうだ。何か、目印になるようなものを、お持ちでしょう 人間というのは、不安や恐怖や疑念を維持できる時間が限られているのかも知れない 襲撃してくるのは、おそらくフォース・リーコンだろう 日本が原発テロで潰れると、東アジアのパワーバランスが崩れる 私生活に不平不満があるやつなんか、平気で裏切ったりするんだよ ドローンだ スイッチをいれろ ガソリンを流し込んで、火をつけると脅すんだ ミツイシの目は輝いていて、一点の曇りもない 書いてくれ だが、88ミリ対戦車砲は、あと二基、残っている ーーーーーーーーーー 90点 相変わらず、美人と情報の描写配分がいい塩梅 相当数に取材した裏付け感がある、ことごとく魅力溢れた登場人物 節々からカンブリア宮殿で蓄積されたソースが華麗にアウトプットされている印象 おばさん、石原莞爾、びらん、横浜港北エリアなどの馴染みワードも 最後はミツイシ劇場な様相でなかなか清々しい〆でした 先日観た、北野監督新作やパトレイバー、先日読んだ、日本のいちばん長い日の明け方自刃する陸軍大臣阿南惟幾が、この作品の中でリンクし脳内補完されていきました 希望の国のエクソダスの後日談的要素があり、昭和歌謡大全集の後日談的な半島を出よに似た感覚で読み進めていきました 良し悪しを超えた別格の小説家です。文章の濃密さが経年変わりません。というより、作ごとにアップグレードしているような。消耗品シリーズなど、エッセイも読んでいますので、長編小説ではとくに、ストーリーラインとエッセイ的独自情報がミックスされた唯一無二の特徴があり、そのフレッシュな情報量が物語と絡み大変読み進めていて心地いいんです 55歳からのハローライフで印象的だった水を飲み気分を落ち着かせる描写や、ペットロス的な家族の描き方など、更に描写に幅が出てきて世界観が拡大した印象を受けました スーパーナチュラルな一重美人も、途中、主人公のメンター的な立場になるところなど、造形が豊かで楽しいです。この付かず離れずの二人の関係は新しいと感じました。相変わらず、台詞を言わされてる感じのしないアドリブ的なフランス映画のような男女描写に好感がもてます なにより、ミツイシの設定が完璧でした。最初はフィクサー的な実業家二代目の得体の知れない感じでしたが、メルセデスで現れてからラストにかけては、亡国感が見え感動しました やはり読み手の動静を喚起する稀有な小説家なのだなと諒解しました。 そのような中、信用できるオールタイムベストは、小説家村上龍さん、映像監督押井守さん、俳優田村正和さんです 「弾あ、まだ残っとるがよ」 この精神で生きていくことは必要だと感じました | ||||
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おーい、村上さん、おれのレビュー見てくれてるかーい? 村上さんは、カンブリア宮殿のアマゾンの回で「アマゾンのレビューは民主主義的ですっごく良い」って言ってたから、自作のアマゾンレビュー見てんだろー! でっ、なんなんでしょうか、今作のこの不発感は。 これはつまり、『五分後の世界』的な、生きる目的を喪失した男が、出会いと戦いを通して再生する物語ですよね。 しかし、今作に出てくるジジイどもがまったく共感できないんだ(笑) いくら政府や社会にムカついたとて、最後っ屁としてテロなんかされたらたまったもんじゃない。 こんな金持ってて「絶大な影響力がある政治家」とお友達なら、もっと他にやることがあるのでは? というか、ジョーとマツノくんはどこへいったんだい? しかし、今作の目玉と言えるセキグチのうつ病や辛い生活の描写は克明だし、物語が進むにつれての心境の変化は面白く、村上さんが頑張っていることが分かり評価に値する。 よって星は四つ。 あとは、『希望の国のエクソダス』かなー、なんかのあとがきで「主人公が死ぬ小説は今の時代意味がない」って言ってたけど『半島をでよ』のこども達がガンガン死ぬのはなんで? あれは映画の『バニシング・ポイント』のラスト的な感じかもでしょうがないのかもしれないけど、村上さん言ってることがころころ変わるよ! さらにはもう一つ言うと『半島をでよ』の少年パートのあとに北朝鮮軍人のパートでまた少年パートみたいに視点をいれかえれば、今回の作品ももっとおもろくなったと思えへん? どうやねん? | ||||
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