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球形の荒野
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【この小説が収録されている参考書籍】
球形の荒野の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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大分昔の小説ですが、ページが止まらなかった。小説クオリティがかなり高くやはり名作。半藤一利のあとがきも秀逸。 | ||||
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10年前に読んで、改めてじっくり再読したが、やはり面白く物語が重厚で充実感がある。清張を読みかえす、必要が有りそうだ。 | ||||
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奈良西の京から唐招提寺に至り芳名帳の中に亡くなった叔父の書体と酷似した記帳を発見する。いい出だしだ。思わず引き込まれる巧さ。 しかし、読み進むにつれて「うん?」が増えてくる。結局は、大戦末期の欧州における終戦工作の実態があいまいなままストーリーが最後まで続くのが苦しいのではないか。野上顕一郎が死を装ってまで心魂を傾けたとされる和平工作。現代日本の権力者・支配層との繋がり。そんなことは暗示でよいのだとの考えはもっともだ。が、ここは難しいところ。地球を「球形の荒野」にまでなぞらえさせる野上の悲劇を実感させるには、もう少し具体的な事実がいるのではないか。「ある狂信的な組織」の活動実態も思わせぶりで曖昧模糊。そんなことは暗示でよいとの考えも理解できるが。殺人事件も起こるが、これもサイドストーリー的で「ついで感」が強い。 清張信者には「球形の荒野」は傑作だろう。しかし、信者ならぬ者の目は意外と厳しいのです。ラストの叙情性(七つの子=烏の歌)も「うん?」と思う。ありきたりだが「清張はやっぱり短篇だなぁ」と思ってしまう。本作が嫌いでは決してありませんが。 | ||||
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発表されたのが1960年。つまり、半世紀も経ってしまっている訳で、もし自分が同時代にこれを読めていたらどうだったのかなあ……などと考えながら、楽しく読むことができました。 他の方も書いていますが、少なくとも現代の感覚で見ると、いちばん違和感があったのが殺人の動機です。ポツダム宣言受諾に動いた外交官が、その後、右翼からの報復を恐れて異国に逃げたものの、どうしても娘の成長した姿を見たくて帰国する。身をやつして帰国した彼を、「日本が屈辱のポツダム宣言を受諾したのはコイツの和平工作のせい」と、ゆがんだ愛国心をもつ狂信的もと軍人がつけねらう訳ですが、それ、殺す動機になるかなあ? もう過ぎちゃったことですから、もと軍人のすることとしては、たとえば陸上自衛隊を帝国陸軍に戻そうとするとか、他にいくらでもやることはあったはず。それを邪魔するモト外交官を刺殺しようとする、っていうのなら、まだわかりますけど。 そんなこんなで突っ込みどころ満載です。おそらく、当時なら納得がいく動機だったのかもしれません。 また、他の作品ですが、自分の過去を知る男を殺す物語について、「過去がバレるよりは、殺人がバレるほうがよっぽどリスク高いじゃん」と思ったこともあります。しかし、これは、戦時に犯したヤバイことが知れると、自分の生きる意味がなくなる、というほど大変なことだったのだという別の方の説明で納得が行きました。今なら個人情報保護とかいろいろあって、ヤバいことをしても、それを知る人をわざわざ殺すという手間(?)に汲汲としないで済みます。当時は、本当にヤバかったんだろうなあー。そして、戦時中にしたマズいことも、たぶん、バレたら本当に大変なことになる、大変な大変なことだったのでしょう。 戦争から半世紀経った今、人を殺してまでも守りたい秘密を持っている人はそういない気がします。だから納得できないこともあるけど、だからこそまた読み返したい小説でもあります。解説で昭和史の半藤さんも述べておられますが、本書はミステリであるとともに昭和を検証する重要な一冊です。 | ||||
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ある評論家が清張の諸作品の中で最も文学的香りの高いものとして本書をあげていた。読後感もその評価を裏切る事のない重厚なものであった。 | ||||
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名作の中でも特に秀逸な作品を集中していた時期。日本の黒い霧、砂の器、駅路、わるいやつら、そして球形の荒野。まさに、八面六臂、脂がのっていた時期だ。 それにしても、過去と未来、地方と都市の展開によりストーリに幅をもたせる技術、丁寧な伏線とそれでも予想しにくい結末、醸し出される社会情勢、巧みな心情描写、松本清張が嚆矢となった推理小説の技術の高さは未だに追従を許していない。 そしてこの話は、戦後独特のセンチメントも加わっていて、清張作品の中でも出色(いまさら言うまでもないが)。改めて読むと現在作家が書いたミステリーの多くが陳腐に見えてしまう位だ。 | ||||
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戦争終結のために一身を捧げた日本の外交官を軸に話は進むのだが、他の清張作品同様、戦争に人生を振り回された人間の悲しみが痛切に伝わってくる作品である。そして、そうした人々に対する作者の視線の限りない優しさが、この小説を味わい深い作品としている。 ただ、ヒューマンドラマとしては一流のこの作品だが、推理小説としての出来はあまりいいとは言えない。推理小説である以上殺人事件はつきものだが、この事件における犯人の正体と殺人の動機には現実味が非常に薄い。殺人事件が話の中心に存在しない推理小説と表現することも可能なほどである。ネタバレになってしまうが、この小説では犯人とその動機を推理する楽しみが読者に与えられていない。「ゼロの焦点」「砂の器」といった傑作と比べると、この点で見劣りするのは否めない。 | ||||
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清張好きです。 この作品はテレビドラマで見てから読みました。 どろどろ感もなく、ちょっと最後に救いを持たせてくれていたように感じました。 私の中では砂の器は不条理・絶望感が残りましたが、この作品は優しさを感じる結末でした。とても好きな作品です。 どの作品もミステリーとしても一流、人間ドラマとしても奥が深い。とにかくべた褒めしたくなりました。 | ||||
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性善説の司馬遼太郎に対し、性悪説の松本清張さんとしては意外とあっさりした内容だと思います。推理小説ではありますが、どちらかというと終戦直前の日本の苦悩を的確に表現した歴史小説の部類に近いような気がします。そういった意味で、時代小説・歴史小説ファンの皆さんにもお勧めしたい一冊(上下2巻ですが)です。どの時代にも共通する”真の平和を願う者”の苦悩が描かれています。 | ||||
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風景にしても,人の心の動きにしても,描写はさすがにうまいな,というところがありますが,ストーリー展開が微妙に弱々しい気がします。 一般の読者が容易に推測できるようなストーリー展開,は,ちょっと物足りなさを感じてしまいます。 読者を引き込み,途中で読むのを止められないような,活字の作り出す世界であってほしかったナァと思います。 | ||||
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第二次大戦という大きな荒波にのみこまれ引き離された父娘の絆を描くストーリー。奈良を訪れた主人公、野上久美子の親戚はそこの寺の芳名帳をみて愕然とする。そこには大戦末期、外交官として任地に赴き客死した久美子の父、野上顕一郎の特異な筆跡であった。彼は死んだはず。しかもその死は、公式に伝えられたものであった。どういうことであろうか。それを聞き、動揺し始める久美子。父の死には何か謎があり、もしや父は生きているのではないかと思わせるような奇妙な出来事の発生。恋人、添田などの力を借り、少しずつ明るみになる真実。それは父の生存である。そう、野上顕一郎は生きていた。彼は、大戦末期、祖国の破滅を救うため、連合国との和平工作を企図した。そのため、彼は妻子を捨て、祖国を捨て、まさに死人となり連合国についた。しかし、帰国してるなら何故、会わない?彼はもはや野上顕一郎ではなかった。妻子、祖国を失い仏人、ヴァンネードとして生きていた。そして全てを捨て救った祖国で見たものは売国奴許すまじであり、それに関する殺人事件であった。そんなことが起きては再会どころではなかった、が周囲の努力で再会を果たすが…。古都奈良を舞台に、国際的背景をもち、戦争再考を促す巨匠の傑作。 | ||||
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推理小説なのか。謎がたくさんありすぎて急いで先を読みたくなる。人の関係に切れ目が無くて、出てくる人達すべてが無意味でないというところに感心する。 | ||||
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