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淵の王
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淵の王の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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「こうすれば怖いだろう」で構成された怪談ではなく、日常の中の違和感がじわじわと広がって怖いところにつながっていく怖い話。 え、これで終わり?となる呆気なさを感じる読後感なのに不快ではなく、これでいいのか、と納得できるのがちょっと不思議で面白いです。 視点が一人称でありながら三人称でもあって、面白い小説でした。 ホラーはあまり読まないのですが楽しく読ませていただきました。 | ||||
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舞城文学最高ーーー! 私にとって舞城王太郎の作品はジャンル文学じゃないです。 彼の作品は分類・定性できないと思います。独特的、唯一無二の文学です。 | ||||
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読んでもちょっとわからない。また読んでしまう。 | ||||
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舞城流の怪談話し三作品が収録された短編集。 どの作品も、冗長ともいえる至ってフツーの会話が延々と続き、いつの間にやら不条理な怪異の世界へ誘われる。これまた舞城王太郎初心者にはキツめの作品集だ。 第三者が見ている体で物語が進む。なので、淵の王ってのはつまり・・・え~と・・・。 「中村梧堂」(作品名は人名)は、グロテスクで、時空を超えた実に著者らしい仕上がりである。残酷さを孕んだラストで、主人公がハッピーになったと嘯くあたりは、混乱で終わってしまうか否か。 舞城王太郎ファン度を試される作品。 | ||||
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舞城王太郎の小説は『ディスコ探偵水曜日』でなんだか集大成を迎えてしまったような気になってその後の『ジョジョノベライズ』の悪評と『バイオニーグトリニティ』のイマイチはまらない感じで読まなくなってしまっていた。 しかし、『淵の王』最高傑作ではないか。 隣人のようで神のような二人称主体という文体が瑞々しくて新しい。 思えば我々読者は小説の主人公にたいして常に同様の立場―傍観者―をたもつしかないわけで、最も読者を代弁してくれる小説といえる。 だから、読みやすい。 その上でテーマは『こわい話』。 グルニエ、穴、食われる。 女の持つ恨みが呪いを引き寄せるというのは近年でもエポックな傑作ホラー『ぼぎわんがくる』との共通項だ。 時代の空気がここにある。 我々は主人公に寄り添うしかできない傍観者として、こわいものに巻き込まれていく彼らについていく。そして、こわいことがおこる。 しかし、主人公はあくまで戦うものであるのはこれまでの舞城節である。 暗くならず、でもこわい。 スキマ女という怪談があるが、スキマも含めて事物はみな淵で象られている。それを司る王に実態を食われるのが淵の王なのか。 しかし、最後の最後で淵に自ら飛び込む主人公。淵の奥で何がなされるのか。それは読んで確認されたし。 | ||||
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三本の短編からなる連作ホラー。三本あるが、三本がそう関連している訳でもなく、なんかもやっとする。 ホラーなので後味は悪いが、最後のエピソードは"ホラーなのに熱い"という、よく考えたら凄いことになっていて、やっぱ面白い。 あと、ちゃんと怖いので、ホラー好きの人もどうぞ。 | ||||
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舞城王太郎はこのところ怪談づいているのはなぜなのだろうか? 「ディスコ探偵木曜日」のような超奇想ミステリ小説はもう書かないのかな。 翻訳をやってみたり、百物語をやってみたりといろいろ試行錯誤・暗中模索している時期なのだろうか。 個人的には早いこと芥川賞を獲ってほしい作家であるが、覆面作家である以上は難しいのだろうか。 …などなど、色々と悶々としてしまった読書でありましたが、無類に面白い小説であることに変わりはありません。 ちゃんと怖いしね、マイジョウの熱さは健在だしね。守護神が語っているような二人称筆致はちょっとした発明だと 思いました。 | ||||
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やっぱり、愛と勇気だ。 舞城王太郎デビュー作『煙か土か食い物』のあまりに完璧なストレートパンチにぶっ飛ばされて以来、私はどうしてもこの作家を「あの衝撃よいま一度」という視点で読んできた気がする。それはよい読者の姿ではなかったかも知れないし、『ディスコ探偵水曜日』みたいに初期の勢いとはまったく違った超絶エンタメもしっかり楽しんではきた。 だけど。 ああ、まさか舞城王太郎に、その愛と勇気に、もう一度正面からぶっ飛ばされる日がくるだなんて。嬉しすぎる。 いや、この作品はホラーだし、とにかく恐ろしい(でも確かに初期の舞城王太郎の作品にはこの恐ろしさが横溢していた気がする)。予備知識がなかったせいもあって、夜中に読んで暗闇におののいた。 だけど、ここにはあの過剰な愛のパワーが満ち満ちている。デビュー作が拳に握り締めていた塊。その愛が、あれから無数の作品を生み出した経験を踏みしめて、いま真っ黒に塗り潰したような完全な悪意を召喚せざるを得なかった。そんな誠実な足掻きを感じる。 回帰でも惰性でもない、これが舞城王太郎だと叫べる問答無用の傑作。 | ||||
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短編集とも長編ともとれる作品 ストーリーに対する直接的な繋がりはないが 全てを読み終えた時にふわっと繋がる 不思議な読後感を味わえます 私個人の感想としてはとても楽しめた一冊。 是非読んで欲しいです。 | ||||
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久しぶりに怪談を読みました。 人間の闇の部分が見えてきます。 秋の夜長にはちょっと怖い、目眩がするような一冊です。 | ||||
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舞城王太郎のこれまでの作品の中でも三本の指に入ると思う。怖いのに感動するって何だろう。そしてやっぱり根本にあるのは愛なのだ。 | ||||
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ツイッター文学賞なんぞとったからバカにしようと思って読んだらわりあい怖くて面白かった。ただし三編入っていてあとのほうが面白くなるので、最初の一話で読むのをやめる人がいるんじゃないかと心配になった。 しかしこれが文藝雑誌に載るのはどうかと思う。普通にホラー小説誌みたいなのに載せたらいいと思うし、この作家は芥川賞候補になるが直木賞のほうじゃないか。いやこれじゃ直木賞はとれないんで山周賞、いや三島賞とってるからそれは無理かと。それにしても恋愛至上主義だなあ。 | ||||
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ホラー作品という側面より、ヒューマンストーリーとしての側面が好きになる作品。 誰でもない第三者の存在という表現が自分にとっては新しかった。そして、その第三者が好きになった。 読んだ後に余韻を残す3つのストーリー。あなたには、何が残りましたか? | ||||
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で、何が素晴らしいのかと言えば今作において、感情としての文体と二人称文体としての必然性が完全に一致していることにある。 今作の主人公は「さおり」「果歩」「護堂」、三人の男女はそれぞれ「外なる意識」によって描写されている。その「意識」は物語を「わたし」や「おれ」として語る。この違和感は村上春樹で言うところの「アフターダーク」に近いかもしれない。最初は前者の三名を見守るにすぎないが、話が進むにつれ親愛なる隣人である「アンタ」「あのコ」から――もっと進んで愛すべき相手のように捉え描写することになる。……そして3人は邪悪と対峙する。 文体としてのエモーション(感情)は黒い穴という「邪悪」を捕捉し、物語のドライブ感とともに、「視点」と「邪悪」はそれぞれ姿と表現を変えながら対立を深めつつ進んでいく。その構図はさながらバリのランダとバロンようで、いっそ神話的といってもいい。今まで舞城の一人称自己言及のくどさに食傷気味の読者は、今作の技法と表現の一致にかなり良い感触をを覚えるのではないかと思う。 そして明言こそされていないが、あまり説明されないこの「意識」達は名前のない「X」でしかない。だが後半、物語が進むにつれ、そこに当てはまるであろう3人の名前が自然と浮かび上がってくる。鶏が先か卵が先か何故そんなことが起こったのか、という点について理詰めの説明はないが、これまた舞城の凄味が理屈を飛び越えてねじ伏せてくる。 我々読者はこの親しみやすい「神様」の視点とともに、登場人物に親近感を感じ、爆笑し、恋と愛を抱き、彼らの成長を喜ぶ。この観察者「達」は読者に組してくれている。こんなにも本を読んでいて「護堂頑張れ。マジ頑張れ!」と応援したくなったのは初めてだった。このありそうでなかった手法を試し、見事にものにした舞城に拍手を送りたい。次作でも度肝を抜いてくれ! | ||||
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全部ぶち込んで、絶妙なバランスである。人は選ぶ。けれど、少なくとも僕は大好物だ。 三編から成る、優しさと哲学で包まれたホラー。勢いはあるけど、乱暴ではなく、純文学の舞城の側面が見える。 けれど、はなしの流れはホラーとSFの中間を進む。次々と物語を展開させ、その中に差し込む「ズレ」は、他では味わえない独特の迫力があり、ぞっとするものがある。 わかりやすい筋だとかはない。けれど、登場人物の人生が丁寧に描かれ、想いが鮮やかに描き出される。そんな想いが翻弄される様にいつのまにか引き込まれ、見ていて苦しい。ページをめくる手が止まらない。 そして、直接は書かれない、作品のメッセージを解き明かすのも、どこか読者参加型ミステリーじみてて面白い。 多種多様な舞城節が楽しめる本作、ぜひ一度ご賞味あれ。 | ||||
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今作も至高。 3編立てで、それぞれ結末がどんな風でも何故かとても満足してしまう不思議。 それはやっぱり、とても大事なことが正しい言葉で書かれているからじゃないかと思います。 今作はホラー要素もあり、私がそっち方面は読み慣れていないこともあり本当にゾクっとして怖いところもありました。 普段、借りるなどして読んでから買うことが多いですが今作は何故か待ちきれず買ってしまい、でも買って良かった。これは絶対どうせ買うもの。 舞城さん、小説を書く人になってくれて本当にありがとうございます。 舞城さんの小説が人生の大きな楽しみであり、10代の時に私の人格を構成した大切な要素です。 | ||||
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