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T.R.Y.
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T.R.Y.の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 21~31 2/2ページ
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権力のぶつかり合い、中国や朝鮮の人たちの反日感情、それぞれの利害関係などがうずまく中、巧みにそれを利用し、相手をだまそうとする。その駆け引きにわくわくした。だましだまされ、お互い相手の裏をかこうとする。果たして最後に笑うのは?混沌とする時代の中を駆け抜けた男たち一人一人も、魅力的に描かれている。ただ、伊沢修が生きた時代の歴史的背景をある程度理解しているかどうかで、この本の面白さの度合いが、人によって変わってくるのではないだろうか?読んでいてそう感じた。 | ||||
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明治末期の中国というあまり馴染みのない舞台設定ながら、見事に 世界に引き込まれました。 悪者(と言って差し支えないと思いますが)を詐欺にかけるという 普遍的な魅力を持つテーマを、綿密な取材と圧倒的筆力で書ききれ ば面白くないはずがありません。 キャラもそれぞれ魅力的でよく立っていますし、軍を絡めることに よって硬くなりがちな話を、適度なユーモアでほぐしているあたり も非常にうまいです。 かなり複雑なプロットを組んでいますが、このページ数でこの物語 をまとめた構成力もかなりのもので、デビュー作とはちょっと信じ られません。これなら賞を取るのも当然でしょう。実際、二段組や 上下巻の作品を読んだような満足感がありました。 若干、登場人物が多いのと中国人の人名を憶えにくい(これはやむ 無し)という難を感じましたが、それを差し引いてもかなりの秀作 でした。 ちなみに、当初のタイトルは「化して荒波」だったそうですが、 読み終わってみれば、どちらもしっくりこない気が少しだけ。。。 | ||||
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辛亥革命に協力した一人の日本人詐欺師の物語。 最後のどんでん返し連続は評価が分かれそうだが、テンポの良い物語、詐欺を行う上での駆け引きの生々しさ、登場人物のそれぞれの思惑、刺客とのアクションシーン・・・などなどすべてのエンタテインメント性を兼ねそろえている。 この作品を手に取ったのが最近で、映画なども一切見ていないが、この作品を読むだけでも十分に映像が浮かんでくる。 | ||||
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歴史の背景を交えながら、めまぐるしく変わる人間関係。圧倒的な筆力です。 一気読みをしてしまいました。 中だるみもなく、激動の時代を書き上げてます。 是非お勧めします。 | ||||
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ドラマ化やアニメ化を前提に書いたかのようなテンポの良さと豊富なユーモア。 中弛みが無いうえにラスト近くの見せ場の演出も上手で、満足度の高い作品だった。 適度に複雑な背後関係、敵役の描き方、結末までの怒涛の展開など、そつ無く上手い!! | ||||
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文庫で出ていたので、読んでみました。 動機がミーハーですけど、横溝正史賞受賞作品です。 織田裕二を頭に描きながら、伊沢修という詐欺師を追いかけました。 武丸の笑いを誘うリアクションが、好きです。(犬ですけど) 読み応えのある散文だと思います。 星を1つ減らしたのは、最後のドンデン返しの繰り返しです。 読む人によって、分かれる評価でしょう。 主な登場人物~何度も確認しながら読むと面白いのですが・・・ お薦めできる作品です! | ||||
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ユーモラスな表現と、伊沢の言動に一気にストーリーに引き込まれる。 日本と中国を舞台に、彼らが繰り広げるもの物語に、他に無い大きさを感じた。 | ||||
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限りなく真実のようで 限りなくうそくさい。 開戦前夜の日本、中国を舞台に 詐欺師伊沢が活躍する。 人間くさい詐欺師伊沢。 彼の周りにはまた、人間味あふれる仲間が多く現れる。 そしてこれでもかと言うように何度も訪れるどんでん返し。 これだけの伏線をクライマックスでうまく収斂させる 井上尚登の筆力はなかなかのものであろう。 エンターテイメントとしての小説を求める人には おすすめだ。 織田裕二主演の映画をぜひ見てみたいものである。 | ||||
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詐欺といえば、名作ジョージロイヒル監督の『スティング』でしょう。これ以上の傑作はない。詐欺をモチーフにした作品の面白さは、なんといっても、繰り返し観客がだまされ、どんでん返しが起こることでしょう。一つの結末というのが、つねにペテンの仕掛けに過ぎないという、驚き。そういう意味では、この作品は、なかなかのもんだと思います。 それと同時に、1900年代のカオス的な東アジアの状況を、うまくエンターテイメントに仕上げているのが、秀逸です。戦前の東アジアを扱ったエンターテイメントというのは、少なく僕がすぐ思いつくのだと安彦良和さんの『王道の狗』『虹色のトロツキー』や司馬遼太郎『坂の上の雲』、江川達也『日露戦争物語』や栗本薫『大道寺一族の滅亡』など、こういった時代背景を押さえていると、ますますおもしろく読めると思います。 この時代は、善悪をぬきに考えると、ものすごくダイナミックで複雑で切実で壮大な背景を持っています。日本の教育は近代史が欠落しているけれど、こういう風にエンターテイメントで表現してくれると、すごく分かりやすいです。 それにしても、司馬遼太郎の坂の上の雲に出てきた対ロシア諜報活動をした明石大佐のキャラが、底知れなくて、めちゃめちゃ興奮しました。 星が一つ足りないのは、伊沢修というキャラの腰の据わらなさが、ちょっと薄っぺらい気がしたからです。彼は、詐欺で人をだますのを最も欲するのか、それとも革命に殉じたいのか、それがもっとはっきりしていれば、感情移入しやすかった気がします。 | ||||
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織田裕二主演で映画化され、来年1月に公開予定の原作。 読んでいて、心地よいスピード感を味わうことができる。 世界を相手に活躍する詐欺師、伊沢修をはじめとした登場人物のキャラクターもわかり易くていい。 これからこの本(文庫本)を読む人へのアドバイスとしては、 くれぐれも読む前に解説を読まないように、ということだろうか。 解説は映画監督の崔洋一氏によるものだが、作品に感情移入し過ぎたのか、 いささかネタバレが多すぎる。 崔氏にそうさせてしまうほど、この作品のエンターテイメント性が高かったということなのだろう。 | ||||
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日本、ロシア、ヨーロッパ、中国を舞台に活躍した詐欺師伊沢修の冒険物語である。 詐欺の手口はなかなか読ませる。しかし、この作品で中心となる詐欺はもっと奥行きをもって語られる。この詐欺が成立するためには大きな時代的背景が必要だった。第一次世界大戦が終わり、第二次世界大戦が始まろうとする時期がこの詐欺を可能にした。その当時の日本陸軍内部の権力闘争を利用し、さらにその背後にある日本の政治指導者の思惑を活用する。政治家は中国を食い物にしようとする国際政治に関わらざるをえないのだ。満州の独立を援助して、中国に日本の利権を確保しようとする明石一派が、大陸進出に消極的な長老山県と敵対している。明石はロシア革命を画策して日露戦争を有利にしようとした部隊の指導者と!して実績をもっている。中国革命を実現しようとするグループの武器調達を持ちかけて、陸軍の次期大臣候補東を詐欺にかける。明石一派は、東を罠に嵌めることで、大陸進出消極論を唱える陸軍主流派の力を削ごうとする。伊沢はその明石の戦略の中で、しかもその明石の戦略を知らないまま東を詐欺に掛けることに成功する。 さらにこの物語を面白くさせたポイントに、その詐欺の過程にさまざまな不確定要因を巡らすというテクニックをあげなければならない。伊沢を付け狙う殺し屋、伊沢の獲得したものを横取りしようとするヤクザ、伊沢を泳がせてなんらか甘い汁にあずかろうとする刑事、彼等が物語を複雑にし、サスペンスを生み出す。さらに彼等全体をめぐるさまざまな女達、例えば殺し屋を愛したさよこ、伊沢達の活動拠点を提供する芸者の置屋の女主人喜春、明石一派の協力者アイリーンなどがこの物語に奥行きを持たせる。誰もが魅力的な女達である。一人一人がそれぞれ主人公になっても十分面白い物語になる。 | ||||
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