■スポンサードリンク
オズワルド叔父さん
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
オズワルド叔父さんの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ロアルド・ダールの『オズワルド叔父さん』(原題:My Uncle Oswald)を読むことにした。 ダール63歳の1979年に刊行された本である。 今でこそその筋のお薬もありますが、当時まだこの薬は世に出ていなかったから、このテーマの物語も読者は面白く読んだかも知れない。 が、本書の前知識などなく読み始めた評者はダールの作品らしくない内容なので違和感を覚えてしまった。 田村隆一氏の訳がこなれていてテーマの奇抜さをいやらしくなく読ませてくれたのが救いだった。 ダールも63歳を迎えポテンシャルも下降気味だと思うと物語のなかに自分自身の願望を織り込んでいたのかしらと思って読んでしまった。 主人公のオズワルドがいいように利用した可愛いヤズミンとウォレスリー先生に最後に裏切られるところで「ざま~見ろ」と思えてしまった。 したたかなオズワルドが捲土重来でスーダンへ行きプリスター・ビートルの量産体制を整えるところで「めげない男」を主人公にしたのがダールらしいと思えるエンディングだった。 ウォレスリー夫妻が大富豪になってコート・ダジュールに邸宅を構え豪華なヨットを購入し、そのヨットにスペルマ号と命名したのには笑えてしまった。 大人のお伽話として読めばそれなりに楽しめるかも知れないが、評者の好むような内容でなかったのでダールの作品のなかでは出来の良くない作品だと思いながら読了した。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
Very interesting book | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
◎諷刺とブラックユーモア ロアルド・ダールは児童文学作家であり、探偵小説短編の名手です。これがダールを語るときの、一般的な冠だと思います。私は代表作『チョコレート工場の秘密』をはじめ、たくさんのダール作品を「ロアルド・ダール・コレクション」(評論社)で読んでいます。このシリーズは児童書のコーナに置かれているので、あまり見かけることはないと思います。全20巻+別巻2巻が勢ぞろいしています。 本シリーズは、きれいに書棚にならべてありました。しかし小学校高学年になる孫が、おもしろいと持ち去り歯抜け状態になっています。ダールについて翻訳者が書いている文章があります。 ――空想の作品が現実の観察に裏打ちされている。それが諷刺というブラックユーモアというか、そこが面白い。(柳瀬尚紀、訳者あとがき『チョコレート工場の秘密』より) 柳瀬尚紀が書いているように、ダール作品は豊富な体験と観察により堅牢なものになっています。ダールは第2次世界大戦で、イギリス空軍のパイロットとして従軍しています。その体験を書いたのが、1946年のデビュー作『飛行士たちの話』(ハヤカワ・ミステリー文庫、永井淳訳)となります。ダールはその後、大人向けの短編としては『あなたに似た人』(上下巻、ハヤカワ文庫、田口俊樹訳)や『キス・キス』(ハヤカワ文庫、田口俊樹訳)などを発表しています。 特に『あなたに似た人』に所収されている「南から来た男」は世界中で絶賛されています。また『キス・キス』に所収されている「女主人」もアメリカの探険小説クラブ短編賞を受賞しています。 児童書にかぎらず、ダール作品には諷刺とブラックユーモアに満ち満ちています。しかし私にとっては、大人向けに書かれた唯一の長編『オズワルド叔父さん』(新潮文庫、田村隆一訳)を、推薦させていただくことにします。 ◎誇大妄想的事業へ進む 『オズワルド叔父さん』は、奇想天外のホラ話です。それもとんでもない下ネタの話です。オズワルド叔父さんは若いころ、巨万の富を築きました。若きオズワルドはある日、スーダン産甲虫(ブリスター・ビートル)から、強力な媚薬を製造できることを知ります。彼はスーダンに出向き、ブリスター・ビートルを入手します。 実際に試してみると、その効果は絶大でした。彼はブリスター・ビートルの粉末をピルとして製造します。今度はそれをいかに販売するかを考えます。オズワルドはイギリス大使館が主催する各国の大使が集まるパーティにもぐりこみます。そこで各国の大使に、試供品としてビルを配布します。 翌日大使の使いの者たちが、大金をもって押し寄せてきます。ピルは飛ぶように売れました。オズワルドはたちまち大金持ちになります。ピルを服用した男性は、いかにたくましい状態になるのか、ここではあえて触れません。とにかくロアルド・ダールは、たくさんの比喩を用いてそれを説明してくれます。 大金を手にしたオズワルドの事業は、第2の段階に入ります。17歳のオズワルドは、指導教官・ウォレスリーの精子凍結技術を入手しようと企てます。老いたウォレスリーは、容易にオズワルドの企てに加担しようとはしません。そこでオズワルドは、自分があなたの精子を獲得したら、協力してもらうという約束を結びます。ウォレスリーは、もちろんそんな約束が成就するはずはないと確信しています。 オズワルドはヤズミンという、誰もが魅せられる美人の学生に支援を依頼します。ヤズミンはチョコレートにピルを含ませ、ウォレスリーにあたえます。オズワルドはその様子を、こっそりと観察します。 ――九分! まさにその瞬間、チョークを持って黒板にむかっていた手が、突然、書くのをやめた。A・R・ウォレスリーのからだは硬直した。/「ウォレスリー先生」ヤズミンは間髪を入れず、明るい調子で言った、「サインをいただけませんか?」(中略)つのりくる欲情に心は千々に乱れながら、A・R・ウォレスリーは署名した。(本文P152-153) その後ドタンバタンと、醜悪な場面がつづきます。こうしてオズワルドは精子凍結技術を手にいれます。ここからは第3の段階となります。著名人の精子を集めて、有能な遺伝子をほしがっている裕福な貴婦人にあたえようと考えるのです。集める役目はヤズミンが担います。ヨーロッパ主要国の国王、モネ、ルノアール、フロイト、ブルースト、アインシュタイン、ストラヴィンスキー、バーナード・ショーなどが、世界著名人事典のごとく登場します。それぞれが媚薬を飲まされ、ヤズミンの餌食となってしまいます。 事業は大成功でした。ところがとんでもない結末を迎えることになります。その様子を書いてみたいのですが、ぐっと我慢して嚥下することにしました。決してエロくない、少しだけお下劣なホラ話をどうかご堪能ください。本書を読んでから、ぜひ『あなたに似た人』『キス・キス』『チョコレート工場の秘密』などを、味わっていただきたいと思います。 ロアルド・ダール作品は、茶色の苦みのあるチョコレートです。必ず大笑いされることでしょう。癖になりますので服用注意ですぞ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
おもしろく、一気に読んでしまいました。ダールの本の中ではライトでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
こんな叔父さんを身内にもっていたら本当にパーティーのときに話題に事欠かないよな~と思う。 ロアルド・ダールの短編集に度々登場するオズワルド叔父さん、特にこの作品ではどうやって叔父さんが財を成したかを語ってくれる。 他の叔父さんのエピソード通り、この作品でも大人のネタで楽しませてくれる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
性にまつわる空想物語。この作者の怪奇的要素はこの本にはない。まあ、一種のお笑い話か。ただ、作中に日本人をばかにした人物描写と「ジャップ」表記があるのは気に食わない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まさに馬鹿話。オズワルドという叔父さんの回顧録なのだが、話の内容が、ある驚異的な媚薬(バイアグラみたいなもの)を見つけた男が、それを巧みな弁舌で世界各国に売りつけ、莫大な富を築く。男はそれに満足せず、その媚薬を使ってピカソ、フロイトなどの天才の精液を奪取し、売りさばこうと計画、破天荒な行動に出る・・・。 くだらないことを大真面目に書くこの才能は貴重です。 日本なら、中島らもあたりの得意技でしょうか。内容をまともに書くとちょっと下品すぎるが、小説として変に品がある語り口なのも面白い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ロアルド・ダールの童話、「チョコレート工場の秘密」、「ガラスのエレベーター、宇宙へ飛び出す」の後にこの本を読みました。前述の二冊同様、読者を惹きつけるテーマ選びがうまい。あらすじが何となくルパン三世みたいな展開だと思った。最後のオチはまるっきし峰不二子じゃん(笑)しかし、ひたすら精子を盗んでいるだけという印象もあって、途中で飽きそうになった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ケンブリッヂの奨学生オズワルド君は最初、カブトムシからつくった強力な媚薬で大儲けします。(脇役で奇妙な金持ち日本人ミスタ・ミツオカも出てきていい味出しています。) 第二の大儲け手段として、オズワルドは、同じくケンブリッヂ奨学生の美女ヤズミン、そして自分の指導教官で貧乏なウォレスリー博士と組み、媚薬を利用し有名人の精子をゲットして冷凍保存の上、将来販売するという計画に着手しはじめます。 ヤズミンがおとりになって、スペイン国王、ルノワール、モネ、ストラヴィンスキー、ピカソ、マチス、プルースト、プッチーニ、フロイト、バーナード・ショー、その他の著名人に媚薬を盛って精液詐取(?)します。ホモ相手には、リッツホテルのバナナで男装したりなど、精液ゲットのための工作や、ゲットした精液の批評も笑えます。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!