■スポンサードリンク
人生教習所
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
人生教習所の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.87pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 21~31 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
下巻では「人生再生セミナー」の舞台となった小笠原諸島に住む新旧の島民の話が前面に出てくる。取材に忠実というか、作者がどうしても書きたかった小笠原諸島の今昔についての説明が多くを占める半面、上巻で繰り返し出てきたセミナー参加の3〜4人の話は少し後景に引き始める。 とはいえ、ストーリーテリングは依然快調で、読ませる力は十分。セミナー終了半年後の3〜4人の「その後」についてはやや予定調和の気配もうかがえたものの、話自体は人間肯定的で後味よく、上巻と同様、☆四つを進呈する次第。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者の作品は10冊近く読んでいるが、今回のは『君たちに明日はない』シリーズと似た風合いの長編。タイトルはヤボったく、設定も多少「大人のメルヘン」っぽいものの、総じて読みやすく、無理なく物語の中に入っていけた。 小笠原諸島での「人生再生セミナー」に参加した男女3人を軸に、テンポよく話は進む。語り手が順に変わっていくという、普通なら読み手を戸惑わせかねない手法もそれなりに成功しており、現地のことを相当に取材したとおぼしき、具体的で明快な書きぶりにも感心した。さて、下巻の展開やいかに。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『ワイルドソウル』や『ヒートアイランド』シリーズのような、 ヒリヒリとした疾走感はありませんが、その代わり、 読む人の人生観を見つめ直させる様なじんわりとした読後感があります。 舞台は、小笠原諸島です。 ある団体が開く「人間再生セミナー」に数十人が参加します。 その中の数人にフォーカスを絞った群像劇が展開していきます。 この「数人」のうちに『ゆりかごで眠れ』の竹崎や、 『ギャングスターレッスン』の柏木が登場するので、 垣根ファンにはたまらないところでしょう。 物語の核をなすセミナーも突飛なものではありません。 ページのボリュームにしては淡々とした展開とも思いましたが、 ラストの「人生が周りの人々の人生の断片から成り立っている」 という言葉が、そのボリュームを読了したあとにじわりと染み入りました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本当はヒートアイランドを図書で借りる予定だったのですが、貸し出し中だったため「人生教習所」を読んだところ予想以上に良い内容で自分の手元に置いておきたくアマゾンで購入致しました。 自分とは何か?人生とは? と自己概念に悩む3人の登場人物が、小笠原でゆっくりと自己内省し成長していく内容です。 リアルに心理描写が描かれており、飽きること無く読み進めることができます。 前半に書かれている確率論や認知論は、学校で習いたかったなと感じるほど、私自身考えさせられた内容でした。 他の皆さんのレビューにも書かれてますが、本当に周りの友人に勧めたい本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
元ヤクザ、ひきこもりの東大生、超デブの女性フリーライター、定年退職した老人の参加で繰り広げられる、小笠原諸島の人生教習所。 一次プログラムでの人生の三つの講義、確率論、出発点→経由点→終着点、認知(心持ち<自意識)の講義がすごく面白くて、私も受けてみたいな、と思いました! 特に大きな事件もなく、飄々とプログラムをこなしていくうちに、何となく変わっていく人たちの姿が、却ってリアリティがある感じがして好感がもてました。 小笠原諸島の魅力も複雑な歴史もよくわかります!前半はかなり面白いのですが、後半は小笠原の歴史がちょっと長いかも。。もうちょっと全体的に短くまとめても良かったと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
先日海底噴火で海面の色が変わっていると報道があった硫黄島を含む東京都に属する群島、小笠原諸島。ここは最初の入植者は欧米人であり、日本国領となった1876年に日本人が入植。戦後は奄美や沖縄と同じく米国領だった時期を経て1968年に返還。独特の歴史を持つこの島で人生の落ちこぼれ達が社会への再起をかけて「人生再生セミナー 小笠原塾」に“最終合格者には就職支援”の文字に惹かれ、やって来た。東大生の引きこもり太郎(19歳)親に泣きつかれ嫌々参加、やくざ稼業にうんざりしてブラジルまで逃げたものの馴染めず帰国した背中に見事な彫り物を持つ柏木(38歳)、子供の頃のいじめから人が怖いと思うようになり社会に溶け込めないでいる由香(29歳)、サラーリマンを定年後、コロンビアで過ごし帰国後応募の竹崎(6?歳)。戦前戦後を生きた島民の方々から話を聞きフィールドワークで島内巡りをしていく内に彼らの中で何かが変わっていく。同窓会で彼らが再会する時・・・。『自分の人生が、周りにいる人々の人生の断片で成り立っているということ』は自分もまた誰かの人生の一片になっていると思うとしっかり生きなくてはと励まされます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小説、ではありません。まさに、人生教習所。4人の主要登場人物の中で、細かい感情の動きまで描かれているのはその3人ですが、3人が当初の心の在り方から、中間試験に向かうまでの講義や他の人たちとの触れ合いによって成長する過程はまさに自分が成長していくかのようです。 後半は、確かに小笠原の地理(観光)と歴史が主体となっており、中間試験までの講義との関連性、発展性はあまり見出すことができませんでした。ただ、その点を除くと内容は興味深いものでした。 残念なのは、著者の本は全部読んでいるのに、竹崎や柏木が思い出せず、こちらのレビューを見て気がついた事。といっても、柏木の方はどんな登場人物だったかまでははっきり思い出せないこと。覚えていたら一層面白かったはずだと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者の南米をはじめとした諸外国の生活者と歴史にフォーカスした作品が好きだ。この作品もアプローチとしてはそのような作品と同じ気がするが、日本の今に直結する舞台で展開するストーリーは、他人事ではない何かを感じた。おそらく、日本の現在社会病も上手く盛り込まれ、それに対して著者の考えも垣間見える作品であった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ゆりかごで眠れ」のユルキャラ竹崎のじいさんと「ギャングスターレッスン」でアキ達にいいようにやられて色々あってブラジルにトンズラするヤクザの柏木を覚えてますか? 柏木に関しては「ギャングスターレッスン」の最後にスピンオフ短編にされるぐらい、たぶん著者自身がこのキャラ好きなんでしょうね。 そんなわけでのっけから超楽しみです。 ただ、垣根涼介の作品に出てくる丁寧な話し方のキャラはちょいちょい気になる喋り方をするので「ん?」と思います。 その辺は気にしないことが大人の対応ですよね、気にしないようにしましょう。 小笠原諸島のよさが存分に堪能できます。 著者自身言っていますが、行ったところしか書けないし書かない。 小説の構想が先か後かは著者本人に聞いてみないとわかりませんが、小笠原に行ったのが先で、すぐに構想が浮かんだのではないかと思います。 正直、特に何か大きな問題があったり、成長の必然性みたいなものを描いていないので、小説としてどうなのかというのもあります。が、案外そんなもんなんじゃないの?と。こんな名前のセミナーに来るってことはみんな自身の成長を望んでるわけですからね。 誰かが突然成長したり、いきなり達観した考えを持つというようなことはありません。 が、ある時「あれっ?」と、なんだか前よりいいぞ俺。ていうのが成長なんじゃないか? つまり、なんだかすごく自然に登場人物達気付きを得ていくというお話。 著者の考えをとにかく盛り込もうとしたような内容ですが、しっかり楽しめますよ。 竹崎のじいさんとヤクザ柏木を覚えている人は特に、絶対楽しめます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私が一番好きなのは、「ギャングスター・レッスン」です。 その登場人物の、思いがけない後日譚を読めただけで、ありがたいです。 ところどころ、他の作品も、かすめているようですね。 それにしても、明日のことなど考えなかった、あの柏木が、こうなるのか・・・。 デビューから全作品を読んでいますが、作者の成長に、自分がどこまでついて行けるのか、少し心配になってきました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
垣根が書いた作品はこれまで全て読んでいますが、悪くはない出来だと思います。 ヒートアイランドシリーズにも、君たちに明日はないシリーズにもしばしば見られる垣根の人や人生に対する冷静な考え方に焦点を置いた作品だと思います。 (システムの人間だとか、思考する人を辞めた人や社会への考え方など) それらを昨今話題となっている小笠原のユニークさを舞台にして描くことで、作品に奥行きを出させています。 ただし、小笠原のユニークさを反映させたいがためか、作品の後半はやや消化不良な印象を受けます。 とは言え読後、自分について考えさせられる内容であり、個人的には周りに読書を進めてみたい内容です。 ギャングスターレッスンで登場したヤクザの柏木が久々の登場。今後のヒートアイランドシリーズでの登場を期待せずにいられません。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!