■スポンサードリンク
五十坂家の百年
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
五十坂家の百年の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この小説の主人公は瑠璃子ですね。他の全ての登場人物を凌駕しています。 お話はノスタルジックで戦前と戦後の激動期の田舎の旧家の様子がよく描かれていて 時代考証もよかったと思います。 個人的には、姉妹が少し多過ぎた。 私は蝶子と蘭子の双子だけでよかったんじゃないかと。 それと父の光太と母の弥生だけで十分面白かった。それだけで親子三代か四代の話で十分もったんじゃないかと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
斉木香津氏の作品は初めてでしたが文句なしの星5つでした。読み始めたら止まらなくなってしまい、数時間で一気読みしてしまいました。 序章で、人々が4つの白骨遺体を掘り出すところから始まります。4人は殺されたことが暗示されるのですが、そこへ至る真相がだんだんと明らかになっていきます。 最初に五十坂家の家系図が示されますが、普通、こういう家系図は右が年上、つまり長男長女で、左にいくに従って年が下がると思うのですが、ここではそれが逆になっているため、それがわかるまで戸惑いました。複雑な人間関係があるので、この家系図は必須です。何度も見返して読むことになると思います。 物語は、一族の人々それぞれの視点から交互に語られます。一番若い平成生まれの由羽から見た現在の状況、時代を遡って明治の頃、無慈悲な高利貸で”人喰い”と呼ばれて、憎まれ恐れられた一番最初のご先祖が、いかにしてりっぱな武士屋敷を手に入れ、武士の家名である”五十坂”を手に入れたか、そして大正生まれの公一郎が当主の時、すでに土地家屋を切り売りして没落しつつあったこと、当主の器ではなかった公一郎と怠惰で冷酷なその妹、璃理子のエピソード、璃理子の同級生で公一郎の妻となった弥生の心情も描かれます。 その4人の娘たちのうち2人、蘭子と蝶子の双子の姉妹は70歳代になった平成の時代に、りっぱな家屋を市に寄付すると決めて、高台から手を取り合って飛び降り自殺してしまいます。そのことがきっかけで、それまで一族の中で暗黙の了解になっていたものの誰も大きな声で語ろうとはしなかった秘密があばかれていくことになります。 ミステリとしても、一族の悲惨な歴史としても読め、文学とも言える風格があります。最後、一見普通に見えていた人物の内に、異常さがちらりと見えた時には背筋が寒くなりました。どこか普通ではない子孫が次々と現れるのはそういう血筋なのか?本の帯の言葉通り”隠微で切ない”見事なお話になっています。また、これだけ暗く陰惨な内容ながら、ラストはあとに残った子孫たちのやっと家から解き放たれた自由さが感じられ、決して後味は悪くありません。不思議な印象を残す物語でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内容はおどろおどろしさもあるが、そこに至るまでの人間の弱さ、もがきを巧く表現している。 一気読み必至! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
時代が行ったり来たりしますが、特にこんがらがることもありません。 ただ登場人物が多いので「ええと、この二葉って誰だっけ?」と、毎回最初の方にある家系図を見て確認していました。 しかし、登場人物の個性がとてもしっかりしているので、読み進めてその人物が掴めれば、「これ誰だっけ?」とこんがらがることもなく。 「伏線だろうな」「フラグだろうな」と気づいてしまうのが残念でしたが、構成力やストーリーは十分読んで損はありません。 ただ、ラストの由羽の殺人計画の件は必要かな?と少々疑問。 それまでの殺人は、もちろん殺人は絶対に駄目ですが、まだ動機に同情の余地があるというか。 今だったら警察なり行政に相談しなよ、と思うようなことでも、戦時中・戦後は難しかったでしょうし、と。 最初に殺人を犯すのは主人公・由羽の曾祖母にあたる弥生ですが、何と弥生は4人も殺しているんですね。。 最初の被害者は、女学生時代の同級生で一番親しい友人、そして義理の妹となった璃理子。 璃理子に関しては、心底嫌な人間で1つも長所がないような女性で、弥生の立場だったらそりゃ不満も尽きないでしょう。 女学生時代からずっと召使いのように荷物持ちをさせられ、結婚して瑠理子と義理の姉妹になってからは更にエスカレート。 いつまでも少女でいたいと願う璃理子は嫁ごうとせず、家事も仕事もせず、ただ浪費しながら引きこもり。 「女学生時代、手の病気だからと毎日鞄を持たされていたけど、あれも嘘だったんだ」と弥生はすぐに気づいた事でしょう。 夫は家のことは何もせず、義父は寝たきり、義母は認知症。 でも璃理子は相変わらず自分以外に関わろうとしない。 正直今の時代なら、璃理子を叩き出すなり、自分達夫婦と子供達だけ引っ越すなり出来るのでしょうが、戦後はまず無理だったんでしょうね。 次の被害者は、璃理子の兄で、弥生が女学生時代にずっと憧れていた公一郎。 動機は「無理矢理抱かれたことに対する屈辱」らしいですが。 そもそも一番最初に弥生と公一郎が体の関係を持つことになったのは、璃理子の策略なんですよね。 二人とも騙されて、弥生はそんなつもりはなく、公一郎は弥生も承知の上だと思い込まされたいた。 しかしそのことを弥生は知らず、最初から「憧れたいた公一郎に無理矢理手篭めにされ、身籠った」という認識なんですよね。 だから「憧れ→憎しみ・軽蔑」になってしまっている。 まあ公一郎にも大きな過失と責任はある訳ですが。 次は寝たきりの義父と認知症の義母。 璃理子、公一郎を殺した弥生にとって、守らなければならないのは我が子だけになった訳ですね。 義両親はただ負担にしかならなくなった。 義両親の世話に関しては愚痴を吐かなかった弥生ですが、そもそも璃理子があそこまで最低の人間になったのはこの両親のせい。 ひたすら甘やかし、結婚してからも「璃理子に辛く当たらないでちょうだい。私がやるから」と庇い続けた義母。 そこに対する憎しみや侮蔑はあったでしょう。 母親が殺人を繰り返す場面を見て育った娘達。 挙句に口減らしのために、末の聡子を殺そうとした弥生。 そりゃねじ曲がった、歪んだ性格になりますよ。 双子の蘭子と蝶子も殺人を犯してしまいます。 しかしそこにも、まだ同情の余地はある。 しかし主人公・由羽に関しては、あんな下らない理由で親を殺そうと計画。 サイコパスですか?と。 小学校の頃から学校にも行かず、間もなく未成年を終えようとしている。 それ以外の普段の行動では割と常識人ぽかったので、余計に違和感。 「殺人の連鎖」を表したかったにしても、うーん・・・。 でも全体的に面白く、あっという間に読みました。 他の作品は読んだことがない作家さんですが、チェックしてみようと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
思っていたよりも、はるかに面白かった。謎解きとしては、ちょっと弱いかなと思われるが、登場人物たちに人物像がくっきりして、分かりやすい。 旧家が舞台なので、横溝正史のような作品と予想する人もいるだろうけど、あれほどの、おどろおどろしさはない。 ただし、明治維新前に「人喰い」が養子に入っているのだが、そこが「篠田市の商店街のはずれで小さな質屋」とあるのは、変だ。篠田「市」にしても「商店街」にしても、言葉としては維新後ではないのか。もう少し厳密な書き方をして欲しい(例えば、「現在の」という言葉を補えばいい)。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初に4つの死体が出てきますので、どうなるのかはわかっていますが、誰がどういう経緯で死んだのかを含め、たくさんいる一族の登場人物ごとのお話が興味深く、面白かったです。「人喰い」の先祖をもつ、立派なお屋敷に住む一族。まずその設定にとてもワクワクしますし、その期待にちゃんと応えてくれるあらすじもよかったです。比較的ページ数も少なく、一気読みでしたが、壮大な物語を読んだような満足感がありました。 ただ、最後の終わり方はどうでしょう…。個人的な好みの問題かもしれませんが、ただの一族のおぞましい歴史物語であってほしかったです。最後の捻りは余計な付け加えに思えて仕方ありません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
金田一耕助を登場させたら、横溝正史シリーズ?にもなりそうな印象でした。 ちょっと茶化したようなレビューですが、一気読み、なかなか面白いミステリーでしたよ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
斉木香津さんの本は四冊目になりますが、これは一気読みでした。 読み終わったのが夜中だったからか、かなり怖かったです。でも面白かったので、登場人物整理(途中よく分からなくなった)をしながら再読します! | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!